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コンテストのレギュレーションを必ずご覧ください。
http://zigsow.jp/special/intel/occ2600k/
OCコンテストに使用したパーツを紹介します。
●CPU - Intel Core i7-2600K
●クーラー - Thermalright Archon
●マザーボード - MSI Z68A-GD80 (G3)
●GPU - MSI N560GTX-Ti Twin Frozr II/OC
●メモリ - CORSAIR CMT4GX3M2A1600C6
●HDD - Intel SSD X25-M 80GB
●光学ドライブ - Pioneer DVR-S16J-SV
●電源 - ENERMAX MODU87+ EMG800EWT (800W)
●ケース - Corsair Obsidian 700D (CC700D)
●OS - Windows7 Professional 64bit
基本的にはMSIレビュー時の構成のままです。
CPU倍率を上げていくとメモリのOC(DDR3-1866/2133)が出来ない状態のため、5.0GHz動作時にDDR3-1600動作させていたGeiL GeIL GE34GB2133C9DC(DDR3-2133 CL9)から手持ちの低レイテンシータイプのCORSAIR CMT4GX3M2A1600C6(DDR-1600 CL6)に交換しています。
”OCコンテスに参加してみたい!”というOC初心者向けに今回のテストで使用したOC向けのPCパーツやBIOS設定についてOC基礎知識を交えて紹介します。
●CPUの冷却 - CPUクーラー
CPUは負荷がかかると高温になるためCPUクーラーで冷却します。今回は14cmファンを搭載したThermalright Archonを使用しました。
基本的にCPUはコア温度が低いほど高クロックでの動作も安定しやすいのでOCする場合はリテールクーラーより冷却性能の優れる大型クーラーを使用することになります。お勧めはエアフロー的に有利なサイドフロータイプです。
最近は14cmファンに対応する大型製品も増えましたがPCケースやメモリと干渉してしまう可能性があるので導入する場合には事前に問題ないか確認する必要がありますので注意してください。
●シリコングリス(サーマルグリス)
CPUクーラーを設置するときに表面の凹凸を埋めるためにシリコングリス(サーマルグリス)を付与します。グリスは厚塗りは逆効果ですが使用していくうちに水分が飛んで乾くので極端に神経質になる必要はありません。
使用するシリコングリスによって熱伝導率が変わります。(大半のOC向けの製品はスペックシートに記載されています。)
熱伝導率が高いとCPUクーラーに熱を伝えやすいのでCPUコア温度を低く保つことができます。CPUのコア温度が特に高くなるOCには高性能シリコングリスは必須です。今回は定番のArctic Silver 5を使用しました。
Arctic Silver 5は冷却性能が高く粘土も低めで塗りやすいので初心者にもお勧めです。シリコングリスの塗り方はいろいろありますがCPUのヒートスプレッダ中央に米粒くらい塗るのが定番となっています。
シリコングリスはある程度乾かないと性能を発揮できないので付与してから時間を取るか限界OCテストを行う前にライトOCなどで熱を与えておくと良いと思います。
●設定
長時間動作の安定性を優先した設定ではなく、ベンチマークテストのスコア狙いの短時間安定動作が可能なギリギリの設定です。
最近は各メーカーともOS上でCPU倍率やコア電圧などを変更可能なツールが付属していますので、OS起動してから更にギリギリの設定に変更してベンチマークテストを行うと良いと思います。
今回の検証では50倍で起動してからOS上で設定変更を可能なMSIコントロールセンターから倍率や電圧設定を変更しています。
●設定 - BCLKの変更について
Sandy BridgeことLGA1155向けのCPUはチップセットの仕様でBCLKの変更によるOCは向いていません。(BCLKの変更についてはマザーボードによっては105MHzあたりまで安定動作可能な製品もあるようです。)
今回のOCコンテストではCPUはCPU倍率の変更に対応したCore i7-2600Kに限定されているのでCPU倍率を変更して高クロックを目指します。MSI Z68A-GD80 (G3)は100MHz単位(説明書には10MHz単位も可能と記載有り)で変更可能なので、50倍動作時にCPU-Zの表示が5.0GHzを超えるように100.3MHzに設定しています。
BCLKは100MHzのままですからCPU倍率を変更していと100MHz単位でCPUの耐性をチェックしていくことになります。1MHzでも高いクロックを狙うには厳しいので倍率変更後にはBCLKを調整してみると良いと思います。
●設定 - CPUコア電圧
Core i7-2600Kのコア電圧については定格動作では1.16Vあたりが入力されています。アイドル時には供給電圧も下がり0.96Vあたりにになるわけですが、今回はベンチマークテストのスコア狙いのOC設定でMSIのマザーボードがオフセット値に対してプラスマイナス設定が出来ないのでコア電圧は固定にしています。
コア電圧の設定については基本的にはBIOSで変更を行います。固定に変更した後はOS上のツール(MSIやAsus製品で確認)でOSを再起動することなく変更することも可能です。
コア電圧の昇圧についてはCPUに負担がかかるので非常に危険な行為です。1.40V以上は危険域ですので故障するリスクと隣り合わせとなります。”CPUコアの破損、メモリコントローラーの破損、GPUコアの破損”など部分的に故障することもありますので限界OCにチャレンジする場合には細心の注意と覚悟が必要になります。
短時間でも繰り返し高い電圧を与えるとCPUの耐性落ちや故障の原因になりますので自己責任で試してください。
●ステータスと温度のモニタリング
OC場合に重要なのは温度管理と各種ステータスのモニタリングです。フリーソフトや各メーカーが提供するアプリを利用します。
今回はBIOS設定の変更に”MSIコントロールセンター”、CPUのクロック確認に”CPU-Z”、CPUのコア温度計測に”CoreTemp 1.0RC”の3つのアプリを使用しました。
CPU-Zなどのフリーのモニタリングツールで表示される温度や電圧の数値は正確かどうかは保障されていませんので、場合によってはサーミスタやテスターを導入して正確な温度を把握することも必要になります。
空冷でOCに挑戦してみました。電圧はいつもより多めに盛っています!
