今回レビューさせていただくのは、開発コードネーム「Haswell」こと、Intelの第4世代Core iシリーズのi7-4770K(以下4770K)。現在においてのフラッグシップモデルとなる。私自身、第2世代のi7-2600K(以下2600K)、第3世代3770K(以下3770K)と使ってきて、その性能の素晴らしさは既に実感済み。
今回のレビューテーマは、「グラフィック性能」。
下の仕様表を見ていただきたい。 2600KではHD3000。3770KではHD4000。このままだと4770KはHD5000と思いきやHD4600。これについては、倍率変更可能なKシリーズを使うユーザーは、内臓グラフィックに頼らず、外部グラフィックボードを使うケースが多いとの想定で、敢えてHD4600でとどめたものと思われます。
実際、今後発売されるデスクトップ向けプロセッサーを見てみると、4770R(倍率変更上方不可能)に内臓のグラフィックは、Iris(アイリス) Pro Graphics 5200。この4770RのTDPは、4770Kの84Wに対して65W。私の想像ではあるが、このCPUはメーカー製などのグラフィックボード非搭載のモデルなどに導入されるのではないかと思ってます。 ちなみに、このIris Pro Graphics 5200のグラフィック性能は、HD4000比で最大3倍の性能があるとアナウンスされています。 また、Intelのロードマップを見ると、デスクトップ向けプロセッサーでは、HD4600かIris Pro Graphics 5200の二択。モバイル向けプロセッサーでは、Proの付かないIris Graphic 5100、Irisの付かないHD5000をラインナップしている。
能書きはこれぐらいにして、早速レビューに入りたいと思います。
レビューは、4770K、3770K、2600Kでの相対比較となります。
それぞれの環境を紹介します。
【4770K】
CPU:Core i7-4770K
MB:ASRock Z87 Extreme6(後日公開)
MEM:Team TLD38G2400HC11CDC01-VJ DDR3-2400 4GB×4(後日公開)
電源:LEPA G1000-MA(後日公開)
SSD:CFD CSSD-S6T128NHG5Q(後日公開)
CPUクーラー:サイズ REEVEN RC-1202(後日公開)
PCケース:Antec ELEVENHUNDRED
OS:Windows8 Pro 64bit
【3770K】
CPU:Core i7-3770K
MB:GIGABYTE GA-Z77X-UD5H
MEM:OCMEMORY OCM2400CL10D-8GBN 8GB DDR3-2400
電源:Antec HCP-850
SSD:SAMSUNG SSD 830シリーズ MZ-7PC128B
CPUクーラー:Antec KUHLER-H2O-920
PCケース:Antec THREEHUNDREDTWO-AB
OS:Windows8 Pro 64bit
【2600K】
CPU:Core i7-2600K
MB:ASUS P8Z68-V PRO/GEN3
MEM:PATRIOT PXD38G2133C11K 4GB×2 DDR3-2133
電源:サイズ 超力2プライグイン 650W SPCR2-650P
SSD:Intel 510シリーズ 250GB
CPUクーラー:Thermaltake Contac 39
PCケース:Antec DF-30
OS:Windows8 Pro 64bit
*レビューに使用したパーツのリンクは、レビュー本文を見やすくするため、レビューの最後に索引という形で掲載させていただきました。
このような環境でベンチマーク等を実行してみました。
ベンチマーク
ベンチマークは、グラフィック性能そのものを見るために、「3DMark Vantage」、最新版「3DMark」。そしてゲーミング性能を見るために、「BIOHAZARD6」を実行しました。
それでは3DMark Vantageから見ていきたいと思います。
4770Kの結果は、2600K比で2.82倍。3770K比で1.46倍となった。比較的軽めのベンチマークであるVantageではあるが、1.5倍近いスコアが出たということで、グラフィック性能の進化をまざまざと実感させられました。
続いて、3DMarkを見ていただこう。
