レビューメディア「ジグソー」

2018年上半期オススメNVMe接続M.2 SSD。

「スレッド立派PC」メイン機昇格プロジェクト?

 

今年の春にレビューした、スリッパことAMD Ryzen Threadripper 1950X(以下1950X)。

とりあえず、「価格を抑えたPC」がテーマだったので、新プラットフォームのためどうしても必要だったM/B

と、リテンションがなかったため新調したCPUクーラー

以外は、手持ちのモノを使い回して構築した。

 

その後M/Bは運良く廉価帯のものから、ゲーミング系機能てんこ盛りハイスペックM/B

に交換できる事になったが、ストレージが400GBのSSD

1発では、「メイン機」として使うにはさすがに役不足。

 

ただ、せっかくの1950Xを、Core i7-5960X Processor Extreme Edition

で構築したPCのように、サーバー的使用法でしか使わないで時を経過させるのはもったいない。2014年から使っていて、世代的にはだいぶ古い感じになってきたIntel Core i7-4770K

を中心に組んだ現メインPCは、ほぼ24時間稼働のため、簡易水冷

のファンやポンプも少し音がし始めたし(実は本件作業中にポンプ停止⇒H60でリリーフ)、iPhoneで持ち歩くために行う動画変換も元動画ファイルの高画質化が進んで最近は数時間を要し、「速い」という感じはしなくなってきた。また入れてあるソフトのいくつかが開発終了になり、使えなくなったのも出て来たためProgram Filesにもゴミがたまっており、そろそろ一度リフレッシュした方が良い時期になってきたのもあって、4年半ぶりにメイン機を換えようと決意

 

現状の「スレッド立派PC」をメイン機に据えるには

①メインドライブ(いわゆるCドライブ)を1TBクラスに

②データ作業用ドライブ搭載(できれば500GBクラスSSD×2で冗長化)

③データ保存用ドライブ搭載(4~8GBクラスHDD)

④外部インターフェース充実(USBポートやSDカード)

⑤ビデオカード換装(GTX1070クラス以上)

⑥光学ドライブ搭載

⑦メモリ高速化

というあたりに手を入れていこうと思っていて、一度にやるには資金的問題もあるので、②のあたりまで増強が進めばメイン機に昇格させても良いかなという考え。

 

なんにせよ、一度常用し始めてからのメインドライブ換装は荷が重いので、①が終わらないことには何も出来ない...ということで、お盆に(会社は休みじゃないけどw)ZIGSOWの投稿休んで作業しようかと部材を集め始めたワケ。

 

その一つで最重要部品がNVM Express(NVMe)接続のM.2 SSD。

 

本品購入時の2018年GW付近では、NVMe M.2 SSD製品はSamsung970のEVOとPro、Intelの760p、WDのBlackなどがあったが、IntelとWDは性能的には少し落ち、高性能系ではSamsungが「ほぼ」一択、という状態だった。ただcybercat的には、SamsungにはかつてHDDで2度に渡って大クラッシュを浴び、そのうち一回が会社での3ヶ月分近くに渡った作業データロスト(積算「時間」3ヶ月分ではなく、断続的な作業「期間」が3ヶ月だったのが救い)、という致死性のものであったというトラウマと、SSD初期に報告されていた「Samsungの突然死問題(=S.M.A.R.T.警告無しの突然の深刻なエラー)」の印象が悪すぎて選ぶ気になれない。

 

そんな中、その時点で速度と信頼性を兼ね備えたNVMe M.2 SSDの選択肢が一つだけあった。

 

それがPLEXTORの「M9Pe」シリーズ(8月現在では他にSanDiskのExtreme PROも選べるけど)。

 

このM9Peシリーズは同社の前世代SSD、M8PeとM8Seの中間のような特性を持っている。

 

