レビューメディア「ジグソー」

三つ巴バトル 『3570K vs 3770K vs 2600K』 !




※ 2012.08.20 ベンチマーク クイックビデオシンク エンコード比較結果について追記
※ 2012.08.09 CPU殻割り方法のアイディアは「春脳。さん」の日記から頂きました。を追記
※ 2012.07.28 CPU殻割りによる温度の変化加筆
※ 2012.07.23 総評を加筆修正

 本レビューはジグソープレミアムレビューになります。

 Intel Corei5-3570Kは第三世代インテルコアプロセッサー(以後、Ivy Bridge)に属するCPUで、第二世代コアプロセッサー(以後、Sandy Bridge)からのブラッシュアップ品となります。今回は、手持ちCPU 3770Kと2600Kを加えた合計3つのCPUを使った三つ巴バトルと題しまして、最上位モデル3770Kとの性能差、旧世代CPUである2600Kとの性能の差を調べてみたいと思います。

調べるに辺り、各種ベンチマークソフトウェアからの考察と、Adobe Premiere CS6を使ったアプリケーションによる挙動差の比較も行います。

ここまでを正規プレミアムレビューの内容とさせて頂き、
追記という形で「殻割り+LIQUID Pro化改造」について挑戦した顛末を書きたいと思います。


目次:
(1). イントロダクション
(2). 外観
(3). 付属品
(4). 仕様
(5). ベンチマーク
(6). 消費電力
(7). 総評




CPU表面に
・モデルナンバー
・S-spec
・定格クロックスピード
・産地
・ロットナッバー
が記載されています。

私が入手した石は初期ロット定番のマレーシア産でした。
今回もモデル末期にはコスタリカ産などが出回るようになるのでしょうか?


いつも思うのですが、Intelのパッケージってどれを見ても殆ど代わり映えありませんね。
型番をちゃんと見て購入しないと、違うものを買ってしまいそうです。



・CPU本体
・CPUクーラー
・マニュアル
・Corei5ロゴシール

この辺りもも代わり映えなしですね。




 IvyBrdige世代3770Kと3570K、SandyBridge世代の2600Kの仕様を表に纏めてみました。3770Kと3570Kを比較した場合、ハイパースレッティングに対応しているかどうかで、スレッド数に違いがあるほか、周波数とインテル® スマートキャッシュの容量に差があります。
 3570Kと2600Kを比較した場合、周波数は同じであるものの、製造プロセスの微細化、最大TDPの減少、メモリー駆動周波数の高速化、プロセッサー・グラフィックスの高性能化など、多くの点で、最新CPUらしく3570Kに優れた点を見つけることができます。唯一、インテル® スマートキャッシュが、Corei5かi7かの違いで、2MB差を付けられてしまっていますが、そこがどう性能に影響するかも検証で明らかにしてきたいと思います。


ベンチマーク
ベンチマーク

今回の性能比較検証を行うために、以下のPC環境を用意しました。

         ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          【OS】Windows7 Ultimate 64bit
          【CPU】INTEL CPU (Corei5-3570K/Corei7-3770K/Corei7-2600)
          【CPU cooler】CNPS9900 MAX RED LED
          【MB】MSI Z77A-GD65
          【RAM】Patriot PSD38G1600KH・・・4GB*2枚
          【SSD】Plextor PX-128M2P
          【HDD】WD 7200rpm 500GB
          【GPU】CPU内蔵
          【CASE】Corsair Carbide 300R
          【PSU】Antec HCP-850
         ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
CPU内蔵GPUの性能を測るために外付けGPUを取り外してベンチマークを取るようにしています。
また、前回のプレミアムレビューで


2600Kと3770Kのデータは取っていたのですが、SSDをPatriot Wildfire120GBから、Plextor PX-128M2Pに換装しなおすなど部品構成が変わっているため、データを全くの新規で取り直しさせて頂きました。幾つかの点でデータが異なるところもありますが、構成変更による誤差だと思って頂ければ幸いです。


┏■ CINEBENCH
┗┛━━━━━━━━━━━━━・・・・
CINEBENCH-CPU
CINEBENCH-CPU

CINEBENCH-GPU
CINEBENCH-GPU


CINEBENCHに3570K、2600K、3770Kを掛けてみました。
CPU性能を測るためのベンチマークソフトで、純粋なCPUパワーを図るには最適です。

今回の結果から見るに、CPUはほぼ予想通りな順当な結果、
GPUにおいてもHD3000とHD4000の差がしっかり出ています。

┏■ スーパーπ
┗┛━━━━━━━━━━━━━・・・・
スーパーπ
スーパーπ


 円周率計算プログラム「スーパーπ」は円周率を1.6万桁~3355万桁まで計算することができるWindows用プログラムです。CPU性能により、演算時間が変わるため、Benchmarkソフトとしてよく利用されているのですが、今回CINEBENCHとは異なる結果が出てきてしまいました。
3570Kが9秒、2600Kが10秒という結果。

