レビューメディア「ジグソー」

ハードウェア・アシストによる仮想化技術



第一の謎に指定されたのは「インテル バーチャライゼーション・テクノロジー」である。
インテルの公式HPによる解説を熟読しましたが、チンプンカンプンです(^^ゞ
まぁ平たく言うと「仮想化はソフトだけじゃ大変なので、ハードでも支援しましょう!」

ってことで、 理解したつもりで、自分に言い聞かせました。

インテルのCPU全てにその機能が組み込まれているわけじゃありませんが、最近の

第三世代Coreiシリーズはもちろん、第二世代Sandy Bridge/第一世代のNehalemも

対応していて、もっと遡れば、'05年11月発売のPentium 4の662/672実装されたよう

です。

この機能が実装されているのかを調べるには「Intelプロセッサー識別ユーティリティ」を
使います。DL link
CPUに実装されている色々な機能が確認出来ます。
実際の今回のレビューCPUである「Corei7-3770」では、下画像のように「有」と表示

されます。



もっと違うCPUでも確認してみました。
同じ第三世代のCorei5-3570kを筆頭に手持ちの5種類のCPU全て実装されていました。


 
でも、CPUだけではバーチャライゼーション機能がシステムで使用できるとは限りません。
CPUの他にバーチャライゼーション機能に合わせて設計されているチップセット、BIOS、

有効化ソフトウェア、OS、デバイスドライバーなどが必要になります。

では、どのチップセットが必要なのか?インテルのHPで確認してみます。



ようやく今回のレビューマザーボード「DQ77MK」の出番です。

OSインストール前に、Biosを確認しましたがVer.0054で、最新ではありません。
Updateについてはマザーボードレビューに書いております。



さて、肝心のバーチャライゼーション機能の設定はBios画面の「Security」にあります。



デフォルトで有効(Enabled)になっていたみたいです。
 
他のマザーボードを調べてみました。同じIntelのDP67BGB3



これでは、やはり「Security」のタブにあります。



GigabyteのGA-Z68X-UD3H-B3/G3



こちらはUEFIの関係からか、「BIOSの機能」のタブにありました




このようにBios画面を開けば確認出来ますが、OSが動けばもっと手軽に調べる方法が

ありました。
「VirtualChecker」というソフトです。URL
このソフトを実行すると、
・仮想化支援機能"Intel VT-x"/"AMD-V"への対応状況
・第2レベルアドレス変換拡張機能"SLAT(Second Level Address Translation)"の

 対応状況
・64bit拡張アーキテクチャー"Intel 64"/"AMD64"への対応
・データ実行防止機能"DEP(Data Execution Prevention)"の"Intel XD"/"AMD

 NX"への対応
この4項目をチェックしてくれます。さっそく調べてみました。

レビューPCのCPU:Corei7-3770とM/B:DQ77MKでは
全ての機能が有効、または対応されています。



業務PC HP製の6000pro、CPU:Core2Duo E7500とM/B:Q43チップセットでは

Intel VT-xはBiosで「無効」にされており、SLATは「無効もしくは非対応」みたいです。



モバイル用ノートPC LenovoX60では、CPU:Core2Duo T7200とM/B:Mobile945

GMチップセットでは
Intel VT-xは「有効」でも、SLATは「非対応」みたいです。




レビュー用のPCが無事稼働しましたので、このマシンを使ってレビューを進めていきます。

これで第一の謎「インテル バーチャライゼーション・テクノロジー」の解答は終わりです。
何もレビューしていないのでは?と思われても、「インテル バーチャライゼーション・

テクノロジー」は、それ自体が仮想化機能を提供するものではなく、仮想化ソフトが動作

しやすいような機能を提供するだけなので、仕方有りません。

実際の仮想化で出来ることは次の「実施検証」で確かめてみます。

更新: 2013/05/04
j5 create(ジェイファイブ・クリエイト)の魅力や特長 PREMIUM REVIEW

仮想でGo!


