レビューメディア「ジグソー」

プレミアムレビュー第七弾! CPU編



このたびプレミアムレビューに選出していただいた関係者の皆様、ありがとうございます。

今回のプレミアムレビューはオーバークロックコンテストということで、このCPUのオーバークロック耐性の限界を自分なりに探りたいと思います。



それではレビューに移りたい。

まずはいつもどおり開梱からだ。

外観は第2世代Core iシリーズでおなじみ青を基調とし、ダイの画像をあしらったものだ。


箱に開いた窓からはCPU本体を確認できる。
昔からオーバークロック耐性の高い個体を求めてロットNo、製造週、はたまた製造国などを指定して購入するという動きはごく当たり前に行われていた。


内容物はCPU本体をはじめ、マニュアル、CPUクーラーの3点が封入されている。


こちらがCPU本体だ。
LGA1155対応のごく普通のパッケージである。
基盤にシリコンダイが乗っており、それを金属製のヒートスプレッダが覆う形となっている。


LGAソケットのCPUではおなじみの形状のクーラーだ。
プラスチック製のプッシュピンを利用して固定する仕組みだ。

CPUクーラーは背が低く小さめだ。
LGA1155CPUの中ではハイエンドのCore i7 2600Kながら少ない発熱を予感させる。

裏側にはサーマルグリスが塗布されている。
中心部分は銅の芯が入っており、熱伝導率を稼いでいることがわかる。




多言語対応のマニュアルだ。
裏にはロゴシールがついている。
なんとなくもったいないような気がしてCPU同梱のロゴシールはついつい使わずに手放すときが来てしまうのは私だけだろうか?



それでは性能の測定に入ろう。
2600Kのスペックはざっと
・LGA1155
・3.4Ghz/TB 3.8Ghz
・4コア/8スレッド
・TDP 95W
・LLC 8MB
・intel HD Graphics 3000
と言ったところだ。


以上の構成でロッコア星レビューの際のスコアを流用し、Core i7 990Xとのスコア対決をしてみた。
多少構成に差があったりドライバのバージョンが違ったりする点はご了承いただき、性能の目安として見てほしい。


スコアはこちらだ。
流用元とは網掛けの色が黄色:10%以上、赤色20%:以上となっている点に注意してほしい。

性能の傾向としてはコアあたりの性能は2600Kのほうが良いようだ。
比較的マルチスレッドを重視しないベンチマークとなると数%だが差がついているのがわかるだろう。
しかしマルチスレッド重視のベンチマークとなるとコア数の差がスコアに顕著に表れているのがわかる。
Chinebench R11.5のCPUスコアでは25%ほどの差がついている。やはり2コア/4スレッドの差は大きいのだろう。
一方あまり差のないFF XIV Official BenchmarkはCPUよりもVGAの性能がスコアアップに重要であると考えて良いだろう。
OCCTによるストレステストではピーク時に20%以上省電力であることから、ゲーム用途や通常の使用であれば2600Kの方がバランスが良いといえる。
また、価格の面からもCPU本体だけで8万円と2.5万円と実に5.5万円も差があり、2600Kの圧倒的なコストパフォーマンスに疑問の余地はない。

ただし、スレッドをフルにつかってガンガン処理をさせる向きには絶対的に990Xにはかなわない。
今からそういったPCを作るとすればLGA2011プラットフォームのCore i7 3960Xを利用すれば良いだろう。
990Xよりもさらなる性能の向上がなされている上に、組み合わされるX79チップセットがSATA6Gbpsにネイティブ対応していたりと最新の構成に合ったスペックを持っている。


次に、CPUの動作周波数をBCLK100.0Mhzのまま動作倍率だけを変更して4.5Ghzと5Ghzに設定してベンチマークを取ってみた。
ベンチマークによっては伸びが見られない物もあるが、おおむね素直に性能が向上している様が見られるだろう。
ただし、その分消費電力も増大していくが、5Ghz動作時には実に50Wほど増してしまっている。
やはりオーバークロック時の消費電力量には注意した方が良いようだ。


