レビューメディア「ジグソー」

Dell Presicion M4300+SSDでもう元には戻れない

 Dell Precision M4300+WindowsXP Professional SP3の組み合わせでIntel SSD 320 Seriesの威力を確認してみた。
M4300はSATA 3.0Gb/sに対応したモデル。CPUはCore2Extreme X7900に交換してある。メモリは4GBと、最大限に拡張している。おそらく、Core2Duo搭載のノートPCでは最強の部類。
テスト対象は
HDD HGST HTS5450B9A300 500GB SATA 3.0Gb/s 5400rpm 5V 700mA
SSD Intel SSDSA2CW300G3 300GB SATA 3.0Gb/s 5V 1A
だ。意外にもSSDの方が消費電力は大きい。ただし1.5Wの差しかない。

 Dell Precision M4300のSATA 2.5inch HDDの交換は非常に簡単で、左側面手前の底にあるネジ2本を外せばそのままHDDを引き出すことができる。これだけ。
Dell M4300 HDD
Dell M4300 HDD


 今回はHDDからSSDへのコピーを他のPCで行った。手順は以下を参照。



これで比較用にまったく同じ内容のWindowsXPが入ったHDDとSSDが準備できた。

 実際に使用してみた感触は、もう明らかにSSDの方がはやい。HDDのアクセスインジケータの点滅が早すぎて薄暗く見えるくらいだ。
WindowsXPの起動時に左から右へ流れるインジケーターの繰り返し回数を比較するとHDDが13回に対しSSDが4回。
操作できるまでの時間は無線LANなど周辺機器の初期化もあるのでそんなに差はない。

SSDは小さなファイルへのランダムアクセスが得意ということなので、効果がありそうなテストをしてみた。では色々と操作してみよう。全ファイルをアクセスするCHKDSKはどうか。
CHKDSK C: /F 5分10秒 → 1分32秒

あらかじめインストールしてあるC:\cygwinをまるごと削除して完了するまでの時間を比較する。
C:\cygwinの削除(約6GB) 5分42秒 → 約4分30秒
これはあまり差がなかった。デフラグ済だったのでシーケンシャルアクセスに近くなったのだろう。または削除するのにインデックスのみ参照するためか。(実体にアクセスしない)

ではベンチマークを採ってみる。

☆CrystalMark
HDD: CrystalMark 104490
HDD(MB/s)
Read Write R512 W512 R64 W64
69.5 50.1 24.3 23.4 4.32 7.59

SSD: CrystalMark 127905
SSD(MB/s)
Read Write R512 W512 R64 W64
211.2 193.1 122.0 192.3 82.6 162.1

SSDの性能はHDDに対して:
3.04倍 Read
3.85倍 Write
5.02倍 R512
8.22倍 W512
19.1倍 R64
21.4倍 W64

これから見ると、SSDはHDDに比べすべての項目で上回っている。ReadよりはWriteが速く、ファイルサイズが細かい程速い。HDDのシークに相当する時間がない分ランダムアクセスは速いわけだ。

☆HDBENCH比較結果(抜粋)

★ ★ ★ HDBENCH Ver 3.40 beta 6 (C)EP82改/かず ★ ★ ★
M/B Name
Processor 2793.00MHz[GenuineIntel family 6 model F step A]
Processor 2793.00MHz[GenuineIntel family 6 model F step A]
VideoCard NVIDIA Quadro FX 360M
Resolution 1920x1200 (32Bit color)
Memory 2097,151 KByte
OS 5.1 (Build: 2600) Service Pack 3
Date 2011/05/30 02:42

Intel(R) ICH8M Ultra ATA Storage Controllers - 2850
プライマリ IDE チャネル
Hitachi HTS545050B9A300

Rectangle Text Ellipse BitBlt Read Write RRead RWrite Drive
36116 21732 2997 39 74418 41457 22212 22908 C:\100MB

Intel(R) ICH8M Ultra ATA Storage Controllers - 2850
プライマリ IDE チャネル
INTEL SSDSA2CW300G3

