インテルでは、チックタック・モデルという戦略でCPUの世代が変わっています。
「チック」世代は、CPU内部の回路は大きく変えず、プロセスルールを微細化します。
SandyBridge(i7-2600K等) から IvyBridge(i7-3770K等) では、32nmから22nmにプロセスになりました。
プロセスルールを微細化すると、トランジスター1個の大きさが小さくなった分、同じサイズのCPUダイにたくさんの機能を加えられるようになります。
「タック」世代は、プロセスルールは変えず、CPU内部のマイクロアーキテクチャーを進化させています。
IvyBridge(i7-3770K等) から Haswell(i7-4770K等) では、同じ22nmプロセスですが、CPU内部の回路の設計が変わり、機能強化されたものになっています。
CPUコア部分の進化した点は主に以下のようです。
- 分岐予測の強化
- 8命令同時発行。演算処理ポート数が6から8に増えた。
- 命令を貯める部分(アウト・オブ・オーダー)のバッファの増量
- 1次キャッシュ(L1),2次キャッシュ(L2)の帯域幅の増加
- 新命令セットAVX2の追加
- FMA3,BMIの拡張命令の追加
CPU内部の演算処理部分(ExecutionEngine)が強化され、CPUパフォーマンスの向上が期待できます。
SandyBridge と Haswellの マイクロアーキテクチャーが変わった2つの世代のCPUでベンチーマークをしてみました。
SandyBridgeは i7-2700K、 Haswellは i7-4770K を使います。
この2つのCPUは、コア数、スレッド数、CPU動作クロックが同じです。
■■■ テスト環境 ■■■
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マザーボードの設定について:
Asus UEFI BIOS の EZ Modeで、Normal モード を選択しリセットしました。
■■■ ベンチマークの結果 ■■■
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SiSoft Sandraで、「CPUの演算と浮動小数点の性能」 を比較しました。
i7-4770Kが、6%~20%くらい速いようです。
SiSoft Sandraで、「プロセッサーがマルチメディア命令とデータ処理をする性能」 を比較しました。
i7-4770Kが、10%~82%くらい速いようです。
特にマルチメディア整数の計算は82%くらい速いです。 これは、新命令セットAVX2によるものと思われます。
OpenCLのベンチマークソフト LuxMark2.0で比較しました。 OpenCLのAPIを使ってCGレンダリングをして速度を測るベンチマークソフトです。
i7-4770Kが、8%~15%くらい速いようです。
CGレンダリングのベンチマークソフト CineBenchR11.5で比較しました。
i7-4770Kが、10%~15%くらい速いようです。
i7-4770K は、2世代前の i7-2700K より平均して20%くらい速いようです。
新命令セット AVX2を使ったベンチマークでは、80%もの速度向上が得られました。
エンコードなどのソフトがAVX2命令に対応すれば、重い処理もいままでの半分くらいの時間で済むようになりそうです。
マイクロアーキテクチャーの強化によりCPU演算性能が良くなりました。 また消費電力も前世代より低く、GPUの性能も上がっていると聞きました。
第4世代インテル Core プロセッサーは、着実に進化しているようです。
ベンチマークのキャプチャー画像集
LuxMark2.0 LuxBall HDR i7-2700K
LuxMark2.0 LuxBall HDR i7-4770K
i7-4770K 写真
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