外部GPU使用
外部GPU使用

内蔵GPU使用
内蔵GPU使用

内蔵GPUの使用/不使用でのOC特性について述べよう。
結果から言うと最高CPUクロックには大きく違いは見られないように感じられたが、BCLKに注目すると耐性の違いが見えてくる。
CPU Voltageを同じ1.65000Vに設定したとき、外部GPU使用ではBCLKが101.7Mhzまでしか伸びず倍率は53倍、5391Mhzとなったが、内蔵GPUを利用した場合には103.5x52、5382MhzとBCLKが(SandyBridgeとしては)大幅に伸びた。
おそらくGPUに対するPCI-Ex周りの耐性が関係しているのだろう。
ここからは私の推測となるが、ダイで直結されている内蔵GPUコアはデータ転送のレイテンシが少なく追従性も良いが、GPUコア自体の発熱でOC耐性が落ちる結果となっているのではないかと思う。(実際ベンチマーク中のCPUコア温度は内蔵GPUを使用した場合の方が高くなった)
外部GPUを使用したベンチスコアに対してはもっとCPU Voltageを印加してやればさらにクロックが伸びたかもしれないが、独自に調査した結果から1.65V以上は危険と判断し断念した。



※OCCTテストはBSoDでOSが落ちてしまったため、450W以上という表現となった。
多少CPUのレビューからは外れるが最後にメモリクロックによっての性能差を見てみよう。
CPUを5Ghzにオーバークロックした際にメモリクロックを変化させてベンチマークを取ってみた。
メモリクロックは一般的な1333Mhとメモリの定格クロックである1866Mhzで測定した。
結果はスコア伸び率は最大数%程度とクロックの差ほどはスコアの伸びは期待できない。
しかしながら確実にスコアが伸びているのはおわかりになるだろう。
通常の利用でコストのかかるオーバークロックメモリを利用する必要はないが、ベンチマークスコアを伸ばすという目的であれば積極的にクロックの高い(そしてレイテンシの低い)メモリを選ぶべきだと言える。
もしくはオーバークロックメモリ自体は安価なメモリに比べて品質に優れる場合が多いのでそういった意味での導入も視野に入れてみるのも良いだろう。


オーバークロックについて。
2600Kのオーバークロックは簡単だ。
動作倍率変更ですぐに4.5Ghzは達成できる。設定を少し詰めれば5Ghzも夢ではなく、寿命に目をつぶれば常用もできそうな可能性を秘めており、非常に達成感と性能向上の余地のあるCPUだと言えよう。
もちろんそれ以上を狙うのであれば詳細な設定をいじらなければならないが、そこまでは難しい設定なしに楽しめる。
ASUS P8Z68-V PRO/GEN3を利用してのOCの方法は以下のレビューを参照していただきたい。



そして今回のOCの結果はこちらのOCコンテスト提出結果を参照していただきたい。




2013/01/06追記
先日内蔵GPUの動作検証をしたところ画面にノイズが出る、出力がなくなる等の症状が出てしまった。
おそらくOCの影響で壊れてしまったのであろう。
いかんせんわれわれ一般人が内部を修理できるような類のものではないのであきらめるしかない。
CPUの動作には問題ないようには見えるが、もしかしたらどこかにダメージがあるかもしれない。
こういった(大なり小なり)リスクを覚悟の上でOCに望んでいただきたい。


以上で私infychanのCore i7 2600Kのレビューを終わります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。


                                    infychanプレミアムレビュー

コメント (3)

  • bibirikotetuさん

    2012/01/14

    内蔵GPUの使用/不使用でのOC特性の推論に納得。
    1.65v以上が危険というところで震えてます(笑)
  • infychanさん

    2012/01/14

    たぶんそうじゃないのかな~?という感じですがw
    合ってたらうれしいな~

    とっくに危険なんでしょうが、もうあれです、いっちゃえ~的なアレですw
  • infychanさん

    2012/01/14

    おっと、最後にメモリクロックの違いでのベンチ結果を掲載しました。

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