レビューメディア「ジグソー」

もともとビミョーな時期のビミョーな性能の板。安く買えたが寝かしてしまったので、コスパ的には↓

2016年末、それまでのメインPC用のグラボ、msi R6950 Twin Frozr II OC

が死んだ。

 

厳密に言うと、GPUが逝ったとかコンデンサーが吹いたとかの基板系(修理難しい系)ではなく、冷却ファンが固着し、熱暴走するようになって頻繁に落ちるようになったワケ。

 

結局このR6950は、冷却ファンのパーツ

を中国から直輸入し、修理⇒復活させて今は娘PCの中にある。

 

ただこのトラブルの時原因究明のため、自分のメインPCは一時期Core i7-4770K

の内蔵グラフィックス(Intel HD Graphics 4600)で運用していた。しかし、さすがに超旧世代とは言え、それまで単独グラボを使っていると、内蔵グラフィックスではイロイロストレスもアリ、以前常設サブPCを構築しようと作業し始めた後、方針変更で中止したため、積みボードとなっていたコイツを出してきた。

 

msi R9 270X Twin Frozr 4S 4G OC。別名「RADEON R9 270X GAMING 4G」。

パッケージを見る限り、2GB版のMSI R9 270X Twin Frozr 4S OCと区別が付かない
パッケージを見る限り、2GB版のMSI R9 270X Twin Frozr 4S OCと区別が付かない

 

その名の通り、Radeon R9 270X(Curacao XT)をGPUに採用するグラボ。この時はRadeonは命名方法を大きく変えたタイミングで、それまで「HD xxxx」と、数字4文字で千の桁が世代を表していたスタイルだったのが、「Rx xxx」とRのあとにつく9(上級)か7(普及)の数字で大雑把なグレード分けをして、最後の三桁数字の百の位で世代を表すという方式になった。ちょうどGeForceがMaxwell系コアになって上り調子になってきた時期で、Radeonは手を変え品を変え「新製品感」を出そうとしていた劣勢時期。

 

とくにこの「Rx 200」シリーズは、中身的には旧世代のSouthern Islands系の単なるリネーム品がむしろ過半を占める「わかりづらい」ラインアップだった(ただしDirectXの対応は11から12へ変更)。

 

本品採用のGPUはさらにビミョーな感じの立ち位置で、旧世代に同じクロックを持つSouthern Islands系GPUはないが、中身的にはOpenCLが2.0の新世代ではなく、1.2の旧世代。つまりVolcanic Islands世代に、Southern Islandsの旧技術を使って新たに作られた石。

 

一応上位ライン=「R9」を名乗ってはいるが、当時はR270(とその高クロック版R270X)がR9としてのローエンド。性能的にはちょっとビミョー。ただし、この270Xはメモリ容量が2G版と4G版あって、本品は後者。ビデオメモリが広くて多少は性能が高いと言われる4GB版が、開封品現品特価で売り出されていたため、掴んでいたわけ。

Twin Frozrでかくなったなー
Twin Frozrでかくなったなー

 

付属品はわりに普通
付属品はわりに普通

 

一応msiの「GAMING」系というカテゴリーのため、「Twin Frozr」を搭載して、赤と黒のカラーリング、お約束のドラゴンもいる。

お約束の...
お約束の...

 

長さは26cmでソコソコデカイ。

ボード長は26cm(デザイン考えればあと5mm詰められる気が...)
ボード長は26cm

 

Twin FrozrはR6950のⅡからⅣにヴァージョンアップ。ブレードがうねっていて、見た目冷却考えてそう(←期待、根拠なし)。

ファンの形状、結構凝ってる??←印象
ファンの形状、結構凝ってる??←印象

 

とりあえず交換した後のベンチはこんなモン。

 

