McAfeeといえばアンチウイルス・セキュリティソフトではかなりの老舗企業ですが、個人的な感想ではコンシューマ市場では数年前まではあまり目立たない、割と地味な印象でした。
コンシューマ向けではウイルスバスターやカスペルスキーなどが有名ですが、マカフィーは法人向けでは圧倒的なシェアを 誇り、SaaS型のセキュリティソフトでは99%の国内シェアを持つ、半導体最大手インテル傘下のセキュリティ専門の企業です。
最近コンシューマ向けのラインナップも充実し、使いやすいライセンス体系のセキュリティソフトをリリースしています。
今回は、マカフィーの最新セキュリティである、マカフィー オールアクセス 2012をお借りすることができましたので、使い勝手などについて検証してみました。
最近ではPC以外にもスマートフォン、タブレットとネットに繋がるデバイスが増加し、セキュリティに対するニーズは増える一方です。
特にAndroid端末はアプリの審査もなく、簡単にダウンロード&インストールが可能な手軽さというメリットがある反面、セキュリティについては自衛する必要があります。
ネット端末がマルチデバイス化する中で登場したのが、1本のセキュリティソフトでWindowsも、Macも、スマートフォンも、タブレットも守れるという画期的なライセンス形態を持つ「マカフィー オールアクセス 2012」です。
■画期的なライセンス形態
今までのアンチウイルスソフトは、PC1台につき1年、というライセンス形態を採る製品が主流でした。
複数台のライセンスをまとめて安価にしたパッケージなどもありますが、台数によるカウントという意味では変わりません。
差別化を図るため、ソフトを購入すれば更新は無期限に行える形態のセキュリティソフトも登場していますが、これも基本的にはPC1台という括りになります。
マカフィー オールアクセス 2012は、PCなどのデバイスの台数ではなく、使用する個人に対してライセンスを付与する形態となります。
たとえば、私が使用しているPCはデスクトップ4台、ノート2台、スマートフォン1台、タブレット1台がありますが、これらすべてを1本のライセンスで保護することが可能です。
■マルチデバイス対応
さらに便利なのが、プラットフォームを問わず、マルチデバイスで使用可能という点です。
Windows PCのほか、Macintosh、Androidのタブレット、スマートフォンまでこの1本でカバー出来ますから、PCは1台しか持っていなくても、Android携帯を使っている人であれば携帯電話も一緒に保護することが可能です。
※私が所有しているのはPCはWindowsのみ、他はiPhoneとiPadという環境のため、今回のレビューではWindows PCのみの確認となります。
■使い方次第では大幅な経費削減に
今回レビューで使わせて頂いたのは1ユーザーライセンス版ですが、5ユーザー版もラインナップされています。
ダウンロード版であれば、5ユーザー版は12,995円ですが、現在キャンペーン中で9,747円と25%のディスカウントがあります。
たとえば、5人いる事務所でデスクトップとノートPC、Android端末の3台を使用している場合、 仮に1台あたり3,000円のセキュリティソフトを使った場合では、5人×3台×3,000円=45,000円が必要となります。
また、3台まで保護可能な6,000円のセキュリティソフトを購入した場合、5人×6,000円=30,000円となります。
しかも、MacとWindows、Androidスマートフォンが混在している環境では、さらに複雑なことになります。
この点、マカフィー オールアクセス2012は、5ユーザー版を1本購入するだけで、台数を気にすることなくすべての端末を保護することが可能です。
しかも、価格も9,747円とかなり安価に抑えることが可能です。
SOHOで仕事をしている方には、便利なライセンス形態と言えるかと思います。
■パッケージ開封・インストール
届いた箱を持って感じたのは「軽っ!!」という印象でした。
パッケージを開けてみると…中身は空。
あれ?と思って厚紙の印刷を見てみると、製品はこちら側にあります、というメッセージ。
引っ張り出してみると、簡単なマニュアルと、プロダクトキーが印刷されたライセンスカードが1枚入っているだけでした。
重量なんと83g。めちゃくちゃ軽いパッケージ
製品はここに入っていますタブ
中身空っぽ?!
