レビューメディア「ジグソー」

SSD初体験!古いPCのパフォーマンスは改善されるのか?


この度は"Intel SSD 320 Series (Postville-Refresh) 2.5inch MLC 9.5mm 600GB"プレミアムレビューの機会を賜りまして、誠にありがとうございます。
zigsow株式会社様、インテル株式会社様、並びに関係各社様には、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

さて、今回、私に与えられたミッションですが、2007年にヒューレット・パッカード社から発売されたビジネス用ノートブックPC"HP Compaq Notebook PC 6910p"のHDDを、プレミアムレビューの対象製品である"Intel SSD 320 Series (Postville-Refresh) 2.5inch MLC 9.5mm 600GB"に換装するというものになります。(以下、"6910p"、"Intel SSD 320"とさせて頂きます。)

換装対象のPCはこちら。


人生初のSSD体験ですので、換装によってどのくらいPCのパフォーマンスが改善するのか、今から非常にワクワクしております。
それでは、早速、始めたいと思います。

まず初めに、レビューの流れを簡単にご説明させて頂きます。
今回は、製品の概要と内容物の紹介を行った後で、事前に必要となる手順・項目を説明し、続いて実際の作業(クローニング・換装)を行いたいと思います。
又、換装が済み次第、HDDとSSDの性能比較を行い、最後にこの製品に対する私見を述べて締めくくりたいと考えております。

<レビューの流れ>
1、Introduction: 製品概要・内容物の紹介
2、Preparation: 事前準備
3、Cloning: HDDのSSDへのクローニング
4、Replacement: HDDからSSDへの換装
5、Comparison: 性能比較
6、Comments: 私見

若干長くなりますが、最後までお付き合い頂ければ幸いです。


まず、製品の概要ですが、今回のレビューの対象となっている"Intel SSD 320"シリーズは、"Intel X25-M Mainstream SATA SSD"シリーズの後継モデルとして位置付けられている製品になり、25nmプロセスのNAND型フラッシュメモリを搭載した第3世代のSSDになります。
技術仕様は以下の通りです。

<技術仕様>
モデル名: インテルSolid-State Drive 320シリーズ
ディスク容量: 600GB
NAND型フラッシュ・コンポーネント: 25nmインテルNAND型フラッシュメモリーマルチレベル・セル(MLC)演算品質コンポーネント
帯域幅: 持続的な連続読み出し: 最大270MB/s、持続的な連続書き込み: 最大220MB/s
読み出し遅延時間: 75マイクロ秒
書き込み遅延時間: 90マイクロ秒
ランダムIOPS(I/O Operations Per Second): ランダム4KB読み出し: 最大39,500IOPS、ランダム4KB書き込み: 最大23,000IOPS
インターフェイス: SATA3Gb/s、SATA1.5Gb/s互換
フォームファクター: 2.5インチ
高さ: 9.5mm
重さ: 88g
製品寿命: 平均故障間隔(MTBF): 120万時間
消費電力: 動作時: 標準150mW
消費電力: アイドル時: 標準100mW
動作時の耐衝撃性: 1,500G/0.5ms
動作温度: 0°C ~ 70°C
規格への対応: SATA Revision 2.6対応。SATA 3.0Gb/s(ネイティブ・コマンド・キューイング対応)とSATA 1.5 Gb/sのインターフェイス速度に対応。
RoHSへの対応: EU RoHS指令の要件に適合
製品の健康状態のモニタリング: インテルR Data Migration Software、インテルR Solid-State Driveツールボックス、自己診断機能「S.M.A.R.T.」のコマンド

更に詳細をお知りになりたい方は、こちらのIntelのサイトをご覧ください。

次に内容物の紹介をしたいと思います。
2011年6月4日、帰宅するとzigsow様より小包みが届いておりました。

開けてみると。。

来ました!プレミアムレビュー対象製品、"Intel SSD 320"です!
緩衝材で丁寧に梱包されております。

<箱外観>

<箱を開けたところ>
Installation Guideとステッカーが同梱されています。

<SSD本体 - 前面、ビニール袋に入った状態>

<SSD本体 - 背面、ビニール袋に入った状態>
防湿用に乾燥剤が入っています。

<Installation Guideとステッカー>

<SSD本体 - 前面>

<SSD本体 - 背面>

<SSD本体 - コネクター部アップ>



次に換装前の事前準備に移ります。

換装作業にあたって、必要なもの・あると便利なものは以下の通りです。
その中でも"精密ドライバー"と"SATA/IDE-USB2.0変換アダプタ"は必要になりますので、準備しておいてください。

