レビューメディア「ジグソー」

別世界へ誘う Extream Editionのパフォーマンス!


昨年の Top Gun Review Core i5 3570K,Core i7 3770Kに続き、Intel Core i7 3970X Extream Editionレビューの機会を与えて戴き、本当にありがとうございました。関係者の方々に、深く感謝致します。

さて、今回のミッションは、

という3つのミッションがあります。
また、レビュー応募の際に、Windows 8 Pro、GeForce GTX680を使った最強動画エンコードマシンを作成し、Core i7 3770Kを用いたシステムとエンコード時間の比較やベンチマークを行ってみたい。
と記載しましたので、今回のPCパフォーマンスレポート時に、Core i7 3770Kを使ったシステムとの比較を行いたいと思います。


今回レビューさせて戴く、Core i7 3970X Extream Editionは、LGA2011というソケットに対応した、Sandy Bridge-EのCPUで、現状では、Xeonを除けばコンシューマー向け最上位のCPUです。
Sandy Bridge世代のCPUなので、32mnプロセスルールで作られていて、6コアがアクティブになっています。
ハイパースレッディングにより、12スレッドでの動作が可能です。
残念なことに、PCI Express はVer.2.0迄の対応です。
今回使うマザーボードやグラフィックボードは、PCI Express Ver.3.0対応なのですが、今回は活かすことが出来ません。
しかし、Core i7 3970Xは、PCI Express 40レーンに対応しているため、x16+x16+x8という構成が可能になっています。
また、メモリがクアッドチャンネルに対応しているので、デュアルチャンネル対応のCore i7 3770K等LGA1155のCPUと比較すると、メモリは倍の帯域が確保されています。
動作周波数は、3.5GHzと、Core i7 3770Kと同一ですが、ターボブースト時には、4.0GHzまでクロックアップします。(Core i7 3770Kは、3.9GHz)
更に、キャッシュメモリも15MBと、Core i7 3770K(8MB)の倍に近い容量で、1コア当たりでも2.5MBとCore i7 3770Kより25%多く搭載されています。
TDPは150Wと、従来のCore i7 3760Xの130Wより更に20W増加し、Core i7 3770Kの77Wと比較しても倍近い、かなりの多喰らいです。
Core i7 3970Xは、グラフィックス非搭載でこのTDPなので、相当の発熱を覚悟が必要です。
パッケージ外観
パッケージ外観

Core i5 3570Kとの比較(背は高いが奥行きがない)
Core i5 3570Kとの比較(背は高いが奥行きがない)

Core i7 3970Xには、CPUクーラーが付属しません。
その分、Core i5 3570Kと比較しても、パッケージが薄くなっています。
パッケージ内容
パッケージ内容

パッケージ内容は、CPU本体,マニュアル,Core i7 Extreamシールの3点のみのシンプルな構成になっています。
Core i7 3970Xユーザーは、CPUクーラーも別売りのCPUクーラーを用意する必要がありますが、私はこの商品構成に賛成です。
私の場合は、CPUにバンドルされたCPUクーラーは、Pentium 4以来使ったことがありません。
オーバークロックを目指した訳ではなく、私の場合は、静かなPCを目指していたので、静かなCPUクーラーを使い続けて来ました。
CPU外観比較
CPU外観比較

Core i7 3970Xは、プロセスルール32nmでつくられたLGA2011ソケット対応CPUなので、Core i5 3570KやCore i7 3770K
等Ivy Bridge世代で、22nmプロセスルールで作られたCPUと比較すると、非常に大きなCPUです。
対応チップセットは、一般的には、X79 Expressチップセットです。
X79 Expressチップセットは、Z77 Expressチップセット同様、SATA3x2,SATA2x4のサポートなので物足りなさは否めません。X79 Express開発当初は、SATA3x6ポートという噂もあったのですが、商品化された時には、SATA3は2ポートしかありませんでした。
このチップセットを使ってOSをインストールする際には、IRSTe(Intel Rapid Speed Technology Enterprise)というドライバを読み込ませないと、X79 Expressに接続されたSSDやHDDを認識しないので、ちょっと面倒です。
Windows XP Professionalを使っていた頃までは、OSインストール時にF6キーを押して、RAIDドライバーを追加していたのですが、久々に、ドライバーを追加してインストールを行いました。
最近では、OSインストール時にドライバーを要求するのは、PCI Expressに刺したRAIDカードやPCI Express版SSD位しかないので、慣れないと戸惑います。
これは、OSをイメージディスクからリカバリする際にも必要な手順で、Z77 Expressチップセットに慣れていると、ついドライバーを読み込ませることを忘れてしまい、慌ててセットするようなことが多々あります。

