IntelのLGA1155プラットフォーム向けCPUである「Corei7-2600K」です。
開発コードネームの「Sandy Bridge(サンディ・ブリッジ)」で呼ばれることも多いようです。
2011年1月に発売されたので、そろそろ丸1年になりますね(^^;
この2600Kの主な特徴
・4つの物理コア
・ハイパースレッディング対応(4つの物理コアと合わせて、8つの論理コア)
・定格クロック3.4GHz、Turbo Boost時3.8GHz
・倍率ロックフリー
・L3キャッシュ8MB
・GPU「Intel HD Graphics3000」搭載(GPUクロック:1350MHz)
・TDP95W
私は2600(無印)を所持しており、”K”が付くことにより、倍率ロックフリーによるオーバークロックとIntelHDGraphics2000→3000の性能差は気になるところです(;゚∀゚)=3
かつてのオーバークロックの代名詞と言われたSocket370のCeleron300AMHzのように楽しめるのか見ていきたいと思います。
■付属品・外観
まずは箱の外観から・・・PCショップで見慣れたものなので、特に珍しくもありません(^^;
内容物
・CPU本体
・純正CPUクーラー(消費電流0.60A)
・マニュアル
・Corei7のシール
CPUクーラーのボード上からの高さは約5cm。リテールでこの高さなら十分に低く、スリムケースでも十分に吸気ができると思います(;=゚ω゚)=333
ただ、プッシュピンの取り付けにくいのだけは何とかして欲しいです(´Д`;)・・・
いよいよ、CPUの外観です(;=゚ω゚)=333
CPUの裏面。1005サイズの超小型のセラミックコンデンサがひしめき合っています。
■構成
【CPU】Corei7-2600K
今回の主役です(;゚∀゚)=3
【CPUクーラー】Thermaltake Jing 静冷魂CLP0574
【マザーボード】ASUS P8Z68-V PRO/GEN3
【メモリ】CORSAIR CML16GX3M4A1600C9B (4GB×4枚)
【SSD】Intel SSD 320 Series 300GB
【光学ドライブ】BUFFALO DVSM-P58U2/B
もう、光学ドライブはOSのインストールくらいにしか使わないので外付けで。
ちなみにケースに付いているのはかなり古いIDEのドライブなので結線していません(^^;
【グラフィックカード】Intel HD Graphics3000 (CPU内蔵)
【ケース】IN-WIN IW-S500
15年くらい前から、君臨する私の大好きな超定番ケース(;=゚ω゚)=333
古臭いとか言わないで(^^;
【電源】剛力3プラグイン 700W
【OS】Windows7 Ultimate(64bit)
■組立
上記のパーツを組み立てます。
CPUクーラーの取り付け以外は特に悩まずに行えました。
1.CPUを付ける。
2.グリスを塗って、CPUクーラーを取り付ける。
実はこのクーラー、リテンションを付けるのがかなり大変だったり(^^;
3.ケースに組み込み、電源、SSD、フロントSWやLEDとの結線を行う。
これで問題なく起動しました。
BIOSの詳細やオーバークロックツールについてはマザーボードのレビューを参照してください。
■オーバークロック
注意:オーバークロックは自己責任が原則です。
最悪、CPUをはじめ、他のパーツを故障させる可能性もあります。
起動やオーバークロック方法についてはマザーボードのレビューで行っています。
オーバークロックを試した結果、
定格のCPU:3.4GHz(Turbo3.8GHz) GPU:1650MHzに対し、
自動オーバークロックだと
CPU:4.326GHz GPU:1650MHz
手動オーバークロックで常用できそうなクロックが
CPU:4.945GHz GPU:1650MHz
となった。これ以上は重負荷時(Prime95で実験)のCPU温度が90℃近くになるので心配です(^^;
■ベンチ
オーバークロックを試してみたので、それぞれの性能を比較してみました。
個人的にIntel HD Graphich2000と3000の性能差が知りたかったので、Corei7-2600(無印)にも登場していただいた。
・定格クロック時(@3.4GHz(3.8GHz)、GPU1350MHz)
・自動オーバークロック時(@4.33GHz、GPU1650MHz)
・手動オーバークロック時(@4.95HGz、GPU1650MHz)
・2600(無印)定格クロック時
1.3DMarkVantage(総合スコア)
http://www.3dmark.com/3dmarkvantage/
さすがにグラフィックカードを積んでいないので、数値は低いです(^^;
2600(無印)に比べ、2600Kは1.5倍以上のスコアになっていますね(;=゚ω゚)=333
4.33GHzと4.95GHzのスコアが変化しないのは、GPU側が頭打ちになっていると考えられます。
2.3DMarkVantage(CPUスコア)
こちらはCPUのクロックが上がる毎に、順調にスコアが伸びています。
2600(無印)が2600Kより速いのは何故?TurboCoreの効き方の違いなのだろうか?
