この度は、プレミアムレビューの「TOP GUNレビュー」に選出いただきまして、
ありがとうございます。
Core iシリーズのCPUは幾つか所有していますが、どれも第二世代のSandy Bridgeになり
第三世代のIvy BridgeのCPUは初めてとなります。
今回は手持ちのパーツなど利用して、コンパクトな省エネPCの作成をテーマにレビューを
記載したいと思います。
今回のレビューは、以下の項目で記載する予定です。
1、Core i5 3570Kの特徴
1.1 仕様
1.2 画像など
2、組込
2.1 構成機器
2.2 組込
3、比較
3.1 各種ツール
3.2 消費電力
3.3 騒音
4、その他
5、総評
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1、Core i5 3570Kの特徴
1.1 仕様
仕様
プロセッサー・ナンバー i5-3570K
コア数 4
スレッド数 4
動作周波数 3.4 GHz
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 3.8 GHz
インテル スマート・キャッシュ 6 MB
バス/コア倍率 34
DMI 5 GT/s
リソグラフィー 22 nm
最大 TDP 77 W
メモリ
最大メモリーサイズ (メモリーの種類に依存) 32 GB
メモリーの種類 DDR3-1333/1600
メモリーチャネル数 2
最大メモリー帯域幅 25.6 GB/s
ECC メモリー対応 No
Graphics Specifications
プロセッサー・グラフィックス IntelR HD Graphics 4000
グラフィックス定格周波数 650 MHz
グラフィックス最大動的周波数 1.15 GHz
インテルR Quick Sync Video Yes
インテルR InTru 3D テクノロジー Yes
インテルR Insider? Yes
インテルR ワイヤレス・ディスプレイ Yes
インテルR フレキシブル・ディスプレイ・インターフェイス (インテルR FDI) Yes
インテルR クリアー・ビデオ HD テクノロジー Yes
サポートされているディスプレイ数 3
Expansion Options
PCI Express リビジョン 3.0
Package Specifications
最大 CPU 構成 1
TCase 67.4°C
パッケージサイズ 37.5mm x 37.5mm
対応ソケット FCLGA1155
情報リンク:http://ark.intel.com/ja/products/65520
上記が仕様になります。
第3世代インテルCoreプロセッサー・ファミリーのIvy Bridgeになり4コアで
Core i7と違いハイパースレッディングが無いので4スレッドになります。
一世代前のSandy Bridgeの32nmから22nmへと微細化され低消費電力化と
TDPが低減されています。
GPUも実行ユニット(Execution Unit)が、Sandy Bridgeの最大12基(HD3000)
から最大16基(HD4000)へと拡張され、DirectX 11にも対応しています。
1.2 画像など
2、セットアップ
2. 組込
今回は、省エネコンパクトPCというコンセプトで構成しました。
PCケースは、キューブ型ケースに省エネという事で、SSDにアダプター電源
という構成で組み立てています。
※アダプター電源の容量が100Wなので極力電力を使わないようパーツも
最小構成にしています。また、パーツの計算的にもギリギリの設定なので
参考にならないかもしれません。
2.1 構成機器
今回は、以下の構成になります。
CPU :Intel Core i5 3570K
HDD :Crucial M4 SSDシリーズ 256GB CT256M4SSD2
メモリ :PATRIOT PC3-12800 8GB(4GB×2)(PSD38G1600KH)
マザボ :Asrock Z77E-ITX
グラボ :CPU内臓(HD Graphics 4000)
電源 :NT-ZENO/DC100 AC電源100W
CPUファン:サイズ SHURIKEN リビジョンB SCSK-1100
ケース :A-ITX-200P300(Mini-ITXケース)
2.2 組込
上記2.1 構成機器で、Mini-ITXケースに組み込みました。
本来は、SFX電源のケースをACアダプター電源に交換したので
マザボ上に余裕があります。そこへCPUの熱量対策もふまえて
ちょっと大きいCPUクーラーを設置しました。
以前、SFX電源が入っていたときは、CPUクーラーの高さ制限が
ありSlim X3しか入らなかった記憶があります。
今回は、最小構成ということもあり中身はコンパクトです。
3、比較
Core i3 2100と各種処理の比較を行います。
今まで同じケースで、Core i3、CPUクーラーSlim X3、SSD
Intel X25-M G2 120GB、アダプター電源で運用してきた
ので、その構成と比較します。
3.1 各種ツール
ベンチマークツールや、アプリケーションの比較を行ってみました。
ベンチマークツールは、FF14ベンチ、PSO2ベンチなど。
アプリケーションは、自分が主に使用するRAW現像や動画変換など
対象にしています。
・ベンチマーク
CINE BENTI
OpenGL 5.91→20.20fps
CPU 2.95→5.84pts
CPU(シングル) 1.23→1.54pts
PSO2 BENTI
154→1035
FF14 BENTI
371→1334
・エクスペリエンス
・RAW現像
α33で撮影したRAWファイル、10個をJPEG変換を行いました。
SILKYPIX 60→60秒
RAWTHERAPEE 70→68秒
・動画変換
α33で撮影した動画60i(容量100MB)をH264に変換を行いました。
32→13秒
3.2 消費電力
今回、電源がAC電源の100Wということで構成機器も必要最小限のパーツで
構成しました。
計算上、CPUの消費電力が最高77Wなので残り23W以内でSSDとマザーボードを
使用しないとオーバーになってしまいます。
上記を踏まえて、ワットモニターで計測してみました。
消費電力計測結果
アイドル時 :36W
