以前から何度か紹介していますが、中国HiBy Music製品の日本代理店が飯田ピアノからミックスウェーブへと移管され、旧代理店の飯田ピアノで販売店やイベントで使われたデモ機を中心に処分セールが開催されています。私も以前紹介したこちらを購入しています。
さすがにこれ以上買うものは無いかと思っていたのですが、先日飯田ピアノから6月末まで全商品10%OFFというクーポンコードが会員登録したユーザーに送られてきました。安ければ少しだけ使ってみたいと思っていた品があり、そのクーポンを使って買い足したのがこちらのHiBy R3Pro Saberです。
なお、注意点として、現代理店のミックスウェーブで取り扱っているR3Pro Saberと、今回購入したR3Pro Saberは別の製品であるということです。外観上の違いは「HiBy」のメーカーロゴが「HiBy」表記のものが旧型で、D/AコンバーターにDual ESS ES9218Pを採用しています。一方新しいR3Pro Saberはロゴが「HIBY」表記となっていて、D/AコンバーターもDual ESS 9219Pとなっています。
このシリーズはいずれもHiByの第一世代DAPであるR3をベースに改良されたものとなっていて、外装などはほぼ変わっておらず専用ケースも世代に関係なく流用可能です。
厳密に言えば細かな違いはあるのですが、間違い探しレベルの違いでしかありません。私自身両方に同じケースをつけてしまったので、一瞬「どっちだったっけ?」となることはあります。まあ、私の所有分ではR3Pro Saberの方に「Hi-Res Audio」ロゴがあるので割合容易に見分けられますが…。
話が逸れましたが、早速R3Pro Saberの方を見ていくことにしましょう。
細かい文字の違いなどを除けば、ほとんど外装はR3そのものです。側面の「Saber」の文字の有無や、2.5mmバランス端子周辺の加工の違いで判別は出来るという程度です。
microSDXCメモリーカードは、最近までメインのCayin N6ii/R01で使っていたパルシャット加工済みの512GBを使います。
ケースは純正品(飯田ピアノ価格594円)のPUレザーケースを使います。実はプラスチックケースは無料添付されていたのですが、やはりこちらのケースが欲しいと思いまして…。
HiBy OSモデルは使い始める前に楽曲ファイルのスキャンを行う必要があります。そこそこデータが入ったカードを使ったので結構時間を要しました。
初代R3比でオーディオ的な性能が向上
今回はそこそこきちんと音を聴こうと思い、私のメインイヤフォンである64AUDIO U4+WAGNUS. Petit NEUTRON Lilyを使いました。
試聴の相手は当然ながら初代R3です。
主に「Born For This Moment / Chicago」を聴いています。
まず、基本的な音質傾向はよく似ています。あまり変な強調感などはなく、程々のレンジ感や音場の広さを持ち、音楽を楽しむのに不都合は無い程度のラインでまとめていて、特に廉価モデルにおけるHiByの巧みさがよく出ています。
では音に違いが無いのかといわれれば、そんなことは全くありません。D/Aコンバーターチップで音が決まるという考えの方にはなかなか理解されないかも知れませんが、実はR3とR3Pro Saberとを比較すると、R3の方がD/Aコンバーターのグレードは上なのです。R3はESS ES9028Q2Mを1基搭載、R3Pro SaberはESS ES9218Pを2基搭載となっています。ES9218Pはアンプ内蔵型DACチップであり、D/Aコンバーターとしての性能はES9028Q2Mの方が明確に上です。ちなみにHiByの主力シリーズであったR6/R6ProはESS ES9028Q2Mを2基搭載していました。
ではどう違うのかというと、R3比でR3Pro Saberは全ての帯域で分解能が向上していますし、低域方向の解像度や力感が確実に1グレード上となります。低域が明瞭になることで、音場そのものの見通しも向上していて、ヴォーカルの実在感も一歩上を行きます。
元々R3もR3Pro Saberも、実売価格2万円台という格安クラスの製品で、バランス接続対応DAPとして最廉価クラスだったわけですが、特にR3Pro Saberの方はHi-Fiプレイヤーの入門機として実に良く出来ていると感じます。R3も音楽を楽しむことは出来る程度の音は出ていますが、分解能がやや甘くHi-Fiプレイヤーと呼ぶには少し抵抗が残るのです。
もっとも、R3Pro Saberにしても上位のR6やR6Proと比べれば、音場が平面的で分解能も劣っていて、クラスなりの限界はあります。それでもR3Pro Saberの方の実力であれば、初めてDAPを使う人がシングルエンド接続とバランス接続をつなぎ替えて「バランス接続って良いんだね」と感じ取れるだけの音は出ています。
なお、これはR3もR3Pro Saberも同じですが、シングルエンド接続でqdc TrESを繋いでみたところ、正直ちょっと駆動力不足かなと感じました。低域方向の深みが出ません。DAPの駆動力がそこそこあれば鳴ってくれるU4をバランス接続したことで、それなりに納得出来る音が出ていた面はあるでしょう。
クラスなりの限界は当然ありますが、現時点でまだ飯田ピアノのセールは続行されていて、R3とR3Pro Saberの間に存在していたR3Proは4桁価格の処分品が残っているほどですから、その価格でそこそこしっかりしたDAPを買えるという意味で、文句ないお買い得度だと思います。
-
購入金額
11,880円
-
購入日
2023年06月15日
-
購入場所
飯田ピアノ オンラインストア
harmankardonさん
2023/06/28
jive9821さん
2023/06/28
実はもうR6Pro IIは聴いているのですが、為替レートの影響も
あり価格に対しては少々物足りないかなと感じる出来でした。
R6Pro IIがこの出来であれば、現用のCayin N6iiを当分引っ張れ
そうと思う程度には…。
harmankardonさん
2023/06/29
jive9821さん
2023/06/29
RS6とR6Pro IIを比べると、やはりRS6の音が魅力的です。
R6Pro IIもDACなどパーツの品質は高いのですが、下位の
R6 IIIとの差が思ったほどついていないように感じました。