<精密ドライバー>
本体の蓋を開けたり、HDDに付いているカバーを外したりするのに便利です。


<SATA/IDE-USB2.0変換アダプタ>
HDDのデータをSSDに複製する際に必要になります。


<静電気防止用リストバンド>
換装作業を行う際には、手首に付けておくことをお勧めします。
静電気が飛んでからでは遅いので。。


<ストップウォッチ>
HDDとSSD、パフォーマンスにどのくらいの差があるのか、これを使用して計測したいと思います。



次に、OSのクリーンインストールを行います。
もちろん、お使いの環境をそのまま移行出来ますので、通常、このプロセスは必要ありませんが、今回はまっさらな環境でどのくらいパフォーマンスに差があるのかを計測したいと思いますので、あえてまっさらな状態にしたいと思います。
ちなみに準備した環境ですが、OSはWindows 7 Ultimate English+Japanese MUIで、現時点でリリースされているセキュリティパッチとHPから出されているドライバ・各種ユーティリティソフトウェアを全て適用した状態にしてあります。(言葉を返せば、それしかしていない。)


"6910p"の場合、換装作業を行う前に注意すべき点が一点あります。
"6910p"のようなビジネスモデルのノートブックPCには、大抵セキュリティを高める為にTPMのチップが搭載されており、HDDがBitlocker等により暗号化されている場合があります。暗号化解除を行わずにクローン作業、換装へと進めてしまうと、ハードウェア構成の変更により、次回起動時に48桁の暗号化解除キーの入力が求めらることになりますので、必ず暗号化解除を行ってから作業を行うよう注意してください。(適切にリセットを行わないと、毎回入力を求められ、結構、イラッとしますので、笑)
又、念の為、BIOS上でTPMを無効化しておいた方が安心ですね。("6910p"は、起動時、HPのロゴが表示されている時に"F10"を押下することによって、BIOSの設定モードに入れます。)


では、いよいよ、実作業に入ります。

1、"SATA/IDE-USB2.0変換アダプタ"を使用して、"Intel SSD 320"を本体に接続します。(以下の写真のように接続します。特に難しいところはないので、戸惑うことは無いかと。)

2、正常に認識されているか、"ディスクの管理"で確認します。不明のディスクが認識されていれば大丈夫です。(初期状態ではフォーマットがされていない為、エクスプローラー上には表示されないので、こちらで確認します。又、特にクローニングを行う前にフォーマットする必要はありません。)

3、複製する為のソフトウェアをダウンロードします。今回は、インテル社から無償で提供されている"Intel Data Migration Software"を使用したいと思いますので、こちらのIntelのサイトにアクセスしてください。サイトが表示されましたら、ページの中央くらいにある"インテル・ダウンロード・センター"(青丸で囲った個所)をクリックします。

4、"インテル・ダウンロード・センター"のページになりましたら、ページの中央くらいにある"tih_s_japanese_build_14135.exe"をダウンロードしますので、"ダウンロード"(青丸で囲った個所)をクリックします。

5、"使用許諾契約の条項に同意します"(青丸で囲った個所)を選択します。

6、ファイルのダウンロードを行うにあたって、セキュリティ警告のポップアップが出ますので、"保存"(青丸で囲った個所)をクリックします。

7、保存場所を問われますので、"ダウンロード"を選択後、"保存"(青丸で囲った個所)をクリックします。(保存場所は、お好きな場所で構いません。)

8、ダウンロードが開始されます。

9、ダウンロードが完了しましたら、"実行"(青丸で囲った個所)をクリックします。

10、インストーラーが立ち上がりますので、"Intel Data Migration Softwareのインストール"(青丸で囲った個所)をクリックします。

11、"次へ"(青丸で囲った個所)をクリックします。

12、"同意する"を選択した状態(デフォルトで選択)で、"次へ"(青丸で囲った個所)をクリックします。

13、"ACEPに参加しない"を選択した状態(デフォルトで選択)で、"次へ"(青丸で囲った個所)をクリックします。(もちろん、参加しても構いません。)

14、"標準"(青丸で囲った個所)を選択し、"次へ"(青丸で囲った個所)をクリックします。

15、"このコンピューターを共有する全てのユーザーにインストール"を選択した状態(デフォルトで選択)で、"次へ"(青丸で囲った個所)をクリックします。(もちろん、"現在のユーザーにのみインストール"を選択して頂いても構いません。)

16、"実行"(青丸で囲った個所)をクリックします。

17、インストールが実行されます。

18、インストールが完了しましたら、"閉じる"(青丸で囲った個所)をクリックします。

19、インストールが完了しましたら、デスクトップに作成されたアイコン"Acronis機能搭載Intel Data Migration Software"をダブルクリックし、ソフトウェアを起動します。

20、"後で登録する"(青丸で囲った個所)をクリックします。(もちろん、"いますぐ登録する"を選択しても構いません。)

21、"開始"(青丸で囲った個所)をクリックします。

22、"今すぐクローンを作成"(青丸で囲った個所)をクリックします。

23、処理が開始されます。(一瞬で表示が変わりますので、何もする必要はありません。)

24、"再起動"(青丸で囲った個所)をクリックします。

25、再起動後、パーテーションのチェックが行われ、複製が始まります。

26、複製中。

27、複製が完了すると、"Press any key to shut down the computer. "が表示されますので、何かキーを押してPCをシャットダウンします。

* 時間は、約30分程度で完了します。



複製が終わりましたら、HDDからSSDへの換装作業を行います。

1、まずは、静電気防止用リストバンドを手首に取りつけ、アースケーブルのクリップ部分をアースに取りつけます。

2、電源ケーブルとバッテリー(青丸で囲った個所)を取り外します。バッテリーはロック解除用のスライドバーが2か所(青丸で囲った個所)ありますので、青い矢印の方向に動かしながら取り外してください。

3、取り外した状態。

4、HDDを搭載している個所のカバーを開けます。ネジが2か所(青丸で囲った個所)ありますので、精密ドライバーで取り外します。(ネジの紛失に注意!)

