レビューメディア「ジグソー」

4.3GHz at 1.200Vでとりあえず安定【新メイン機(2014/01~)の頭脳】

ほぼ完成した新メイン機。
多少まだ諸調整が残っているが、現在ピンチヒッター■

と使用比率が逆転し、真に「メイン」PCと呼べる形になった。

もともとメイン機の刷新は2011年末~2012年頭に開催された「ジグソー杯・オーバークロック・コンテスト」

の参戦機を流用する予定だったので、石はSandyことCore i7-2600K、

M/BはASUS P8Z68-V PRO/GEN3

というつもりだったのだが、簡易水冷

とケース

のマッチング

に手間取ったり、ビデオカード

のファン回転数の問題解決などにモタモタしているうちに、cybercatと違ってw勤勉なIntelの開発陣はSandy Bridge⇒Ivy Bridge⇒Haswellと順調に世代をあげてきた。

まぁ、オーバークロックコンテスト自体がSandy Bridge世代の末期に催されたので、じきにIvy Bridgeに変わるのは想定内で、ともに同じソケットLGA1155であったので、「そのうち値段が下がったら差し替えてもよいか」くらいに考えていた。もともとSandy Bridge⇒Ivy Bridgeは同一アーキテクチャでプロセスルールを微細化しただけなので、省電力にはなっても性能が上がることはないと踏んでいたので飛びつくほどでもないかと考えて。しかしそれはIvyの超省電力版の石-Core i7-3770T-が先代のほぼ最高性能の石、Core i7-2600Kに肉薄する性能を見せたことでいい方に裏切られた。いわゆる「Intel Tick-Tockモデル」の2つのステップのなかでは性能を上げるのが主眼ではない「Tick(プロセスルール微細化改良)」に当たるIvy Bridgeですらこの性能向上...「Tock(新設計アーキテクチャ)」のHaswellはどれほど高性能化するのか..との期待が。また、一時「CPUが差し替え可能なソケット形式で提供されるのはHaswellが最後」との噂が流れたこともあり(2014年4月現在では次期Broadwellでも少なくとも高性能タイプの石はHaswellと同じLGA1150で供給される予定になっている)、M/BとCPUのコンビネーションが楽しめる最後の「真の自作PC」になるかもしれないとHaswellを待つことにした。

従ってM/BはHaswell世代のLGA1150対応のASRock Z87 Extreme6

に。
また、メモリはHaswellではDDR3-1600のデュアルチャネルを標準でサポートとなったのでDDR3-1600のメモリ

をと、結局オーバークロックコンテスト参戦機からはケースやビデオカードなど周辺系しか引き継がなかったという...
物自体は中古で入手
物自体は中古で入手
...しかし、性能的には待った甲斐があった。
マレーシア産Haswell
マレーシア産Haswell
Broadwellでも引き継がれるはずのLGA1150
Broadwellでも引き継がれるはずのLGA1150
とりあえず先行して、新世代の定番ベンチマーク3DMark

を取得。ただし、Windows RT版

と形式を合わせたと思われる(最軽量なベンチマーク「Ice Storm」が『素の「Ice Storm」』、「Ice Storm Extreme」、「Ice Storm Unlimited」から選べるようになっている)新バージョン(Ice Storm 1.2、Cloud Gate 1.1、Fire Strike 1.1を含むセット)でスコア取得したため現メインPCなどとの比較スコアとは若干異なる。

