実家のWifi環境が、ゲームや定額制動画配信サービスの使用の絡みで、セキュリティレベルが上げられないので、スマホなど接続用のアクセスポイントとわけるために、以前実家使用していて、動画配信サービスとの相性が悪くて社宅のと交換していた無線ルーターを持ち帰り、高セキュリティな第2のアクセスポイントにすることにした。
社宅のWifi親機が、回線業者貸出の2.4GHz帯しか使えないものだけだと、さすがに「使えない」ので、社宅には別途手配することにした。
ただ、自分の持つiPhone X
やFire HD 8
などの「Wifi子機」は、Wi-Fi 5(11ac)までの対応だし、唯一Wi-Fi 6対応のノートPC=HP Pavilion Aero 13-be
は特定用途に使っており、処理能力は欲しいが「通信速度」は大していらない。
規格的には、Wi-Fi 6Eはドラフトと本チャンで技適の互換性がないなどまだゴタゴタしてるし、今は次世代規格Wi-Fi 7(IEEE 802.11be EHT)策定前夜。その対応製品発売が2024年と予想される中、現時点の最新機種を買っても、来年以降予定のスマホ更新時にまたその時点の最新規格のが欲しくなりそうだし、実家と社宅の二重生活もいつまで続くかわからないので、通信環境が異なる実家に腰を据えるならWifi環境再構築になるため、今のタイミングで高性能なのを高い金を出して買っても...ということで、「最新世代のハイエンド機」を買うのは宝の持ち腐れ/もしくは/早く飛びつきすぎて痛い目に合いそう。
かといって、「最新世代のスタンダード~廉価機」は、Wi-Fi 6(11ax)を使わないのならば、アンテナ数やストリーム数で、旧世代の高性能機にかなわないことも多いとか(とくに最近は、各社2.4GHz帯性能には力を入れていないみたいで、廉価機はアンテナ削ったりストリーム数減らしたりしてる)。
そこで、Wi-Fi 5世代のハイエンド機をリサーチしたところ、発売時は約2万円弱、つい一年前までは1万円をなかなか切らなかった機種がここ数ヶ月で暴落し、最低価格が4~5千円となっているのを見つけた。
某大陸メーカー製品のように、非使用時のインターネットへの不審なトラフィックが噂されているようなところではなく、メーカー的にも国内企業で信用できるところなので価格注視していると、税・送料込み3千円台で抑えられそうだったので購入したのが、I/O DATAのトライバンドルーターWN-TX4266GR。
※似た型番に「WN-TX4266GR-D」と「WN-TX4266GR/E」があるが、前者はmicrSDカード付属、「WN-TX4266GR/E」は簡易パッケージ品らしい。今回購入したのは無印の「WN-TX4266GR」。
1733Mbps+1733Mbps(ともに5GHz帯)+800Mbps(2.4GHz帯)のトライバンド
機能・特徴的には、W56チャンネル帯の5GHz波、W52/53チャンネル帯の5GHz波、2.4GHz波が使えるトライバンド機で、W56専用で4本、2.4GHz&5GHz(W52/53)用で4本の8本アンテナ、4ストリーム。強そうな?外部のツノ...アンテナこそないが、「360コネクト」と呼ばれる技術で周囲どこでもつながりやすいらしい。そして「ビームフォーミングW」という機能で、子機側がビームフォーミングに対応していなくても、子機との位置関係を把握し、通信強度を保つとか。
さらに、「VPNリモートアクセス」によって、出先から自宅ネットワークのNASの中身を見ることができる機能や、「リピーターモード」を使えば、他の無線ルーターの中継器としても使える...ということで、実家に帰ることになっても、一番Wifi親機と離れていて電波の弱い2階の北の寝室への電波ブーストには使えるかと。
届いてみると......、デカいw
いや、カタログの寸法値や口コミでもわかっていたが、ホワイトに光るヘアライン仕上げで、高級感はあるものの、およそ30cm×20cm、厚さも5cm以上ある筐体は、膨張色なのとあいまって場所とりすg...存在感抜群。I/O DATA伝統なのか、
ポートは下に位置しており、ケーブルの抜き差しはしづらい。スタンドがケーブルカバーも兼ねるデザインなので、LANケーブル脱着には都度スタンドを外さなければならない手間がある。ただ、有線LANの方は、一度設置してしまえば何度も抜き差しするようなものでもないと思うので、そこは割り切ってあるのかも。ケーブルは短辺側から出すことができて、開口向きが長辺側固定だったWN-G300DGRと比較すると、取り回しは改善されている。
底にはWAN/LANポートとmicroSDカードスロット、モード切替スイッチ
ルーターらしからぬ筐体は、デカくて隠せないなら映えるようにしてしまえ!という開き直り?