3.モンスターハンターフロンティアベンチ3「大討伐」
http://cog-members.mh-frontier.jp/community/benchmark/
解像度:(デフォルト)1280×720設定
2600Kが、2600(無印)のスコアを大幅に上回っています(;=゚ω゚)=333
このベンチも、@4.33GHzと@4.95GHzが同じスコアなので、GPU側が頭打ちしています。
4.FINAL FANTASY XI Bench3
http://www.playonline.com/ff11/download/media/benchmark01...
解像度:HIGH設定
CPUクロック順のスコアが出ています。
FFベンチはCPUの依存度が大きいですが、このスコアならGPU次第でまだ伸びるはずです。
これくらいのスコアだと、この世代のゲームはグラフィックボード無しでも快適にプレイできます。
5.きゃらコレ! ITちゃん ダンシングベンチマーク
http://www.characolle.jp/download_it.html
設定はデフォルト
フルポリゴンで、ピクシェルシェーダとバーテックスシェーダを使うベンチなので、
CPU、GPUとも性能の高い順のスコアが出ています。
今回のベンチの中では、オーバークロック時の性能が、最も体感しやすいです(^^;
6.ちはやローリングWe!
keyの人気ゲーム「ReWrite」のゲームエンジンを使った2Dのベンチです。
http://key.visualarts.gr.jp/rewrite/
きゃらコレ!と同じような傾向があります。CPU、GPUのどちらにも依存するようです。
このベンチもオーバークロックによる体感差が大きいです。
次は、志向を変えて、エンコード(トランスコード)の性能を見てみることにします。
動画のソース:地デジをx264で圧縮したもの、1280×720、24分27秒
これをMediaEsspressoの「Sony PS3」のプリセットでエンコードします。
7.MediaEsspresso(QSV無効)
まずはQSV(クイック・シンク・ビデオ)を無効にして、CPUの性能を測ります。
(単位:秒 短い方が高速)
@4.95GHzが、オーバークロック前に比べ、約25%の性能UPを果たしています。
クロックを考えると、もう少し上がっても良い様な気がしますが・・・
恐らく、TurboCoreと4コア8スレッドをフルに生かせて無いものだと重います。
8.MediaEsspresso(QSV有効)
次はQSVを有効にしてみました。
(単位:秒 短い方が高速)
やはり、CPUだけでエンコードするより、ずっと高速ですね。恐るべしQ・S・V(;=゚ω゚)=333
このベンチの着目点は以下の通りです。
・2600Kと2600(無印)のスコアが同じ
→QSVにはシェーダーユニットは使われていないと思われる。
・@GPU1650は、CPUクロックは定格で、GPUのみ1350→1650MHzにしたものです。
→QSVはGPUクロックのオーバークロックで速くなる
・@GPU1650と@4.95GHzは、両方ともGPUクロックは1650MHzです。
→QSV時はCPUクロックにはほとんど左右されない。
という結論がでました。本当に正しいかどうかは判りませんが(^^;
但し、オーバークロックは定格外が動作させてる以上、デメリットもあります。
電圧やクロックを上げると、発熱や消費電力が加速度的に上昇します。
9.高負荷時のCPU温度(Prime95)
Prime95でCPU負荷を100%にし続け、10分後の結果をASUS Probeで測定。
大型のCPUクーラーを付けていることもあり2600Kの定格動作なら40℃前半とまだまだ余裕があります。自動オーバークロックでは63℃と良い所を付いているなぁと思います(;=゚ω゚)=333
