レビューテーマとしてはAdobe Premiere Elements 10で510をどう使えば快適に利用できるかをテーマにしたい。
intel SSD 510シリーズは、intel SSDの中でもミドルレンジに位置し、単体のパフォーマンスでは…このように、シーケンシャルリードで400MB/秒、シーケンシャルライトでも200MB/秒と、かなり高速なアクセスが可能となっており、シリアルATA 3Gbpsでは帯域が足りなくなってしまうほどで、6Gbps接続でなければフルパフォーマンスが発揮できないという代物だ。
■パッケージ
パッケージには、SSD本体の他、2.5inch→3.5inch変換アダプタ、ネジの他、Serial ATAケーブルまで付属する。なぜ、ケーブルまで付属するのだろうと思い試しにかなり古いタイプのSerial ATAケーブルでSSD 510を接続してみたところ、6Gbpsでリンクすることができず、3Gbpsでしかリンクすることができなく、そのパフォーマンスは250MB/秒程度で頭打ちとなってしまいフルパフォーマンスが発揮できない状況となった。なるほど、品質の低いSerial ATAケーブルなどを用いた場合に、こういった問題が出ることが予想されているので、確実にフルパフォーマンスで使ってもらうために確かな品質のSerial ATAケーブルを付属したのだろう。
intel SSD Toolboxも付属しているが、Webで最新バージョンが既に公開されているため、こちらの最新バージョンを利用した方がいいだろう。
Intel® Solid-State Drive Toolbox
http://downloadcenter.intel.com/Detail_Desc.aspx?agr=Y&am...
今回のVersion 3.0.2からは、ついに日本語にも対応し、見た目もかなりわかりやすく変更されており、ファームウェアのバージョンアップが必要な場合にはアラートを出してユーザーに気づかせてくれるような細かいアップデートが施されているので、旧バージョンのユーザーも最新バージョンに更新しておいた方がいいだろう。
■前世代のX25-M G2との差
実用中のパフォーマンスという事で参考にしてもらいたいのがこの2つの結果だ。
実際にWindows7 Home Premium 64bitをインストールしてみて実使用中のパフォーマンスという感じなのだが、シーケンシャル、512K共に510のパフォーマンスは高いのだが、問題は4K/4K QD32のリードの値だ。
もともとランダムアクセスに強かったX25-M G2だが、実使用後でも510シリーズのパフォーマンスを上回っている。Windowsや、最近のほとんどのOSが採用するマイクロカーネルのOSの場合は、かなり細かいファイルの読み込みが多く、ランダムリードアクセスのパフォーマンスがかなり影響してくるのだ。
実際に実使用してみると、X25-M G2と510シリーズとで、ブートディスクとしてOSやアプリケーションをインストールした時に、それほどパフォーマンスの差を感じられなかったのでもしやと思ったが、おそらくこの結果がそれを物語っているのだろう。
ということで、今回は、シーケンシャルリード、シーケンシャルライトがほとんど起こらないであろうOSのブートドライブには、手元にあるX25-M G2 80GBを利用し、510シリーズをシーケンシャルリードやライトの多いテンポラリドライブとして利用することにした。
■テンポラリドライブ?
Windowsでは、一時保存フォルダとしてTEMPフォルダやTMPフォルダなど、テンポラリとして利用している。これらのファイルは、シーケンシャルリードとシーケンシャルライトが多く、ランダムアクセスの際も、大きめのデータであることがほとんどであり、X25-M G2を使うよりも510シリーズの高速な書き込みを利用した方が快適になるであろうと考えたわけだ。これだけで、WindowsはSSD 510をテンポラリドライブとして利用してくれる。このテンポラリドライブは、例えばセットアッププログラムを一時的に展開したり、圧縮、解凍プログラムが一時的に利用するなど、様々なアプリケーションで利用されているので、読み書きの高速なドライブにしておくのがオススメだ。もちろんSSDよりも高速なRAMドライブなどを利用している場合にはそちらに変更すればさらに快適になるだろう。
Windowsのテンポラリドライブ程度であれば、大量にメインメモリーを搭載したRAMドライブを指定している人もいるだろう。しかし、今回の本題はWindowsのテンポラリドライブとしてだけではなく、Premiere Elements 10で利用するスクラッチディスクやプロジェクト、ソースファイルとしても利用してしまおうというものだ。
■スクラッチディスク?
