新製品のCore i7-2700KはCore i7-2600Kを発売日から愛用している 1 人のユーザーとして楽しみにしていた製品です。今回は”Asus P8Z68-V PRO/GEN3& Intel SSD 510 160GB (SSDSA2MH160G2R5)”を組み合わせてPCを一台作成し、QSVによる動画のエンコードやIGP(Intel HD3000 グラフィック)によるベンチマークテストを行ってみたいと思います。
●注意事項
オーバークロックはCPUやマザーボードに負担の掛かるメーカー保障外の行為です。オーバークロックによるパーツの破損はメーカー保障を受けられなくなりますのでご注意ください。
電圧を昇圧する場合については各チップにかなりの負担がかかります。一定時間動作したとしてもその後動作が不安定になったり、最悪の場合故障してしまう可能性もあります。オーバークロック向けの製品も通常モデルと同様にオーバークロック時の動作を含めて保障はありません。
レビュー内にオーバークロックの設定を公開しています。マザーボードやCPUのオーバークロック耐性については”製造ロット、個体差、その他のパーツとの組み合わせ”により変化しますので同じ設定でオーバークロック動作が可能であること、各パーツの安全性および安定動作を保障するものではありません。参考にしてオーバークロックを行う場合はメーカー保障外行為であることを理解したうえで必ず自己責任で試すようお願いします。
Core i7-2700KはCore i7-2600Kの上位モデルとして投入された新製品。32nmプロセスのSandy Bridgeコアを採用した4コアCPUです。
定格クロックは35倍の3.5GHz。ターボブースト(TB)で最大3.9GHzで動作します。TB倍率変更可能なK付きモデルのため36倍から255倍まで倍率変更可能なオーバークロッカー向けの製品です。
TDPは従来どうり95W据え置きで最上位モデルとしてはTDPは低く扱いやすい製品と言えます。
付属のリテールクーラーは薄型のトップフロータイプが付属。CPU自体低発熱のためライトOC程度なら問題ありません。4.0GHz以上にOCする場合には社外品の大型のサイドフロータイプクーラーの利用をお勧めします。
1スレッドに負荷を与えてTB最大倍率の状態で撮影したスクリーンショットです。
ステッピングはCore i7-2600Kと同じ”D2”でした。
<Coreあたりの最大TB倍率>
・1Core:39
・2Core:38
・3Core:37
・4Core:36
レビュー用PCを作成するにあたり使用したCPU以外のパーツを紹介します。
●マザー - Asus P8Z68-V PRO/GEN3(プレミアムレビュー)
●HDD - Intel SSD 510 120GB(プレミアムレビュー)
●クーラー - Thermalright TRue Black 120 PLUS
●メモリ - GeIL DDR3-1750 16GB (4GBx4枚)
●GPU - GPU GeForce GTX 570(外部GPU搭載時のテストに使用)
●光学ドライブ - LITEON IHAS120-27
●ケース - Antec Nine Hundred Two
●電源 - SCHWARZBERG RPSB-600P (600W)
●OS - Windows 7 Home Premium 64bit
64bit OSを活用するためメモリは4GBモジュールを4枚用意して16GB実装しました。
作成したPCです。髑髏マザーレビュー時に使用したケースと電源を使っています。
髑髏マザーは現在はSilverStone SST-RV02B-Wに移植して稼働しています。
(PCの組み立て手順についてはマザーボードのレビューで紹介しています。)
自作ユーザーのもっとも気になるポイントと思われるCore i7-2700Kのオーバークロック耐性について検証してみました。
OC耐性の見極めにはUEFI BIOSとマザーボード付属のツール”AI Suite II(TurboV EVO)”を使用しています。CPUクーラー用ファンはThermaltake Frio 冷却魂付属の2500rpmファンを2個搭載し、アナログボリュームを中間の位置で使用。負荷テスト時の室温は16度前後です。