CPUスペック比較
CPUスペック比較

Core i7 3970XとCore i7 3770Kのスペックを比較すると、大きな違いは、コア数及びスレッド数,メモリチャンネル数及び帯域で、Core i7 3970Xのアドバンテージになると思います。
逆に、プロセッサーグラフィックスが内蔵されていないことや、TDPの大きさ、PCI Expressのリビジョン辺りがデメリットになるのではないかと思います。


簡易水冷システム
簡易水冷システム

空冷システム
空冷システム

今回は、一度簡易水冷でシステムを組み上げましたが、ベンチマークは、空冷システムで行いました。

次に、このCPUと組み合わせるパーツを紹介します。
CPU
CPU


マザーボード ASUSTek P9X79 DELUXE
ASUSTeK P9X79 DELUXE
ASUSTeK P9X79 DELUXE

PS2ポートやPCIバス等のレガシーデバイスを一切搭載しない潔さと、メモリスロットが8本あり、CPUが認識できる最大64GBまでのメモリ搭載ができることで選択しました。このマザーボードを購入するまでは、GIGABYTEのマザーボードばかりを購入していたのですが、LGA2011マザーボード発売初日に、GIGABYTEはマザーボードを発売しなかったので、ASUSTeKを選択しました。
このマザーボード購入を機に、Z77のマザーもASUSTeKを2枚購入し、現在私の自宅で稼働しているデスクトップPCのマザーボードは全てASUSTeKになってしまいました。

CPUクーラー Thermaltake 簡易水冷
ラジエターを冷やす12cmファン用のファンコントローラーが付いているので、用途に応じて初期設定を変えることができます。
一般的に、簡易水冷のヘッドは、空冷に比較して、コンパクトなので、X79 Express搭載マザーボードに向いていると思います。
Core i7 3970Xに対応した、LGA2011対応X79マザーボードは、CPUソケットの左右にメモリソケットがあるので、オーバークロックメモリを搭載し、メモリクーラーを取り付けると、CPUソケットより幅の狭いCPUクーラーしか使えません。

今回、Core i7 3970Xをオーバークロックした際に、冷却不足が原因と思われるパフォーマンスの低下(CPUクロックが下がる)が見られたので、試しに、 EMERNAX サイドフローCPUクーラー(空冷)を使おうと思ったのですが、ラジエターの幅が70mmを超えていて、冷却重視で、ラジエターの両側にファンを付けると、メモリクーラーが付かなくなるため、ラジエター幅が51mmのサイドフロー CPUクーラーも使ってみました。
このCoolerMaster Hyper212 EVOは、この前モデルのHyper 212 plusをCore i7 980Xに使い、良く冷えた印象があったので今回のレビュー用に購入してみました。

サーマルグリス JOUJYE OC7
これまで、良く使っていた、シルバーグリスより、熱伝導率が高い(12.56W/mk)ので、最近ではこれを愛用しています。
銀の5倍の熱伝導率がある20nμ以下のダイヤモンド含有率が40%あり、電気伝導もないので安心して使えます。

