※画像がリンクされていなかったので、プレビューで見れるようにしました。
■ジグソープレミアムレビュー
今回レビュアーに選出されました、つくもです。
僕の担当は「4770Kのオーバークロックの自由度について」であります。
※4770Kについて
4770Kは、コードネームhasewllといい、i7シリーズの第4世代となります。
技術的なことや電圧レギュレータ内臓のことなどは、すでにいろいろな所で出回っていているので、僕が触った感想を述べます。
僕が触ってみた感じですと、定格時はともかくオーバークロック時の温度上昇と電力上昇は、3世代目と比較しても大きく、非常に扱いにくい印象です。
また、2600Kほどの驚異的なオーバークロックの伸びはありません。
しかしながら、今回のテーマともなっているオーバークロックの自由度については、2600Kと3770K、また、エクストリームクラスの3970X の良い所を足したような印象となりました。
では、4770Kのオーバークロックの自由度についてレビューします。
以下、M6EのUEFI設定にそって、各設定を紹介します。
▼CPUの倍率を変更する
①オーバークロック設定
UEFIの設定項目から「Extreme Tweaker」を選択し「Ai Overclick Tuner」を「手動」に設定します。
②CPUの内部クロック倍率設定
CPU内部のクロック倍率を「共通倍率」に設定します。「共通倍率」に設定することで、ひとつのコアの倍率を変更すると全てのコアの倍率が一律で変更されます。
コアごとに設定したい場合は、「稼働コアごと」を選択してください。
③コアの倍率変更
コアの倍率変更を設定します。下図では「40」に設定したので、ベースクロック100MHz×倍率40で「4GHz」にりました。
④CPUコアの電圧設定
今回は、常用オーバークロックを兼ねて電圧が可変できる「オフセット」を使って電圧設定を行いました。
⑤起動テスト
上記設定で以下のような状態で立ち上がります。
この時点で起動してこない場合は、UEFIからオフセットの設定を見直してください。
▼ベースクロックを変更する
次にベースクロックのみを変更し、4GHzにしてみます。
①PLLの選択
ベースクロックを高めに設定したい場合は「SB PLL」を選択します。
②Filter PLL設定
Filter PLLの設定を「高BCLKモード」に設定します。
③CPU Strap設定
BCLKは、手動設定もできますが、今回はStrapを使ってプリセットからBCLKを変更します。
Strap設定は、「100MHz」「125MHz」「167MHz」「200MHz」となっています。
BCLKを変更した場合、3770Kの時は、PCIExpressなどのクロックもあがってしまい、せいぜい105MHz程度しかBCLKをあげることができませんでしたが、システムとBCLKを連動させずにベースクロックを変更できる「3970X」「3960X」などの特徴を受け継いでいます。
④倍率を下げる
さて、倍率を39倍のまま、BCLKを125MHzにすると「125MHz×39倍」となりクロックが「4875MHz」となってしまいこのまま起動するとほぼ起動できない状態となります。
そこで、4GHzに合わせるため、倍率を32倍にします。
⑤メモリクロックを下げる
BCLKを昇降するとメモリークロックも上昇するので、メモリークロックを適正な値に下げます。
だいたい通常のメモリーなら1600MHzあたりに下げた方が安全です。
今回はオーバークロックメモリーを使用していますので2000MHzまで下げます。
⑥起動テスト
起動確認を行います。
電圧設定は、倍率変更と同じオフセットで「+0.005」上昇させた状態です。
このように倍率変更とBCLKの組み合わせで基本的なオーバークロックのコントロールを行います。
常用オーバークロックの場合は、倍率変更で上昇値を見つつ、ベンチマークでもう一伸びほしい場合は、BCLKを使って調整を行います。
さて、個人的に4770Kのオーバークロックで非常に楽しいのは、メモリーのオーバークロックです。
4770Kになり、メモコンの耐性が3770Kと同等かそれ以上になっています。
また、BCLKの変更が可能となり、倍率を使ったオーバークロックよりもメモリークロックの伸ばし方が増えており、スーパーπを使ったカジュアルなタイムアタックが非常に楽しかったりします。
▼メモリーのオーバークロック
倍率変更で4.0GHzまで上昇させ、メモリークロックを2600MHzまで上昇させた状態と
BCLKを125MHzまで上昇させて4.0GHzにし、メモリークロックを2500MHzまで上昇させた状態でπ1Mを図ってみました。
○倍率変更で4.0GHzにした場合
○BCLKを125MHzまで上昇させ、4.0GHzまで上昇させた場合
誤差の範囲だと思いますが、BCLKを挙げた方がクロックが低いにも関わらず、わずかに1Mが早いという結果になりました。
さて、では、倍率変更とBCLKを組み合わせて、さらにメモリーのクロックを上昇させてみます。
倍率39倍、BCLK103MHzに設定し、MEMクロックを2884MHzまで上昇させてみました。
今度は、倍率48倍の状態で、BCLKを上昇させ、空冷時のこの固体のクロック限界を探ってみました。
この固体は、48倍×102MHzで4.9GHzまでπ焼きが可能でした。
特にメモリーまわりの耐性は素晴らしく、クロックもレイテンシもかなり詰めることが可能でした。
▼PSCメモリー
Corsair CMGTX3
2600MHz 7-12-7-28
▼BBSEメモリー
G.Skill F316000CL9 2GBTD
2400MHz 7-11-7-28
▼所管
HasWellこと、4770Kはオーバークロックの自由度が高く、CPU、メモリーなど多彩なオーバークロックが可能で、ベンチマークの楽しみが大きく上昇しています。
ただし、個体差は非常に大きいです。
僕は、今回のレビューでお借りしたものを含め、5本の4770Kを検証しましたが、どれも個体差が非常に激しく、空冷では、4.8GHzで1.58Vもの電圧が必要な固体もあれば、1.3VでベンチもOKな固体もあり、BCLKも125MHzでは、かなりの電圧を入れないと起動すらしない固体もありました。
また、メモリーについてはどの固体もある程度はまわるのですが、1本だけ、2500MHz以上ではどうやっても起動しない固体もあり、耐性差がはげしいので、どうしても良い固体がほしい場合は、かなりの投資が必須となります。
僕の検証では、殻割なしの空冷での常用は4.4GHz~4.5GHzが妥当だと判断しております。
固体によっては4.6~4.8GHzまでいけるものもあるかもしれません。
電圧設定だけでも、何をどういじればいいのか、僕もまだわからない項目がおおいのですが、πの速さは驚異的で、非常に楽しいCPUだと思います。
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