レビューメディア「ジグソー」

HD7770OC+Virtu MVPで,HD5870単体は超えられるのか? → 超えられる(可能性がある)



"GIGABYTE HD Experience Series"に属する,Radeon HD7770 GHz Edition GPUを搭載したビデオカードです.
DirectX 11.1とPCI-Express 3.0に対応してします.また,マルチGPUであるCrossFireXと,最大4画面の同時出力が可能なマルチディスプレイ技術”Eyfinity”にも対応しています.
これにより,ミドルレンジVGAでありながら,ハイエンド環境が構築可能です.





GPUコアクロックが,1.0GHzから1.1GHzへ,メモリークロックが,4.5GHzから5.0GHzへそれぞれ,オーバークロックされています.
また,100mmの大型冷却ファンのオリジナル仕様で,高い冷却効果と静音化が図られています.

外観
外観


実際,この100mmファンは,とても静かです.
2pin仕様のファンなので,どれくらいの回転数なのかわかりませんが,通常時,EnermaxのUTP12Pより,少しうるさい程度です.

また,このビデオカードは補助電源が6ピン1個です.
要求電源容量も450Wですので,とても扱いやすいと思います.
カード長も212mmしかありません.6ピン補助電源コネクタが長手方向(マザーボードに平行)ですが,邪魔になりません.

静音ケースへのGV-R777OC-1GD組み込み
静音ケースへのGV-R777OC-1GD組み込み



GV-R777OC-1GDで,指示されたレビューテーマは,以下の2項目です.
①100mmオリジナルクーラーの冷却性能、騒音、デザインについて
②OC/PCIE Gen3によるパフォーマンスについて(3DMarkなど各種VGAベンチをご掲載ください)
①は必須で,②は可能な場合になっています.

今回,表に示すようなPCスペックで検証するのですが,普通にベンチを取って,掲載するだけでは,読んでいても面白くないと思います.



そこで,裏テーマを設定します.



Lucid Virtu MVPは,マザーボードの機能ですが,こちらでも検証します.
2世代前のハイエンドGPUと新世代のミドルレンジGPUと,Virtu MVPの力を借りて,ガチ勝負します.
比較用HD5870は,MUSASHI換装(ZORO仕様)のHD5870(OC)です.



プラットホームは同じものと使った方が,ビデオカード自体の比較になると思いますが,ここではあえてプラットホームも異なるPCで比較します.
これは,Z68/i7-2600K/HD5870とZ77/i7-3770K/HD7770を比較した方が,実際に使用しているユーザーの方にとってはわかりやすいと思ったからです.
Virtu MVPの実力検証も含め,Z77に変更するか悩んでいる方や,VGAの買換を悩んでいる方には,参考になると思います.

と,ここまで計画しましたが,Z77のマザーボードの問題で,比較検証できていません.
そこで,この裏テーマは,追加検証する事にして,普通に検証することに変更しました.

Z68/Gen3で,i7-2600K/i7-3770K,およびHD5870/HD7770のクロスレビューを行います.
CPUの交換が入るため,ちょっと面倒ですが,みなさんの参考になると思い,決行します.



このときの,PC仕様はこんな感じです.
メインPCを使用してしまいました.






使用するベンチは,以下のものです.
Windows Experience Index
PCMark7
3DMark Vantage
3DMark11
FF14(High)
PSO2(Default)
OCCT4

一応クロックを揃えるため,i7-2600Kは3.9GHzにOCしていますが,i7-3770Kは定格です.
HD5870は,GPU:900MHz/MEM:1300MHzにOC品です.
HD7770は,GPU:1100MHz/MEM:1250MHzのままです.
CCCは,最新のCatalyst 12.4で,すべて再取得しました.

①Windows エクスペリエンス インデックス
ちょっと,気になる点はありますが,R7770OCは,CPUに関係なく7.6が出ています.



②PCMark7
i7-3770K+HD5870の組み合わせ時のみ,PCMark7結果が取得出来ませんでした.
Video Playback評価画面が無限ループになり,終わりませんでした.
R777OCも検討しています.



③3DMark Vantage
R777OCは,Ivy(Gen3)との相性がいいようです.



④3DMark11
HD5870には勝てませんが,R777OCは,Ivy(Gen3)との相性がいい事がわかります.



⑤Fanal Fantasy 14 Benchmark
Highでのスコアですが,HD5870強しです.
CPUの差はほとんど見られません.誤差範囲なのかもしれませんが,組み合わせがあるかも?です.



⑥PHANTASY STAR ONLINE 2 Benchmark
デフォルト設定のままで,計測しました.
Sandyのほうが,結果がよいですが,ここでもHD5870は強いです.



⑦GPU温度
OCCT(GPU)10分後の測定結果です.
5分以降はほとんど温度が上がらないので,ケース温度が上昇しなければ,このくらいの温度を保てそうです.
65℃以下ですから,長時間酷使しても,安心です.100mmの大型ファンの威力だと思います.