CPUのオーバークロックについてはAsus P8Z68-VPRO/Gen3ではUEFI BIOSのAi Tweaker項目内のTurbo Ratloを”By All Cores(Can Adjyst in OS)”に変更しTB倍率を変更して行います。
UEFI BIOSを設定したらOS起動後に”AI Suite II(TurboV EVO)”でコア電圧とCPU(TB)倍率を調整して行いました。CPU倍率とコア電圧設定についてはOSを再起動することなく変更を適応することが可能でOC耐性を見極めるのに便利です。
早速OS上からCPUのOC耐性をチェックしていくと下記のような結果となりました。
<Core i7 2700Kクロックと電圧設定>
・3.9GHz (Vコア:オフセット+0.000V) : Prime95 10分間 パス
・4.5GHz (Vコア:オフセット+0.035V) : Prime95 10分間 パス
・4.8GHz (Vコア:オフセット+0.075V) : Prime95 10分間 パス
・5.0GHz (Vコア:オフセット+0.120V) : Prime95 10分間 パス
・5.2GHz (Vコア:オフセット+0.150V) : Prime95 10分間 BSoD or エラー発生回避できず
●CPUのオーバークロック - 4.8GHz
4.8GHz動作ではAI Suite II(TurboV EVO)のコア電圧設定で1.230V(CPU-Z読みで1.360V)まで昇圧するとPtime95のフルロードを10分間パスすることができました。
●CPUのオーバークロック - 5.0GHz
コア電圧設定で1.290V(CPU-Z読みで1.42V)あたりまで昇圧すると5.0GHzでPrime95をパスすることができました。Prime95による10分間の負荷テストを複数回パスできているのでベンチマークテストを行うくらいならまったく問題ないと思います。
CPUクーラーのファンの回転数を中間の設定のままコア温度を低く保てているのは冬という季節的なものです。コア電圧的には高くはありませんが低くいとも言えません。長時間安定動作は難しい(又は危険)と思います。
●CPUのオーバークロックについての感想
基本的に電圧あたりのクロックの伸び率についてはCore i7-2600Kと同じ傾向のようです。5.1~5.2GHzも試してみましたが安定させることはできませんでした。
OC耐性についてはCore i7-2600K同様に良好なようで、コア電圧は1.40Vオーバーと高めですが5.0GHzでも短時間の負荷テストはパスしてしまうのには驚きです。素晴らしいOC耐性です。
流石に1.42V@5.0GHzで各種テストを行うのは危険と思いますし、今回のレビューの検証作業ではIGPも活用するためCPUのOCは4.8GHzで行くことに決めました。
●IGPのオーバークロック
IGPのIntel HD Graphics 3000のクロックは850MHzでTB動作で最大1350MHzまで上昇します。
オーバークロックするにはUEFI BIOSのAi Tweaker項目内のiGPU MAX Frequencyの数値やuIGP関連の電圧設定項目の値を変更します。こちらもOS上から”AI Suite II(TurboV EVO)”で設定変更可能ですが設定変更の適応後に再起動を求められます。
IGPのオーバークロックについてはAsus P8Z68-V PRO/GEN3の場合は50MH単位で設定可能です。オーバークロックするとAutoではオフセット+0.15Vの電圧の昇圧が行われます。
数パターンためした結果、IGPのオーバークロックは+250MHzの1600MHzとしました。
Sandy Bridgeから搭載されたh.264ハードウェアエンコーダのQSV(Quick Sync Video)エンコードとCPUコアの4コア/8スレッドを利用したエンコード双方の処理能力を検証してみたいと思います。
当初はTMPGEnc 4.0 XPressやTMPGEnc Authoring Works 4で試す予定でしたがTMPGEnc Video Mastering Works 5でQSVを試せることが判明したので予定を変更しました。
TMPGEnc Video Mastering Works 5の基本設定についてはMPEG-4デコーダー設定を標準デコーダーからIntel Media SDK Hardwareに変更し、2Pass時の解析用キャッシュを4GB割り当てました。
