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第4世代Coreデスクトップ版はIvyより強化されていた!Ivyより耐性がありそうな予感も!

Nehalem/Westmere,SandyBridge,IvyBridgeにつづく、Intelの 第4世代 Core アーキテクチャ Haswellの一部のラインナップが発売されて一ヶ月あまりたちました。

 

Haswell って、その前の世代の Ivy Bridge や、その前の傑作 Sandy Bridgeの登場に比べると、中々フォーカスされにくく、ジグソニアンの中でも買い求めた人がそれほど多くないように思えます。

 

私も Sandy Bridgeの満足度が高かったのに、お祭り気分もあって導入した後継Ivy Bridgeの性能向上が無理に買い替えるレベルではなかったこともあって、Haswell については発売直後に購入することをやめて様子見してました。

 

しかし、4x4 RACE RUNNER 40でデスクトップ版の最上位 i7-4770Kをレビューするよう指令を受けましたので、次のポイントについてレビューしていきます。

  • 前世代のIvy Bridgeに対して何がよいのか?
  • i7-4770Kのスペック
  • オーバークロックチャレンジ

前世代のIvy Bridgeに対して何がよいのか?

買い換えなり買い増しなりを期待されているユーザーさんに向けると次のような感じです。

  • CPUコアが性能が最大14%向上
  • GPUコアが大幅に能力向上 (70%upすることもあり)
  • アイドル時の消費電力が削減
  • AVX2命令追加 (画像処理に有利)

CPUコア性能の向上は毎度のことで、GPUとアイドル時の消費電力について。

 

i7-3770Kに搭載されていた HD Graphics 4000に比べて、

Haswell Hシリーズ i7-4950HQ などに搭載されている Intel Iris Pro Graphics 5200 は2倍前後のパフォーマンスを示しているようで APUを上回る成績すら出しているとも聞きます。

 

これはターゲットとしている Mac Book Airや、Ultrabookの能力向上に使われるものであり、デスクトップで使用される i7-4770K の Intel HD Graphics 4600 は、最大70%というものの、1.2倍から1.5倍程度のパフォーマンス向上となっているようです。

 

ディスクリートGPUを好むユーザーさんにはさしたる変化ではありませんが、内蔵GPUで省電力かつ、それなりのGPU性能を求めるユーザーさんには着実に進化しているといえますね。

 

Ivy Bridgeでもそうですが、内蔵GPUでもマザーボードを選べば 3出力が可能なので、ビジネス用途や動画再生がメインというユーザーにはよい選択肢だと考えています。

 

消費電力については、最大値よりも、稼働時間の90%を占めると言われるアイドリング時のほうが問題となっており、PCを常時オンにして使用している私のような人間には一番の買い替え動機になります。

 

Haswellデスクトップ版でアイドリング時に使われる一番深いC6/C7ステートでは要求される消費電流は 12V で 0.05Aという小電流です。

0.6Wで消費電力削減が進みますが、安定かつ高効率で供給できるには、対応可能電源にしておく必要があります。

 

 

第1世代 Core デスクトッププラットフォーム以来、世代とともに、LGA1156,LGA1155とソケットが変遷してきましたが、今回はさらに進んだLGA1150となってます。

 

マザーボードは買い替えが必要ですが、外形が 115Xはすべて共通なので、CPUクーラー、水冷用ヘッドなどの買い替えは不要です。

 

それにしても、IntelはSocketAM3を維持しているAMDに比べるとソケット変更が頻繁なイメージがあります。

 

しかし、DDR3のリンク数は変わらないものの、省電力化を進めてくる上でCPU側へより多くの機能を移転させてますので、メリットを享受するためにはソケットの変化を受け入れる必要がありますね。

 

1156→1155 GPUを内蔵したことでFDIリンクを追加

1155→1150 内蔵VR化

 

i7-4770Kのスペック

今回レビューする i7-4770K は4コア8スレッドの 3.5GHz, ターボブースト 3.9GHzで、末尾のKは、IvyBridge同様、倍率ロックがないオーバークロックが可能なモデルです。

 

開発コード:Haswell
プロセス:22nm
クロック:3.5GHz (TB時 3.9GHz)
TDP:84W 
GPU: Intel HD4600

 

i7-3770K より 7W TDPが増えていますが、GPUの性能向上と統合した iVRの発熱量も含んでいることからすれば、トータルの消費電力は少なくなる可能性があります。

 

iVRによりマザーボードからCPUコアへの電源供給は VCCIN に一本化されたことで、マザーボードのVRがシンプルで高効率にすることが可能になったことは進化ですね。

(消費電力はテーマ外ですので、これ以上触れません)

 

外観

上面は i7-3770Kとはあまり違いがありませんが、テスト用端子と思われるランドが3列から2列に減少しています。

 

 

 

底面です。

 

過去チップコンデンサの定位置だった裏面ですが、このCPUは iVRのためのチップインダクタも配置されているようです。

 

Nehalem,Sandy,Ivyよりも部品点数は少ないです。 

 

オーバークロックチャレンジ! 

