このたびプレミアムレビューに選出していただいた関係者の皆様、ありがとうございます。
今回のプレミアムレビューはオーバークロックコンテストということで、このマザーボードを使って2600Kのオーバークロック耐性の限界を自分なりに探りたいと思います。
そのため当レビューはオーバークロックに焦点を当ててのレビューといたします。
-------------------------------※注意-----------------------------------------
オーバークロックはパーツの寿命を縮めます。
また、無理なオーバークロックはパーツの破損リスクを伴います。
オーバークロックをした時点で製品の保証はなくなります。パーツが壊れてもメーカー、販売店の保障は受けられなくなります。
自己責任において楽しみましょう。
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それではレビューに移る。
まずは開梱からだ。
外観は最近のASUS製品に見られる黒地に白と緑の文字をあしらい、各機能のアイコンを配置したデザインだ。
箱を開けるとまずはマザーボード本体が顔を出す。
マザーボードを取り出すと仕切りの下に付属品が入っている。
・日本語マニュアル
・ドライバディスク
・2-way SLIブリッジケーブル
・IOパネル
・SATA 3Gbps対応ケーブルx2
・SATA 6Gbps対応ケーブルx2
・USB3.0増設ケーブル
・フロントパネルピンアダプタ
次はマザーボードを見てみよう。
全体像は黒い基盤に青を基調としたスロット、ヒートシンクなどが配置されておりさわやかなイメージに質実剛健さを感じるデザインとなっている。
ハードウェア構成は
・LGA1155
・DDR3 DIMM x4
・PCI-Express x16 x3(CPU側からx16 x8 x8動作)
・PCI-Express x1 x2
・PCI x2
・SATA 6Gbps x4 (Z68から2 Mavellチップから2)
・SATA 3Gbps x4
・USB3.0 x4
といったところだ。
背面のIOポートは
・USB2.0 x6
・Bluetoothモジュール
・eSATAポート
・光デジタル音声出力
・HDMIポート
・D-Sub 15pin
・DVI
・Gigabit LANポート
・USB3.0 x2
・アナログ音声出力ポート
と多彩なポートを備えている。
ただし、PS/2ポートがないのでNキーロールオーバー対応のキーボードをUSBへ変換して接続する場合などはデバイスの機能に制限がかかる場合があるので注意したい。
次にSandyBridge世代で導入された従来のBIOSに変わるEFIを見ていこう。
通常のBIOSと同じようにPOST画面でDelキーを押せば(実際には連打することになるが)EFIに入れる。
成功するとBIOSとはちがったグラフィカルな画面が出迎えてくれる。
EFIなのでマウス操作にも対応しており、キーボード操作よりも簡単に操作が可能となっている。
温度、電圧、ファンスピードなどがグラフとして表示され、直感的に現在の状況がどうなっているのかがわかる。
英語が苦手であれば右上のEnglishボタンをクリックすれば各言語に切り替えられ、もちろん日本語にも対応している。
従来のBIOSのようなシンプルなデザインにしたい場合や詳細な設定を行う場合はAdvanced modeに切り替える。
右上のExit/Advanced Modeボタンから切り替えるのだが、Exitと一緒くたなのはやや紛らわしいか。
Advanced modeに切り替えると画像のような画面に切り替わる。
もちろんこちらでもマウスが使えるのは変わらない。
ざっと各項目の画面を紹介しよう。
2番目の項目はAi Tweakerだ。
ここではCPU、DRAMのクロック設定、電圧設定などが行える。
特に用事が無い場合は触ることは無い項目だが、オーバークロックを行う場合はここでの設定が重要となる。
後ほどオーバークロックのやり方などを記すので具体的な方法はそちらを参照していただきたい。
3番目はAdvanced。
マザーボードに乗っている各デバイスの設定などが行える。
外部SATAチップが乗っているために読み込みにかかる時間が気になる場合はここから無効化してしまえば起動時間の短縮につながる。
このマザーボードはMarvellのSATA 6GbpsチップとJMicronのeSATAチップが乗っている。
4番目はMonitor。
その名からもわかるようにマザーボード各部のセンサーからの信号を拾って各部温度や
ファンの回転数などを表示してくれる。
5番目がBoot。
起動時の設定をこちらで出来る。
POST時の状態を確認したいのであればFull Screen LogoをDisableにしておけばAMIのロゴが入ったおなじみのPOST画面が拝める。
Setup ModeをAdvanced ModeにしておけばいちいちEZ Modeから切り替えなくて済む。
最後は6番目、Tool。
こちらはEFI更新ツールやオーバークロック時のプロファイル保存、メモリのSPD情報表示ツールの3つが用意されている。
それではPCとして組み立ててからの特徴を紹介しよう。
ASUSから提供されているAI Suiteというツール群をインストールし、これを起動してみよう。
ランチャーが表示され、その中の一番左、Auto Tuningというボタンをクリック。
するとAI Suiteに含まれるTurboV EVOというソフトのAuto Tuningメニューが現れる。
オーバークロックで重要なのはこのソフトだ。