中身は簡易マニュアルとライセンスカード
店頭に陳列した際の視認性を考えるとパッケージの厚みが重要なのは分かりますが、中身が空気というのは、輸送コストを考えるといかがなものか…とも思ってしまいます。
プロダクトキーが印刷されたカードもプラスチックである必要はありませんが、さすがに紙ではチープすぎるという判断でしょうか。
インストールメディアが用意されていないのには、製造コストの削減という意味もあるかと思いますが、この製品自体がCD・DVDドライブがあるパソコンだけをターゲットにしている訳ではない、という点も大きいかと思います。
スマートフォンなどの場合光学ドライブはありませんから、インターネットからのダウンロードインストールが当たり前になります。
インストール方法は極めて簡単で、手順としては
1,マカフィーのサイトへアクセス
2,IDを登録してプロダクトキーを入力
3,使用するプラットフォーム用のソフトウェアをダウンロードしてインストール
という手順になります。
以前、マカフィー トータルプロテクション 2011を使用していましたので、そのアカウントを使用することにしました。
■インストール
インストールは至って簡単です。
1,ライセンス登録
ライセンスカードに記載されているシリアル番号を入力し、登録します。
2,McAfeeにログイン
すでにMcAfeeに登録している人はそのままログインを、初めての方はアカウントの登録を行います。
以前マカフィー製品を使用していたときがあったので、今回はそのままログインします。
3, 登録完了
登録を完了したらマイアカウントに移動します
4,使用するプラットフォーム用のプログラムをダウンロード
使用するプラットフォーム用のプログラムをダウンロードします。
前に使用していたトータルプロテクション 2011のPC情報が残ってしまっています。
5,プログラムを選択
3種類のプログラムを選択可能です。
今回は最も機能が多い「トータルプロテクション」をダウンロードします。
続行を押すとセットアップ用の4MBほどのインストーラー プログラムがダウンロードされますので、ダウンロードを完了したら、インストーラーを起動します。
6,インストール
インストーラーを起動すると、本体のアプリケーションのダウンロードが開始されます。
7,ライセンス確認
先ほど登録したメールアドレスとパスワードを入力し、ログインします。
ログインすることでライセンスが認証されます。
8,インストール機能確認
インストールする際の機能を選択します。
今回は完全を選択しました。
9,インストール
インストールが完了するまで待ちます
10,カスタマーレスポンスの確認
セットアップが完了すると、使用状況について送信するかどうかの確認画面が現れます。
今回は送信するにチェックを入れました。
情報の送信が気になる方はチェックを外すことで送信が行われなくなります。
11,インストール完了
これでインストールは完了です。
■サイトアドバイザ
マカフィーが先駆けて導入した機能の一つが、サイトアドバイザです。
これは、ブラウザに組み込まれたプラグインが、検索結果に表示されたサイトをあらかじめ安全かどうか調べ、危険であればその旨をアクセスする前に警告してくれるという機能です。
従来型のセキュリティソフトは、マルウェアが仕込まれた危険なサイトを表示した際に、読み込まれたマルウェアを遮断することでセキュリティを担保します。
サイトアドバイザは、あらかじめ独自のクローラーが危険なサイトをサーバーに登録しておき、検索結果に表示されたサイトが危険であるかどうかを事前に判断、アクセスする前に警告することで危険を未然に防ぐ仕組みです。
マルウェアとセキュリティ対策はいたちごっこが続いており、日々新しい種類のマルウェアが登場しています。
ヒューリスティック機能で新種のマルウェアに対応できるようになっていますが、やはり一番安全なのは、君子危うきに近寄らず、です。
未然にリスクを防ぐという意味で、サイトアドバイザはとても効果的な機能だと思います。
■サイトアドバイザの動作実験
実際にサイトアドバイザの挙動を確かめるべく、マルウェアに感染する危険性が高いサイトが表示されるであろうキーワードで検索を行ってみました。
