レビューメディア「ジグソー」

Ivy Bridgeは高性能で省電力なCPUだった。

この度、第3世代 インテル(R) Core(TM) プロセッサー Top Gun Reviewのレビューアーに選出していただきました。

前世代のCore i5 2400からのアップグレード用として使用できればと思い応募しました。

Ivy BridgeはSnady Bridgeに比べて基本性能が向上して、消費電力は低下したとよく聞くので実際にCPUを載せ替えて比較を行いました。

 

CPU      :Core i5 3570K と 比較用 Core i5 2400

マザーボード:GA-Z77M-D3H

CPUクーラー:KUHLER-H2O-620

メモリー   :Cetus DCDDR3-16GB-1333

グラフィックカード:H657H1G

SSD     :PX-128M3P

HDD     :MK5055GSX

HDD     :MJA2500BH

電源     :EA-550-PLATINUM

OS      :Windows 7 64bit

 

 

 

Core i5-3570Kを使用するにあたってマザーボード、SSD、メモリ、電源などのいくつかのパーツを新調しました。

その他のパーツは前PCから引き継いでいます。

 

パーツ選定のポイントとしては、倍率変更が自由なCore i5 3570Kを使用するのでマザーボードはZ77チップセットを搭載したGA-Z77M-D3Hを選びました。

GA-Z77M-D3HはM-ATXサイズですが、PCIスロットも備えているのも選定のポイントとなりました。

 

CPUクーラーは軽いOCをしたいので簡易水冷式のものを使用します。

 

メモリは容量重視で8GB 2枚の16GBセットを購入しました。有り余るメモリ容量です。

 

システムディスクはPX-128M3PというSSDで、SATA3.0 6Gbpsに対応したものにしました。

IntelチップセットではZ77, H77, B75, Z68, P67, H67などが乗っていればSATA3.0ポートを備えているので性能を発揮できると思います。

最近SSDの価格が下がっていて128GBのものもだいぶ買いやすくなりました。

 

電源は高効率な80PLUS PLATINUM認証を取得した容量550Wのものを選びました。

電源ケーブルがプラグイン式であればなお良かったです。

 

 

 

 

Core i5 2400(Sandy Bridge)とCore i5 3570K(Ivy Bridge)はどちらも4コア/4スレッドのCPUです。

今回の入れ替えで動作周波数は3.1GHzから3.4GHzにアップして、ターボブースト時の最大周波数は3.4GHzから3.8GHzにアップしますが、TDPは95Wから77Wに下がっています。

 

BIOS設定画面で確認したところとターボブースト時のデフォルト設定は以下のようになっていました。

                    :i5 3570K / i5 2400

CPU Clock Ratio         :    34 /    31   (34 / 31 ≒1.10倍)

Turbo Ratio (1-Core Active) :    38 /    34   (38 / 34 ≒1.12倍)

Turbo Ratio (2-Core Active) :    38 /    33   (38 / 33 ≒1.15倍)

Turbo Ratio (3-Core Active) :    37 /    33   (37 / 33 ≒1.12倍)

Turbo Ratio (4-Core Active) :    36 /    32   (36 / 32 ≒1.13倍)

 

Ivy Bridgeではターボブーストの上昇幅が大きくなっていて、2コアまでの負荷ならば最大で+400MHzクロックが上昇するようです。(Sandy Bridgeは+300MHz)

3コア負荷時は+300MHz、4コア負荷時は+200MHzでこちらもSandy Bridgeより向上しています。

 

 

 実際に両CPUを使ってベンチマークや普段使っているエンコードソフトでCPU性能を比べました。

 Core i5 3570Kは倍率変更可能なCPUなのでCPUを4.0GHzに軽くOCした状態でもテストしました。

PC構成は上の方に記載したものでCPUのみ入れ替えています。

 

◆ Windows エクスペリエンス インデックス

                 : i5 3570Ki5 2400 i5 3570K(OC)

プロセッサ          :    7.6 /    7.4 /    7.6
メモリ             :    7.7 /    7.6 /    7.7
グラフィックス        :    6.8 /    6.8 /    6.8
ゲーム用グラフィックス  :    6.8 /    6.8 /    6.8
プライマリ ハードディスク :    7.9 /    7.9 /    7.9

