<もくじ>
1)はじめに
・はじめに
・zigsowからの指令
・今回のレビューでやりたかったこと
2)本体の構成
3)各種性能試験
・性能試験概要
・Super π
・RAW現像
4)結論と今後さらにやってみたいこと
・結論
・今後さらにやってみたいこと
・最後に
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1)はじめに
・はじめに
毎日暑い日々が続いていますがいかがお過ごしでしょうか。
このたびインテル第3世代インテル Core プロセッサーTop Gun Reviewのレビュアーに
選出されたAelcanchelです。
今回がzigsowのPremium Review初参加となります。
レビューの体裁や長さについては試行錯誤しながら書いています。
また、このレビュー本文自体が長くなりそうですので状況に応じて「もちもの」や
「日記」などに内容を分散していきます。
極力わかりやすい内容にしていきたいと思いますのでよろしくお願いします。
なお、レビューは随時継続的に追記していきたいと考えています。
なにかご要望などありましたらコメントなどをお寄せいただければと思います。
・zigsowからの指令(抜粋・要旨)
今回のトップガンレビューの指令内容は以下の内容となっています。
1.「やってみたいこと」に記載したテーマ・内容に沿ってレビューする
2.実際に使ってみての長所・短所・改善してほしいところを含めて写真
および動画を使って詳しくレビューする。
3.レビュー製品を使用した環境(ハード・ソフトなど)についても記述する。
以上となります。
・今回のレビューでやりたかったこと
さて、その「やってみたいこと」については以下の「きになるもの」に掲載をしています。
内容としては、現在本務機として使用しているノートPC(ThinkPad X220)では
たとえCore i7を搭載していても数百枚のRAW現像となるとかなり時間がかかります。
よって現像にかかる時間を短縮をしたい。
そして夏場の室温が40度を越えることもあるため、それでも問題なく「普通に」
稼動できるようなパソコンがほしいと考えていたということです。
実際、仙台も暑いときはかなり暑く、今年の自室の最高室温は37度であり
そのような環境では扇風機も温風器になります。
さらには家の中のものすべてが熱を持つという凶悪極まりない状況であり、
言うまでもなく汗だくに。
ちなみに、37度というと人の平熱よりも暑い温度であるがそれと同時に一部メーカーの
出荷時点検の高温環境下における動作確認試験時の実施環境に近い温度らしい。
あくまでもそれは「出荷時点検」であり実際にエンドユーザーが使用する際にメーカーが
動作保証する室温は精々35度程度が上限であろう。
つまり、メーカーが想定している環境よりも過酷な状態で使用するということになると
思います。
ちなみに過去に私がパソコンを自作した際の部品選定基準はずばり
「夏場に室温40度でもきちんと稼動できること」
それを前提に組んでおり、Pentium4全盛期にPen4を選ばずにAthlon64を
選んだりするなど性能よりも高温環境下での安定稼動を主眼に部品選定を
していました。
今回レビューするCore i5 3570Kは付属してくるCPUクーラーからしてヒートシンクが
かなり薄いタイプとなっています。
発熱は他のCPUに比べてかなり低いものだと思われますが、
果たして実際のところはどうか・・・?
