さて、今回はi5 3570Kのトップガンレビューのレビュアーに選出していただきました。
さて、今回のお題は簡単に言うと「Z77マザーに乗せてi7 2600Kと比較してみる」ということ。
今回レビューするCore i5 3570KはIvy bridge世代のCPUなのでSandy bridge世代のi7 2600Kより一世代進んだCPUとなっています。
プロセスルールは32nmから22nmに微細化されており、内蔵グラフィックもHD3000からHD4000に進化。
しかしその一方でハイパースレッディングは無効化されており、キャッシュも微妙に減少しています。
今回比較してみるのは
①ゲーム(World of Tanks)
②RAW現像(Nikon View NX2)
③動画エンコード
この3つ。
選んだ理由は単純に普段使用する中で負荷の高そうな作業だからです。
ウィルスチェックなどを入れても良かったのですが、多分ディスクアクセス速度などのほうが影響大きそうなので除きました。
●まずは開封。
このような外装に入っており、i5 3570Kであること、アンロック版であることなどが一目でわかるようになっています。
で、箱の外からこのようにCPU本体が見えるようになっており、型番やSSPEC、産地(これはマレーシア産)を確認することができます。
さてこの箱を開封してみるとこのような感じに。
左にあるのはCPU交換方法や保証について書かれたマニュアル+i5のロゴシール。
右にあるのがひっくり返ってCPUと接触する面の見えたクーラーですね。
さらにその右端の方にはダンボールに挟まったプラスチックが見えますが、これはCPUを包んでいるものです。
これを組み込む環境の概略としては、
CPUクーラー: Antec Kuhler H2O 920
マザーボード: GIGABYTE GA-Z77X-UD3H
グラフィックボード: GIGABYTE GV-N560OC-1GI/L2
システムドライブ: Intel SSD320 120GB
メモリ: Patriot PSD38G1600KH
電源: Corsair CMPSU-750HXJP
大体このような構成です。
ミドルレンジのZ77マザーにGTX560Ti、SATA2.0のSSD、DDR3-1600 8GB、割と安定する電源、CPUは簡易水冷と、まぁなんというかこれといった特徴のない環境なのではないかと…。
あえて言うなら簡易水冷使ってるのは多少は珍しいですかね…?
で、温度に割と直結する可能性のあるサーマルグリスとしては
このMX-4を使用しました。
性能にはある程度の定評があるようですし、塗りやすく、またそれなりに量があるので今回のようにCPUをコロコロ変える場合には重宝します。
さて、ここからは実際にi7 2600Kとi5 3570Kを用いて色々と測ってみた結果です。
①ゲーム(World of Tanks)
これは、基本プレイ無料なオンラインゲーム「World of Tanks」をプレイした場合、どの程度のfpsが出るかというテストです。
条件としては、1600x900のウィンドウモードで、グラフィックを「Very High」設定にして「Siegfried Line」というステージでfpsを見るというもの(ちなみにステージはランダムだったりするので割と面倒だったのは秘密)。
fpsはゲーム上でも表示されますが、今回はBF3レビューでも用いたfrapsというソフトを使いました。
…で、その結果なのですが、一言で言うとi7 2600Kとi5 3570Kに差は見られませんでした。
双方とも60fpsに張り付いており、たまに59とかになるんですが誤差レベル…。
3Dの戦車ゲームなのである程度負荷あるだろうと思っていたんですが、CPUの演算分はそこまで大きくない(このレベルだと余裕の)ようですね。
②RAW現像(Nikon View NX2)
これは、一眼レフ(Nikon D5100)で撮影したRAWファイルを、Nikon純正のソフト「View NX2」で片っ端からJPGファイルに変換するというもの。
サイズは元画像と同様、画質は最高という設定で316枚のRAWファイルを連続で処理し、時間を計測してみました。
※ちなみに、処理中のCPU使用率はこんな感じ。負荷は大きいのですが、あまり効率的ではないかもしれないですね。
※※RAWファイルはWD10EALXに置き、書きだしたJPGファイルはIntel SSD320に放り込まれるように設定。
これの結果としては、
i7 2600K: 21min 05sec
i5 3570K: 20min 21sec
以上のように、i5が上回るという結果に。
処理中はすべてのスレッドを使っているようなのでハイパースレッディング有効なi7が上回るとばかり思っていただけに、かなり意外な結果でした。
かなり負荷が変動しているようなので、その辺りが影響したのかもしれませんね。
③動画エンコード
ここでは、三十分で2~3GBというとてつもない容量を食うTSファイルを、AVI Utilityというソフトと幾つかのプラグインやらなにやらを用いてMP4形式に変換してやった結果です。
ちなみにこれは②のRAW変換とは異なり、CPU使用率が100%に張り付いてくれます。
※NL Means Light for GPUという重めなフィルタを適用しているため、かなり処理時間は長いです。これを適用しなければもっと早く終わるはず…。
これの結果は、
i7 2600K: 2h 47min
i5 3570K: 3h 4min
以上のように、今回はi7が上回りました。
ちゃんとすべてのスレッドを使いきってやれば、一世代前とはいえi7が上回るようです。
しかし予想していたより差が小さいなぁと感じたりも。
改良によって同じ周波数でもより処理能力が上昇しているのかもしれませんね。
●まとめとその他
上に示した実験の結果を簡単にまとめると、以下の様な感じでしょうか。
・負荷がある程度以上にならなければi7 2600Kとの差異は見えない
・負荷のかかり方によって、i7 2600Kを上回ったり下回ったり
ということで、性能的にはかなりいい線を行っていると思われます。
価格や入手性を考えると、i5 3570Kでいいような感じがしますね。
性能的にはi7 3770Kの方が良いでしょうが、予算などと相談して3770Kが辛い場合、このCPUはかなりおすすめできるものだと思います。
○熱に関して
Ivy Bridge発売直後に話題になった熱の問題(コアとヒートスプレッダ間が半田ではなくグリスで熱輸送しているために熱くなりやすい)に関連してか、高負荷時の温度差(コア温度読み)がi7より10度程高くなっていました。
また、CPUクーラーのクーラント温度も数度上昇していたりと、熱くなっていることは間違いないようです。
ただし熱くなっていてもCPU-Zなどを見る限りでは普通にターボブーストは効いているようですし、この真夏の高負荷時でもコアで70度前後だったため、実際問題普通に使っていればこれといった問題は感じません。
そのうちOCしたくなったら殻割りなどを検討しようかと思います。
○メモリに関して
最近のCPUは、メモリコントローラがCPUに内蔵されている、ということをご存知でしょうか。
知っている方が多い気もしますが、Ivy Bridgeも例外ではありません。
で、当然同じマザーを使っている一つ前のSandy Bridgeのi7 2600Kも同様にメモリコントローラ内蔵なわけですね。
で、Ivyの地味な(?)改良点として対応メモリの性能が上がっていたり。
SandyではDDR3-1333までの対応だったのに対し、IvyではDDR3-1600までとなっています。
そのせいかはわかりませんが、i7 2600Kを搭載した構成に追加して挿した際には相性が出ていた
このメモリですが、i5 3570Kの構成では相性が発生しませんでした。
まぁあくまでも相性であり、別のマザーではi7 2600Kでも同様のメモリの積み方ができていたりするので一概にコントローラのせいにもできないのですが…。
いずれにせよ、8Gでも十分ではありますが、やはり積めるなら積みたいのが人情というもの。
ということで、当面はi5の方をメインにしてみようかなぁと考えています。
きっと消費電力も小さくなりますし…w
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