用意した動画はSONYハンディーカムで撮影した約1分の1920x1080ドットのMTSファイル(ファイルサイズ約160GB)です。
動画変換設定はQSV・x264ともにVBR(平均ビットレート2500kb、最高5000kb)、音声はCBA160kb。エンコード速度は”やや遅い(高画質)”を選択しています。動画ファイルへのフィルターは”インターレース除去(常に:適応補完)”と”輪郭強調(デフォルトの20)”を適応しています。
テスト項目は”QSV(Intel SDK Hardware)、QSV(Intel SDK Software)、x264 1Pass、x264 2Pass”の4種類。検証したCPUは定格動作のCore i7-2700K、4.8GHzへOCしたCore i7-2700K、定格動作のCore i7-2600Kの3種類です。
QSVを利用したIntel SDK Hardwareが最速です。CPUをOCすると事前の処理が高速化されるのかエンコードに必要な時間も短くなりました。Core i7-2600Kと比べてクロック分高速化されていることも確認できます。
x264のソフトウェアエンコードも意外と早いのには驚きました。Core i7-2700Kの4コア/8スレッドのCPUパワーでx264の1PassエンコードではQSVエンコードに迫る速度で高速に処理していることがわかります。
最上位のCore i7-2700Kの動画のエンコード速度はQSVと8スレッドによるソフトウェア処理とで差がつきにくいようです。ただし、今回用意した動画ファイルは1分程度の短い物のため差がつきにくいというのもあるようです。長時間の動画ファイルを変換した場合には差が開くと思います。
エンコード速度以外に気付いた点については、x264のエンコードでは8スレッド全てに100%近い負荷がかかりますが、対してIntel SDKの場合はハードの場合は8スレッドに50%前後、ソフトは1コアに100%近い負荷と2~3コアに30%前後の負荷のみと比較的CPU占有率が低いようです。
●QSVエンコードの画質について
QSVエンコードの画質はというと、エンコード速度”普通”の場合は暗い場所のブロックノイズがかなり目立ちます。エンコード速度を”やや遅い”に設定するとそれほど目立たなくなりますがx264のソフトウェアエンコードと比べてしまうと若干劣るかなとといった印象です。
実際にエンコードテストで作成した動画のほぼ同一フレームの一部を切り出して並べてみました。Intel SDKはハード・ソフト共に同じ画質のためハードウェア変換の物を使用しています。
スクリーンショットだけでは判断つきにくいと思いますがIntel SDKのエンコード品質については”標準”より”やや遅い(高画質)”のほうが綺麗です。x264エンコードはブロックノイズも目立たず1Pass2Pass共に画質は良好です。
グラフには乗せてませんがエンコードする時間は”標準”でも”やや遅い”でもほとんど差はありませんでした。画質的にも”やや遅い”でエンコードすることをお勧めします。
QSVはエンコードの速さ以外にCPU負荷率が低めのため消費電力も低いのが印象的です。
Intel SDK Softwareのエンコードもスレッドへの負荷率は低くエンコードに時間がかかる代わりに消費電力も低くなっています。
x264エンコードは8スレッドに100%近い負荷がかかるため消費電力は高めです。
IGPのIntel HD Graphics 3000の性能をテストするため、ファイナルファンタジーXIVベンチマークテスト(DX11世代)とファイナルファンタジーXIベンチマーク3(DX9世代)を使用して検証してみました。
検証したCPUは定格動作のCore i7-2700K、4.8GHzへOCしたCore i7-2700K、定格動作のCore i7-2600Kの3種類に加えて定格動作のCore i7-2700Kと4.8GHzへOCしたCore i7-2700KはIGPクロックを1600MHz(1.65GHz)までOCした状態も加えています。
●ファイナルファンタジーXIVベンチマーク
DX11世代のベンチマークソフトでシェーダーを多用しているため非常に処理が重く、IGPには辛いベンチマークソフトです。