メモリ G.Skill DDR3-2400 4GBx4
メモリメーカーが今回使用するマザーボードでの動作確認をした、マザーボードと相性の良いオーバークロックメモリです。
今回使用するマザーボードでは、Corsair DDR3-2000A-DATA DDR3-1600, AVEXIR DDR3-2666を試しましたが、ことごとく上手く動作してくれなくて、最終的に行き着いたメモリがこれです。
先日、最後に 別のG.Skill DDR3-2400 8GBx4を試してみました。
起動はするのですが、安定しません。残念ながら今回のシステムに使うことはできませんでした。

起動ドライブ SAMSUNG 840PRO 256GBx2(RAID-0)
zigsow Premium Reviewでレビューさせて戴いた SAMSUNG 830Series 512GB SSDで、ランダムデータでも圧縮に向いたデータでも素晴らしいパフォーマンスを発揮したので、それ以来、SAMSUNG SSDの大ファンになってしまいました。
その後も、SAMSUNG 830Series 128GB SSDを2台購入し起動ドライブとして使ってきました。
今回の840PROでは、256GB以上の容量を持つSSDでライト性能が向上していたので、起動ドライブとしては容量が大きすぎますが、2台をRAID-0でアレイを構成し、512GB中200GB程度の容量を確保して起動ドライブとしました。

これは、ランダムデータでの計測です。さすが、840PROでのRAID-0といったところでしょうか。
この辺りが、オンボードデバイスの限界かもしれません。
これ以上のスペックは、新たなチップセットの登場に期待するしかないかもしれません。

HDDドライブ1 HGST 4TB 7,200rpm 64MB
コンシューマー向け最上位プロセッサーならではのマシンに仕上げるため、コンシューマー向け最大容量の4TB HDDを2台 RAID-0でアレイを構成し、ビデオキャプチャーおよびバックアップデータを置くドライブとして使います。
HDDドライブ2 HGST 3TB 7,200prm 64MB
データドライブとして、3TB HDDを2台 RAID-0でアレイを構成し、データを置くドライブとして使います。
1台のPCに HDD 14TBも必要か? いえいえ、コンシューマー向け最上位プロセッサーならではのマシンに仕上げるため、ノリで搭載しました。
それにしても、最近のHDDの大容量化には目を見張るものがあります。
PromiseのIDE RAIDカードをPCIバスに挿し、80GBx2(RAID-0)位でPCを起動していた頃が懐かしく思えます。

グラフィックス ASUSTeK GeForce GTX680ASUSTek GeForce GTX680LEADTEK GeForce GTX680を使って、3way SLIに挑戦します。
本来の目的である、最強動画エンコードマシンとしては、GeForce GTX680をSLI構成にする意味は全くありません。
私が利用するエンコードソフトウェアは、3way構成にしても、使うCUDAプロセッサーは、1台のGTX680しか使いません。
コンシューマー向け最上位プロセッサーならではのマシンに仕上げるため、というよりは、ベンチマークで3way SLIの意味があるのかどうか、興味本位で組んでみることにしました。私自身、3way SLIは初めての経験です。
3way SLI設定
3way SLI設定

光学ドライブは、Pioneer BDXL対応BD ドライブにしました。
BDXLに対応したBDドライブで、尚且つ、とても静かな光学ドライブなので、気に入っています。

電源 EMERMAX 1,000W
80 plus Platinum電源で、12V 1系統で83A(996W)も使えるので、3way SLIでも、なんとか持つのではないかと思いました。

OS Microsoft Windows 8 Pro Upgrade
今回は、レビュー申込時に、Windows 8 Proでシステムを構築することを記載していたので、Windows 8 を使いました。

コンピューターの基本的な情報の表示
コンピューターの基本的な情報の表示

パフォーマンスの評価と改善
パフォーマンスの評価と改善

CPU-Z
CPU-Z

デバイスマネージャー
デバイスマネージャー

12スレッドのCPUは圧巻!
GPU-Z
GPU-Z



Core i7 3770Kシステムとの比較で幾つかのベンチマークを行いました。
CPUは、共にデフォルトの状態。グラフィックカードは、GeForce GTX680です。
CrystalMark 2004R3
CrystalMark 2004R3