このときの構成(つまり新メイン機の構築時構成)は以下の通り。
 ・CPU:Intel Core i7-4770K(本品)
 ・CPUクーラー:CORSAIR CWCH80CORSAIR LINK制御)
 ・M/B:ASRock Z87 Extreme6
 ・メモリ:AMD (Patriot) Memory 8GB 1600MHz Performance Ed. AP38G1608U2K
 ・VGA:MSI R6950 Twin Frozr II OC
 ・システムドライブ:Intel SSD 335 Series 240GB SSDSC2CT240A4K5×2のRAID0構成
 ・データドライブ:WesternDigital Red 3.0TB WD30EFRX×2の非RAID構成
 ・光学ドライブ:パイオニア BDR-206JBK
 ・カードリーダー&USBフロントパネル:Bullet 5インチベイ用I/Oパネル IOP525 (IOP525)
 ・電源:ENERMAX Platimax EPM1000EWT(80PLUS PLATINUM)
 ・PCケース:Abee AS Enclosure M2 Premium Edition EM2PE-BK
 ・OS:Windows 8.1 Pro(2014年4月のWindows 8.1 Update適用済み)

まずその3つに分かれた「Ice Storm 1.2」から。
元々グラフィック系のベンチであるからか、負荷が高くなってもCPUのスコアはあまり落ちなかった。
元々グラフィック系のベンチであるからか、負荷が高くなってもCPUのスコアはあまり落ちなかった。
低負荷の「Ice Storm」のPhysics scoreは50227、高負荷の「Ice Storm Extreme」でも49798とほとんど落ちなかった。異なるデバイスとの比較用という「Ice Storm Unlimited」では51019。

他のデバイスとしては旧メイン機とSurface 2

で3DMarkのスコアをとっている(ただし旧メイン機は「Ice Storm」にモードがないバージョンアップ前の3DMarkで、Surface 2は当然Windows RT用)。
旧メイン機は3DMarkに
旧メイン機は3DMarkに"Unlimited"などのモードがない旧タイプで取得。
旧メイン機はAMD PhenomⅡX6 1090T BlackEdition

をASRock 890FX Deluxe3

に乗せ、ビデオボードとして玄人志向 のATI Radeon HD5850搭載のRH5850-E1GHW/HD/DP/SP

を積んだもの。CPUは当時のAMD最高性能のもの、VGAもミドルハイのものとはいえ、さすがに2010年半ばの構築だと見劣りする。CPUに注目するとスコア的には約20%のビハインド。

Surface 2はOfficeなどがサクサク動くのでもう少し健闘するかと思ったが、1/4のスコアでしかなかった。

ここでせっかく倍率ロックフリーの石を使っているのでオーバークロックした場合どうなのかという興味が出た。...といってもオーバークロック・コンテストの時のようにマニュアルセッティングでカリカリには攻めず、GIGABYTE GA-Z68XP-UD4/G3

の時の"EasyTune6"、ASUS P8Z68-V PRO/GEN3の"AI Suite II"にあたるM/Bのユーティリティに用意されるお手軽オーバークロックで評価した。

今回のM/B、ASRock Z87 Extreme6

にも"A-Tuning"という同様な機能がある。この"A-Tuning"はEZ OCやAuto Tuning、OC Tweakerなどのオーバークロック関係のユーティリティがひとつになった統合ソフト。これで「Performance Mode」を選択すると、自動オーバークロックセッティングに入る。ASUSの"AI Suite II"のように各周波数でのトライアンドエラーの状況が刻々と画面に映し出されるような劇的なのではなくて、周波数のテキストがよく見ると徐々に大きく(高く)なっていく...という地味なもの。それでもしばらく後に4300.00(MHz)の表示が。
4.3GHzには到達したらしい。
4.3GHzには到達したらしい。
Core i7-4770Kの定格クロックは3.5GHz、「Turbo Boost 2.0」によって最大3.9GHzまで回るが、それを約10%押し上げた形だ。

オーバークロック時のスコアは以下の通り。
当然スコア上昇するが、外部VGAでもありグラフィック関係はあまり伸びない。
当然スコア上昇するが、外部VGAでもありグラフィック関係はあまり伸びない。
スコアだとピンとこないので、定格からの比で見るとこんな感じ。
10%以上の上昇が見られる。
10%以上の上昇が見られる。
グラフィック関係は誤差程度だが、CPU関係はきちんと伸びている。しかも最大クロック比(4.3/3.9=1.10)よりもいずれも高いスコアになった。ベースの3.5GHzからトップの4.3GHzの間の分布が上寄りなのだと考えられる。