レビューしてみたいと思います。
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追記として、手元にはLenovo ThinkPad X220があります。
普段使いではThinkPad X220でほぼ全ての作業を行っています。
実用性能では特に問題を感じていませんが、大量のRAWデータの現像をしようと
するとかなり時間がかかるのでそれをなんとかしたいということもあったのです。
そのため、当初はCore i7あたりも検討していましたが今回トップガンレビューの
レビュアーに選出されたのでThinkPad Xシリーズでは割合上位に位置するパソコンと
Ivy Bridgeどっちがいいのか・・・それも調査してみたいと思います。
2)本体の構成
本体の構成は以下のとおりです。
ケース:
電源:
マザーボード:
CPU:(※このページ)
RAM:
SSD:
HDD:
OS:
Windows7 Professional SP1
(※もちもの未登録)
キーボード
(※レビュー執筆にあたり追加購入。)
マウス:
バッファロー製マウス
(もちもの登録割愛)
テンキー
以上の構成で構築しました。
ディスプレイ:
ASUS 20インチ液晶。
レビュー執筆にあたり購入した部品類の合計価格はOS・ディスプレイ込みで
8万円程度で、CPUが実勢価格が2012年08月12日現在で約1万7000円~2万円
程度なのでパソコン建造に当たって流用したケースなど付帯部品をコミコミで
新規建造した場合概ね10万円~12万円程度でディスプレイ・OSを含むパソコン
一式を調達できることになります。
本音としてはCPUを除く出費は約5万円程度にしたかったのですがOSやディスプレイを
流用することができなかったため、そこのところで費用がかかってしまったのと
キーボード自体も少々高額の製品を調達したため全体的に高上がりになって
しまったのが悔やまれるところです。
しかしながら、出来上がったパソコンの出来には満足しています。
※関連日記
3)各種性能試験
建造したパソコンを使用してまずは一通りの性能試験を実施してみたいと思います。
・性能試験概要
建造したパソコンで性能試験を行います。
このパソコンを建造する前まで本務機として稼動していたThinkPad X220との
性能比較を行い、デスクトップ版Core i5とノートPC版Core i7の性能差を調べて見ます。
また、ThinkPad X220については通常はバッテリ稼働時間を優先して実用性能を
損なわない程度に性能に制限をかけていますが、処理性能を優先した
「マックスパフォーマンス」モードによる性能試験もあわせて行っています。
そして、今回の性能試験で使用するソフトは以下のとおりです。
・Superπ(円周率演算ソフト)
・Digital Photo Professional(RAW現像・画像補正ソフト)
※ なお、当初FinalFantasyXIベンチマークなどいくつかの3Dゲーム系ソフトなどを
使用しての性能試験も実施する予定でしたがノートPC側で何故か動作せず、
検証ができなかったため、今回は割愛とさせていただきました。
テスト環境:
・Superπ:3355万行を演算。演算完了時間を計る。
・Digital Photo Professional:
EOS 7Dで撮影したRAWデータ76ファイル@約1.90GBを特に画像補正せずに
「一括保存機能」で単純にJPEG画像へ変換。
変換終了時間を比較する。
※ThinkPad X220についてはHDDをSSDに換装しているため、Core i5 PCについても
テスト用のデータをSSDにおいて試験を実行しています。
テスト結果は以下のとおりです。
まず、意外なことにThinkPad X220が意外と処理速度が速いということ。
ThinkPad X220@4286CTOに搭載されているCore i7は2コア4スレッドなので
デスクトップ版Core i7よりもコア数をオミットしていたりするのですが
省電力モードでも「マックスパフォーマンス」モードでも処理時間は
ほぼ誤差の範囲内になっていたのが印象的でした。
転じて、Core i5 3570Kについてはやはり世代が新しいということもあり
円周率演算は約2分少々、RAW現像に至ってはおよそ4分の時短となっています。
もちろん、メモリ速度や付帯する諸部品が全体的に高速であることも寄与していますが
それにしても、約4分の時短は多忙な際に助かりますね。
なお、Digital Photo Professionalは実はマルチコアCPUに最適化されていない
ソフトらしいようでして、仮にマルチコアCPUに最適化されているソフトで
RAW現像をするとより高速化される可能性はありそうです。
なお、CPUのベンチマーク中の温度は…
CoreTemp上での温度計測になりますが、CPUコア温度は平均で50度程度。
最大65度程度であり、思ったよりも高い温度にはなっていません。
なお、室温は約34度で実行してのものです。
