zigsow、関係諸氏の皆様に、この場を借りて御礼申し上げます。
私が選出していただいたのは、パソコン工房さんの「Amphis BTO GS7020iCi7G-FFXIV」です。
【製品情報URL】
http://www.pc-koubou.jp/pc/model/gs7020ici7g-ff14_main.php
【主な仕様】
CPU: Intel Core i7 2600
マザーボード: MSI P67A-S40
メモリ: Kingston KVR1333D3N9/2G (2GB x2)
ビデオカード: Galaxy GF PGTX460-OC/1GD5 FUJIN 2.0
ケース: INWIN IW-PE689
電源: サイズ 剛力3 600W GOURIKI3-600A
さて、「ショップブランドのBTO PCの魅力は何か?」と言えば、やはり「オーダー時のカスタマイズ性」に尽きると思います。
好みのパーツを選定し、結果的に無駄なコストを省くことで、ピンポイントに「自分の欲しい機能・性能を持ったPC」を必要最小限の価格で購入できるからです。
これは、所謂「自作PC」にも同じ事が言えますが、「いきなり自分で一からパーツを組むのはちょっと...」と言った自作PC初心者の方や、「忙しくて自分で組む時間が無い」方には、このBTO PCは有力な選択肢になるかと思います。
多くの"メーカー製PC"とは異なり、汎用パーツで構成されていますので、このBTO PCを基にパーツを交換したりしながら、「自作PCの楽しみ」を知るのも良いかと思います。
自分自身でPCを組み上げる事を趣味としている私の様な人間にとっては、そのカスタマイズの「選択の幅」すらも足枷に感じてしまい、これまであまり触れる機会はありませんでした。
この度、この様な機会をいただいた事に心から感謝いたしますと共に、「普段は自分でPCを組み上げているユーザー層から見たBTO PCの魅力」について、少しでも多くご紹介出来る様頑張ってみたいと思います。
PCケースの箱を開封してみました。
当然と言うべきか、ケース内にはパーツが組み込まれており、PCとして完成品の状態です。
早速、PCの電源を入れてみます。
電源ケーブル、キーボードとマウス、モニタを接続するだけです。
初めてPCに触る方でも、前述の『スタートガイド』をご覧になれば簡単にセットアップ出来ると思います。
PCの動作音は大変に静かで、普段は轟音PCを使用している私にとっては驚く程でした。
いくつかのベンチマークで負荷を掛けてみましたが、騒音が増す様な事はありませんでした。
むしろ、HDDの動作音が最大の騒音元になっている印象です。
さて初期の動作確認が完了しましたので、ここからは自作PC派の視点で、構成パーツを個々に見ていきたいと思います。
・INWIN IW-PE689
【製品情報URL】
http://www.in-win.com.tw/products_server_case_series.php?cat_id=2&series_id=89
INWINのケースは個人的に好みのデザインが多く、日頃からその製品情報をチェックしていたのですが、このケースは初見でした。
てっきりOEM限定の製品かとも思いましたが、型番から調べてみると一般に販売されているモデルで、INWINとしては「サーバー」ラインの製品の様です。
なるほど、質実剛健でシンプルなデザインにも合点がいきます。
外部5インチベイは4段、3.5インチベイがひとつ、内蔵3.5インチはカートリッジ式で5段。拡張性は十分です。
電源は上部配置ですが、フロント・リア共に12cm FANを搭載出来るので、エアフローもそこそこ良さそうです。
ケース自体は"裏配線"に対応しているにも関わらず、残念ながら一般的な空中配線でケーブルはまとめられていました。
BTOという製品の性質上、組立コストを考えればそこまでを求めるのも酷かと思いますが、少し残念ですね。
しかしながら、ケーブルは綺麗にまとめられており、エアフローを阻害する様な状態では無いので、「実質的には全く問題無い」と言ってよいかと思います。
ケースはツールフリー設計で、ドライブの増設時にもネジ止めの必要はありません。
国内では余り流通していない製品の様で、単体で購入する場合は金額、納期ともにやや入手が難しいケースです。
個人的には、このケースが本BTOで最も魅力的に感じたパーツでした。
電源設置位置が"ケース上部"と言うオールドスタイルながら、"裏配線"に対応しており、嫌味の無いシンプルなデザイン。そして十分な拡張性。
「このケースをBTO用に選定したパソコン工房さんのセンスは素晴らしい」と私は思います。
あくまで私の個人的感性ですが。
・MSI P67A-S40(MS-7673)
Intel P67チップセットを搭載するMSI製M/Bです。
OEM専用の製品らしく、MSIのWebサイトにも製品情報は載っていません。
型番、機能、基板レイアウト、搭載チップから勘案して、「MSI P67A-C43の一部機能省略版」と判断して良さそうです。
【P67A-C43 製品情報URL】
http://www.msi.com/product/mb/P67A-C43--B3-.html
同社が「Military Class II Concept」と謳う、SFC(スーパーフェライトチョーク)、アルミ固体コンデンサなどを搭載し、高品質、高耐久性部品を使用した製品です。
PCIe(x16)がひとつだけなので、SLIやCFXには対応出来ない様です。
2スロットを占有するVGAを装着した状態では、直下のPCIe(x1)も使用出来なくなりますので、内部拡張スロットについては、やや偏ったバランスに見受けられます。
BIOS(という表現はもはや正しくは無いのでしょうが)は「UEFI」になっており、GUI画面で各種設定を行えます。
必要にして十分な機能を持つM/Bだと思います。
構成部品の品質も良いですから、「PCI Expressカードをたくさん挿したい」、「OCで限界を極めたい」様な事でもない限り、まず不満は出ないと思います。
