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Intel SSD 320を東芝dynaboook EX/55KBLに組み込む

東芝製ノートPC「dynaboook EX/55KBL」に「Intel SSD 320」を組み込む換装手順をレビューさせていただきます。
zigsow、Intel、関係諸氏の皆様にこの場をお借りしてお礼申し上げます。

尚、「dynabook EX/55KBL」のマニュアルには内蔵ドライブ交換方法の説明は無く、「内蔵HDDの交換は出来ません。」と明記してあります。
その為、内蔵ドライブの換装は自己責任となりますので、ご注意下さい。



■Intel SSD 320 Seriesについて
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「Intel SSD 320 Series」は、SSD製品の中では定番のひとつ「Intel X25-M Series」の後継製品です。

【製品情報URL】
http://www.intel.com/jp/design/flash/nand/320series/overview.htm

【主な仕様】
ディスク容量: 40GB、80GB、120GB、160GB、300GB、600GB
NAND: 25nm Intel製MLC
インターフェイス: SATA 3Gb/s
平均故障間隔 (MTBF): 120万時間
消費電力: 150mW(動作時)/100mW(アイドル時)

SATA2.0(3Gb/s)インターフェース、Intel製 25nm MLC(Multi Level Cell)NAND、Intel製コントローラで構成されており、前世代と比べて、プロセス微細化の恩恵により大容量、低価格を実現した製品と言えます。
複数の容量モデルがあり、その容量毎にアクセス性能も異なります。

価格、性能、容量のバランスから見ると、120GB~160GBモデルあたりがボリュームゾーンになるかと思います。
しかし、「搭載可能ドライブ数に制限のあるノートPCのストレージ用」と考えると、近年のPCで扱うファイルの大容量化もあり、300GBモデル、予算が許すのであれば600GBを搭載したいところです。
今回、私が選出していただいたのは、300GBモデルです。
今回、私が選出していただいたのは、300GBモデルです。

「dynaboook EX/55KBL」に標準で搭載されているHDDが320GBですから、ほぼ現状維持の容量で、大幅なアクセス性能向上を見込む事が出来ます。
同時にSSDのメリットである、衝撃への耐性、消費電力の改善も期待出来ます。

茶箱のバルクパッケージでした。
茶箱のバルクパッケージでした。

SSD本体、説明書、SPEED DEMONステッカー
SSD本体、説明書、SPEED DEMONステッカー

ファームウェアは
ファームウェアは"0302"でした。

バルクパッケージは必要最小限の内容ですね。
リテール品は、3.5''ベイ用のマウンタ、ネジ、SATAケーブルが付属します。
さらに、リテールと同内容に、SATA -> USB 3.0変換ケーブル、シリコンケース、Intel純正データ移行ソフトを同梱した「ノートPC向け移行キット付パッケージ」も存在する様です。



■SSD換装の方針
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今回、SSDに換装する


はリビング用であり、その実、最も稼働率の高いPCでもあります。
その個人的な事情から、私の要件は下記の通りとなりました。

 ・使用環境をそのまま移行する
 ・リカバリ領域を含めてコピーする
 ・可能な限り移行にかかる時間/費用を抑える

「dynaboook EX/55KBL」には、外部リカバリメディアを作成する東芝純正ソフトウェア「TOSHIBA Recovery Media Creator」が用意されています。
しかし、これでは購入時点の状態に戻ってしまいますので、現在の使用環境(データ、設定、各種ソフトウェア)を別途、再構築する手間がかかります。

そこで今回はIntel公式データ移行ツールである「Intel Data Migration Software」を使用する事にします。
「Intel Data Migration Software」は、バックアップツールとしては定評のある「Acronis True Image」のカスタム品で、"Intel製SSDを使用する事"を条件として無償で利用可能なソフトウェアです。
旧バージョンでは日本語ローカライズもされておらず、機能もイマイチだった様ですが、現在のバージョンはかなり良さそうです。

バックアップツールの中にはデータ複写の際にアライメント情報を無視してしまうものもある様で、これはSSDにとっては致命的な弊害です。
しかし、Acronis True Imageはバージョン2010以降で上記問題に対応しています。
そのカスタム品である上に、Intel自らがSSD用として提供しているバックアップツールですから、まず問題ないでしょう。

また、SSDへ移行した場合、OS側の設定(Trim、Superfetch等)を最適化した方が、長期に渡ってSSDの性能を発揮出来ます。
これもIntel公式ツールである「Intel Solid State Drive Toolbox」を利用する事にします。

従って今回の作業工程としては、次の通りとなります。

 ①SSDにHDDの内容を移行する。(Intel Data Migration Softwareを使用)
 ②物理的に内蔵ドライブを換装する。(HDD → SSD)
 ③OS側の設定をSSDに最適化する。(Intel Solid State Drive Toolboxを使用)
 ④無事移行出来ているか、動作状態、性能の確認。