謎が解けたところで、レビュー用マシン(CPUとM/B)を使って実際に何が出来るか?
検証してみましょう。

このマシンで使用するその他のパーツとしては、
電源:HEC-550TE-2WX 550Wでも十分でしょ。


メモリー:CMZ8GX3M2A1600C9 4G×4=16GB載せました。


CPUクーラー:PANTHER 眠っていたので引っ張り出しました。


HDD:WD20EARS-00MVWB0 NASの故障交換用を引っ張り出しました。


OS:Windows8Pro 64bit 「Hyper-V」仮想化を検証するには64bitが必要ですから。


組み上げた状態です。



仮想化としてはWindows8に標準搭載の「Hyper-V」を使います。この機能はデフォルト
では無効になっており、有効化する必要があります。
「コントロールパネル」を開いて「プログラム」をクリック

「Windowsの機能の有効化または無効化」をクリックすると

「Windowsの機能」画面が開き、ここから「Hyper-V」にチェックを入れ有効化します。

その際に「+」をクリックして、Hyper-Vの「プラットホーム」「管理ツール」両方に
チェックを入れます。


変更が適用され

指示に従って再起動します。

そうすると、Windows8のタイルに「Hyper-Vマネージャー」「Hyper-V仮想マシン接続」が
表われます。

Hyper-Vマネージャーを起動します。

これより現在のマシン「TEST」を右クリックし、「新規」→「仮想マシン」と進めます。

「仮想マシンの新規作成ウィザード」画面が開きますので、「次へ」をクリック

まず「名前と場所の指定」から、名前は今回ゲストOSである「Windows7(32bit)」とし、
場所もあらかじめ、Cドライブ(2TB)のパーティションを約半分に分け、Vドライブとして
おきました。
また、ここに「Windows7」と名付けたフォルダーも準備しておきました。

次は「メモリの割り当て」です。16GB搭載して余裕があり、OSが32bitなので4GBを割り
当てれば十分です。

「ネットワークの構成」ですが、後にインターネット接続するのであれば必須になり
ますが、これは後でも構成できます。なので、とりあえず「接続しない」まま「次へ」

「仮想ハードディスクの接続」ではデフォルトのまま、サイズもパーティションサイズが
約900GBなので、なにも考えずデフォルトの「127GB」のまま「次へ」

「インストールオプション」では、マシンが搭載している物理的なDVD-ROMを選んで、
メディアを使って、ゲストOSをインストールします。

「ようやく」じゃなく「要約」終わりです(^^ゞ

「Hyper-Vマネージャー」画面で設定した「Windows7(32bit)」をダブルクリックして起動
させます。

仮想マシンに接続されました。まだ「オフ」状態ですから、緑の電源アイコンをクリック
してONにします。

そのままじゃ、ブートファイルが見当たらないと怒られました(^^ゞ OSメディアをセット
し忘れてました。

改めてDVD-ROMをセットしたところ、無事インストール画面が現われました。

ここから先は通常のWindows7のインストール作業となりますので省略しますが、無事
起動したようです。

めでたく仮想マシンでWindows7が起動しました\(^ー^)/

これで終わりじゃなく、「統合サービス」をインストールする必要があるようです。

これは仮想マシンからHyper-Vを呼び出すための追加ソフトウェアらしく、ネットワークや
ビデオなどのデバイスのほか、データ交換や時刻同期、スナップショット管理などの機能を
直接呼び出すことができ、効率よく仮想マシンを実行できるようになるらしい。

難しいことは分かりませんが、マウスがホストOSとゲストOS上を切替えること無く、動か
せるのも、この「統合サービスのインストール」で実現されているようです。
これで再起動すればHyper-Vでの仮想環境が整います。



これで仮想環境は出来ましたが、スタンドアロンな状態の環境であり、どこにも繋がって
いません。
当初はこのままでも良いかな?って思いましたが、今回私がやりたいテーマを達成する
には、ネットワークへの接続が必須となりましたので、この設定を進めます。

「Hyper-Vマネージャー」を開き、右側の「仮想スイッチマネージャー」をクリック

「新しい仮想ネットワークスイッチ」の右側「外部」を選び、「仮想スイッチの作成」を
クリック

ここで「名前」を付けます

分かりやすく「Win7」としました。「OK」をクリック

「ネットワークの変更」の警告表示がでますが、「はい」をクリック

「Hyper-Vマネージャー」から、仮想マシンを指定して右クリック「設定」を選びます。

「ハードウェアの追加」より「レガシ ネットワーク アダプター」を選び追加

仮想スイッチを先ほど作成した「Win7」を選んでOKします

これで仮想マシンを起動すると、ネットワークアダプタが有効になり、ホストOSと併用で
ゲストOSでもネットワーク接続が可能になりました。

これで、家庭内ネットワークへの接続や、インターネット接続にも可能になり、出来る
ことが広がりました。


ゲストOSでもインターネットに接続できたことで、WindowsUpdateも済ませWin7もsp1に
出来ました。そこで、一旦この仮想マシンの性能を確かめてみます。

