1.はじめに
Intel製の超小型ベアボーン「BOXDC3217IYE」。
今回はありがたくもレビューさせて頂く機会を頂きましたので、張り切ってレビューして参ります。
非常に小さな筐体ながら、CPUがAtomではなく、モバイル向けのCore i3を採用しているのが
ポイントで、ネットサーフィンやちょっとした文書作成以外にも、軽いゲームや動画再生なども、
楽しめると思います
というわけで早速製品を見ていきたいと思います
今回も佐川急便の袋で届きました
開封した所
外箱です
デジタルオルゴールが取り付けられており、箱を開けると
おなじみのあのインテルのテーマ(?)が流れます。
いずれマザーボードやCPUにもこんな遊び心が導入されたりするのでしょうか?
では本体を見ていきます。
天板は光沢仕様となっています。
タバコの箱とサイズを比較してみました。
奥行きはタバコの箱より少々長いぐらいです。
高さはタバコの3分の1程度です。
非常に小さく、場所をほとんどとらないのが魅力です。
重さはパーツ込みで533グラムです。
重さといい、サイズといい、これぞまさに「持ち運べるデスクトップ」と言った感じでしょうか。
手のひらサイズにタブレット並みの重量、さらにSSDということで、
多少は衝撃も気にしなくても良さそうです。
続いて本体の端子等をチェックします。
電源ボタンは本体上部にあります。
フロントにUSB2.0が一つ。
欲を言えばSDカードだけでもいいので、カードリーダーが欲しかった所です。
リア部の端子は・・・。
・USB2.0 ×2
・HDMI ×2
・LAN
・ACアダプタ端子
となっています。
このサイズで2画面出力可能なのは嬉しいです。
盗難防止用にケンジントンロックも利用可能です。
付属品は・・・。
・ACアダプタ
・VESA用マウンタ
・取り付けビス
・組み立てマニュアル
・Core i3エンブレム
どうせならエンブレムは初めから貼り付けてくれてよかったような気もします。
また、ACアダプタは付属しますが、プラグの方は別途購入する必要があります。
3ピンのミッキープラグが対応しています。
2.組み立て
今回組み立て・使用するにあたり、以下のパーツを購入しました。
・OS・・・Microsoft Windows 8 Pro DSP版
・SSD・・・Crucial m4 256GB CT256M4SSD3
・メモリ・・・シリコンパワー DDR3-1600 8GB×2
・無線LAN & bluetooth・・・Intel Centrino Advanved-N 6235
・電源プラグ・・・BUFFALO BSACC0823BK(2m)
・HDMIケーブル・・・Amazonベーシック HDMIケーブル 2m
今回パーツ購入に当たり重視したことは、現時点での最大容量を重視してみました。
価格を抑えるために容量が少ないものでもよかったのですが、
せっかくなので大容量のSSDに大容量メモリの組み合わせで試しております。
では実際に組み立てていきます。
裏側の4角のビスを外します。
ビスを外すと、裏蓋が取り外せます。
メモリを取り付けます。
無線モジュールを利用される方は先に取り付けします。
最後にSSDを取り付けて、裏蓋を閉じたら完成です。
10分~15分もあれば組み立てられると思います。
3.各種ベンチ、使用感について
ここからは各種ベンチマークや使用感について述べていきます。
また、第2世代Core i7採用Ultrabook「Aspire S3シリーズ S3-951-F74U」との
比較も行って参ります。
まずはWindowsエクスペリエンスから
全体的に高い数値でまとまっていると思います。
モバイルCPUでありながら、CPUの値は6.3、ゲームグラフィックスの値も6.4と
そこそこゲームもできそうな雰囲気です。
ではここから各種ベンチマークの結果及びS3-951-F74Uとの比較を記載していきます。
・superPI 104万桁
ベースクロックではBOXDC3217IYEがわずかに優っているものの、
ターボブーストの関係で7秒離されるという結果になりました。
やはりターボブースト有り無しでの差は大きいですね。
とはいえ、Atomですと1分以上かかってしまいますので、
超小型PCとしてこの結果は満足です。
・CINEBENCH 11.5
ここでもシングル、マルチ共にS3-951-F74Uには届きませんでした。
マルチでは同じ2コア4スレッドCPUであり、ターボブーストも効きづらくなると思われる事から、
差は縮まると思われましたが、ほとんどシングルと差がない結果となりました。
ここからはGPU系のベンチマークとなります。
CPU系ベンチマークでは第2世代Core i7に敗北しましたが、
GPU系ベンチマークではどうでしょうか?