■SSDにHDDの内容を移行する。(Intel Data Migration Softwareを使用)
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「Intel Data Migration Software」の使用方法につきましては、多くの方がレビューされていますし、Intel公式解説ページも大変丁寧で分かり易い内容になっていますので、大変参考になります。

【Intel Data Migration Software 公式解説ページ】
http://www.intel.com/jp/consumer/Shop/diy/features/ssd/migration/index.htm

【Intel Data Migration Software ダウンロードURL】
http://downloadcenter.intel.com/Detail_Desc.aspx?lang=jpn&changeLang=true&DwnldId=19324

ソフトウェアのインストール時点でIntel製SSDが接続されていないといけませんので、予めIntel SSD 320をUSBに変換してdynabookに繋ぎます。
SATAからUSBへの変換にはこの製品を使いました。



無事「USBで接続されたIntel SSD 320」として認識しました。
無事「USBで接続されたIntel SSD 320」として認識しました。

「Intel SSDが接続されている」と認識されているので、ソフトウェアのインストールも問題なく完了しました。

ソフトウェアのメニューは大変分かり易く、数回クリックするだけで、簡単にデータの移行が出来ます。
また、換装前のHDDとの容量に違いがあっても自動的に調整してくれます。
1クリックで簡単にクローンを作れます。リカバリ領域も認識してますね。
1クリックで簡単にクローンを作れます。リカバリ領域も認識してますね。

ウィザードを実行すれば、任意にパーティション構成を変更する事も可能です。
ウィザードを実行すれば、任意にパーティション構成を変更する事も可能です。

データ移行条件設定後、画面指示に従ってPCを再起動すると、CUIで自動的にデータ移行作業が開始されます。

私の場合は、使用容量(約100GB以上)、USB変換による転送速度の影響もあってか、データ移行完了まで約2時間かかりました。



■物理的に内蔵ドライブを換装する。(HDD → SSD)
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データ移行作業が完了したら、いよいよドライブの換装作業です。
「dynabook EX/55KBL」は大型ノートPCで、比較的最近の機種ということもあり、(ある一点を除いて)大変簡単に換装する事が出来ました。

私自身、事前に情報収集を全くせず、ぶっつけ本番で換装しましたが、ほとんど迷う事なく作業出来ました。工具は「プラスドライバー」が一本あればOKです。



さて、「ある問題」についてですが、動画でも述べました通り「ドライブマウンタのネジが異常に固い」事です。
ネジには「ネジ止め剤」が塗られている上、大変に固く締められていました。
1本目のネジを外す時点で、その事に気付き、2本目以降は細心の注意を払って外そうとしましたが、無事外せたのは2本のみで、残り2本はネジ頭を完全に「なめて」しまい、別の工具を使って外しました。


ネジ自体は一般的な2.5''ドライブ用低頭ネジでしたので、現在は手持ちのネジと交換しています。

余談になりますが、マウンタのネジを駄目にしてしまった時点で、東芝のサポートセンターに「ドライブマウンタのみの購入は出来ないか?」と問い合わせましたが、「内部パーツに関しては修理扱いになる。」との回答でした。
マニュアルにも「内蔵HDDの交換は出来ない」と書かれていますし、「ネジ止め剤の件」、サポートセンターの対応から、東芝側としては「ユーザーレベルで内蔵ドライブを交換して欲しくない」と考えているのでしょう。
従って、繰り返しになりますが「内蔵ドライブの交換は自己責任」でお願いいたします。



■システム(OS)をSSDに最適化する
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これまでの手順で、以前の環境をSSDに移行する事は出来ました。
しかし、以前の環境はHDDで運用していたため、OSの設定もそれに合わせたものになっています。
長期に渡ってSSDの性能を安定して発揮する為に、OSの設定をSSDに最適化した方が良いでしょう。
具体的には下記の通りになります。

・Trimコマンドの有効化
・SuperfetchやPrefetchの無効化
・ReadyBoostの無効化
・デフラグの無効化

尚、最新OSであるWindows7の場合、これらの設定はOSが「SSDを使っている」と判断した際に自動的に最適化されます。
しかし、そのOS側の判断基準が曖昧な為、場合によっては各機能が自動的に最適化されない事もあります。

個々に設定する場合、なかなか面倒な作業ですが、Intel公式ツール「Intel Solid State Drive Toolbox」を利用する事で、ほぼ全ての項目を簡単に最適化出来ます。

【Intel SSD Optimizer 公式解説ページ】
http://www.intel.com/jp/consumer/Shop/diy/features/ssd/optimizer/index.htm