標準設定ではCPUが1個の設定になっているので、そんなに期待は出来ません。
まず、ホストOS上でのベンチマーク

以前の構成(Corei5-3570k)と比べましたが、SSDとHDDの差を除けばほぼ同一です。

では、気になるゲストOS(Win7)でのベンチ結果

う~ん、ちょっと物足りません。

せっかくなのでCPUを4個に設定変更してみます。
設定画面の仮想プロセッサの数を1→4に増やします。
Corei7-3770は理論上8個まで設定出来ます。

すると、タスクマネージャーでも4個のグラフになります。

ベンチ結果は

CPUに関する数値はほぼ4倍、メモリーについても1.5倍ほど向上してます。
参考までに以前のCPU、Corei7-2600kとCorei5-3570kでのベンチ結果を貼り付けますが、
4-CPUなら仮想マシンの方がCorei7-2600kを上回るようです。

上のベンチのマシン構成は、
 M/B:GA-Z68X-UD3H-B3/G3
 OS:Windows7-Home 64bit
 SSD:Intel510 120GB
このように少し条件は違いますが、CPU/メモリーに関する性能比較だけを分かり易く
グラフに表すと、

このように性能的にも十分な仮想マシンに仕上がりました。


大変前置きが長くなりましたが、仮想マシンの実用性についてです。
一般的には何に使います?これには悩みました。そこで、最近Win8の64bit版へ移行して
困ったこと「一部のソフト/ハードが使えない」ことを思い出して、この仮想マシンで実行
させることにしました。

検証テーマ1
この春にガラケーからスマホに機種変した奥さんが、「過去のメールを残しておきたい!」
とワガママをおっしゃいまして(^^ゞ ガラケーをUSB接続して、データを取り出そうと
したのですが、ドコモ純正のソフト「ドコモケータイdatalink」はWindows8や64bitOSに対応
されておりません。
このソフトを動かしてデータの救済を試してみます。
しかし、ここでまた問題です。Win8のHyper-Vでは仮想マシンはUSB接続を認識出来ない
のです。
そうなると、実施検証が足踏みです(>_<)
 
ここで終わってはレビューにならず、Webで色々調べてみるとデバイスサーバーを使うと
ネットワーク経由でUSBが使えるとの情報があったので試してみます。

以前のプレミアムレビューで頂いた「ETG-DS/US-HS」の出番です。


仮想マシンに「net.USBクライアント」ソフトをインストールしてみます。

複雑な機器での動作を前に、単純にUSBメモリーが認識されるか?まず試して見ました。

ストレージデバイスとして認識されました。接続してみると、デバイスドライバーが
インストールされ、

普通のUSB感覚で使用出来ました。

これは期待できそう。


次は奥さんのガラケー(N905i)


これをUSBで接続です。
その前に通信設定ファイルを仮想マシンにインストールします。

指示に従ってUSBを「ETG-DS/US-HS」に接続します。

実際は「net.USBクライアント」ソフトから接続処理をします。

正常に接続されました。

「ドコモdatalink」を起動させると正しく通信出来ています。

データ読み込みも問題ありません。

メールもちゃんと読めます。

テキスト化して奥さんに渡しました。これで少しは株が上がったかな?

検証テーマ2
2005年購入のプリンター「CANON MP950」ですが、


これもさすがに古く、メーカーのHPを見てもWindows8対応のドライバーが公開されて
いません。

我が家にはインクの在庫も有り、まだまた使えそうなので、仮想マシンで動作させ延命
させてみます。
ドライバーをインストールして、「ETG-DS/US-HS」に接続すると

無事認識しました。

その他のソフトもインストールしてみると、スキャナやCDダイレクトプリント機能も使え
そうです。


今回の検証では「インテル バーチャライゼーション・テクノロジー」を利用して、
Windows8の仮想化「Hyper-V」機能を一般ユーザー目線で使用してみました。

本来はサーバー管理・ソフト開発などにに用いられる技術らしいが、難しいことは
横に置いて、一般ユーザーにとっては、2世代ほど前のソフトやハードを使用する際に、
メリットがあると感じました。
これからは、もっと取扱いしやすいUIの改良や、ソフトのブラッシュアップに期待します。

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