レビューメディア「ジグソー」

ハードウエアレベルで仮想化を支援する技術の総称

 「インテル® バーチャライゼーション・テクノロジー」とは!?

・CPU,チップセット,BIOS,すべてのレベルで仮想化をハードウエアとして支援
・複数のOSを独立したパーテーションで実行
・ハードウエアで仮想化を支援し,セキュリティーとパフォーマンスに貢献

 

バーチャライゼーション・テクノロジーとは,仮想化技術のことを指し,インテル バーチャライゼーション・テクノロジー は,ハードウエアレベルで仮想化を支援する技術の総称です.
ここで,仮想化を支援する技術と書きましたが,インテル バーチャライゼーション・テクノロジー自体で仮想化は実現できません.あくまでも,仮想化を支援するハードウエア技術であり,仮想化の実現にはソフトウエアが必要です.
仮想化マシンソフトウエアの代表的なものに,Windows7Proで使われたXPモード(正式には,Virtual PC)や,Virtual Box,VMware Playerなどがあります.
これらの仮想化マシンソフトウエアは,ホストOSと仮想OS間で,仮想マシンモニタ(VMM)として機能します.このVMMの処理をハードウエアレベルで支援するのがバーチャライぜーションテクノロジーとなります.

 

具体的には,VT-xとVT-dという形で,実現されています.

 

VT-x とは
VT-x は,CPUに実装されたバーチャライゼーション テクノロジーになります.
CPUは,その性格上,実行するレベルを4段階(リング0,1,2,3)に分けています.リング0が一番特権が高い設定となり,システムに影響を与える命令やデータへのアクセスが可能です.
ホストOSも仮想OSも仮想OSを動かすVMMも,必然的にリング0が必要となりますが,同一レベルのリング0なので,必然的に競合が起こります.この競合は,VMMのソフトウエアで処理され,回避されているのですが,パフォーマンスの低下を招いてしまっています.
そこで,このVMM処理に適した特殊なモードを用意し,ソフトウエアではなく,ハードウエア上で複雑な処理を行うようにしていました.これが,VT-xとなります.
このため,パフォーマンスが向上するだけでなく,リング0の命令に対する動作を,ハードウエアで管理するため,ソフトウエアによる攻撃から,よりセキュアになりました.

 

VT-d(Intel Virtualization Technology for Directed I/O) とは
VT-d は,I/Oまわりに実装されたバーチャライゼーション テクノロジーになります.
ハードウエアリソースは,仮想マシン同士が共有する必要があります.このため,VMMでは特殊なドライバーを用意して,仮想マシンや仮想OSからハードウエアを使えるようにしていました.
これらの処理をハードウエア処理で代替えする技術が,VT-dとなります.
このVT-dを介在させることで,仮想OS上のアプリケーションは,各I/Oハードウエアデバイスに,OS標準のドライバーから直接アクセスできるようになり,パフォーマンスの向上に貢献しています.
また,VMMのソフトウエア処理が介在しないため,信頼性も向上しています.

 

 

 

 

 

 

 

 

更新: 2013/05/03
j5 create(ジェイファイブ・クリエイト)の魅力や特長 PREMIUM REVIEW

仮想マシンであることを感じさせないパフォーマンスを引き出す Intel VT

 

 

 

 

 

仮想化が一般的になったのは,Windows7に搭載されたXP Modeではないでしょうか.正式には,Windows7上で,Virtual PC(VMM)が動き,その中でWindows XPが動作していました.


しかし,このXP Modeは,Windows XPからの移行を前提としていたものの,パフォーマンスが悪く,利用は一部のアプリケーションに限られていました.

その仮想化の支援する技術が,VTになるのですが,どれくらい効果があるのかを,検証していきます.

 

まず,Windows7のXP Modeをみていきます.
Z77とi7-3770Kと言う組み合わせでも,VTは有効です.PCのスペックはこんな感じです,

Virtual PCは,仮想マシンへの割り当てが,1CPUしか設定できません.
XP Modeは,1CPU,512MBで,ホストOSと同一ドライブに作成しています.

CINEBENCH R11.5のCPUスコアを比較することにしました.
ホストOS(Windows7)上と,ゲストOS(WindowsXP)上で,同時にCINEBENCHを走らせました.

 

 

ホストマシン(Windows7) : CPUスコア 1.65pts
ゲストマシン(WindowsXP): CPUスコア 1.36pts(82%

 

パフォーマンスの差は明確で,軽めのアプリケーションでの利用にとどまる理由がここにあります.

 

次に,I/O周りを確認します.
Crystal Disk Markで,SSD(Vertex4)のパフォーマンスを比較します.

 

 

  

ゲストOS側では,SSDの性能の半分も活かせていないことがわかります.Readで20%,Writeで40%くらいの性能です.特にランダム性能が落ちています.
ソフトウエア処理の限界がここにはっきりと現れています.

 

 

次に,Windows8のHyper-Vをみてみます.
vProプラットホームに準拠したQ77とi7-3770の組み合わせです.PCのスペックはこんな感じです.

Hyper-Vでは,仮想マシンへのCPU割り当てが変更できますが,まずは1CPUとしています.
ゲストOSは,Windows7Pro(64)とし,メモリーは2GB,HDDは40GBを割り当てました.なお,仮想マシン(Hyper-V)用には,OSとは別SSDを使います.

 

まず,CINEBENCH R11.5のCPUスコアを比較します.
ホストOS(Windows8)上と,ゲストOS(Windows7)上で,同時にCINEBENCHを走らせました.

 

 

 

 

ホストマシン(Windows8) : CPUスコア 1.45pts 
ゲストマシン(Windows7): CPUスコア 1.41pts (97%

 

先程のXP Modeとは違い,実マシンも仮想マシンもCPUパフォーマンスに大きな差がありません.