「マザー未定ですが、大型CPUクーラー サイズ峰2で空冷で壊さず、殻割りもしないでどこまでいけるか挑戦してみる。」

これが応募した内容のB案です。

 

Haswellでのオーバークロックは、BCLK,倍率設定の両方の自由度が Sandy/IvyBridge世代とは異なっており、BCLK 100,125,167 と選択できますし、倍率も最大 80倍までになりました。

 

2世代前のi7-2600K は 5.3GHzぐらいを出すことができましたが、前世代のi7-3770Kは コアとヒートスプレッダの熱結合がそれほど高効率ではないグリスであり、放熱が全然追いつかないもので、殻割をしてグリスを塗り直す手法が流行りました。

 

このi7-4770K も同じく グリスであることが既にネット上の情報として出ていますが、殻割りをせずにどれぐらいいけるのかに興味がありましたので、普段は使用しない 1kgオーバーのヒートシンクを使ってがんばってみました。

 

使用する機材

  • ASRock Z87 Extreme6
  • DDR3-1600 4GB x 2

  • サイズ 峰2

グリスは AS-05を使っています。

  • 玄人志向 電源/560W/ATX KRPW-V560W
OSは Windows 8.1 Preview です。
 

今回はできるだけ冷やすためにバラックセットとなってます。 

 

なお、ベンチマークにはマルチコアマルチスレッドのCPU性能をIvyと同じ命令で評価したかったため、CINEBENCH 11.5 を使用しました。

 

実験中の室温は29度です。

オーバークロック ASRock A-Tuningによるautoテスト

HWiNFO64 で計測しながらやってたのですが、

なんと4.2GHzでパッケージ温度が100度突破しました。

 

A-TuningはOCCTのような100%負荷をかけてクロックを調整するのですが、ここで危険であると判断したようです。

 

 

i7-2600K時代には オートで 4.5GHzぐらい軽かったのですが、いきなり暗雲たちこめてきました。

120Wの消費電力になる状況では十分冷却できないことがわかりました。


4770K 定格 TB3.9GHz

 

まずは比較のために定格で実験したところ 8.38でした。

 

このときのパッケージ消費電力 83W, 温度70度でした。

 


i7 3770K 定格 (TB 3.9GHz)

7.34 パッケージ消費電力 58W, 温度81度でした。

 

 


i7 4770K 4.5GHz チャレンジ

ここからがOCチャレンジです。

コア電圧は +0.080Vで楽々クリアです。

スコア 9.81 パッケージ消費電力 115W で、パッケージ温度が92度。

 

すごいのはクロックが 4.5GHzでもアイドリングしてるときは 27W, 40度台まですっと冷えることですね。

 

 


4.6GHz チャレンジ

 

コア電圧は +0.080Vのまま

スコアは 9.88  パッケージ 118W, 91度

表示は 4.5GHzと書いてますが、4.6です。

 

 


 

4.7GHz チャレンジ

パッケージの温度的に余裕がないのですが、0.08Vupではブルースクリーンになるので、

電圧を +0.10Vupに変更しました。

 

10.18がでました!

 

パッケージ電力 124W, 96度です。

 


4.8GHz以上 

一撃で BSoDでした。

 

倍率を下げて BCLKを変えても変わらずです。

 


まとめ

 

i7-4770KをCINEBENCHのCPUベンチに特化して、前世代およびクロックを変えて評価してみたところ、次の結果が得られました。

  • i7 4770K を i7 3770Kと比べて 14%の性能向上が見られました。(ぴったり過ぎる結果に驚き)
  • i7 4770K を 定格から 4.7GHzまであげた場合、クロック比に応じた性能向上がみられました
  • パッケージの消費電力について、クロック比以上に上がりました。 

 

この結果とこれまでに得られている知識からすると、次のようなまとめになります。

  • 空冷で常用するのであれば 4.5GHz以下のほうがよい(バラックセットで90度は高い)
  • クロック比で性能が飽和していないことから、まだ上がる余地があるがパッケージ温度が高すぎるので、殻割してグリスを変えたあとに、水冷を導入するのも手です。
  • オーバークロッカーでないのなら、i7-4770Kは定格でOCしたi7-3770Kなみの性能が得られていますから、ぷち OCにとどめるべき

オーバークロックチャレンジとしては比較対象のi7 3770Kで 4.6GHzにした瞬間とんじゃいましたから、殻割せずにTB3.9から 4.7まであげられた時点で満足すべきでしょう。

 

残されているオーバークロックの自由度として、BCLKの変更があります。

BCLK 100MHz以外に、125,167,250にして倍率を下げても周波数をあげることを狙えます。

 

現在 BCLK 125MHz, 比率1.25で試していますが、メモリエラーで1バンクこけるので、

別のメモリに変えて試そうかと思います。

 


おまけ

 

我が家の 3世代!

 

左から i7 4770K, i7 3770K, i7 2600K!

 

全部サブPC扱いってところがミソです。

 

コメント (8)

  • bibirikotetuさん

    2013/07/23

    レビューお疲れ様でした。
    前世代までのi7シリーズと比較してしまうと定格で十分な気がしてきますね~
    アイドルの低燃費がOCでも低燃費なところが結構気に入っております。
  • はにゃさん

    2013/07/23

    bibirikotetu さん

    ありがとうございます。

    Ivyも定格で結構いい性能をでしたが、22nmでダイサイズを拡大させてまで周辺部を作りこんだHaswell は知恵を凝らしたCPUだと思います。

    次の世代がどうなるのかが楽しみになってきましたよ。
  • harmankardonさん

    2013/07/23

    レビューお疲れ様です.

    4Coreでも10ptsオーバーが出てしまうとは,すごいCPUです.
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