【Intel Solid State Drive Toolbox ダウンロードURL】
http://downloadcenter.intel.com/Detail_Desc.aspx?agr=Y&DwnldID=18455&lang=jpn

Intel公式解説ページでは、色々な単語が入り乱れて分かり難いですが、乱暴にまとめると「Intel Solid State Drive Toolbox」の中に「Intel SSD Management Tools」が含まれ、その一機能が「Intel SSD Optimizer」であるという認識で良いと思います。

と言う訳で、ダウンロードした「Intel Solid State Drive Toolbox」をインストールします。
インストール完了後、初回起動時
インストール完了後、初回起動時

早速、「Intel SSD Management Tools」を実行します。

「Intel SSD Management Tools」では3つの機能が用意されています。

・Intel SSD Optimizer: Trimコマンドの発行とそのスケジュール管理
・System Configuration Tuner: OSの各設定の最適化
・Secure Erase: SSDのデータを安全かつ完全に抹消する

それでは「Intel SSD Optimizer」を実行してみます。
「Intel SSD Optimizer」をクリック、青色に反転したら、「Run」をクリックします。
「Intel SSD Optimizer」をクリック、青色に反転したら、「Run」をクリックします。

「完了までちょっと時間かかる場合もあるよ。その間無茶しないでね。」と警告されますが、おもむろに「Run」をクリック
「完了までちょっと時間かかる場合もあるよ。その間無茶しないでね。」と警告されますが、おもむろに「Run」をクリック

「Intel SSD Optimizer」実行中
「Intel SSD Optimizer」実行中

作業完了
作業完了

Intel SSD Optimizerは定期的に自動実行する事も出来ます。
ご自身のPCを使う時間帯等を考慮して設定して下さい。
ご自身のPCを使う時間帯等を考慮して設定して下さい。

続いて「System Configuration Tuner」を実行します。
赤字で「まだ最適化されてないよ!」と書かれていますから。
「System Configuration Tuner」を選択、色が反転したら、「Run」をクリック
「System Configuration Tuner」を選択、色が反転したら、「Run」をクリック

どうやら、私の環境ではSuperfetch/Prefetch、DIPMが最適化されていない様です。
どうやら、私の環境ではSuperfetch/Prefetch、DIPMが最適化されていない様です。

「Tune it!」をクリックする事で、最適化を実行できます。
尚、DIPM(Device Initiated Link Power Management)は、デバイス(SSD)側から省電力状態への移行を要求する機能の様です。「推奨します。」と書かれているので、これも最適化します。
最適化完了
最適化完了




■動作確認、性能比較
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OSの設定やノートPCの機種によっては、HDDを想定した特殊な設定や機能、チップセット等の要因によって、十分にIntel SSD 320の性能を発揮出来ない場合があるようです。
幸いな事に私の環境では、SATAはHDDの時からAHCIモード、データ移行に「Intel Data Migration Software」を使用した為か、上記の「SSDへの最適化」を行う前の段階から十分なアクセス性能を発揮してくれました。
あらゆるシーンで、その速度差を体感出来ます。
Windows Experience Index
Windows Experience Index

CrystalDiskMark(1000MB)
CrystalDiskMark(1000MB)


レビュー途中ですが、ひとまず公開させていただきます。
引き続き、随時更新してまいります。

コメント (6)

  • kenさん

    2011/05/24

    レビューお疲れ様でした。

    ダイナブックの分解が分かりやすくて、良いです。
    妻が会社で同じ物を使用しているので、参考になりました。
  • s3zm4rさん

    2011/05/24

    コメントありがとうございます!

    拙い内容ですが、参考にしていただければ幸いです。
    本文でも述べていますが、「ネジが異常に硬い」ので、交換される際はお気を付け下さい。
  • ZigZagmanさん

    2011/05/27

    きれいなレビュー、お疲れさまでした。

    一つだけ気になった解説がありましたので、参考までに指摘させていただきます:

    「Intel SSD Optimizer」に関して、

    「完了までちょっと時間かかるよ。作業中1GB使うから、その間無茶するなよ。」と警告されますが、おもむろに「Run」をクリック

    との「訳文」が、原文と意味が違っています。

    こちらとしては、

    「Optimizerは完了するのに相当時間がかかる可能性があります。実行中、(ドライブ)容量の1GB分しかフリー状態にありません。Optimizerの実行が完了するまで、システムの使用を控える、または最小限にしてください。完了した時点で、すべての空き領域がフリー状態に戻されます。」

    のように読み取れます。確かに、自分の場合は、ほんの数分で終わりましたが、システム構成によっては、時間がかかる可能性があると原文が言っています。

    以上、失礼しました。
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