 

次に,仮想マシンを2台同時実行させてみます.各仮想マシンには2CPUずつ割り当てています.

 

 

 

 

仮想マシン1(win7) : 2.95/1.54pts

仮想マシン2(win7) : 2.95/1.54pts (100%/100%)  


インテル バーチャライゼーション・テクノロジーのVT-x効果で,仮想マシンとは意識せずに使うことが出来ます.また,2台の仮想マシンは,全く同一の性能を出すことが出来ます.

 

次に,I/O周りも確認します.
Crystal Disk Markで,SSD(PX-128M3P)のパフォーマンスを比較します.ホストOSとゲストOSは,別SSDですが,同じPX-128M3Pです.まずは,VT-dをenableの状態です.

 

 

 

ゲストOS側のSSD性能も,ホストOS側のSSD性能に近く,これくらいの差であれば,体感差はありません.90%以上のパフォーマンスが出ています.

 

次に,VT-dのON/OFFで比較します.

 

 

 

 

 

VT-dをenableにすることで,パフォーマンスの向上がわかります(PX-128M3Pでは思っていた以上に効果は小さいかもしれないです).


XP Modeでは,ソフトウエア処理による限界がありましたが,そこをインテル バーチャライゼーション・テクノロジーのVT-d効果がはっきり現れています.

 

最後に,Hyper-Vのネットワークパフォーマンスも確認しておきます.

ドライブ自体の速度がネックにならないように,Win7マシンにRAMDISKを作成し,そのドライブをネットワークドライブに指定して,CrytalDiskMarkで,速度計測します.

 

 

 

4K QD32を除き,仮想環境のほうが早いという驚きの結果です. 

 

以上のように,Intel VTにより,ハードウエアによる仮想化支援が有効に働いており,仮想マシンのパフォーマンスが非常に高いことがわかりました.

 

Intel VTによる仮想マシンなら,”仮想マシンは遅い”とは,言わなくなります.

 

【付録】 Windows8ProのHyper-Vの使い方

 

Hyper-Vが利用できるのは,64ビット版のProまたはEnterpriseです.この機能だけでも,無印ではなく,Proを選択する価値があります.
デフォルトでは,利用できない設定になっています.

 

①Hyper-Vの有効化
コントロールパネル⇒プログラムと機能⇒Windowsの機能の有効化または無効化と進みます.
一覧の中にHyper-Vの項目がありますので,チェックを入れ,適用します.
一旦,再起動させます.
ModernUI画面やアプリ一覧にHyper-V(Hyper-VマネージャーとHyper-V仮想マシン接続)が現れます.

 

②仮想マシンの作成(新規)
Hyper-Vマネージャーを起動します.
操作タブの新規⇒仮想マシンと進みます.

 

 

仮想マシンの新規作成ウイザードが起動します.

 

・開始する前に :
”次へ”をクリック

 

 

・名前と場所の指定 :
名前の欄に仮想マシンの識別名を入力.
仮想マシンを別の場所に格納する場合には,チェックを入れて,場所をしています.
”次へ”をクリック

 

 

・メモリの割り当て :
割り当てるメモリ量を指定します.Windows7の場合は,2GB位は必要です.

”次へ”をクリック

 

 

 



・ネットワークの構成 :
初めてだと接続先は存在しませんので,接続しないのままにしておきます.あとで,設定します.
”次へ”をクリック

 

 

・仮想ハードディスクの接続 :
名前と場所を指定します.
サイズも指定します.Windows7なら40GBくらいあると十分です.容量可変で作成されます.
”次へ”をクリック

 

 

・インストールオプション :
ブートCD/DVD-ROMからオペレーティングシステムをインストールするをチェック.
インストールDVDの場合は,物理CD/DVDドライブをチェックし,ドライブレターを指定する.
イメージファイルからインストールする場合は,ISOファイルのある場所を指定する.
”次へ”をクリック

 

 

・要約 :
仮想マシンの新規作成ウイザードの完了画面で,内容を確認し,”完了"をクリック

 

 

これで,仮想マシンが作成され,OSのインストールが始まります.
通常のOSインストールと同じ手順で進めてください,
※注意:仮想マシンのOSも,1ライセンス必要です.未認証の新しいOSを用意してください.

 

 

③仮想ネットワークの設定
Hyper-Vマネージャーの操作タブ内,仮想スイッチマネージャーを選択します.
仮想スイッチマネージャーが起動します.
仮想スイッチの作成で,”外部"を選択し,”仮想スイッチの作成”をクリック.

 

 

名前の確認(必要なら変更),外部ネットワークでLANコントローラーを指定します.
”OK”をクリックすると,ネットワークの変更を適用の確認画面が出ます.

 

 

一時的にネットワーク接続が維持できなくなりますので,ホスト側で問題がないようにしておいてください.
”はい”をクリックして,作成終了です.

 

 

 

6人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (0)

ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。

YouTube の動画を挿入

YouTube の URL または動画の ID を入力してください

動画の ID が取得できません。ID もしくは URL を正しく入力してください。

ニコニコ動画の動画を挿入

ニコニコ動画の URL または動画の ID を入力してください

動画の ID が取得できません。ID もしくは URL を正しく入力してください。

ZIGSOWリンク挿入

検索対象とキーワードを入力してください

    外部リンクを挿入

    リンク先の URL とタイトルを入力してください

    URL を正しく入力してください。

    画像を挿入(最大サイズ20MB)

    画像を選択してください

    ファイルサイズが20MBを超えています

    別の画像を追加

    ほかのユーザーのレビュー

    ZIGSOW にログイン

    ZIGSOW会員登録(無料)はこちらから