【環境】
 ・CPU:Intel Core i7-4770K
 ・CPUクーラー:CORSAIR CWCH80 (CORSAIR LINK制御)
 ・M/B:ASRock Z87 Extreme6
 ・メモリ:AMD (Patriot) Memory 8GB 1600MHz Performance Ed. AP38G1608U2K
 ・VGA:今回比較対象
 ・システムドライブ:SanDisk SDSSDHII-480G-J25C×2のRAID0構成
 ・データドライブ:WesternDigital Red 3.0TB WD30EFRX
 ・光学ドライブ:パイオニア BDR-206JBK
 ・カードリーダー&USBフロントパネル:Bullet 5インチベイ用I/Oパネル IOP525 (IOP525)
 ・電源:ENERMAX Platimax EPM1000EWT(80PLUS PLATINUM)
 ・PCケース:Abee AS Enclosure M2 Premium Edition EM2PE-BK
 ・OS:Windows 10 Pro

 

対応DirectXとシェーダーモデルが旧世代だが、今まで一番データを採ってきた「3DMark Vantage」

と、最新の「3DMark」、

マルチスレッドベンチの代表格「CINEBENCH」、ファイナルファンタジーXIVは「(旧)ファイナルファンタジーXIVオフィシャルベンチマーク」

と「新生エオルゼア」

の各ベンチマークを回してみた。R6950は旧世代なので、ドライバも「Catalyst」の15.71までしか対応していないが、R9 270Xは新シリーズドライバ「Crimson」に対応しているので、Catalystで比較データをとり、R9 270XにはCrimsonも入れてベンチとってみた。

だいたい1.2~1.5倍くらい。3DMarkのTimeSpyはHD6950では回らない。
1.2~2倍くらいの差。DirectX12世代の3DMarkのTime SpyはHD6950ではそもそも回らない。

 

ま、さすがに今までのグラボは発売当時はその世代でシングルGPUの上から二番目だったRadeon HD 6950搭載とは言うものの、3年間の進化は大きく、発売時ミドルハイ程度のR9 270X相手でもかなうはずもない。スコアにほとんど「気のせい」くらいしか差がないものから、倍以上違うものまで様々だが、感覚的に平均すると4割増しくらいの差で回っている(CPU関連のスコア除く)。一方、今回のデータを見る限り、CatalystとCrimsonの新旧ドライバの差は3DMark系はほとんど誤差程度。FF系は微増。CINEBENCHのOpenGLだけは有意に高いかなー???←気のせい???

 

2018年初頭の現世代は、Radeon(RX Vega世代)もGeforce(GeForce GTX 10シリーズ)も飛躍的に性能が上がった世代なので、比べるべくもないが、非ゲーマーのcybercatが普通に使う分には これで十分なので当面このままかな。

 

ただ面倒がらずに、もちょっと早く出せば良かったナー...

 

【msi R9 270X Twin Frozr 4S 4G OC仕様】
グラフィックスコア:AMD Radeon R9 270X
インターフェース:PCI Express x16 3.0
ビデオメモリ:GDDR5 4GB
コアクロック:1030MHz

ブーストクロック:1120MHz (OC mode)、1080MHz (Gaming mode)、1050MHz (Silent mode)
メモリクロック:5600 MHz
メモリインターフェース:256bit
インターフェース:DisplayPort×1、HDMI×1、DVI(DVI-I×1、DVI-D×1)
消費電力:最大161W(補助電源6ピン×2)
サイズ:260mm×129 mm×38 mm(W×D×H)

更新: 2018/02/14
コストパフォーマンス

購入当時は3万近い板が4割引位だったからコスパ高かったけれど...

購入時点では、後継のCaribbean Islands系(Rx 300番台)発売直前で在庫整理中だったが、ふたを開けてみると、Caribbean Islands世代もやはり半分は旧世代=Volcanic Islandsのリネーム品で、DirectXの世代も製造プロセスも進まなかったのでその時点ではお得感あった。しかし使い始めた時点(2017年初)では、AMD GPUの復権の狼煙=Polaris系のボードがリリースされはじめており、旧式パーツ感はぬぐえない。

 

PC系パーツは基本寝かしちゃダメ、ゼッタイ。

  • 購入金額

    16,160円

  • 購入日

    2015年06月07日

  • 購入場所

    ツクモ名古屋1号店

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