定格でのスコアは941と快適にプレイするのは厳しく、GPUとCPUをOCしてもスコアの上昇は僅かとなっています。ベンチマークテスト中にCPUクロックをモニターすると2.5GHzあたりまでクロックが落ちているシーンも多くIGPではCPUパワーを活用しきれていない可能性が高いです。
ファイナルファンタジーXIVは今後予定されている大型バージョンアップで3D処理が大幅に軽くなるとのことですので、Intel HD Graphics 3000でもある程度はプレイ可能になる可能性も残されています。
●ファイナルファンタジーXIベンチマーク3
DX9ベース(正確にはDX8ベース)のベンチマークテストのためシェーダーは多用されていないためCPUの性能が重要と言われています。
定格動作でのスコアは6506と快適にプレイ可能なスコアです。GPUのOCについては上記の理由から効果は薄く、誤差範囲でスコアが低くなることも多いので意味はないようです。
CPUを4.8GHzまでOCするとスコアは8190まで上昇。フルアライアンス2~3PTのコンテンツ以外なら十分快適にプレイできるスコアとなっています。これなら軽めの3Dゲームなら十分プレイ可能な性能と思います。
ベンチマークテスト中の最大消費電力をまとめてみました。
CPUを4.8GHzまでOCすると消費電力は30Wほど増えています。
GPUを1600MHzへオーバークロックすると15Wほど消費電力が増えるようです。
32nmプロセスの4コアCPUということで全体的に消費電力はかなり低く抑えられています。とくに負荷率の低いファイナルファンタジーXIベンチマーク3ではスコアに対しての消費電力がかなり低くなっています。
Intel HD Graphics 3000でオンラインゲーム”ファイナルファンタジーXIV”をプレイしてみました。
各種設定は判断基準になると思いますのでインストール時の初期設定を採用しています。(Windowモード:1280x720ドット)
ゲームの快適度を測るためフレームレートを確認するためフリーソフトのFraps 3.4.7を利用しました。
□Fraps 3.4.7
http://www.fraps.com/download.php
●定格@3.6GHz+GPU 定格@1350MHz
初期設定ではフレームレートは12fpsあたりまで落ち込むことがありカーソルの移動にもかなりのタイムラグが発生するためプレイするのは困難です。
●定格@3.6GHz+GPU OC@1600MHz
CPUコアは定格のままGPUコアを1600MHzにOCしてみました。
GPUコアをOCするとカーソル移動のタイムラグはある程度改善されました。フレームレートも落ち込みが14fpaあたりまでに抑えられているのでクロック分の性能向上は確認できました。それでも若干カーソル操作にもたつきがあるので操作性にも難ありです。
●OC@4.8GHz+GPU OC@1600MHz
GPUコアに続いてCPUコアもOCしてPCの性能をさらに上げてみました。
定格動作に比べるとフレームレートの落ち込みは17fpsあたりまでに抑えられて、平均的にもフレームレートの向上も確認。ただし快適にプレイできるかというとカーソル操作に若干タイムラグがあるのでまだ厳しいといった印象です。
●OC@4.8GHz+GPU OC@1600MHz+設定の変更(処理軽減)
CPUとGPUコアをOCした状態にプラスして、コンフィグの画面設定で処理を軽くなるように設定。更にゲーム内オプションでも一部の処理をオフに設定して負荷を軽減してみました。(上の写真参考)
重い処理を切ることでフレームレートの落ち込みは22fpsまで上昇。軽いシーンでは40fpsを超える場合もありました。快適とは言えませんが標準設置に比べると画質は落ちてしまいますがカーソル操作のタイムラグも大幅に軽減されたのでギリギリプレイできる状態になりました。
●IGPでファイナルファンタジーXIVをプレイしてみた感想
3D処理の重いことで有名なファイナルファンタジーXIVをIGPでプレイするという無謀ともいえるチャレンジでしたが、CPUとGPUコア両方をOCして設定を緩くすることで何とかプレイできるレベルに到達することができました。
現状ではIntel HD Graphics 3000には荷が重いようでCPU@4.8GHz+GPU@1600MHzにOCして更に設定を緩めることでギリギリプレイ可能なレベルでした。ミドルレンジ以上のGPUをターゲットに作成されたゲームタイトルのためIGPとしては十分健闘したと言えると思います。