 

i5 3570K  ・・・デフォルト設定 (3.4GHz TB:x38, x38, x37, x36)

  i5 2400   ・・・デフォルト設定 (3.1GHz TB:x34, x33, x33, x32)

  i5 3570K(OC)・・・OC設定    (3.4GHz TB:x40, x40, x40, x40)

 

Core i5 3570Kにしたことによりプロセッサとメモリがわずかにスコアアップしています。

4.0GHzにオーバークロックしてみましたがこちらはスコア変わりませんでした。

Radeon HD6570のグラフィックカードを使っているためかグラフィックス項目にも変化はありませんでした。

 

Core i5 3570Kで実行した時のSS

 

 

◆ CINEBENCH R11.5 (64bit)

              : i5 3570K i5 2400i5 3570K(OC)

OpenGL        : 39.21fps39.21fps39.23fps
CPU          :  5.98pts / 4.98pts /  6.64pts
CPU(シングルコア) :  1.61pts / 1.30pts /  1.69pts

MP倍率        :  3.72x  /  3.83x  /  3.93x

 

i5 3570K  ・・・デフォルト設定 (3.4GHz TB:x38, x38, x37, x36)

  i5 2400   ・・・デフォルト設定 (3.1GHz TB:x34, x33, x33, x32)

  i5 3570K(OC)・・・OC設定    (3.4GHz TB:x40, x40, x40, x40)

 

CINEBENCH R11.5ではCPU、CPU(シングルコア)のスコアがどちらもi5 3570K(OC)が一番高くなりました。

i5 2400とi5 3570K(非OC)でみると動作周波数の上昇幅以上にスコアアップしています。

 5.98pts / 4.98pts ≒1.20倍  (3.6GHz / 3.2GHz ≒1.13倍)

 1.61pts / 1.30pts ≒1.23倍  (3.8GHz / 3.4GHz ≒1.12倍)

 

一方、i5 3570K(非OC)とi5 3570K(OC)のスコアを比較すると概ね動作周波数の上昇分と同じくらいとなりました。

 6.64pts / 5.98pts ≒1.11倍  (4.0GHz / 3.6GHz ≒1.11倍)

 1.69pts / 1.61pts ≒1.04倍  (4.0GHz / 3.8GHz ≒1.05倍)

 

CINEBENCH R11.5においては前世代のCore i5 2400と比較して新世代のCore i5 3570Kは1クロックあたりの処理性能も上昇していると見て良いのではないでしょうか。

 

Core i5 3570Kで実行した時のSS

 

 

◆ 3Dmark11

            : i5 3570Ki5 2400i5 3570K(OC)

3DMark Score  : P1365  / P1369 / P1367
Graphics Score  :  1198 /  1208 /  1197
Physics Score  :  7169 /  6202 /   7669
Combined Score :  1174 /  1176 /   1172

 

i5 3570K  ・・・デフォルト設定 (3.4GHz TB:x38, x38, x37, x36)

  i5 2400   ・・・デフォルト設定 (3.1GHz TB:x34, x33, x33, x32)

  i5 3570K(OC)・・・OC設定    (3.4GHz TB:x40, x40, x40, x40)

 

3DMark11の総合スコアはi5 2400でもi5 3570Kでも大差ありませんでした。

誤差程度ですがi5 2400の方が高かったです。

Physics Scoreはそれなりに差が付いています。

 

Core i5 3570Kで実行した時のSS

 

 

◆ 3Dmark06

            : i5 3570K i5 2400i5 3570K(OC)

3DMark Score   :  8912 /  8773 /  8967
SM2.0 Score    :  2998 /  3001 /  2998
HDR/SM3.0 Score :  3600 /  3596 /  3596
CPU Score     :  6565 /  5496 /  7142

 

i5 3570K  ・・・デフォルト設定 (3.4GHz TB:x38, x38, x37, x36)

  i5 2400   ・・・デフォルト設定 (3.1GHz TB:x34, x33, x33, x32)

  i5 3570K(OC)・・・OC設定    (3.4GHz TB:x40, x40, x40, x40)

 

 