統合GPUをターゲットとしているICE STORM。2600Kと比べて約2倍。3770Kと比べても1.15倍と順当にアップデートされてますね。
次はDirectX 10のCLOUD GATE。こちらも2600Kに比べて2.47倍。3770Kと比べても1.31倍となりました。
最後にDirectX11のFIRE STRIKE。こちらは、DirectX11非対応の2600Kは計測できなかった。よって、3770Kとの比較だけになるが、実に1.35倍のスコアをたたき出した。
続いて、BIOHAZARD6のベンチマークだ。
解像度は、1920×1080のみで実行。
こちらも解像度が高いにもかかわらず、2600Kに比べて1.64倍、3770Kに比べても1.17倍のスコアが出ました。解像度を下げればもう少しいいスコアが出たと思いますが、実用環境でのテストをしたかったので、低解像度ではテストをしませんでした。
以上ベンチマークを見ていただきましたが、全てのベンチマークにおいて、2600K、3770Kを凌ぐ結果となりました。特に2600Kとの差は歴然で、第2世代のプロセッサーを使われてる方は、4770Kを含めた第4世代のプロセッサーに置き換えられても、グラフィック性能だけでもその価値はあると思います。
しかし、今回は世代毎でのベンチマークだったので、一般的なビデオカードとどのような性能差があるかがわかりにくいと思います。
その当たりを見ていただくために、手持ちのビデオカード2枚を使い、全てのベンチマークを計測しましたので、そちらをご覧下さい。
番外編
まず、GeForce GT 520。
結果は、4770KのHD4600が、GT520を遙か凌ぐ結果となりました。1部のテストにおいては、2倍以上のスコア差が生まれました。
そして、GeForce GTX 660Ti。
さすがに、アッパーミドルの660Tiには遠く及びませんでした。当たり前といえば当たり前ですよね。
エンコード
最後に、Intel Quick Sync Videoを使ったエンコードの性能も見ていただこう。
使用したソフトウエアは、TMPGEnc Video Mastering Works 5。映像ソースは、1.40GBのAVIファイルで、MP4へとエンコードを実施した。
結果はこちら。
今回は1.40GBと少容量のファイルにエンコードでしたので、時間の短縮は32秒程度でしたが、ブルーレイなどの大容量のファイルだと、処理時間の開きが大きくなると思います。もともと2600Kのハードウェアエンコード機能でも定評があったので、4770Kも確実のその実力を伸ばしていると思います。
総評
今回レビューは、グラフィック性能に特化したものでした。2600Kからのアップグレードは確実に体感できると確信します。ただし、重たいオンラインゲームなどは、最適と言えるものではありません。冒頭にも触れましたが、Kシリーズを使うユーザーの大半は、外部グラフィックカードを使用されるはずです。その点を考えると外部グラフィックカード+ハードウェアエンコード機能という使い方になると思います。そう考えると、3770Kからのアップグレードも、それなりに利点があり、グラフィック性能の向上の他に、他のテーマでレビューされてるような、「省電力の向上」、「CPUパフォーマンスの向上」、「オーバークロック性能の向上」と、非常に魅力のあるプロセッサーだと感じました。
以上でレビューを終わりたいと思います。ありがとうございました。
最後に今回の4770KのHD4600は、
レビューで使ったパーツの紹介
【4770K】
MB:ASRock Z87 Extreme6(後日公開)
CPUクーラー:サイズ REEVEN RC-1202(後日公開)
【3770K】
【2600K】
最後までご覧いただき、ありがとうございます!!
harmankardonさん
2013/07/15
iGPUは,確実に進歩していますね.
重いゲーム用途でなければ,十分な性能を発揮してくれそうです.
CLWさん
2013/07/15
2600K,3770K,4770Kと比較解りやすかったです。
ふっけんさん
2013/07/15
ってかあのモザイクは(^^;
ナンチャンさん
2013/07/15
そうですね。ゲームをしなければ全く問題ないでしょうね(^^)
ナンチャンさん
2013/07/15
ありがとうございます!!
ナンチャンさん
2013/07/15
これぐらいのネタならOKでしょう(^_^;)