CINEBENCH Release 11.5
CINEBENCH Release 11.5

Open GLの値は、同じGPUでの計測ですが、CPUのパフォーマンスによって差が出ています。
やはり、6コア12スレッドとクアッドチャンネル対応のメモリ帯域のパフォーマンスは有利です。


次に、折角の3way SLIなので、Core i7 3970Xで計測しました。
3D MARK 11
3D MARK 11

3D MARK 11 VANTAGE
3D MARK 11 VANTAGE

ファンタジースター オンライン 2 ベンチマーク
ファンタジースター オンライン 2 ベンチマーク

OC無しの標準状態でこのパフォーマンスです。


今回は、CPUのパフォーマンス比較を行うのが目的なので、インテルQSVやCUDAは封印し、純然たるCPUパワーだけで、Core i7 3970XとCore i7 3770Kの比較を行いました。
今回は、約18.5GBのMPEG2の動画を、x264コーデックを使って、MPEG4-AVC 8GBに圧縮するエンコードを行いました。画質設定は、共に標準の設定にして、エンコードを行いました。
エンコーダーは、Pegasys TMPGEnc Video Mastering Works5を用いました。

Core i7 3770Kで、4時間36分掛ったエンコードを、Core i7 3970Xは、3時間21分で完了しました。実に、3割近く短い時間でエンコードを行うことが可能でした。
エンコード ベンチマーク
エンコード ベンチマーク

エンコード時間との引き換えに、消費電力の負担を強いられるわけですが、今回のエンコードでは、GeForce GTX680を3waySLI構成で搭載していたので、エンコードに無関係の消費電力となってしまいました。
アイドリングで約300W,エンコード時に約500Wは最近のPCでは、余にも大きな消費電力です。
エンコードマシンを想定し、GeForce GTX680を1基のみ装着した場合は、アイドリング時で約200W,エンコード時は約420Wとなります。
もちろん、今回のベンチマークでは、CUDAは利用していないので、もっと低消費電力のグラフィックボードでも、エンコード時間に変化はないと思います。
それでも、Core i7 3770K+GeForce GTX680構成での、アイドリング時約150W,エンコード時約200Wに比べると大きな消費電力ですが、x.264エンコード時の3割近い時間短縮が可能なパフォーマンスは大変魅力的です。
消費電力比較
消費電力比較

今後、x.265の出現等、更なる高圧縮,4K対応等幾らでもパフォーマンスが必要な状況は続くと思われますので、6コアと言わずXeon同様8コアがアクティブになったEntream Editionの登場に期待したい所です。


今回、コンシューマー向け最上位プロセッサーである、Core i7 370Xをレビューさせて戴きましたが、6コア12スレッド,クアッドチャンネルのメモリ帯域,PCI Express 40レーン対応と、圧倒的なパフォーマンスを体感することが出来ました。
しかし、CPUのPCI Express Ver.2.0までの対応や、CPUに対応するチップセット(X79 Express)のストレージ系I/Oの弱さ等、コンシューマー向け最上位プロセッサーを生かしたシステムを安易に構築するには、未だ障害があります。
PCI ExpressがVer.3.0対応になれば、ストレージ系でもPCI Express Ver.3.0対応のRAIDカードもあるので、x8レーンを使っても充分な帯域が得られると思いますし、残りのx16を2本使って、グラフィックボードでの2way SLI構成でも充分な帯域が確保できるのではないかと思います。
Core i7 3970Xは、確かに現状でのコンシューマー向け最上位プロセッサーのパフォーマンスを持っていますが、まだまだ進化の余地があるのではないかと思います。
今後の、更なるハイパフォーマンスなExtream Editionの発売に期待して、このレビューを締めさせて戴きます。

コメント (2)

  • yosh-massterさん

    2013/02/03

    圧倒的ですね~ GTX680x3とかすごすぎます。
    そして消費電力が。。。
  • Picardさん

    2013/02/03

    yosh-massterさん コメント有り難う御座います。

    私も初めての 3way SLIでした。
    やっぱり、6コア12スレッドは魅力的です。

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