TurboV EVOにはなんと自動でオーバークロックをしてくれる機能があり、これを利用すれば難しい設定なしにオーバークロック設定が出来るのだ。
オーバークロック設定にはFastとExtremeの二種類があり、FastはCPUのみのお手軽設定、ExtremeはCPU、及びGPUをオーバークロックし、なおかつ負荷テストをしながら再起動を繰り返しての設定だ。
まずはFastから試してみよう。
Fastボタンをクリックするとシステムが不安定になる可能性がある旨のメッセージウインドウが表示され、OKをクリックするとPCが再起動され、オーバークロック設定がなされる。
結果は4.4Ghzちょっととまずまずだ。
次はExtremeを試してみよう。
こちらは何度か再起動と負荷テストを繰り返すので時間がかかる。
途中でPCが落ちる事もあるが、落ち着いて見守ろう。
上手くいけば自動的に設定が終わるのでむやみに電源ボタンやリセットボタンなどに手を出してはならない。
成功すると画像のようなウインドウが表示され、設定が終了する。
こちらでは4.8GhzほどとFastからさらに400Mhzのオーバークロックとなった。
こちらは失敗例だ。
いくら自動設定といってもいつも上手くいくわけでは無い。
再起動の途中でPCが復帰しなくなってしまい、いくら待っても再起動されないことがある。こういった場合には電源を切り、再投入を試みる。
それでも復帰しないようであればCMOSクリアをして設定を初期化した上で立ち上げる。
するとWindows上で動いていたTurboV EVOのツールが誤認識をして変な値を返してくるためにこういったメッセージになると考えられる。
さてここからは手動設定をしながらクロックの限界を探っていこう。
先ほどのAuto TuningのExtreme設定で得られたクロックを参考にして、手動設定を試してみよう。
主に設定を変えるのは黄色線を引いた4つの項目だ。
・BCLK Frequency:いわゆるベースクロックというやつだ。SandyBridge世代では構造上このクロックはあまり上げられない。
・CPU Voltage:CPU動作電圧だ。この値を上げることで高クロックでの動作が可能となる。もちろんそれと引き替えに発熱の増大、はたまたCPU損傷のリスクも増える。
・CPU動作倍率:CPUはBCLKにこの倍率を掛けたクロックで動作する。
・CPU PLL Voltage:PLL(Phase-locked loop)回路の動作電圧を変更する。CPU動作倍率を一定以上にしようとするとここの電圧を上げてやる必要があるようだ。
まずはCPU動作倍率の変更をWindows上から出来るようにCPU動作倍率タブをクリックして有効化しよう。
すると再起動し、もう一度TurboV EVOを立ち上げてCPU動作倍率タブをクリックすると画像のように倍率が表示され、変更が可能となる。
まずは動作倍率の変更だけでクロックを変更してみよう。
変更を適応すると設定が変更され、クロックが変化する。
安定動作するかどうかは負荷テストを行ってそれが通ればOKとしよう。
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今回は3DMark VantageのCPUスコアの取得が目的のため、負荷テストは3DMark Vantageを利用する。
ベンチマークが通り、スコアを記録できた時点でOKとする。
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CPU倍率を上げていってテストに通らなくなったら次はCPU Voltageを上げてみよう。
標準値から少しずつ上げていき、目的のCPU倍率での動作が安定するまで上げていこう。
倍率が47倍や48倍くらいになってくるとCPU電圧を上げても倍率を上げられなくなってくる。
そこで今度はPLL電圧を上げてみよう。
するとまた動作倍率が上げられるようになるだろう。
最後にもう一声スコアアップするために、BCLKを上げてみよう。
こちらは細かく数値を上げられるので最後の最後、もうひと伸びの調節ができる。
ベンチマークが通らなくなったら今度は倍率を一つ下げてみよう。
それでスコアが取得できるようであればまたBCLKを上げてみる。
こうしてトライ&エラーを繰り返していくうちに電圧を上げていってもクロックが伸びなくなってくると思う。
そこがクロック耐性の上限付近である。
強者になるとCPU Voltageを1.6V以上印加するが、この設定で何度もベンチマークを取るのは控えた方が良いだろう。
OCコンテストにて出したCore i7 2600Kを使ったオーバークロックの記録はこちらだ。
設定などを載せているので参考にして頂きたい。
最後に。
私自身はオーバークロック設定の経験はあまりないのだが、このCore i7 2600Kは定格3.4Ghzのところ、4.5Ghzは当然のように回るし設定を詰めていけば5Ghzも常用できそうなCPUであることを実感した。
定格で使うのも良いが、たまにはこういったスリルと興奮を味わうのも悪くないように思う。
もう少しリーズナブルに楽しむのであればCore i5 2500Kあたりを選んでもおもしろいかもしれない。
クロックの伸びについてはCore i7 2600K以上との情報もある。
もう少し性能が欲しいとき、もう少しだけ差をつけたい時にはまた試してみようと思う。
では、これにてASUS P8Z68-V PRO/GEN3のレビューを終わります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
infychanプレミアムレビュー
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