Googleの検索結果ですが、見事に多数のサイトでサイトアドバイザの警告が表示されています。
赤地に×の表示なので、警告はすぐ分かるようになっています。
実際にそのうちの1つのリンクをクリックしてみると、そのままサイトに遷移せず、確認を促すダイヤログが表示されます。
うっかり警告表示を見逃してしまってリンクをクリックした場合でも、いきなり危険なサイトに移動しないため、安心感があります。
サイトへ移動したい場合は、右下にあるすぐに表示リンクを押すことで表示可能です。
サイトアドバイザの機能を利用して、特定のサイトの安全性を確認することも可能です。
URLの表示欄の右側に、サイドアドバイザのマークが表示されますので、クリックすることで詳細が表示されます。
zigsowを確認してみたのが下記の画面となります。
■常に最新のソフトウェアが使用可能
ほかにも、マカフィーの特徴として、常に最新のバージョンのソフトウェアが使用できるという点があります。
通常は、購入したバージョンを有効期限にわたって使い続けることになりますが、マカフィーの場合は随時最新版のソフトウェアがサーバーにアップロードされますので、常に最新版を使用することが可能。
感覚としては、ソフトウェアをパッケージで買うというよりも、最新版を1年使えるライセンスを買う、という方が正しいと思われます。
■フルスキャン時の負荷は比較的高い
Core i5-3570Kで組んだPCを用いて、フルスキャンを行ってみました。
スキャン中のCPU利用率は37%と、比較的高いCPU負荷となっています。
全部で4コアが利用可能ですので、PCの操作が重くなることはないのですが、1.5コア(使用率換算25%)分の使用はかなり高めと言えます。
逆に言えば、マルチスレッド処理でPCが重くならない程度にガンガンと処理を行っている、とも言えます。
通常のバックグラウンドでの動作については、インストール後も体感的な差はなく、とても快適と言えます。
■3種類のアプリケーションを選択可能
マカフィー オールアクセス 2012では、下記の3つのソフトウェアを使用可能です。
・マカフィー オールアクセス トータルプロテクション
・マカフィー オールアクセス インターネットセキュリティ
・マカフィー オールアクセス アンチウイルスプラス
ダウンロードを行う際に選択画面が表示されますので、使いたいソフトウェアを選択します。
ソフトウェアの内容の違いについては、Webサイトにわかりやすく説明されています。
たとえば、マカフィーではなく、他社製のファイアーウォールソフトウェアを組み合わせて使いたい時には、ファイアーウォールが付属しないアンチウイルスプラスを使うなど、柔軟な運用が可能です。
■シンプルでいて使いやすいトータルセキュリティソフト
メインPCで使っているESETはまだライセンス期間が残っているためそのままですが、Microsoft Security Essentialsを使っていた他のPCを片っ端からマカフィー オールアクセス 2012に入れ替えを行いました。
私の場合、個人で所有している6台のPCを1本のライセンスでまかなえるので、とても便利です。
通常の3台までのライセンスしかない製品であれば2本購入する必要がありますので、コスト的にも優れています。
ライセンス登録も簡単で、ESETのように迷うことはありません(ESET、ライセンス購入の分かりづらさどうにかならないのですかね…)。
セキュリティソフトはソフトウェアごとの性能・機能差が分かりづらいこともあって、選択するときの基準が難しい製品の一つだと思います。
マルウェアに対する対応率といってもピンと来ませんし、知名度などで選んでいる方も多いのでは無いかと思います。
その点、1ライセンスで1ユーザーが使うデバイスをすべて保護できるというライセンス形態はとてもわかりやすく、他社との差別化にもなりやすいと感じます。
PCを複数持っている、あるいはAndroid端末も一緒に保護したい、という方にはとてもお勧めの製品です。
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