来年の春に登場すると噂の28nmプロセスのIvy BridgeではGPUコアも大幅に強化されるということなので、ファイナルファンタジーXIV Ver2.0(PS3版のリリースに向けて処理の軽量化が実施されます)と合わせるとIGPで快適にファイナルファンタジーXIVをプレイできるようになる日ももうすぐ訪れるかもしれません。
3Dベンチマークテスト用にGeForce GTX 570を取りつけてみたので、CUDAのエンコード時間や画質をQSVと比較してみました。
テスト環境はレビュー用に作成したPCにGeForce GTX 570を搭載し、CPUのクロックは定格動作で計測しています。ソフト側の設定もビットレートや解像度を同じにしました。(CUDAのエンコードでは品質(パフォーマンス)の設定は選べませんので空白のままです。)
エンコードタイムは80秒とQSVに並びかなり高速に変換可能です。
●CUDAによるエンコードの画質について
CUDAは品質設定が選べないので設定による画質の差はビットレートに依存するかたちになります。
CUDAでエンコードした動画の画質はx264の1Passに近い品質でブロックノイズも少なく良好でした。ハードウェアエンコードの画質はQSVよりCUDAに分があるようです。
CUDAのエンコードテストに使用したGPUはハイエンドモデルのためエンコード中の消費電力は220WとQSVの2倍近い消費電力になっています。
CUDAを利用するGPUのグレードにもよると思いますが消費電力ではQSVが大幅に有利です。
レビュー用PCにハイエンドGPUの”NVIDEA GeForce GTX 570”を取り付けてベンチマークテストと消費電力計測を行いIGPと比較してみました。(グラフではNVと表記しています。)
●ファイナルファンタジーXIVベンチマーク
DX11世代のベンチマークソフトでシェーダーを多用しているため非常に処理が重くIGPには辛いベンチマークソフトです。
GeForce GTX 570を取りつけるとCPUの演算能力がフルに発揮されて大幅にスコアを伸ばすことができました。CPUをOCするとスコアはさらに上昇し8500台をマーク。Core i7-2700Kの定格動作ではGeForce GTX 570のポテンシャルを全て引き出せていないことが分かります。
7000以上のスコアですから実際のゲームでも解像度を上げたり高画質設定に変更しても快適にプレイ可能です。
●ファイナルファンタジーXIベンチマーク3
DX9ベース(正確にはDX8ベース)のベンチマークテストではGeForce GTX 570を取りつけると10000オーバーと凄いスコアに。しかし、CPUコアをOCしたときのIGPのスコアも十分健闘していることがわかります。
DX9世代のシェーダーを多用しない3D処理での性能差は予想以上に少ないことが判明しました。IGPも順当に進化しているようです。
GeForce GTX 570はDX9以前の軽い処理の場合は消費電力は意外と少ないことに驚きましたが、低消費電力なIGPに対して負荷率が高くなると消費電力は2倍以上に上昇し、ハイエンドGPUですから消費電力面では不利です。
●IGPとGeForce GTX 570を比較してみた感想
CPUに内蔵されているIGPとハイエンドGPUとの比較のため性能に大きな開きがあります。
DX10/DX11世代のシェーダーを多用する重い3D処理に関してはGeForce GTX 570のような外部GPUを導入すると快適になりますがDX9世代の軽めのゲームなどではIGPでも十分と思います。
やはり外部GPUの導入コストやワットパフォーマンス(消費電力)を考えると用途しだいかなといったところでしょうか。
新製品のCore i7-2700KをCore i7-2600Kと比較して見た感想です。
CPU内蔵H.264エンコーダーのQSVについては高速処理にも関わらずCPU負荷率と消費電力が少ないという特徴があることがわかりました。画質に関してはソフトウェアエンコードに比べると一歩劣りますが、CPUコアの負荷率が低いのである程度CPUパワーを必要とする作業も動画のQSV変換と並行して作業できるのは魅力です。