 HTTが効かないベンチマークであるということと、同じ周波数であるということ、IvyBridgeの演算処理能力がSandy Bridgeより上回っているなどが要因に考えられます。

 前世代とはいえ、Corei7がCorei5に負けるって、なんだか衝撃的ですね。

┏■ CrystalMark 2004R3
┗┛━━━━━━━━━━━━━・・・・
CrystalMark 2004R3
CrystalMark 2004R3


 CrystalMark 2004R3 は詳細なシステム情報収集機能を備えた総合ベンチマークソフトで、CPU性能以外のMEM性能やストレージ性能なども複合的に測定してくれます。全体性能が分るため、新世代CPU載せ替えによるPC全体の挙動がどのように改善されたか、をみるのに最適化もしれません。

 そして今回においても、3570Kが2600Kを超えるスコアをマークしてしまいました。
スコアを調べてみるとALU(整数演算速度)と、GPU(グラフィック性能)で、大きくスコアに差をつけており、IvyBridgeがSandyBridgeにあらゆる点で勝っていることを裏付ける結果となりました。


┏■ PCMARK7
┗┛━━━━━━━━━━━━━・・・・
PCMARK7総合スコア
PCMARK7総合スコア

 PCMARK7は実際にソフトウェアを動かした時を想定し、サンドボックス内で実操作を模したエミュレートを行いスピードをはかるため、今回検証に使ったベンチマークソフトの中では、最も実挙動に近い結果を残してくれます。

そして、ここでも面白い結果が出てきました。
やはり、2600Kより3570Kのほうが総合スコアが高くなってしまいました。

ベンチマークスコアを詳しく調べてみると、CPU関連のテストは拮抗、
そして、GPUがらみのスコアが軒並み3570Kに大差で負けてしまっています。

 ここまでの結果を見るに、CPU内蔵グラフィックを使う前提では2600Kは3570Kに手も足も出ないということなのかもしれません。


┏■ Adobe Premiere CS6 H.264動画エンコード
┗┛━━━━━━━━━━━━━・・・・
Premiere CS6
Premiere CS6


Premiere CS6 動画エンコード速度
Premiere CS6 動画エンコード速度


                    ==== エンコード条件 ====
                    動画再生時間:3m04s
                    形式:H.264
                    プリセット:HD 720p 29.97
                    ======================

Adobe Premiere® Pro CS6で1時間ほどの映像を作成し、書き出し処理を行った際に、
完了するまでにかかった時間をグラフにしてみました。

ここでも3570Kがかなり頑張っていて、2600Kとほぼ同等の時間でエンコードを終了してしまいました。ここまで対等以上の結果を出されると、Corei7とはいえ2600Kを買う必要性は少ない気がしてきます。まあ、今回のエンコード用サンプルデータは余り容量が大きくないため、差が付かなかった恐れもありますし、結果については、参考程度にみるのが望ましいでしょう。

後日、Quick VIdeo Syncなどの性能などについても調べてみたいと思います。

※ 2012.08.20 追記
┏■ Adobe Premiere CS6 Quick VIdeo Sync 動画エンコード
┗┛━━━━━━━━━━━━━・・・・
Quick VIdeo Sync エンコード速度比較
Quick VIdeo Sync エンコード速度比較

インテル® Core™ プロセッサーに内蔵された映像のデコードとエンコード処理を高速化するハードウェアアクセラレータ「インテル® クイック・シンク・ビデオ」を使うと、Adobe Premiereのエンコード速度が爆速化するということなので、上記エンコードと同条件において比較テストをしてみました。

結果的に言うと大失敗。

あるぅええ~~~???
なぜかソフトウェアエンコードのほうが速く終了してしまいました;;;
しかも3570Kよりも2600Kのほう遅く終わってしまうと言う珍事。
通常で考えれば、HTTの効く2600Kのほうが速く終わりそうな気がします。

Adobeがクイックビデオシンクに上手く対応出来ていないのでしょうか。
(事実、CS5ではバグだとか強制終了だとか合った模様。。)

ただし、天下のAdobeが対応していない&不具合を潰していないというのも変な話なので、もうちょっと調査をしてみたいと思います。

参考にならなくて申し訳ありません><;




