このたびは、レビューアーに選出していただきまして、誠にありがとうございます。
「Intel SSD 320 Series」の魅力をより多くの方にお伝えできるように、頑張ってみます。
【概要】
今回事務局から提示されたミッションは、「レノボ ThinkPad X61Tablet」に「Intel SSD 320 Series」120GBを組み込むレビューを掲載せよとのことです。
レノボThinkPad X61Tabletは、仕事にも使用しているPCであるので、OSをクリーンインストールするよりも、できれば今の環境のままデータを移行したいところです。
そこで、インテルからデータ移行用に提供されているツールを用いつつ、HDDからSSDへのデータ移行、PC本体からのHDDの取り外し、PC本体へのSSDの組み込みをレビューしたいと思います。
私にとって、レノボThinkPad X61TabletとIntel SSDとの組み合わせは、ある意味鬼門でした。というのも前回レビューしたX25M↓は、なぜか認識されずインストールに失敗したという苦い経験があるからです。
今回は、そのリベンジということになりますが、果たしてうまくいくのか一抹の不安を抱きながらのレビューとなります。
ちなみに、ThinkPad X61Tabletに標準装備のHDDは、日立 HTS541616J9SA00 (2.5インチ/160GB/SATA/5,400回転/8MB)でした。
どれほどのパフォーマンスアップが成されるか、期待されます。
【開梱】
軽量で小型のSSDなので、このような簡易なパッケージで送られてきました。
とはいえ、プチプチ(エアークッション)で念入りに保護されています。
おなじみの茶箱仕様です。
箱の中身です。X25と同じパッケージングですね。
正面から。HDDと高さを揃えるためのスペーサーが装着されています。
背面から。表面の仕上げが結構粗いです。
【データ移行】
HDDからSSDに換装する前に、PCにSSDを接続し、PC内のHDDからデータを移行します。
データ移行には、インテルから提供されている"Intel Data Migration Software"を用いるのがラクチンです。
まず、インテルのWebサイトから"Intel Data Migration Software"のインストーラをダウンロードします。私がタヴンロードしたのは英語版ですが、他の方のレビューを拝見すると、日本語版も存在するようです。
ついでにPDFのマニュアルも落としておきましょう。
SSDをPCに接続した後、"Intel Data Migration Software"のインストーラを起動して、HDDのクローンをSSDに作成します。
PCとSSDとの接続には、SATA→USB変換アダプター↓を使用します。
接続後は、再起動をかけた方がいいみたいです。再起動をかけずに"Intel Data Migration Software"のインストーラを立ち上げると、SSDが認識されませんでした。悪夢がよみがえります。
再起動をかけた後、"Intel Data Migration Software"のインストーラを立ち上げると、無事認識されました。ドキドキものです。が、上手くいくときは、何の問題もなく上手くいきますね。
あとは、画面を見ながら、"Next"をクリックしていきます。
格納場所等こだわりがなければ"Typical"で。
ACEPに参加しますか、の画面。どちらでもよいみたいです。
管理者オプションの設定画面。一人で使用する場合はどちらでもよいかと。
バージョン、格納場所の設定確認画面。"Proceed"をクリックすると、
インストールが開始されます。
インストール成功。"Close"をクリックすると、
デスクトップにアイコンが表示されます。ダブルクリックすると、
"Intel Data Migration Software"が起動します。"Start Now"をクリックすると、
認識しているHDDとSSDが表示されます。"Clone Now"をクリックして、
"Reboot"をクリックすると、データの転送・コピーが開始します。
HDDの容量によりますが、私の環境では数十分かかりました。
これで、データの移行は完了しました。
あとは、HDDからSSDへのユニットの換装です。
【HDDの取り外し】
まず、バッテリーを外します。その前に電源ケーブルも外しておきます。
バッテリーは、赤丸で囲んだラッチを解除して、バッテリーを矢印方向に移動させると簡単に外れます。
HDDのメンテナンスハッチを外します。ねじ一つで固定されています。
ハッチを外して、黒色のベロを手前に引き出すと、HDDが取り出せます。
取り出されたHDD。側面には、ゴム製のダンパー(防振ゴム)が装備されています。
ダンパーは嵌っているだけなので、手で外すことができます。さらに4隅のねじを緩めると、マウントが分離されます。
行くHDDと来るSSDがご対面しました。これまで、クラッシュもせずご苦労様でした。
【SSDの取り付け】
SSDの外装ケースは、HDDとほぼ同一の形状に作られていますので、SSDでもマウントとダンパーはそのまま使用します。
ダンパーが有効に機能するように、スペーサーは外しません。
ダンパーを装着したSSDを矢印方向に押し込むと、SSDの換装が完了します。先端に設けられている電源とSATAの端子が差し込まれるように奥までしっかり押し込みます。
あとはハッチとバッテリーを元に戻すと、作業終了です。
【シェィクダウン】
電源を投入すると、これまでと同じように起動します。これまでと違うのは、圧倒的に速く静かというこですが。
特にパスワードを入力してから、起動が完了するまでが圧倒的に速いです。
CADソフトの起動も一瞬です。これは、仕事用PCとしては強力な武器になります。
ということで、早速エクスペリエンスインデックスでパフォーマンスを再評価しました。ハードティスク!?のサブスコアは、4.8→6.7に向上。
CrystalDiskMarkをかけてみました。
ランダム・アクセスが桁違いに向上しています。