テスト時の室温は約15℃です。
●5.0GHz
まずは50倍の5.0GHzからスコアを計測してみました。
BIOS設定はMSI Z68A-GD80(G3)レビュー時と基本的に同じです。
BCLKは標準の100MHzではCPU-Z読みで99.8MHzと表示されるのでBIOSで100.3MHz(CPU-Z上で100.1MHz)に変更しています。コア電圧設定は1.450V(CPU-Z読み1.440V)です。
Futuremark 3DMark VantageのCPUスコアは ” 33981 ” です。
●5.1GHz
更に高クロックを狙うため51倍動作に挑戦!
安定している50倍で起動してからOS上でMSIコントロールセンターから倍率とコア電圧を調整していきます。コア電圧を少しずつ上げていくと1.50V(CPU-Z読みで1.48V)で51倍で安定動作しました。
Futuremark 3DMark VantageのCPUスコアは ” 34429 ” です。
CPUとメモリのOCを同時に行いスコアアップを目指してマザーボードを2700K速攻レビューで頂いたAsus P8Z68-V PRO/GEN3に変更し、OCチャレンジに再挑戦!
<交換したパーツ一覧>
●マザー - Asus P8Z68-V PRO/GEN3
●HDD - Intel SSD 510 120GB
●メモリ - GeIL DDR3-1750 16GB (4GBx4枚)
●OS - Windows 7 Home Premium 64bit
●クーラー用ファン - Thermalright TR TY-140
OSとSSDは2700Kレビュー構築時にセットアップした環境をそのまま利用しています。
マザーボードの変更に合わせてメモリはDDR3-2133動作に対応したGeIL GE34GB2133C9DCに交換しました。CPUクーラーを外したついでに先日購入しておいたオプションのファンを追加してデュアルファン化しています。
設定については45倍(1.28V)でOS起動してから”AI Suite II(TurboV EVO)”でコア電圧やCPU(TB)倍率を調整しています。
●5.1GHz (Asus P8Z68-V PRO/GEN3)
コア電圧1.50VでCPUクロックは5.1GHz。
Futuremark 3DMark VantageのCPUスコアは ” 34602 ” です。
マザーボードの交換で無事OCメモリをDDR3-2133で回せるようになりましたがCPUクロックは伸びませんでした。
BCLKの微調整で最高で5.127MHzまで動作確認がとれましたがスコアが低下してしまいました。更にスコアUP&クロックUPを目指して現在も検証作業を継続中です。更新できたときには追記したいと思います。
52倍の安定動作にも挑戦していますが現状では5.1GHzが限界です。
マザーボードのレビュー時と同様にCPU倍率を上げていくとGeILのOCメモリをDDR3-1866/2133で回せないというトラブルが発生。低レイテンシータイプへメモリを変更しましたがスコアのびも今一つといった状態です。
52倍設定を詰める前にメモリの購入又はマザーボードの交換を視野にいれてパーツ構成の変更を検討中。CPUのコア温度は70℃以下に保てていますが52倍以上を狙うためThermalright Archonのデュアルファン化も予定しています。
<2012/01/13>
・設定の解説 & OC基礎知識を追記しました。
<2012/01/16>
・コメントを追記しました。
Picardさん
2012/01/14
私も挑戦していますが、49倍以上での安定動作が見つけられないので、現在4.8GHzで止まっています。
Sheltieさん
2012/01/14
コメントありがとうございます。
普段はここまで電圧を盛らないというレベルまで盛ってしまいました。1.50Vあたりに設定すれば大半のi7-2600Kで動作すると思うのですがマザーボードやその他のパーツとの兼ね合いやCPU自体の個体差もありますから難しいですよね。
あまり電圧を盛ると危険ですがせっかくのイベントなので、がんばって設定を見つけてみてください! 自分ももう少し上のクロックを狙ってみたいと思います。
ぽんさん
2012/01/16
もう5Ghzの世界に到達されてたんですね^-^;;;
いや、単に私が浦島状態になっていたもので。。。
皆さんのレビューみて、知識蓄えておこっと。
Sheltieさん
2012/01/16
ありがとうございます。
中には52倍(5.2GHz)以上に到達されている方もいますし、OCコンテスト凄いことになってますね。
50倍近くになるとCPUの個体差の問題も出てくるので難しくなりますがCore i7-2600Kは優秀ですから危険度はアップしますが電圧を多めに盛れば動作できると思います!
しょぼさん
2012/01/19
ここまで耐性がいいと2011買わないでいいやって思う人が多いのも納得ですw
Sheltieさん
2012/01/19
コメントありがとうございます。
常用できる電圧ではありませんが空冷で5.0GHz回ってしまう訳ですからi7-2600Kの耐性凄いですよね。
LGA2011は所有していないので何とも言えませんが6コアですからクロックを上げていくと発熱の問題が耐性の限界より先に来る感じでしょうか。LGA2011用CPUは新しいステッピングを採用した製品の販売が間もなく開始されるという話もありますので耐性UPに期待ですね。