IGPのIntel HD Graphics 3000については従来のIntel制IGPと比べれば大幅に性能向上していると言えます。しかし、DX11世代のシェーダーを多用する負荷の高いゲームタイトルをプレイするには非力です。CPUパワーを生かすにはアッパーミドルクラス以上の外部GPUとの組み合わせが理想かもしれません。
動画変換やベンチマークテストでの検証の結果、クロック上昇率は100MHzと大きくはありませんが確実に性能を伸ばしていることがわかりました。ただし、Core i7-2600Kを既に使用している方に買い替えを勧められるほどの差はありません。最大のライバル製品はCore i7-2600Kと言えそうです。
OC耐性についてはCore i7-2600Kと同じD2ステッピングと変更されていないので個体差や極冷の限界OCでの差以外の空冷常用レベルでの耐性や消費電力の傾向は同じでした。32nmプロセスのおかげで消費電力と発熱がすくなく非常に扱いやすい点も変わりません。
Core i7-2700Kは”高い処理能力と省電力を実現し、ミドルレンジに迫るIGPと高速に動画ファイルを処理可能なQSV、5.0GHzも視界にとらえる高いOC耐性”などコストパフォーマンスの高い優れた製品と言えると思います。
<2011/12/15>
・ベンチマークテストの消費電力グラフを修正しました。
・OC項目内に補足コメントを追記しました。
・ 動画エンコードの比較用画像とコメントを追加しました。
<2011/12/19>
・FF-VIXをプレイしてみた感想(IGPでファイナルファンタジーXIVをプレイ!)を追加しました。
<2011/12/21>
・”QSV vs CUDA 動画エンコード”を追記しました。
<2011/12/25>
・”IGP vs GF110 ベンチマーテスト”を追記しました。
リーダーさん
2011/12/15
QSVをつかったときの画質の低下(ブロックノイズ)が若干気になってたので
少しでも情報が得られてよかったです。
最大のライバルは2600Kにウケましたw
Sheltieさん
2011/12/15
ありがとうございます。
現状で価格と性能を考慮するとライバルは2600Kかなとw
QSVの画質はあまり良くないという話は聞いていたのですが実際に試してみて納得しました。標準では微妙ですが、やや遅い(高画質)ではかなり改善するので”消費電力・エンコードタイム・画質”を考慮すると悪くないと思います。(エンコードした動画の画質を確認できるように画像を準備中です。)
北のラブリエさん
2011/12/15
今回ワタシの比較対照は2600だったのでかなり差が出ましたが、Kがつくとどうなっていたことやら。
Sheltieさん
2011/12/15
コメントありがとうございます。
倍率変更可能なKモデル同士でCPUコアのステッピングも変更されていないとなると、OC耐性や消費電力傾向についてはロットや個体差程度の違いとなりますから難しいですよね。調べてませんが多分2600Kは2700Kに置き換えられてディスコンになっていると思いますので、市場在庫や既に所有している方の2600Kがライバルになるかなといったところでしょうか。
リーダーさん
2011/12/19
うちのポンコツノートですら、一応動作するので(全画面モザイク状態だけど)
HD3000でも設定次第では比較的不満なく操作できそうですね。
次世代の内蔵GPUはさらにパワーアップするとのことですし
グラボメーカーさんがさらに泣きそうなことになりそうですwww
Sheltieさん
2011/12/19
コメントありがとうございます。
FF11のころから考えると”オンボードGPUやIGPで重いオンラインゲームが走る”というだけでもすごい話ですよね。次世代の内蔵GPUはシェーダー数が二倍になるような話もあるので低解像度ならサクサク動きそうな予感が・・・w
そうなるとグラボメーカーもミドルレンジ以下の製品展開が大変になりそうですね。
退会したユーザーさん
2011/12/24
おぼろげながら OC と言うものが解ってきたような感じです。
Sheltieさん
2011/12/24
コメントありがとうございます。
第二世代のCore i 3/5/7シリーズのSandy Bridgeコアは定格動作に対して余裕がかなりあるのでOC出来る幅も広くなっていますので、初心者の方にもOCしやすいCPUと思います。機会があったらぜひOCにチャレンジしてみてください。