3G/Sですが、ノートPCには十分な性能ですね。
【総括】
ということで、失敗に終わった前回のX25と同じように行ったつもりですが、今回はスムーズに換装を進めることができました。X25と320でなにか仕様上の違いがあるのかもしれません。
少なくとも、レノボThinkPad X61TabletとIntel SSD320との組み合わせは何の問題もなく、アップグレードできることが実証されました。
しばらく使用しての感想を以下に列挙します。
1.なんと言っても、起動と終了が早いです。毎日使うものですから大切ですね。
2.重量は2.5インチHDDとそれほど変わりませんが、機械的な可動部品がないので、モバイル環境で多少の衝撃が加わっても、安心して使用できます。
3.CADソフトとの組み合わせも良好です。
より具体的には、CADソフトでは定期的に図面のデータを自動保存するように設定しています。
図面が複雑になるとデータが重くなり、HDDでは自動保存が始まると、1,2秒ではありますが、製図作業が滞ります。
ところがSSDでは、一瞬で自動保存が完了しますので、いつ自動保存を実行しているのか気がつかないほどです。
4.ということで、仕事用PCこそSSDですね。
★★★以下、2011/8/12に追記しました★★★
【デスクトップPCへの組み込み】
レノボThinkPad X61Tabletから「Intel SSD 320 Series」を一旦取り外して、先にプレミアムレビューの機会をいただきましたマザーボード"DH67CF"
を擁するデスクトップPCに組み込んで、パフォーマンスと使い勝手を試してみました。以下は、そのレビューです。
こちらのPCのストレージには、もともと3.5"HDDとして↓が組み込まれています。
3.5"HDDからSSDに変更して、どれだけ性能が向上するか?ということです。
データの移行には、上記と同様に、"Intel Data Migration Software"を使用できます。ケースへの組み込みには、ブラケットの上側を使用します。写真では、薄くて分かりづらいですが、電源の左です。
組み込み後、電源を投入すると、当たり前ですが起動が速いです。起動時間は、125秒から52秒に短縮されました。起動完了の基準は、OSの起動時にタスクマネージャーを起動させ、CPU使用率が一桁に落着いたとき、として測定しました。
エクスペリエンスインデックスでパフォーマンスを再評価しました。ハードティスク(ストレージ)のサブスコアは、5.4→7.7に向上しました。
Crystal Disk Markをかけてみました。こちらも、全ての項目で桁違いに向上しています。
【動作音】
"DH67CF"のレビューの際には、低発熱のCPUと相まって冷却ファンの動作音が静かなPCを構成することができる反面、3.5"HDDの回転音が気になっていたことを記載しました。
今回は、「3.5"HDDからSSDに変更することにより、どれほど静かにできたか」について追記します。
音という物理現象は、人の主観によって評価が分かれますので、客観的なデータを提示すべく、PCケースの周辺に設置したマイクを介して動作音を録音し、フリーソフトを使ってPC上で解析しました。
できるだけ原音を評価できるように、↓をマイクとして用い、
録音機にはジグソーから支給された↓を使用し、WAVファイルで録音しました。
解析用のフリーソフトは、SoundEngine Free ver.4.58を使用しました。
マイクは、指向性を活かしつつ、ケースの正面、上面、左側面に設置し、PCケースのカバーは外して評価しました。正面はケースファンに、上面は3.5"HDD(or SSD)に、側面はCPUクーラーにそれぞれ近いです。
テストしたPCは、CPUのグラフィック機能を使用し、グラフィックボードを搭載していませんので、その音源は、ケースファン、電源、CPUクーラー、3.5"HDD(or SSD)のみとなります。
まずは、PHASE1として、3.5"HDDの結果から。画像をクリックすると、収録した音が再生されます。
耳障りなキーーン音の正体は、ピークが現れている1.4kHzの音のようです。ときどき、「ガリッ、ゴリッ」とハードディスクへのアクセス音が聞こえます。
PHASE2として、SSDは...
SSDへの換装後は、見事にピークが(もちろん、アクセス音も)なくなりました。SSDは事実上無音であるはずですので、録音されているのは、ケースファン、電源、CPUファンの動作音と、暗騒音ということになります。これらの音は、比較的広い周波数帯域に分布しているようで、体感的にも明らかに静かになっていることが解ると思います。
【総括2】
以上、デスクトップPCに「Intel SSD 320 Series」を導入した場合について追記しましたが、まとめると
1. 今さら感がありますが、3.5"HDDと比較しても、顕著なパフォーマンスの向上が得られます。
2. 単に動作音が低減されただけでなく、耳障りな1.4kHz近傍のピークがなくなります。特に、キューブ型のデスクトップPCの場合は、ユーザーの耳との物理的距離が近い場所に設置されることが多いので、静かになったと実感できると思います。
3.残る課題は、容量と価格ですが、前者については解消されつつありますね。
知的レビュアーさん
2011/08/12
夏休みの宿題をやり遂げた気分です。
Manyaさん
2011/10/01
周波数解析、面白い試みですね。
静音を目指す場合の指標として使えそうですね♪
知的レビュアーさん
2011/10/02
コメント、ありがとうございます。
上手くいかなくてもいいや、と思いつつやってみましたが、自分でも驚くほど、いいデータが取れました。
もう少し早く追記したがったのですが、まとまった時間がとれなくて、なかなかできませんでしたが。
リンさん
2012/02/19
もしまだでしたらお奨めします~。
知的レビュアーさん
2012/02/20
情報提供ありがとうございます。
「起動したら容量が8MBになっていた」って、ちょっとヤバイですね。
早急に、アップデートします。