5、カバーを開けると、HDDを止めているネジが1か所(青丸で囲った個所)ありますので、精密ドライバーで緩めた後(取り外すことは出来ません!)、HDDを青い矢印の方向に動かしてコネクターから外してください。

6、コネクターから外したら、青い矢印の方向に持ち上げ、取り外してください。

7、HDDを取り外した状態。

8、取り外したHDDの側面には、HDDカバーを留めているネジが左右合計4か所(青丸で囲った個所)ありますので、精密ドライバーで取り外します。


9、HDDからHDDカバーを取り外した後、今度はSSDに被せ、ネジを精密ドライバーで取りつけます。

10、SSDを本体のHDD収納部分に収め、青い矢印の方向に動かしてコネクターに接続した後、HDDを止めているネジを1か所(青丸で囲った個所)、精密ドライバーで締めます。

11、換装後の状態。

12、HDDを搭載している個所のカバーを閉めます。ネジが2か所(青丸で囲った個所)ありますので、精密ドライバーで取り付けます。

13、電源ケーブルとバッテリーを取りつけた後、電源をONにします。その後、HPのロゴが表示されている時に"F10"を押下し、BIOSの設定モードに入ります。

14、ハードウェアの構成が変更になった為、念の為、BIOSの設定を初期状態にリセットします。

15、"Restore Defaults"を実行すると、再度確認を求められますので、"F10"を押下し実行します。

16、セーブしてBIOSの設定モードを終了します。

17、"Save Changes And Exit"を実行すると、再度確認を求められますので、"F10"を押下し実行します。

18、換装後、最初に立ち上げた際は、1回だけ再起動を求められますので、"今すぐ再起動する"(青丸で囲った個所)をクリックします。


以上で換装作業は終了です。
お疲れ様でした!


それでは、性能の比較を行いたいと思います。

コンピューターパフォーマンスのスコア比較
<換装前>

<換装後>

換装前が4.9であったのに対して、換装後は7.7となり、2.8スコアが上がっています。

Read&Writeのベンチマーク
<換装前>

<換装後>

シーケンシャル速度測定において、Readで6倍強、Writeで5倍弱もの性能差があります。

起動時間比較
<換装前>
電源投入~パスワード入力のポップアップ表示まで

パスワード入力~常駐ソフト読み込み完了まで

<換装後>
電源投入~パスワード入力のポップアップ表示まで

パスワード入力~常駐ソフト読み込みまで

起動時間ですが、換装前が75秒31であったのに対して、換装後は48秒95となり、26秒36短縮されました。

シャットダウン時間比較
<換装前>

<換装後>

シャットダウン時間ですが、換装前が15秒40であったのに対して、換装後は8秒76となり、6秒64短縮されました。


始めてSSDに触れた感想は、スゴイの一言でした。
記録媒体を変えるだけで、こんなにも体感速度が変わるのかと。。
一昔前のPCが現行のモデルに引けを取らないパフォーマンスを発揮するようになるのを目の当たりにして、SSDの凄さを心底実感しました。(CPUを変えるより、HDDをSSDに変えた方が体感速度が上がるというのは、ウソでは無かったです。。)
駆動部分が無い為、衝撃にも強く、HDDのようにアクセス音がしない為、静粛性も良い。
本当に素晴らしい技術、製品だと思います。

ただ一点デメリットを上げるならば、あまりにもコストがかかるということではないでしょうか。
HDDであれば、同サイズのものが数千円で購入することが出来るのに対し、この製品は市場では十万円程度の価格で取り引きされています。
場合によってはPC本体より高額になる場合があり、このままの価格帯では、今後も普及するのは難しいと思われます。

非常に素晴らしい技術、製品ですので、インテル株式会社様、及びSSDを製品としているメーカーの皆様には、一層の低価格化をお願いしたいと思います。

35人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (16)

  • kenさん

    2011/06/19

    レビュー、お疲れ様でした。

    すごい詳細に書かれましたね。
    これなら、他の方も迷わず換装出来ますね。

    やはりSSDは、体感が変わるので、凄いですよね。
  • ガトーさん

    2011/06/19

    レビューお疲れ様です!
    説明がかなり丁寧ですね><すごいです><

    レビュー内容とは直接関係無いのですが、パーティションコピー中の画面やBIOS画面がものすごくキレイに掲載されていますが、どうやって画像を作成したんでしょう?><
    もしよろしければ後学のために教えていただけますでしょうかm(_ _)m
  • cybercatさん

    2011/06/20

    レビューお疲れ様でした。
    体感だけでなく、きちんとベンチ以外の数値も向上していますね~。
    Win7は特にSSDと相性が良いのでしょうか。
    今度換装してみようかな...
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