3DMark06ではCore i5 2400とCore i5 3570Kで多少の差が見られました。

CPU Scoreというそのものズバリの項目があってそこで差が付いています。

OCした時もわずかながらスコアアップしています。

 

Core i5 3570Kで実行した時のSS

 

 

◆ PCMark7

           : i5 3570Ki5 2400i5 3570K(OC)

PCMark Score :   4592 /  4207 /  4743

 

i5 3570K  ・・・デフォルト設定 (3.4GHz TB:x38, x38, x37, x36)

  i5 2400   ・・・デフォルト設定 (3.1GHz TB:x34, x33, x33, x32)

  i5 3570K(OC)・・・OC設定    (3.4GHz TB:x40, x40, x40, x40)

 

PCMark7ではトランスコード、画像操作、ウェブブラウジングの項目でCPUによる差が出ました。

普段のPC操作でもCPU交換による効果がありそうです。

 

Core i5 3570Kで実行した時のSS



◆ CrystalMark 2004R3

        : i5 3570Ki5 2400i5 3570K(OC)

CrystalMark: 291701 / 255235 / 308135
[ ALU ]   :  83215  /  65400 /  91388
[ FPU ]   :  67887  /  56827 /  75895
[ MEM ]   :  55376 /  48650 /  54656
[ HDD ]   :  40920 /  41064 /  41154
[ GDI ]    :  16849 /  15863 /  17673
[ D2D ]   :   3575 /  3551 /   3496
[ OGL ]   :  23879 /  23880 /  23873

 

i5 3570K  ・・・デフォルト設定 (3.4GHz TB:x38, x38, x37, x36)

  i5 2400   ・・・デフォルト設定 (3.1GHz TB:x34, x33, x33, x32)

  i5 3570K(OC)・・・OC設定    (3.4GHz TB:x40, x40, x40, x40)

 

Core i5 2400とCore i5 3570Kを比べるとCPU、メモリ項目が順当にスコアアップしています。

他にGDIのスコアもアップしました。

CPUのOCではCPUスコアに効果がありますが、メモリには効果が無いように見えます。

 

Core i5 3570Kで実行した時のSS

 

 

◆ FINAL FANTASY XIV OFFICIAL BENCHMARK (LOW設定)

         : i5 3570K / i5 2400 / i5 3570K(OC)

SCORE    :  2112  /  2126  /  2116

LOAD TIME : 16599ms18366ms / 15389ms

 

i5 3570K  ・・・デフォルト設定 (3.4GHz TB:x38, x38, x37, x36)

  i5 2400   ・・・デフォルト設定 (3.1GHz TB:x34, x33, x33, x32)

  i5 3570K(OC)・・・OC設定    (3.4GHz TB:x40, x40, x40, x40)

 

FF XIVベンチのスコアは高いほど良く、ロード時間は短いほど良いらしいです。

なのでスコアが一番良かったのはCore i5 2400で、ロード時間はCore i5 3570K(OC)が良いようです。

 

Core i5 3570Kで実行した時のSS

 

 

◆ LOST PLANET 2 Benchmark (テストタイプA DX11)

       : i5 3570K / i5 2400 / i5 3570K(OC)

Rank   :   D    /   D   /   D

Average : 12.9 fps / 12.5 fps / 13.1 fps

 

i5 3570K  ・・・デフォルト設定 (3.4GHz TB:x38, x38, x37, x36)

  i5 2400   ・・・デフォルト設定 (3.1GHz TB:x34, x33, x33, x32)

  i5 3570K(OC)・・・OC設定    (3.4GHz TB:x40, x40, x40, x40)

 

ロストプラネット2ベンチマークではCore i5 3570Kにすることで平均fpsが微増しました。

ランクはいずれもDランクです。

このPCで3Dゲームを快適にプレイするにはCPUよりグラフィックカードを強化する必要がありますね。

 

Core i5 3570Kで実行した時のSS

 

 

◆ 動画エンコード

PCで録画した1440x1080 長さ10:00 (600秒) 容量1.11GBのTSファイルをffmpegにて

1280x780 長さ10:00 容量182MBのmp4ファイルに変換しました。

 