Rectangle Text Ellipse BitBlt Read Write RRead RWrite Drive
35746 21200 3013 39 181560 186861 84003 92252 C:\100MB

SSDの性能はHDDに対して:
 2.4倍 Read
 4.5倍 Write
 3.8倍 Random Read
 4.0倍 Random Write

これもCrystalMarkの結果と同様の傾向が見られる。

☆CrystalDiskMark
M4300 HDD
M4300 HDD


M4300 SSD
M4300 SSD


結論:一度体感すると元にはもう戻れない。SSDに最適化されてないというWindowsXPですらこの性能だ。まだ拡張の余地があったとは。
まだ価格は高いが、今後はノートPCを中心に普及するだろう。サイズは2.5inch以下だし、HDDの耐衝撃機構も衝撃センサーに関わるソフトウェアの追加も必要なくなる。
デスクトップ機においては細かいファイルが多いシステムディスクとして使用し、データはまだ容量にアドバンテージのあるHDDを使用するのがベストだろう。

ファイルを整理したらWindows7をクリーンインストールしてみよう。SSDに最適化したOSでの性能はどうか。これは後ほど報告する予定。

 価格以外、HDDに劣っている点がまったくないのが素晴らしい。実際の所、購入するのは価格の面で躊躇していた。今後は量産効果が出てきて手の出しやすい価格帯に来るだろう。
 このようなレビューの機会を与えてくださり、新しいテクノロジーを体感できました。感謝しています。

☆Windows7 Professional(32bit)で試してみた
 SSDの性能を引き出せる新しいOSということでWindows7(32bit)を新規インストールしてみた。SP1以降、パッチは5月末までのものを当てている。


-----------------------------------------------------------------------
CrystalDiskMark 3.0.1 (C) 2007-2010 hiyohiyo
Crystal Dew World : http://crystalmark.info/
-----------------------------------------------------------------------
* MB/s = 1,000,000 byte/s [SATA/300 = 300,000,000 byte/s]

Sequential Read : 208.051 MB/s
Sequential Write : 124.593 MB/s
Random Read 512KB : 116.316 MB/s
Random Write 512KB : 112.937 MB/s
Random Read 4KB (QD=1) : 16.370 MB/s [ 3996.7 IOPS]
Random Write 4KB (QD=1) : 28.958 MB/s [ 7069.8 IOPS]
Random Read 4KB (QD=32) : 18.991 MB/s [ 4636.4 IOPS]
Random Write 4KB (QD=32) : 41.860 MB/s [ 10219.6 IOPS]

Test : 1000 MB [C: 6.8% (19.1/279.4 GB)] (x5)
Date : 2011/05/29 6:44:22
OS : Windows 7 SP1 [6.1 Build 7601] (x86)


CrystalMark 2004R3 122832
http://crystalrank.info/CrystalMark/09en/ranking.php?ID=1...

★ ★ ★ HDBENCH Ver 3.40 beta 6 (C)EP82改/かず ★ ★ ★
M/B Name
Processor 2793.00MHz[GenuineIntel family 6 model F step A]
Processor 2793.00MHz[GenuineIntel family 6 model F step A]
VideoCard RDPDD Chained DD
Resolution 1920x1200 (32Bit color)
Memory 2097,151 KByte
OS Windows NT 6.1 (Build: 7601) Service Pack 1
Date 2011/05/29 16:51

ALL Integer Float MemoryR MemoryW MemoryRW DirectDraw
127518 402008 280665 213196 123325 250264 37

Rectangle Text Ellipse BitBlt Read Write RRead RWrite Drive
26759 1935 1277 39 198834 139509 72112 60735 C:\100MB
M4300 Win7 SSD
M4300 Win7 SSD


…あれ?あんまり変わらないな。ランダムアクセス以外全体的にWinXPよりも若干低い。

13人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • リンさん

    2012/02/19

    8MB病の更新ファームを最近になってやっとアップデートしました><


    もしまだでしたらお奨めします~。
  • houmeiさん

    2012/02/19

    ありがとうございます。こちらもアップデートして安心できました。

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