最後に消費電力比較を実施してみました。

2600Kと3770Kの消費電力は、3770Kが若干低いか、ほぼ同程度ていどに収まっています。これは、シュリンクの関係からすると、もうちょっと消費電力は落ちて欲しかったと思えますが、周波数が0.1GHz増加していることを考えると、こんなもんかな?とも思えてきます。さすが3570Kは低消費電力性能は素晴らしく、2600K/3770Kを15W~20Wと大きく引き離しています。

性能も大きく離れているわけではありませんし、
この差はCorei7キラーになりえるかもしれませんね。


 Intel Corei5-3570Kを触ってみるまでは、さすがに2600Kのほうが全般的な性能は上だろうと考えていました。しかし、ベンチマークを重ね、Adobe Premiere CS6によるエンコードテストを行うにつれ、考えは変わっていきました。多くの点で、2600Kを超えた優れた性能を持ち、消費電力などの要素においては3770Kより大幅に低消費電力である。と。

 いままで、上には性能重視のCorei7、下には消費電力と価格面で優れたCorei3があるなかで、Corei5という選択肢は、悪い意味でいえば中途半端ともいえるCPUは、あとあと後悔するのでは無いかと考え、入手を避けてきたところがありました。しかし、Corei7とCorei3双方のいいとこ取りとも言って良い、今回からの結果を見るにCorei5のバランスの良さに感心を覚えるまでになってきています。確かにHTTが有効になるアプリケーションにおいては、依然2600Kや3770Kに圧倒的アドヴァンテージがありますが、HTTがあまり効かない画面に遭遇するのであれば、それは3570Kのほうが2600Kより優れていることを意味します。そして、3Dゲームなど、多くのアプリケーションにおいてHTTは余り効かないのが現状です。それを考えれば、この3570Kという存在は、価格的も性能的にも、非常に現実的で無駄がない選択に思えてきます(3570Kのほうが2600Kに比べ実売4000円安)。

 用途次第とは思いますがサブPCに奢るCPUともなれば、Intel Corei5-3570Kのバランス感は非常に素晴らしいと感じます。現に私の場合では、メインPCにやはり最速のIntel Corei7-3770Kとし、メインが動かない場合のサブとしてIntel Corei5-3570Kを今後利用したいと考えています。

 消費電力がCorei7などに比べ20Wも低い事を考えれば、ゲームにHTTも効きませんし消費電力が高くなりがちなゲーミングPCに搭載させるのも良いかもしれません。

 総じて、Corei7に比べ、性能、価格など非常にバランスに優れたCPUだと感じました。Intel社CPUの底力を見た気がします。


以上、
長文駄文にお付き合い頂きまして誠にありがとうございました。
ここまでをプレミアムレビューとさせて頂いた上で、
禁断の殻割りに挑戦していきたいと思います。

こうご期待^^!


※ 2012.07.28

Ivy Bridgeが出た当初から試してみたかった「殻割り」。
一歩間違えば故障し、当然、メーカー保証が受けられなくなる危険性があるため、
なかなか実行に踏み切ることは出来ませんでした。

今回、幸運にも棚からぼた餅ならぬ、プレミアムレビューに選出により、
Ivy BridgeコアのCPU、Corei5-3570Kをゲットすることができましたので、
殻割りに挑戦し、殻割り前後における温度上昇の違いを調査してみることにしました。




殻割りに必要な準備物など、詳しい方法については、


此方をご覧下さい。

※ 2012.08.09追記
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殻割り方法については、春脳。さんの日記からアイディアを頂きました。
ありがとうございました。m(_ _)m

非常に素晴らしいアイディアで見た瞬間は目から鱗でした。
日記見たすぐに殻割りに取り組み無事成功。
私でも出来るなら、きっと誰でも失敗なく出来ると思います。
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温度グラフ
温度グラフ

早速殻割りしたCPUをOCCTに掛けてみました。

日中に計測したので、殻割り前に比べて若干アイドルが高めになっていますが、
最高温度が8℃も下がっていました。

CPUクーラーがサイズの兜という、静音重視の製品なので、
より性能の高いCPUクーラーであれば、更にコア温度は下がると思います。
(ヒートシンクに塗っているグリスも性能の余り高くない物を使っていますしね。)

コメント (12)

  • いぐなっちさん

    2012/07/23

    コレは大変参考になる実験、ありがとうございます。
    これは購入の参考になりますね。
  • きっちょむさん

    2012/07/23

    >>いぐなっちさん
    コメントありがとうございます。

     多分この3つのCPUの性能差ってどの程度なのか、結構気になってる方が多いんじゃないかな?と思い、今回のレビュー内容とさせて頂きました。

    参考になったようで幸いです^^
  • KoSさん

    2012/07/23

    レビューお疲れ様。

    性能差を分かりやすくまとめて下さっているので、とても分かりやすかったです。
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