レビューメディア「ジグソー」

単体でも速いがRAID0で爆速なSSD


このレビューは「intel Core i7 2700K速攻レビュー」のレビューとなります。
この度、intelのSATA3対応SSDである、intel SSD 510シリーズの120GBモデルを拝借することができましたので、パフォーマンスを中心にレビューしていきたいと思います。
パッケージ
パッケージ


■intel SSD 510シリーズとは

intelといえばCPUが有名ですが、ランダムアクセスの爆速さで一躍有名になったX25-Mシリーズを始め、様々なバリエーションのSSDをリリースしているメーカーでもあります。
特にX25-Mはその速さと価格とのバランスの良さが際立っており、プチフリや相性問題など発生していた初期のSSD市場においてスタンダードの地位を占めるに至った製品で、使われている方も多いと思います。

現在のintelのSSDラインナップは、コンシューマ向けには今回のレビュー対象製品である510シリーズと、320シリーズがメインとなっています。
(他にも組み込み用のSSD 310/311シリーズなどもありますが、少し特殊な位置づけになりますので、今回は対象外とします)
320シリーズは今までのX25-Mを置き換えるモデルで、SATA2の3Gbpsまでしか対応していない反面、600GBまでの大容量のラインナップと、比較的割安な価格帯に設定されています。
510シリーズはSATA3、6Gbpsに対応したモデルで、ラインナップは120GBおよび250GBモデルしかありませんが、速度を重視するパワーユーザー向けの製品となっています。


■スペック・外見および寸法

510シリーズ 120GBモデルのスペックは下記の通りです。

シーケンシャル読み込み:最大 400MB/s
シーケンシャル書き込み:最大 210MB/s
ランダム 4KB 読み出し:最大 20,000 IOPS
ランダム 4KB 書き込み:最大 8,000 IOPS

寸法は2.5インチHDDサイズで、厚さ9.5mmとなっており、320シリーズの7mmより厚さは増しています。
一般的な2.5インチHDDは厚さ9.5mmですから、置き換え用途としてはまったく問題無いと思います。
また、ネジ位置も2.5インチHDDと同じです。

SSD510 外見
SSD510 外見

外見は今までの同社製SSDの特徴でもあったプラスチックのスペーサーがなく、アルミダイキャストのボディとなっており、すっきりとした印象です。


■搭載部品

内部に搭載されている部品を確認してみました。
※ネジを外すと保証が受けられなくなりますので、自己責任にて行って下さい。

開封
開封

従来のintel製SSDは自社製コントローラーを採用していましたが、510シリーズはMarvell製の88SS9174-BKK2となっており、同社製では珍しく社外製のコントローラーを採用しています。
88SS9174-BKK2はCORSAIR Performance 3、PlextorのPX-M2Sなどでも採用されているコントローラーで、最新のSATA3対応SSDはMarvell 88SS9174かSandForce 2281のいずれかが主流となっています。

コントローラー
コントローラー

コントローラーチップのMarvell 88SS9174-BKK2です。
同じICでもBKK2はサーバー向け、BLD2はコンシューマ向けという差があるそうですが、スペックの差については不明です。

キャッシュメモリ
キャッシュメモリ

キャッシュメモリはHynixのH5TQ1G63BFR、1GBit(128MB)のDDR3 1333メモリを搭載しています。

NAND Flashメモリ
NAND Flashメモリ

搭載されているNAND Flashメモリはintel製の29F64G08CAMDAが搭載されています。
同社製のX25-Mや310シリーズの一部モデルでも同じFlashメモリを搭載しています。

基板表
基板表

基板裏
基板裏

NAND Flashは表と裏にそれぞれ8チップ、合計16チップが搭載されています。
64GBチップですのでチップ1枚あたりの容量は8GB、容量は16枚で128GBとなります。


■付属品

付属品
付属品

リテールパッケージ製品ですので、SSD本体のほか2.5インチ→3.5インチの変換マウンタ、ミリネジとインチネジがそれぞれ5つ、ペリフェラル→SATA電源変換コネクタおよびSATAケーブルが付属します。


■組み込み

一通り外見のチェックが終わりましたので、組み込んでみることにします。
組み込みは付属のマウンタにSSDを取り付け、ケースの3.5インチベイに装着するだけですので、きわめて簡単です。


■ベンチマーク

CrystalDiskMark Nano Piko EditionおよびHDTuneを使ってベンチマークを行ってみました。
まずは、CrystalDiskMarkから。
設定はデフォルトのまま、1000MBの5回計測にて測定しています。

単体時ベンチマーク
単体時ベンチマーク

シーケンシャルリードは公称スペックを少し超える412MB/s、シーケンシャルライトは後一歩及ばずの208.9MB/sとなりました。
intelの公称通りの速度が出ており、高速な部類に属するSSDであることが確認出来ました。
ランダム4Kはリード19.75MB/s、ライト40.61MB/sと奮わず、それぞれ4821.8IOPS、9915.3IOPSと公称値の半分の値となってしまっています。