OCCT時 :99W
CINEBENTI :82W
PSO2ベンチ :78W
計測した結果、OCCT計測時に99Wとギリギリの状態でした。
CINEBENTIや、PSO2、FF14などのベンチでは負荷が80%台だったので
若干余裕はありますが、現在の構成ではパーツの追加などは厳しい
状態です。
用途的には、ちょっとした動画編集やRAW現像などなので、そういった
場合には大丈夫そうです。しかし、余裕は欲しいところです。
3.3 騒音
PCの音に関しては、スマホアプリを使用し計測してみました。
・Core i3 2100(AC電源、Thermaltake SlimX3 (CLP0534))
アイドル時:30db
高負荷時 :30db
・Core i5 (AC電源、Shuriken B (CLP0534))
アイドル時:40db
高負荷時 :40db
冷却性を考えて、CPUクーラーを交換したのですが、それにより
ファンの音が大きくなってしまいました。回転数が調整できれば
アイドル時に下げるなど可能なのですが、設定項目がみつからず
またSpeed Funなどの制御ソフトも対応していないようなので
下げることは出来ませんでした。
4、その他
各種ベンチマークを行った結果、やはり電源容量が100Wでは厳しそうです。
今回の課題である、コンパクト省エネは何とかクリアーしたのですが
検証内容を踏まえ、快適にするための今後の課題などリストアップしました。
・電源の容量アップ
100Wではギリギリなので、電源容量のアップを計りたい。
ACアダプター電源で150Wの製品があるので購入を検討。
これにより、PT3など機器の増設も可能なるかと。
・マザーボードの省エネ設定
IES (Intelligent Energy Saver)設定
http://www.asrock.com/feature/IES/index.jp.asp
・CPUクーラーの静音化
CPUクーラーを交換したことによりファンの音量が増加したので
回転数のコントロールか、別のCPUクーラーの導入など検討したい。
(余談)
今回は、レビューを仕上げるのに時間がかかってしまいました。
最初の段階でセットアップがうまくいかず躓いてしまい切り分け
作業など行っていました。
症状は、電源を入れてもBIOS画面が立ち上がらずCPUファンが回転と
停止を繰り返す状態です。最初、電源容量が足りていないのかと
思い、300W SFX電源や750WのGold電源に交換しても解消せず。
CPUの取り付け確認なども行い、最終的にメモリになりました。
空いている手持ちのメモリでは駄目だったので、メインPCのメモリ
を使ってみると起動成功。
メモリを発注して、組み上げるまで時間がかかったしだいです。
間に合わなければ、臨時構成で仕上げる予定でした(^^)
今回のマザボは、エラー時にBeep音がならないようなので、ちょっと
切り分けには欲しいですね(Z77E-ITXにはBeep用スピーカーを接続する
端子が無いようです)。
5、総評
今回は、コンパクト省エネ静音PCをテーマに作成してみましたが、100Wの
AC電源では、高負荷時の消費電力はギリギリでした。
コンパクト、省エネに関しては消費電力はギリギリでしたが静音に関しては
音量が30db→40dbと10dbのアップになり、微妙な感じです。唯一の発生源で
あるCPUクーラーがネックなのですが、この部分も課題です。
しかし、Core i3と比較し各種ベンチや動画エンコード処理の向上は体感
できました。HD2000からHD4000になり動画変換処理時間が半分以下になった
のは驚きです。RAW現象に関して、処理の差がなかったのがちょっと不明
なのですが、もう少し確認してみたいと思います。
今回は比較対照が、Core i3 2100と比較するにはスペック不足感もありますが、
いろいろ試すことが出来ました。
改めて考えると Core i5 3570KのCPUが77Wで動作するとは、凄い時代になった
ものですね。Core i3のスペック差を考えても12Wの差でベンチや動画変換など
驚くほどアップしています。今回の検証では、課題が幾つかありますがそれら
を解消すれば、コンパクトでスペックも十分なPCが完成するかと思います。
今後、手元にある他のSandyBridgのCore i7系のCPUとの比較も出来れば行い
たいと思います。
また、現在の仕様では、電源の容量上 Kシリーズの醍醐味であるクロック
アップなどは厳しいので、150WのAC電源の導入なども踏まえZ77マザボを利用
したクロックアップも試してみたいと思います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました m(_ _)m
TABUTABUさん
2012/07/19
消費電力はギリギリのところに寄せてますね。
コンパクトさとスペックは永遠のテーマですね。
mickeyさん
2012/07/19
ありがとうございます m(_ _)m
計算通りというか、ちょっと危なかったですw
コンパクトさとスペックは、今後も挑んでみたい
ですね(^^)
きっちょむさん
2012/07/20
ベンチマークやアプリケーションの挙動変化など、大変参考になりました。
やはりアプリケーションの挙動テストが一番性能差を把握するのに分りやすいですね^^
>計算上、CPUの消費電力が最高77W
これってTDP77Wのことですか?
お節介かもしれませんが、TDPって設計上想定されるマイクロプロセッサの最大放熱量のことなので、消費電力と因果関係は余りないらしいですよ?
mickeyさん
2012/07/20
ありがとうございます m(_ _)m
レビュー内容が参考になりましたら幸いです(^^)
TDPに関してですが、消費電力の目安という認識
でした。Intel製の場合、比較的同等の値であると
どこかで見た記憶があったのですが(失念)
きっちょむさん
2012/07/23
ああ、すみません。
"消費電力の目安"という表現でしたら、間違いは無いと思います。
TDP77Wの3770KとTDP95Wの2600Kって、
数値上はあれですが、図ってみると消費電力は殆ど同じだったりするので・・・。
おせっかいでしたね^^;
mickeyさん
2012/07/23
いえいえ、自分も紛らわしい記載をしてるので
ご指摘には感謝しております(^^)