          : i5 3570K / i5 2400  / i5 3570K(OC)i5 3570K(DC)

掛かった時間 : 259秒  / 325秒   /  237秒    /  292秒

実行時の電力 : 85~93W92~100W93~105W   / 73~78W

 

i5 3570K  ・・・デフォルト設定 (3.4GHz TB:x38, x38, x37, x36)

  i5 2400   ・・・デフォルト設定 (3.1GHz TB:x34, x33, x33, x32)

  i5 3570K(OC)・・・OC設定    (3.4GHz TB:x40, x40, x40, x40)

  i5 3579K(DC)・・・DC設定    (3.2GHz TB OFF)

 

エンコード速度はCore i5 2400を1とすると、Core i5 3570Kのデフォルト設定で1.25倍、

OCで4.0GHz動作させると1.37倍、DCでi5 2400に近い3.2GHz動作にしても1.11倍の速度がでました。

普段使っているソフトで テストしたので、今後の作業時間は20%~27%削減できそうです。

 

また、実行時の電力は常に変化しているので目安ですが、デフォルトクロック同士の比較であればCore i5 3570Kの方が1段低い電力でした。

Core i5 3570Kを4.0GHzにOCするとi5 2400より若干消費電力が上になりますがこのエンコード速度も魅力的です。

 

Core i5 3570Kを3.2GHzにDCしたのはCore i5 2400に4コア負荷を掛けた時にTBが効くと3.2GHz動作になるのでそれにあわせてみました。(動作周波数を3.1GHzにしてTB設定をCore i5 2400と同じに設定にするのも試しましたが、TB倍率を下げる設定は無視されてしまうようなので)

デフォルトクロックの時より速度は落ちてしまいますが、さらなる省電力化が可能でした。

 

GA-Z77M-D3HはCPUの電圧設定が弄れませんがエンコード時の電圧をCPU-Zで確認したところ

3.2GHz時は1.020V、3.6GHz時(デフォルト 4コア負荷)は1.116V、4.0GHz持は1.176Vとそれなりにコントロールはされており、その差も消費電力に表れているようです。

 

◆ 消費電力計測

エンコード以外にアイドル状態とOCCTのCPUテスト実行時の消費電力も計測しました。

 

         : i5 3570K / i5 2400  / i5 3570K(OC)

アイドル   :  44W   /  44W    /  44W

OCCT(CPU) : 103W   / 110W    /  115W
 

アイドル状態ではCPUクロックが1600MHzにまで下がるのでCPUによる差が出ませんでした。

負荷テスト時の消費電力の大きさはi5 3570K(OC) > i5 2400 >i5 3570Kとエンコード時の結果と同じような順番になりました。

動作クロックの差を考えるとIvy Bridge世代のCore i5 3570Kの省電力性は非常に優秀だと思います。

 

 

 

Core i5 3570Kを使用してベンチマークをしてみて特に良かったのがエンコード速度が予想以上向上したことです。

今回のテストでは10分の元動画をOC持は3分57秒でエンコードできました。

交換前の時は5分25秒でその差は1分28秒ですが、通常はもっと長い30分~2時間の動画を変換するので単純計算で4分24秒~17分36秒の時間削減ができることになります。

さらに消費電力も4.0GHzにOCした状態でもわずかに増える程度なのでトータルの消費電力量で見れば省エネになっています。

Sandy Bridgeも低電力・高性能な良いCPUだと思いましたが、Ivy Bridgeはさらに改良されていることを実感できました。

 

コメント (4)

  • リンさん

    2012/07/07

    レビューお疲れ様でした。
    >Ivy Bridgeはさらに改良されていることを実感できました。
    財務大臣が使っているPCに換装したくなりました!

    エンコードにも差が出るんですね^^b
  • しろさん

    2012/07/07

    リンさん、どうもありがとうございます。
    日本の財務大臣もIvy Bridge使ってるのかな?と思いましたが
    我が家の~的なことですかね?ググってしまいましたw
  • リンさん

    2012/07/07

    あぁ><ごめんなさい。
    ついうっかり自分の中で当たり前のことをそのまま書いてしまいました。
    我が家の財務大臣です。
    今度からそう書くように気を付けます><
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