RAID0時ベンチマーク
RAID0時ベンチマーク

同型SSDをもう1つ購入し、RAID0環境での検証も行ってみました。
Z68チップのSATA3コネクタに2台接続した環境でのベンチマークとなります。
シーケンシャルリードは驚きの843.6MB/sをマーク、単体の200%超の値を叩き出しました。
シーケンシャルライトも200%の性能を出していますので、RAID0の性能がフルに発揮されています。
ランダム4KについてはRAID0では変化はありません。


■起動時間チェック

HDDとSSDの起動比較を行ってみました。
用意したHDDは諸事情により、ちょっと古めのSeagate Barracuda 7200.10 80GBモデル(ST380815AS)となります。
このHDDは結構遅く、シーケンシャルリード、ライト共に80GB/s以下の速度しか出ませんので、今時のHDDはこれよりはマシになっていると思います。

テスト環境は下記のハードウェアを使用し、Windows 7 Enterprise 64bitをインストール、Windows Updateをすべて適用した状態で実行しています。
CPU:intel Core i7 2700k(定格)
マザー:asus P8Z68-V PRO/GEN3
メモリ:G. SKILL F3-16000CL9D-4GBRH(DDR3-2000)


起動時間比較
起動時間比較

比較の結果、

HDD Windows7 起動 2:06
SSD Windows7 起動 0:14
→90%の高速化を達成!!!

HDD Photoshop CS5.1起動 0:26
SSD Photoshop CS5.1起動 0:06
→77%の高速化を達成!!

HDD Windows7 シャットダウン 0:16
SDD Windows7 シャットダウン 0:13
→19%の高速化を達成!

となりました。
Windowsの起動時間短縮の効果はすばらしく、一度SSD 510を使ってしまうとHDDには戻れません。


■既存OSの移行について

新規にPCを組む際にSSDを選択した場合は、そのままOSをインストールすれば良いのでなんら問題はありませんが、すでに稼働しているOSが入っているHDDからSSDに移行する場合に問題となるのが、OSの移動方法です。
intelのSSDのすばらしいところは、ユーティリティが充実していることで、インテル Data Migration Softwareを使用すると簡単にSSDに移行することが可能です。
インテル Data Migration SoftwareはAcronis Disk Directorの機能限定版ですが、新規HDDのセットアップやOSの移行が簡単に行えます。
パーティションサイズも自動的に設定してくれますので、難しい操作は不要です。

当たり前ですが、intelのSSDが繋がっていないと使用できませんので注意が必要です。
RAID0にするとRAIDドライブとして認識してしまうため、SSDが見つかりませんというアラートが表示されてしまい、データの移行が出来ませんでした。

アラート画面
アラート画面

アラート画面にはUSB接続やRAID環境などの場合はマニュアルを参照するようにとの記載がありますが、マニュアルのPDFにはそのような記述がないため、サブマシンに繋がっていたSSD 320を取り外して接続することで、インテル Data Migration Softwareが無事起動するようになりました。
インテル SSD ToolboxからはRAID0構成のSSD 510も正常に検出していますので、インテル Data Migration Softwareでも同様に使用できるように改善して欲しいところです。


■GPTパーティション→RAID0へのOS移行

OSの移行はIntel Data Migration Softwareを使うのが一番楽なのですが、コピー元ドライブがGPTパーティションの場合は対応しておらず、ドツボにはまりました。
GPTパーティションはグレーアウトされており、選択が出来ない状態でした。

Western DigitalにもAcronisのユーティリティが用意されているので、Intel Data Migration Softwareをアンインストールし、Acronis True Image WD Editionをインストールしたところ、GPTパーティションにも対応しているようで、問題無く選択が出来るように。
しかし、コピーを選択して再起動しても、コピー画面に遷移せずにそのままOSが起動してしまい、コピーできない状態に。

原因特定が難しいので、どうにかならないかと試行錯誤していた結果、
1,GPTドライブでAcronis True Image WD Editionを使ってバックアップを作成
2,RAID0ドライブに新規でOSをインストール
3,Acronis True Image WD Editionをインストール、リカバリ
で無事コピーすることが出来ました。
パーティションサイズもGPTの160GBから240GBに調整されており、問題無く快適に使用できています。
長い道のりでした…orz


■まとめ

今回初めてSATA3対応のSSDを使用しましたが、シーケンシャルアクセスの速度は圧倒的です。
OSの起動などは主にランダムアクセスが重視されるためX-25Mと比べて体感できる大きな差はありませんが、データコピーなどは爆速になりました。
また、RAID0環境で2倍の性能がきちっと出るのもすばらしく、容量も240GBあれば十分ですので、速度を求める方はRAID0構成をお勧めします。
Intel Rapid Storage Technologyも次期バージョンでRAID構成のTRIMも可能になるとのことですので、RAID構成が使いやすくなるのはとても期待です。

SSD 510より速度が速いモデルも登場していますが、ユーティリティの充実さを考慮すると、intelのSSDのコストパフォーマンスはきわめて優れていると思います。
価格も比較的安価になってきましたので、お勧めできるSSDです。

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