ただ、今回このスコア(最高周波数)を得るために要した電圧は1.200V。

"CPU Override Voltage"は1.200V
しかもモードは常盛りの"Override Mode"。できれば常盛りや上げ底の"Offset"ではなくて上限だけ上げる"Adaptive Mode"で達成したいが、このあたりは詰めが必要なようだ。

3DMarkの残りのスコアも優秀で、さすがHaswellの最高性能の石(これ以降のスコアは特に断り書きがなければ4.3GHzへOCしたもの)。
なぜCloud Gateの方がCPU周りのスコアは悪いのだろう...
なぜCloud Gateの方がCPU周りのスコアは悪いのだろう...
他のベンチマークとしては最近の流行?「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク ワールド編」

はこんな感じ。
フルHDの最高品質でも「非常に快適」
フルHDの最高品質でも「非常に快適」
ただこのベンチマークはグラフィックスの方が影響度が高いのだろう。定格時は標準画質はソコソコ差がついたが、最高品質はオーバークロックの有無でほとんど差がつかなかった。
最高品質に要求されるCPU性能は定格ですでに満たしているのだろう...
最高品質に要求されるCPU性能は定格ですでに満たしているのだろう...
一方旧メイン機に対しては(グラフィックボードの世代も一つ進んでいるので)明確な優位性を示した。

cybercatとしては今まで最も多くのデータがある(旧)ファイナルファンタジー14ベンチマークでも、今回新メインPCに使ったNorthern Islands世代の一世代前となるビデオカードEvergreen世代の旧メインPCはもちろん、ビデオカードを合わせたIvy Bridge世代(Core i7-3770T)の結果を明らかに凌駕していることは純粋なCPUの力だろう。
一番データ蓄積量が大きいこのベンチでもトップスコア。
一番データ蓄積量が大きいこのベンチでもトップスコア。
さらにCPU能力にフォーカスしてCINEBENCH R11.5の「CPU」でもCore i7-2600K、Phenom Ⅱ X6 1090T BEという2~3年前の各社の最高性能の石と比較しても図抜けた性能を見せた。
1090Tの倍、2600Kの1.5倍に届きそう..
1090Tの倍、2600Kの1.5倍に届きそう..

これで当面かつる?ww
少なくとも来年まではこのままかな...
少なくとも来年まではこのままかな...
【仕様】
製造プロセス:22nm
アーキテクチャ:Haswell
コア数(スレッド数):4(8)
CPU動作クロック(Turbo Boost時):3.5GHz(3.9GHz)
L3キャッシュ:8MB
内蔵GPU:Intel HD Graphics 4600
GPUコアクロック(最大) :350MHz(1.25GHz)
TDP:84W
対応ソケット:LGA 1150
  • 購入金額

    34,300円

  • 購入日

    2013年08月05日

  • 購入場所

    ヤフオク!

29人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • kuro_rさん

    2014/04/17

    どの程度、原価が変わるのかわからないですが、インテルもフラグシップのCPU位グリス仕様じゃなくて半田仕様にしてくれればいいのに、このCPUも殻を割ればわかる通りグリス仕様です。
    これから気温がどんどん上がるので、4.3GHzで常用するなら温度の監視をお忘れなく。
    しかし4.3で安定してるとはいいコアを手に入れましたね。
  • cybercatさん

    2014/04/17

    kuro_rさん、コメントありがとうございます!
    >インテルもフラグシップのCPU位グリス仕様じゃなくて半田仕様にしてくれればいいのに
    そうですよね。K番だけでもそうしておけばヤイノヤイノ言われることもないはずなのに...

    >4.3GHzで常用するなら温度の監視をお忘れなく。
    了解です!

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