M8Peは平均故障間隔 (MTBF)240万時間を誇る東芝製15nm MLC NANDを採用する、TLC全盛の今となっては貴重なMLC SSDで、流通在庫が高値取引されているが、その後リリースされた廉価版M8Seでは同じ東芝製15nm NANDながらTLC NAND採用で、若干読み込み速度は上がったものの他の速度指標は下がった上に、MTBFは150万時間となり、保証も5年⇒3年へと短縮されてしまった。

 

これに対して、東芝製64層 3D TLC NANDを採用する最新SSDが「M9Pe」シリーズ。MTBFこそM8Se同様150万時間で、MLCだったM8Peの240万時間に比べると見劣りするが、さすが上位シリーズ名「Pe」を名乗るだけあって?ビハインドはこの一点のみで、シーケンシャルもランダムもリード/ライトともに全てM8Peから1割~5割の上昇、保証期間も5年に戻された。

 

なお、このM9Peシリーズには容量(256GB、512GB、1TB)とは別に3種の形状的?ラインアップがある。ひとつがPCIeカード型の「M9Pe(Y)」。これはIntelのSSD750同様PCIe HHHL (Half Height/Half Length)形状で、当然接続はPCIe Gen 3 x 4。恵まれたスペースにより、大型ヒートシンクとイルミLEDを備えるのが特徴。一方、M.2 2280型には、ヒートシンク搭載の「M9Pe(G)」と非搭載の「M9PeGN」がある。

 

今回はM/BにASUS ROG ZENITH EXTREMEを使うので、M.2スロットであれば最大3つ使える。一方PCIeスロットの方は、付属の10GbLANボードであるROG AREION 10Gの使用や、サウンドボードの搭載、万一のビデオカードSLI化などを考えると、移動が手間なシステムドライブで潰すと後が面倒そう。幸いこのM/BはM.2 SSDを熱的に厳しいPCIeスロット間に積むのではなく、メモリ横に「立てて」積む、DIMM.2というライザーカードを使用する仕様(3スロットの内2スロット分。残り一つはチップセットカバー下)。冷却も取れそうで、省スペースな事から今回はM.2 2280形状のモノを選ぶことにした。

 

また、このライザーカードにはファンも取り付けられると言うことで、少しでも安く上げようと、冷却はサードパーティ製別売ヒートシンクを乗せてファンで冷やすことにして、当時3千円ほど差があったので、素の「M9PeGN」を選択(ネットのレビューでヒートシンクつきと無しで大幅な差がない、という記事を見たのもあるが)。

あまりSSDらしくないパッケージ
あまりSSDらしくないパッケージ

 

パッケージの中身はとてもシンプルにSSD本体と固定用のネジ1本のみ。

パッケージの中身は本体と固定用のネジだけ
パッケージの中身は本体と固定用のネジだけ

 

ROG ZENITH EXTREMEのM.2 SSD用ライザーカード、DIMM.2に積んで、他のモノを何も付けずにベンチを採ってみた。

DIMM.2への積み込み。2枚積めるが、まず1枚。
DIMM.2への積み込み。2枚積めるが、まず1枚。

 

「2280」の刻印があるところにスペーサーをかませて...
「2280」の刻印があるところにスペーサーをかませて...

 

...取付ネジで固定。
...取付ネジで固定。

 

メモリスロット脇のDIMM.2スロットに...
メモリスロット脇のDIMM.2スロットに...

 

...装着。
...装着。

 

計測環境は以下の通り。

 

【スレッド立派PC(Rev.0.21)】

 ・CPU:AMD Ryzen™ Threadripper™ 1950X
 ・CPUクーラー:ENERMAX LIQTECH TR4シリーズ ELC-LTTR280-TBP
 ・M/B:ASUS ROG ZENITH EXTREME
 ・メモリ:Crucial CT8G4DFD8213 8GB DDR4-2133 ✕8 Total64GB
 ・VGA:ASUS STRIX-GTX750TI-OC-2GD5
 ・システムドライブ:Intel SSD750 SSDPEDMW400G4
 ・データドライブ:PLEXTOR PX-512M9PeGN(本品)
 ・光学ドライブ:非搭載
 ・カードリーダー&USBフロントパネル:非搭載
 ・電源:CORSAIR RM850(80PLUS GOLD)
 ・PCケース:CORSAIR Carbide Air 540
 ・OS:Windows 10 Pro

