レビューメディア「ジグソー」

ちょっとやそっとじゃ壊れないタフなやつ

1日に1人、77日で77人のレビュアーを募集するこの企画。
申し込んだのを忘れてしまったころに当選しました。うれしさ半分、驚き半分です。

テーマにしていたのは2400Sとの比較とIntel QSV。2400SはSandyBridgeでは省電力モデルになります。



今2400Sがささっているのは6シリーズマザーの初期にレビュアー募集されたDH67CF。



さっくりと差し替えればよいと思っていたのですが、ここに落とし穴が。
Intelのサイトで確認すると、一部の初期ロットのマザーはボードのAAリビジョンによっては
BIOSをアップデートしてもIvyBridgeは非対応になるとのこと。

リコール騒ぎの直後に配達されてきたこのマザーもばっちり対象です。
したがって、ほかのマザーで試すことになりました。

次に考えたのはIvyBrigde用に作られた7シリーズマザーです。
手元にあるのは




こいつを2400Sに乗せかえるところからスタートです。
まぁ、乗せかえるだけなのでたいした作業ではありません。
電源入れて起動確認して、さっくりとデータとり。
アイドル時の消費電力は36Wくらい。

2400Sアイドル時消費電力
2400Sアイドル時消費電力

A9のベンチやゆめりあベンチを動かしたときで67Wくらい。

2400S A9ベンチ時消費電力
2400S A9ベンチ時消費電力


2400S ゆめりあベンチ時消費電力
2400S ゆめりあベンチ時消費電力


ゆめリあベンチのスコアは8700程度、A9は6FPSくらいでした。

考えてみればTDP65WのCPUが、70W以内で動作しているわけです。

QSVの性能も確認しようかと思っていたのですが、Media Espressoでも、
デコード時しかハードウェアを使わないとの表示になります。

2400S Media Espresso
2400S Media Espresso


おかしいと思いながらCPU-Zを確認するとGPUがHD 1000と表示されます。
HD 1000はQSV非対応なので当然です。

2400S GPU確認
2400S GPU確認



しかし、あとで確認すると2400SはHD2000との表記が。謎です。


ここまでデータを取ったら、CPUを本命のCore i5 3570Kに入れ替えます。
さっきと同じ手順で入れ替えてゆめりあベンチを起動するも、5秒くらいでPCが落ちます。
電源を入れても、3秒くらいでまた落ちます。

ここで5秒ほど考えて、大事なことに気がつきます。

なんと、CPUファンの電源コードをつないでいません!!
いくらKがついたモデルだからといって、ファンもつけないでベンチは無謀です。
心を落ち着けてCPUファンのケーブルをつないで再起動します。

こんどはバッチリな感じ。さっそくA9ベンチを起動しますが、30秒くらいでまたもや落ちます。
CPUファンはちゃんと回っています。電源を入れなおしてBIOS画面を確認すると、CPU温度が93度。
ちょっと見たことのない温度です。CPUファンを取り外すと、さっき塗ったグリスが
そのままの形で残っていました。どうやらきちんとCPUファンを取り付けていなかったようです。
再度取り付けて温度を測ると50度くらい。ようやくまともな温度になります。

今度はベンチを取ってもPCが落ちません。一瞬CPUを疑ってしまいましたが、全部作業ミスです。


そんなこんなで、ようやく消費電力を図ることができます。
アイドル時は38Wくらい。気持ち2400Sより高い程度でしょうか。
3570K アイドル時消費電力
3570K アイドル時消費電力

一方、ゆめりあベンチのときは76Wくらい。スコアは倍近い17000くらい。
3570K ゆめりあベンチ時消費電力
3570K ゆめりあベンチ時消費電力

A9ベンチはオープニングで24FPSくらい。消費電力は82Wくらい。
3570K A9ベンチ時消費電力
3570K A9ベンチ時消費電力

いずれにしても、HD1000からHD4000になることで消費電力は10%UPくらいでずいぶん早くなります。

次はQSVのテストです。こちらは、ハードウェアアクセラレーションの有無で比較してます。
まずは、GPUの確認。ちゃんとHD4000になっています。

3570K GPU確認
3570K GPU確認


MediaEspressoでも設定画面が表示されます。

3570K MediaEspresso
3570K MediaEspresso


手元にあった30分のMPEG2-TSファイル同サイズのMPEG4に変換してみます。
最初に、エンコード、デコードともQSVを使ったときの結果です。

GPUでエンコード、デコードしたとき
GPUでエンコード、デコードしたとき


続いて、エンコードはQSV、デコードはCPUの場合です。

CPUでデコードGPUでエンコードしたとき
CPUでデコードGPUでエンコードしたとき


エンコード時間に倍近い差があります。このときの消費電力はGPUのみのときで62Wくらい、CPUでデコードしたときで104Wくらい。つまり、QSVを使ったほうがエンコード時間が短縮される上に、消費電力も20%DOWN。いいことずくめです。正直、ためしてみるまでここまでの差があるとは思いませんでした。

さて、それではCUDAとはどれくらいの差があるのでしょうか。一緒にレビューとなった



これでエンコードをしてみることにします。ちなみに何もしないアイドル時の消費電力は65Wくらい。GeForceだけで30Wくらい消費しているようです。余談ですが、最初にさしたときは、54Wくらい。そのかわりGeForceを認識しません。5秒ほど考えて、PCI-Eの電源ケーブルをさしていないことに気がつきます。メーカーによってはPCI-Eの電源が供給されていないとBIOSでエラーを出すものもあるようですが、このVGAは、そのようなことはないようです。

QSVのときと同様の設定でエンコードしてみます。できたファイルサイズが結構異なります。1600*1080の30アニメをエンコードして、QSVは1.7GB、CUDAは2.12GB。画質はともかく、再生したときのWMPの大きさも異なります。PIXEL数は一緒なのでなぞです。このときの消費電力は、なんと250W。QSVの3倍です。エンコード時間も3倍弱。CUDAでのエンコードは、この点は微妙に感じます。

日ごろ、動画のエンコードはやっていなかったのですが、今回試してみて、DVD初期のころに比べて大幅に高速化されていること、それでいて消費電力が低いことが確認できました。CUDAと比較するまでは、GPUのおまけ程度に考えていたので、ここまで速度、消費電力に差があるとは思っていませんでした。

そして、IvyBridgeはタフです。CPUファンがなくても、結構平気で動いていました。熱くなったら勝手に落ちます。そういう面でも安心です。OROCHIとかで試してみたくなります。
また、SandyBridgeは2400Sとの比較だったのですが、アイドル時はそれほど消費電力が変わりません。最近、Core i3シリーズも出てきましたし、これから買うならIvyBridgeでしょう。

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