ちなみに、ベンチマーク中に限らずマザーボードの機能ではあるのですが
負荷と温度に応じて動作中、CPUファンの回転数を可変しており
負荷がかなりかかっている時&温度が高い時にはファンの回転数が全開で
回っており、逆に負荷がかかっていない時や温度が低いときにはファンの
回転数が低く制御されているのが印象的でした。
そして、ノートPC。
ノートPCでは温度上限値?のTj.Maxの100度を超えてしまうこともありました。
実際、パソコンから出てくる廃熱自体も普通よりも多くなっていましたので
如何に負荷がかかっていたのかということ。
4)結論と今後さらにやってみたいこと
・結論
今回実際にパソコンを建造して感じたことを書いていきます。
<構成を工夫すると静音かつ高性能PCも作れる?>
Ivy Bridge版Core i5ではもっとも高性能な3570Kは夏の暑い環境であっても
添付のCPUクーラーの薄さが物語っているように放熱が少ないということ。
今回は添付のCPUクーラーで動かしていましたがもっと大型のCPUクーラーを使うなど
構成を工夫すれば更に静音で高性能なパソコンもできると思います。
<夏場でも安定稼動できるのは魅力。>
夏場、
室温が30度どころか人の平熱を超えるような室温であっても安定稼動できるのは
魅力的。
それが当然といえば当然ですが一昔前のパソコンは高温環境下ではあからさまに
ケースから伝わる熱がかなりのものだっただけに如何に今のCPUが作り方次第で
省電力かつ高性能なものができるのかを実感しました。
・今後さらにやってみたいこと
<動画やRAW現像の際に更に突っ込んだ編集をしたい。>
今回は予算と時間の関係上、日常ノートパソコンでやっていることを新しいパソコンで
あれこれやって既存のソフトが正しく動くかどうかの検証がどちらかといえば
メインではありました。
確かに普段使いであっても各所でCPU性能がノートPC以上に余裕であることが
実感できるため、今後は動画編集やRAW現像でもより高性能なソフトを
使用するなどしてよりCore i5 3570Kの性能を生かせるような作業をしてみたいです。
・最後に
今回レビューしたCore i5 3570Kは普段使いであれこれ作業をする際には
なかなかに使えます。
はじめはCore i7 2600Kでなきゃダメだと思っていたこともありましたがCore i5で
あっても使い方次第では十分に旗艦パソコンとして利用できるということ。
よほど3Dゲームとか著しくヘビーな作業をするのでなければCore i5 3570Kであっても
十分使えます。
また、Core i7 2600KとCore i5 3570Kの価格差は5~7000円程度です。
自作パソコンの予算をCore i7 2600K基準に計算していた場合、あえてCPUの
グレードを下げて差額をほかのパーツにまわすといった余裕が出るのもあるのでは
ないのでしょうか。
また、今の世代の自作パソコンはちょっと古い世代の部品と比べて部品選択によっては
簡単に接続や結線・固定ができて、機器を使うための設定も割合簡単にできるように
工夫されていたりするので、初めてパソコンを組む人も、久々にパソコンを組む人も
より安心して組み立てができると思います。
そのパソコンの肝となるCPUにCore i5 3570Kはお勧めします。
最後にはなりますが、今回レビューの機会を与えてくださいましたインテル株式会社様と
zigsow株式会社様には心より感謝いたします。
そして、文章主体の長文レビューにお付き合いいただきました閲覧者の方も
最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
白輝望さん
2012/08/15
私の部屋も西陽で真夏の部屋温度が40度付近まで到達するため、PCの常時稼動を検討していることから大変参考になりました!
私もノートPCのCPUとの比較をやりましたが、明らかに「がんばっている感」が伝わってくるような感じで、Core温度が90度以上とかでも製品の仕様として問題ないのはわかるんですが少し不安になりました。そういう意味で余力を持たせたまま負荷テストを乗り切る3570Kは好印象です。
実際問題、i7じゃないとダメな場面が頻発する環境でない場面では3570Kで必要十分ではないでしょうか。
砧順一さん
2012/08/16
ちょっと添付のCPUクーラーはクーラー能力以上の発熱となった場合にヒートシンクの
薄さといい放熱に不安を感じます。
とりあえず稼働中の温度モニタをしっかりして様子を見ていますが、特に問題はありません。
また、ターボブーストがかかっているかもしれませんが特にあまり意識していません。
グリス以外は製品の完成度は高いのでしょう。
これからプログラムを変更したりしてすこしCore i5を酷使してみたいとは思っていますが
酷使できるソフトで自身で使えるソフトが意外とないか、高価なのが問題です・・・。
砧順一さん
2012/09/08
参考までにCrystalMark2004での性能試験の結果を張ります。
結構速いですね。