Adobeのアプリケーションは、アプリケーション自体がWindowsの機能を利用することなく、自前でテンポラリフォルダ、テンポラリファイルを利用することが多く、今回のPremiere Elements 10も例外ではない。これだけでも、パフォーマンスは大幅に改善できるはずだが、編集作業をさらに快適にこなせてしまうようにさらにもう1手間加えてみる。
■プロジェクトファイルやクリップ、ソースファイルをSSD 510にコピーしてしまおう
編集に必要なファイルは、通常は保存用に大容量のHDDに保存していることがほとんどだと思う。ただ、ソースファイルをHDDに保存したままだと、例えばピクチャインピクチャやトランジションを利用した場合に、同一HDD内に同時にアクセスしてしまう事になってしまう。ご存じのとおり、HDDのランダムアクセスとSSDのランダムアクセスの速度は月とすっぽん以上に差があるので、これをSSDに一度コピーしてからそれを利用してしまえというのが今回のポイントとなる。
SSDなどが利用できない時代は、少しでもランダムアクセスを上げるために超高速回転のHDDを大容量のキャッシュを積んだRAIDカードでRAID化したり、また、単一のHDDに同時にアクセスしないよう、ソースごとにHDDを用意するなどの涙ぐましい努力…だけでなく、多額の投資が必要だったのだが、SSDのランダムアクセスの早さを利用してこれをSSD1台で実現させてしまおうというわけだ。
■実際に使用した結果は…?
画像などで伝えられないのが残念なのだが、ソースへの同時アクセスが単一のドライブからのものとは思えないほどに驚くほど高速である。もうHDDに保存したまま動画ソースを編集しようとは思えないほどに超快適になった。これはもう手放せない…!
SSDはOSの起動が高速だとか、アプリケーションの起動が高速だとか、そういった点で注目されることが多いようではあるが、このように、テンポラリドライブとして利用するというのも是非ともオススメしたい使い方であると考える。というのも、OSの起動はスリープからの復帰であれば、いまはHDDからも瞬間復帰が可能であるし、アプリケーションなども、起動してしまえばその後はSSDであろうがHDDであろうが使用時は大差は無いように思える。つまり、ブートドライブにSSDを利用した場合は初速は速いが、その後はHDDと大差ないといった感じだろうか。今回のようにテンポラリドライブに利用することで、例えばブートドライブをHDDにした場合でも、初速は遅いが作業中は快適という環境が手に入る。もちろん、ブートドライブとテンポラリドライブともにSSDにすることで初速も、作業中も超快適な環境が手に入るわけで、それに越したことはない。
テンポラリドライブはRAMドライブで利用している諸兄も多いかと思うが、今回のように動画編集などのギガ単位のソースファイルをいくつも保存しておくには、8GBのモジュールを4枚程度では正直言ってまだまだ容量不足な点は否めず、そういった点では、現段階でRAMドライブでは間に合わない大容量のテンポラリドライブとしてSSDを導入するというのも悪くないのではないだろうか?また、テンポラリドライブとして利用することで、SSDの寿命も気になるところではあるものの、テンポラリドライブとして利用していれば、たとえ突然壊れてしまったとしても、大事な保存データが消えてしまった!OSが起動しなくなってしまった!などという事態には陥らないはずで、単純に壊れたら取り替えるという消耗品の感覚で使えるというのも安心材料の1つだ。
とにかく、SSDは、起動が早いとかそんな一瞬のためだけに利用するのではもったいなく、まだまだ他にも便利で快適なPCライフを過ごせる使い方があるはずだ。たまには思考を変えて、HDDでは不可能だった事をSSDではできないだろうかと頭を巡らせてみるのもいいのではないだろうか?
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ちゃなさん
2011/12/24
anzuさん
2011/12/26
他にもデータベースなど、ディスクアクセスが頻繁に起こるようなアプリケーションなどがあれば、SSDをテンポラリやデータディスクとして使うことで大幅にレスポンスが改善されそうな気もしますが、壊れてデータサルベージをしようとした時のことを考えると、保存用としてはやはり考えにくく、テンポラリディスクとして利用するのがベストかもしれませんね。