BTOカスタマイズでは、M/Bは本製品一択となっています。
より多機能なM/Bを使いたい場合は、ベースモデル自体を変更しましょう。
・Intel Core i7 2600
【製品情報URL】
http://ark.intel.com/Product.aspx?id=52213
このBTO PCの主役とも言える『Sandy Bridge』です。
Sandy Bridgeは、32nmで製造されている「第2世代」のIntel Core iシリーズです。
前世代のNehalemアーキテクチャに比べて、主に次の様な特徴があります。
・Intel AVX (新SIMD拡張命令セット)
・Intel Turbo Boost Technology 2.0
・内蔵グラフィックス機能を同一ダイに統合
新SIMD拡張命令セットは、従来の倍となる256bit幅に拡張されており、浮動小数点演算性能の大きな向上が図られています。
Turbo Boostは2.0に進化、より柔軟に高効率に動作クロックが変動します。
内蔵GPUが同一ダイに統合され、このGPUにもTurbo Boostが発動します。
また、キャッシュメモリ周りなど様々な部分にも改善が図られており、あらゆる面で前世代を超えるCPUと言えます。
Intel Core i7 2600は、そのSandy BridgeのメインストリームであるLGA1155ソケットに対応した最上位クラスのCPUです。
4つのコアを持ち、Hyper-Threading Technologyにより最大8つのスレッドを同時に処理可能、動作クロックは3.4GHzで、これもTurbo Boost Technology 2.0で最大3.8GHzまで上昇します。
BTOのカスタマイズメニューでは、基本性能は同じですが動作倍率の変更が可能な「Intel Core i7 2600K」を「+\4,000」で選択出来る様です。
オーバークロックも楽しみたい方は「2600K」を選ぶと良いでしょう。
※尚、P67/Z68チップセットと組み合わせた場合に限り、限定的ですがこの「Core i7 2600」でも動作倍率の変更が可能な様です。
某神様によると「Turbo Boost時の設定倍率を"定格 + 4段階(0.4GHz)まで"上げられる」との事で、実際に試してみたところ、簡単にプチOCが可能でした。
動作倍率を"x40"にしてみました。
Turbo Boost発動時に4C/8Tでは"x39"まで、1C/1Tでは"x40"まで上昇しました。
・Kingston KVR1333D3N9/2G
【製品情報URL(PDFファイル)】
http://www.valueram.com/datasheets/KVR1333D3N9_2G.pdf
Kingstonの「ValueRAM」ブランドのメモリです。
これは嬉しい誤算でした。バリューとは言えメジャーブランドのメモリモジュールを採用している辺りに、パーツを選定した担当者の目利きの良さ、安心を感じます。
・Galaxy GF PGTX460-OC/1GD5 FUJIN 2.0
【製品情報URL】
http://www.mvkc.jp/product/galaxy/vga/nvidiapcie/gf_pgtx460oc1gd5_fujin_20.php
GTX 460(1GB)は俗に言うフルスペック版GF104で、派生元となったGF100(GTX480、470や465)の単なる廉価モデルでは無く、改良を加えたアッパーミドル製品になります。
その為、このGTX 460(1GB)はGTX 465に匹敵する(場合によっては超える)性能を期待出来ます。
2011年現在では、さらに新しい世代のGTX 500 Seriesも登場していますので、これから新規に購入するにはやや魅力は薄れていますが、実質的にはほぼ同じアーキテクチャな上に、前世代と言う事で実売価格もかなりこなれてきていますので、用途に応じて選択するならば決して悪くない製品です。
もちろんFINAL FANTASY XIVをプレイする上でも十分な性能を持っています。
何やらGalaxyのFUJINシリーズは爆音との事で一部では悪評が立っている様ですが、このFUJIN 2.0は全くそんな事は無く、非常に静かでした。
性能については、正直なところ「割り切り感」があります。
「とにかくFINAL FANTASY XIVをプレイしたい」だけでしたら、十分な性能、コストパフォーマンスですが、最新の3Dゲームなどを高解像度、高グラフィック設定で快適に楽しみたい場合は、さらに上位モデルを選択した方が良いと思います。
BTOカスタマイズでは、GeForce GTX 560 Ti(1GB)、GTX 570(1280MB)、GTX 580(1536MB)を選択出来ます。
・サイズ 剛力3 600W GOURIKI3-600A
【製品情報URL】
http://www.scythe.co.jp/power/gouriki3.html
それでは、PCの性能を見ていきます。
レビューの途中ですが、一先ず公開させていただきます。
今後は、各構成パーツの掘り下げた検証、FINAL FANTASY XIVを含めた実際のゲーム(アプリケーション)でのパフォーマンスをチェックして参りたいと思います。
ひろひさるさん
2011/06/08
今後の追記も楽しみにしております。
普通の作業をする上では、十二分の性能ですね~。
システムドライブをSSDに換えれば、インデックスも7.9まで上がるでしょうね。
ビデオカードのメンテナンス性がイイなぁ!と感じました。
他のメーカーにも見習って貰いたいなぁと思います。
s3zm4rさん
2011/06/08
Sandy Bridgeは本当に良いCPUですね。
足回りのパーツを含めて、なかなか完成度の高いPCだと感じました。
システムドライブがHDDなので、仰る通りSSDに変更すれば、全く隙の無いパフォーマンスになると思います。