⑧消費電力
同じく,OCCT(GPU)時の消費電力です.ピーク時からアイドル時を引いて,GPUの換算消費電力としています(厳密には違います).
Ivyのほうが,アイドル時の消費電力が大きい(?)ので,GPU換算電力が低くなっていますが,HD7770は圧倒的低消費電力です.
OCCT(GPU)時,HD5870は222fps,R777OCは120fps程度出ていました.
これを換算消費電力で割ると,HD5870が1.28,R777OCが1.64となり,電力効率がHD7770の方が圧倒的に高いです.
どれくらいの性能をビデオカードに求めるかは人それぞれですが,R777OCは電力パフォーマンスがとても良い事がわかります.


電力効率
電力効率





GV-R777OC-1GDのまとめです.
・小さくて取り付けやすく,PCケースを選ばない
・6ピン補助電源1本あれば良く,電源要求は450Wなので,敷居が低く,導入しやすい
・小さいボディに100mm大型ファンで,静かに冷やしてくれる
・電力パフォーマンスが高いので,Windows エクスペリエンス インデックス 7.6クラスのビデオカードとしては,とても魅力的
・Gen3対応なので,今後さらにパフォーマンスが向上する可能性がある
以上のような,結果になりました.
どれくらいの性能をビデオカードに求めるかは人それぞれですが,間違いなくお勧めできるビデオカードです.
静音PCにもピッタリです.




【2012.05.22 検証結果追加】
裏テーマを検証しました.
GA-Z77X-UD5HのVirtu MVPの動作が完全ではありませんが,データが取れましたので,比較します.

比較は,Z77/i7-3770K/HD7770(OC)の組み合わせ(新)と,Z68/i7-2600K/HD5870(OC)の組み合わせ(旧)で,グラフィックスコアを比較します.
ただし,このままでは,旧が有利となってしましますので,新は秘密兵器Virtu MVPを投入します.
この組み合わせで,いざ,勝負です.

まずは,ゲームベンチを比較します.
FF14(High),PSO2(Default),Stone Giant DX11の3つです.
GA-Z77X-UD5HのVirtu MVPのところでも記載しましたが,この3種のゲームベンチは不向きなようで,結果が出ていません.
gameベンチ Virtu検証
gameベンチ Virtu検証


次に,3DMark Vantageです.
こちらは,Virtu MVPの効果で,勝利する事が出来ました.しかも,圧勝です.
元々の性能差は,70~80%位なので,凄い効果だという事がわかります.
3DMark_V Virtu検証
3DMark_V Virtu検証


最後に,3DMark11です.
グラフィック性能では,76%しかなかったものが,Virtu MVPの効果で,112%に向上し,逆転です.
3DMark11 Virtu検証
3DMark11 Virtu検証


ベンチ番長では仕方ないですが,ゲームタイトルによっては,Virtu MVPが有効に働き,HD7770でもHD5870に勝てる可能性が十分ある事がわかりました.

これは,凄い可能性を秘めています.

この評価時,マザーボードの状態が良くなかったので,Virtu MVPの動作も不安定でした.ゲームベンチでも本当は有効に働く可能性もあります.

5.謝辞
日本ギガバイト株式会社,CFD販売株式会社,ならびにzigsowの関係者の皆様,この度は貴重なレビューの機会を与えていただき,感謝いたします.また,選出にあたり,おもの立ちの皆さんをはじめ,zigsow住人の方々,いつもありがとうございます.



【2012.5.13 追記】
ナンチャンさんのアドバイスで,サーマルグリスを塗り直しました.
結果,64→60℃となりました.
ついでに,1.15GHzまでOCさせてみました(1.20GHzは,落ちました).

グリス再塗布
グリス再塗布


確かに,AL放熱パッドD部にはグリスはいっぱい塗ってありましたが,GPUとの接触面にはあまりグリスが載っている状態ではなく,かなり押し広げられていました.
PGU側オリジナルグリス
PGU側オリジナルグリス

放熱パッド側オリジナルグリス
放熱パッド側オリジナルグリス


IPAで綺麗に拭き取ったあと,ZM-STG2を塗り直して,組立直しました.
GPU(HD7770)
GPU(HD7770)

グリス再塗布
グリス再塗布


ちなみに,オリジナルのサーマルグリスも導電性はありませんでしたので,拭き取りをあまり綺麗にしなくても大丈夫そうです.

コメント (19)

  • bibirikotetuさん

    2012/05/05

    レビューお疲れ様でした。
    5870使いとしてはとても参考になりました~

    また一つ悩みが増えましたw
  • リーダーさん

    2012/05/05

    レビューお疲れ様です(^^

    まさか裏テーマが設けられていたとはw
    他のレビュアーさんのレビューも拝見してきましたが
    みなさんコスパ&ワットパフォーマンスが良いとの評価ですね。
    Gen3 対応の今後が楽しみなグラボになりました。
  • harmankardonさん

    2012/05/05

    bibirikotetuさん,コメントありがとうございます.

    裏テーマの検証結果次第では,第一候補になるかもしれませんよね.
    価格がこなれてくれば,1万円前後でしょうから,HD5870を超えられれば,お財布にも電力にも易しいです.

    Virtu MVPの板は,絶対に残して置いてください.
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