・3DMark06
GPU系ベンチマーク、先陣を切るのは3DMark06です。
S3-951-F74Uにかなり差をつけた結果となっています。
Intel HD Graphics 3000はGeForce 9400GTぐらいの性能でしょうかと記載しましたが、
Intel HD Graphics 4000はGeForce 9500GT程度の性能はあるかと思われます。
・ストリートファイターⅣ ベンチマーク
ストリートファイターⅣベンチマークの結果です。
VGA、SVGA共にBOXDC3217IYEの圧勝となっていますが、
目を引くのは解像度を上げても平均FPSの低下がほとんどない事です。
ベンチマーク時も非常に滑らかに動いており、
これならばもう1ランク上の解像度でのプレイも可能かもしれません。
・バイオハザード5 ベンチマーク
バイオハザード5のベンチマークの結果です。(解像度はSVGA、DirectX9モード)
相変わらずS3-951-F74Uに差はつけているものの、
とても快適にプレイできるスコアとは言えない状態ですね。
・ファイナルファンタジー11 ベンチマーク
CPUベンチと呼ばれるようになって久しいファイナルファンタジー11ベンチマーク。
まさにCPUベンチの名前の通りの結果になりました。
Low設定、High設定共にS3-951-F74Uに及ばず、
Highでは差をかなり縮めてはいますが、Lowではかなりの差に。
とはいえ、十分にプレイできるスコアです。
・ファイナルファンタジー14 ベンチマーク
今度は重めのファイナルファンタジー14ベンチマーク。
今は「新生エオルゼア」としての準備が進んでいる最中であり、
あまり参考にはならないかもしれません。(Low設定)
S3-951-F74Uに倍近いスコアを出していますが、
元々S3-951-F74Uでもとてもプレイできるようなスコアではないため、
BOXDC3217IYEでもベンチ中はかなりカクカクとしている状態で、
プレイできるような状態ではありませんでした。
・ファンタシースターオンライン2 ベンチマーク
2012年のオンラインゲームで最も注目を集めたと思われる、
ファンタシースターオンライン2 ベンチマークの結果です。
簡易設定で描画設定は1に設定しております。
ここでもBOXDC3217IYEが大差をつけて圧勝という結果になりました。
また、評価でも「快適にプレイ可能です。お好みの設定でお試しください」であり
S3-951-F74Uでは「標準的な動作が見込めますが、余裕があれば設定を調整してください」
でしたので、評価の面でも1歩2歩前をいく結果となりました。
もう少し上の描画設定でもプレイ可能かもしれません。
実際のベンチ画面でも、S3-951-F74Uでは若干もっさりした箇所があったのに対し、
BOXDC3217IYEではスムーズに動いていたのも印象的でした。
・モンスターハンターフロンティア 大討伐
最後に、モンスターハンターフロンティア 大討伐です。
かなり引き離しているのはファンタシースターオンライン2のベンチマークと同等ですが、
動作のスムーズ感ではこちらの方がさらに上に感じられました。
ここからは実際にゲームをプレイしてのプレイ感を述べていきます。
・三国志12
動作環境にAtomも入っていることもあり、解像度などをあげても問題なくプレイできます。
ただやはりCore i5にRadeon HD 7770の組み合わせと比べると、やはり重くは感じます。
多少のもっさり感を我慢できるできるならば、十分でしょう。
・信長の野望 天道 パワーアップキット
序盤は特に問題ないのですが、後半になり一度に動く部隊数が多くなると、
動作が非常に重くなってしまい、プレイするには少々厳しい印象。
描画設定を最低にしてもあまり変わらないので、単体グラフィックが必要なのかもしれません。
・シヴィライゼーションⅤ
設定はデフォルトでプレイ。
若干もっさりはしていますが、プレイできるレベルです。
スムーズなプレイをしたいなら単体グラフィックなどが必要というのは三国志11に
通じるところがあります。
・A列車で行こう9 Version2.0
簡易設定低ならば、プレイは十分に可能です。
しかし中にするとスクロールなどがかなりもっさりし、
高にするとカクカクとした動作になってしまうため、低以外でのプレイは厳しいでしょう。
また序盤の話なので、列車や建物が増えてくると、低でも重くなる可能性が考えられます。
・マビノギ
実際に動画を撮りましたので、ご確認下さい。
起動時に警告が入る為、一部影の表示などおかしいところはありますが、
動作も重いということはなく、普通にプレイ可能です。
実際に戦闘も試してみましたが、十分戦えることができました。
S3-951-F74Uと比べて解像度が上がっていますが、問題は感じられませんでした。
4.まとめ
今回、BOXDC3217IYEの私の使用目的としては
・ネットサーフィンや動画サイトなどの閲覧
・オンラインゲームの露店やイベント放置
といった視点で考えておりました。
いろいろ動作させてみて、静音性や消費電力等も確認してみました。
まず静音性ですが、アイドル時はほとんど無音といっていいほどに静かです。
深夜の暗い状態でも、少し離れるとまったくといっていいほどの無音状態です。
この静音性はすばらしいと感じました。
負荷がかかるとファンが高速で回転する為、高音が耳につきますが、
VAIO EやRadeon HD 7850のファンと比較すると静かな部類であり、
睡眠時でも耳障りに感じることはありませんでした。
次に消費電力ですが、アイドル時15W前後、高負荷時40W前後という結果になりました。
高負荷時でも扇風機程度の消費電力であり、これならば安心して
オンラインゲームの露店放置などもできますね。
ハイエンドPCなどで消費電力等を気にされている方は、ネットサーフィンなどに
こちらのPCを使用すると大分電力の消費を抑えられるかと思います。
最後に発熱ですが、負荷時は本体上部が暖まります。
ですので、上に何かを置く等といった使い方はやめた方がよろしいかと思います。
廃熱も1カ所のみですので、できれば広いところで使いたいですね。
当初はちょっとした作業やオンラインゲームの露店放置をメインにしようかと思っておりましたが、
各種ベンチを試してみたり、実際に使用してみたところ、普段使いにも十分な性能であり、
こちらをメインに据えてもいいかなと思うようになりました。
グラフィックボードを搭載したPCは、重いゲームを中心に使用し、
比較的軽めのゲームやネットサーフィンなどはこちらを使用することで、
最近気になっていた電気代も改善されそうです。
このサイズでこれだけのパワーがあり、省電力ということで、
次の世代のNUCにも非常に期待してしまいます。
それだけ驚きを与えてくれたキットでした。
最後にこのような機会を与えて下さったIntel様、zigsow様に感謝し、
レビューを終了したいと思います。
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