 

CrystalDiskMark(6.0.1)の結果は、シーケンシャルはリード3167.5MB/s、ライト2046.6MB/sを叩き、ほぼ公称通りを示した(容量512GBのM9Peの公称速度は読み込み3200MB/s、書き込みが2000MB/s)。一方ランダムは公称が読み込み340,000IOPS、書き込みが280,000IOPS、つまりおよそ1360MB/sと1120MB/sとなるので、読み込みは公称に届いていない感じだ。

CDMはSSD向け設定になったCrystalDiskMark 6(6.0.1)に変更
CDMは今回よりSSD向け設定になったCrystalDiskMark 6(6.0.1)に変更

 

一方プログラムなども入ったシステムドライブなので、空ドライブでの検証となったM9Peとは多少条件が異なるが、同じNVMe接続となるIntel SSD750 SSDPEDMW400G4は、公称シーケンシャルリード2200MB/s、同ライト900MB/s、ランダムリード430,000IOPS(≓1720MB/s)、同ライト230,000IOPS(≓920MB/s)なのに対して、下記の結果。こちらもランダムリード以外はほぼ公称通り~キモチ上回る、という結果(CrystalDiskMarkのランダム系の指標はCPU側のボトルネックをなくすように調整すればもう少し公称に近付くと言われているが、両SSDはシステムドライブかデータドライブかという違いはあれど、テスト環境は同じなので傾向は見て取れる)。

同じ環境なので、ランダムリードの速さが光る
同じ環境なので、ランダムリードの速さが光る

 

今までのシステムドライブ、Intel SSD750 SSDPEDMW400G4と比べると、ランダムリード以外は凌駕、特にシーケンシャル系はぶっち。一応システムドライブには容量1TBは欲しいので、まだ高価な1TB版PX-1TM9PeGNを手に入れるのではなく、512GBを2枚使ったNVMe RAIDにしようと考えている。

 

RAIDにするとシーケンシャル系は伸びて、ランダム系は下がる傾向にあるけれど、システムドライブだからいいかと。

 

ちょっと楽しみ?

性能的には256GB<512GB≓1TBなので、512GBがお得感あり
性能的には256GB<512GB≓1TBなので、512GBがお得感あり

 

【PX-512M9PeGN仕様】

容量:512GB
フォームファクタ:M.2 2280
インターフェース:PCIe Gen 3 x4 with NVM Express
コントローラーIC:Marvell 88SS1093
使用フラッシュメモリ:TOSHIBA 64層 3D TLC NAND (BiCS3)
Sequential Read Speed:最大:3,200MB/s
Sequential Write Speed:最大:2,000MB/s
Random Read Speed(IOPS 4KB):最大:340,000
Random Write Speed(IOPS 4KB):最大:280,0000
DRAMキャッシュ:512MB LPDDR3
TBW(総書き込み容量):320TB
MTBF(平均故障間隔):150万時間
サポート機能 :TRIM、S.M.A.R.T、IO queue、NVMe command
取得承認:UL, TUV, FCC, CE, BSMI, VCCI, RCM, KCC, EAC, ROHS, WHQL
動作環境温度:0℃~70℃(動作時)
耐衝撃性:1500G / 1ms
対応OS:Microsoft Windows 8.1, 10/ Linux OS
保証:5年
本体サイズ:80 x 22 x 2.3 mm
本体重量:約10g

更新: 2018/07/16
転送速度

得手不得手はあれど、現状Samsung M.2 SSDと張れる数少ない選択肢

970PROはともかく、970EVOなら勝つるっっ!

  • 購入金額

    26,600円

  • 購入日

    2018年04月21日

  • 購入場所

    ツクモパソコン本店

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