さすがに4.95GHzともなると、90℃近くまで上がってしまいます。ただ、8スレッドをフルに使うアプリケーションもそれ程無いので、3Dゲームをしていても40℃台で落ち着いていたりします(^^;
10.高負荷時の消費電力(Prime95)
レビュー期間中に消費電力チェッカーを購入したので測ってみました。
Prime95でCPU負荷を100%にし続け、1分後にマシン全体の消費電力測定。
ちなみにアイドル時は、いずれの状態でも52W前後でした。(アイドル時はEISTでクロックが下がる為)
2600K定格だと138Wと性能を考えるとかなりの省エネだと思います(;゚∀゚)=3
80PLUS電源やASUSマザー省エネ機能が有効に機能しているのかも・・・
4.33GHzまでオーバークロックすると、約40Wの消費電力が増えます。
4.95GHzともなると、定格時よりも約130Wも増えてしまいます(´Д`;)・・・
ただ、Corei7は軽負荷時にクロックが下がり、消費電力が下がるので、個人的には4.33GHzなら常用しても良いかなと思います(;=゚ω゚)=333
■総評
Corei7-2600Kは久しぶりに遊べるCPUでした(;゚∀゚)=333
倍率変更によるオーバークロックは、FSBを上げる方法とは違い、高価で高速なメモリを必要としないので、廉価なパーツばかり使っている私にも嬉しい限りです(^^;
オーバークロックの耐性は高く、冷却さえしてやれば5GHzでも常用できそうである(;゚∀゚)=3
GPUはそれ程、追い込んでいないが1650MHzだと難なく動作している。
逆に定格運用時の発熱、消費電力ともに優秀であり、スリムケースでも運用しやすいと感じる。
また、内蔵GPUのIntel HD Graphics3000は、2600(無印)のIntel HD Graphics2000と比べると性能が高く、ローエンドのグラフィックカード並みの性能はある。省スペースPCや省エネPCでスタンドアローンなグラフィックカードを積みたくない人でも、軽めの3Dゲームなら十分にプレイできる能力を持つ。
その上、QSVを用いた高速エンコードも可能なので、TV録画用PCにもぴったりだと思う。
欠点と言えば、付けにくいCPUクーラーですね(^^;
これだけは何とかしてください(泣)
2600(無印)と2600K、実勢価格差は約2000円です。
あなたなら、どちらを選びますか?
私なら、自己責任を覚悟しつつも、オーバークロックでアグレッシブな性能を引き出せる「2600K」を選びます(`・ω・´) キリッ!
最後に、このような素晴らしいCPUのレビューをする機会を与えてくださった、
zigsow様、Intel様には感謝しております。ありがとうございましたm(_ _)m
ぽんさん
2012/01/17
2000円なら、おっしゃられるとおり私もK選ぶと思います  ̄^ ̄ キッパリ
ふっけんさん
2012/01/18
コメントありがとうございます!
オーバークロックで4.3GHz程度で常用することを前提で考えたら、2700Kどころか、990Xや3930Xに迫る(1コア当たりなら超える)性能を発揮できると思うので、非常にお買い得感が強く感じますよね(;=゚ω゚)=333 そう考えると、素晴らしいコストパフォーマンスです。
makibisiさん
2012/01/23
ASUSのマザーと組むと5GHz付近まで伸ばせるのですね。><
2600Kは本当に、遊べるCPUですよね!^^
ふっけんさん
2012/01/23
5GHzだとベンチ等はさすがに速いです!
自動OCで簡単に4.3GHzで使えるのはありがたいですねw
インテルで遊び心のあるCPUは少な目なので楽しめました。