接続に使うSSIDなどの情報は、スタンドで隠れる足元部分にあり、スタンドを外さないと明瞭には見えないため、そこだけだと厳しい...と思われたが、2つ工夫がある。一つは文字に加えて、QRコードにより接続情報を一元表示した紙が添付されており、これはシール加工されている。なので、マニュアルに貼ったり、別途クリアケース等に入れてとっておくこともできる。さらに、マニュアルなどを取り出すのも億劫な一時接続用に?、トップのWPSボタンを隠している化粧板を取り外せば、その化粧板の裏にSSIDなどの情報がある。その化粧板は、ねじ止めや爪で止まっているわけではなく、マグネットで固定されているので、簡単に脱着できるというのが良く考えられている。
いわゆる本体記載のSSIDやPWはここにあるが、スタンドつけるとほぼ見えない
さらに磁石固定のトップの化粧板の裏にも情報が...!これ秀逸。
他の付属品は、スタンドとACアダプターと説明書類、WAN側に繋ぐのを想定したLANケーブル程度。
全付属品。箱が大きかったのは、本体が大きかっただけで、付属品はシンプル。
なお、「360コネクト」や「ビームフォーミングW」の都合なのかもしれないが、本品はスタンドを外した横置き使用は考慮されていない(その向きにおいても「脚」がないのでぐらぐらする)。
実際に使ってみたところ、明確な速度向上が観られた。設置や繋ぎ変えに要した時間経過と、WN-TX4266GRの自動設定の時間確保のため、旧無線LAN親機であるNEC Aterm WG2600HP2
とは、1~2時間ほど計測時間が異なるので、完全に公平な比較ではないが、多少ばらつきはあるものの、全体としてはスピードが上がっていることと、「インターネットの速度」はともかく、少なくともI/O データのWifi速度計測アプリ、Wi-Fiミレルで計測した時のWifi速度上昇は正しいだろうと。
Wi-Fiミレルでの測定結果、↑交換前(WG2600HP2の5GHz)
↑交換後(WN-TX4266GRの5GHz-W56-、iPhone Xで測定)
IID,Inc.のRBB SPEED TESTでの結果(WN-TX4266GRの5GHz-W56-)
iPhone X での測定結果。Pingのように短い方が良いモノは比率は逆数。
これで比較すると、Wifi通信に関しては、2.4GHz帯で133%、5GHz帯では同バンドのW52/53では257%、拡張されたW56では624%と大幅に速度が増している(WG2600HP2にはW56帯の対応がないので、同じ5GHzのW52/W53帯を「上昇率」の比較対象とした)。
次は、Wi-Fi 6対応のノートPC(HP Pavilion Aero 13-be)で、Google、USEN、BROADBAND speedtestの各種インターネットスピード計測サイトにアクセスして測定。
Google インターネット速度テスト(WN-TX4266GRの5GHz-W56-の結果)
USENのインターネット回線スピードテスト(WN-TX4266GRの5GHz-W56-の結果)
BROADBAND speedtestでの計測(WN-TX4266GRの5GHz-W56-の結果)
HP Pavilion Aero 13-beでの測定結果まとめ
またインターネットそのものもおおむね高速化しており、3年半の進化により、IPv6⇔IPv4翻訳速度などの向上があるのかもしれない(WG2600HP2が2016年10月発売に対して、WN-TX4266GRは2020年2月発売)。
一方電波強度自体はさほど変わらず⇒WiFi Analyzerで計測。
ルーターと作業スペースの間にPC2台のケースがある現状レイアウトが影響してか、どちらかと言えば2.4GHzの方が強いため、本機の2.4GHzや回線業者貸出機のそれを掴みがち。
交換前のWG2600HP2の信号強度。ルーターから2mほどだが、5GHzの方が弱い
WN-TX4266GRでの強度。2.4GHzはWG2600HP2より弱い。
また、その2.4GHzも、WG2600HP2は自機の電波が11ch、回線業者貸出機の2.4GHz波が2chときちんと住み分けられていたが、本機では当初どちらも2chに乗っかってしまうなど、制御系はイマイチ?(その後しばらくして8chに逃げたけど)。
ただ、設置初日はひっきりなしに2.4GHzに落ちて、W56帯5GHzにマニュアルで切り替えてやらなければならなかったが、翌日以降はそんなことはなく、制御が落ち着いてきており、「学習」しているフシがある。
ま、サイトの閲覧切替やダウンロードは、実感できるほど速くなったので、ちょっとこのまま、様子を見ようと思います。今の状態で落ち着くなら、約4千円での快適度向上策としては優秀です。
【WN-TX4266GR仕様】
外形寸法(スタンドおよびゴム足含む、突起部含まず):約270(W)×67(D)×218(H)mm
質量(本体のみ、スタンド・トップカバー含む):約690g
消費電力:17W(Typ)
使用温度範囲:0~40℃
使用湿度範囲:10~90%(結露しないこと)
保証期間:3年保証(無料のユーザー登録をした場合)、通常1年保証
■ルーター部
有線規格:IEEE802.3ab(1000BASE-T)、IEEE802.3u(100BASE-TX)、
IEEE802.3i(10BASE-T)
対応プロトコル:TCP/IP
伝送速度:1000Mbps、100Mbps、10Mbps
インターネットポート:RJ-45×1ポート
LANポート:RJ-45×4ポート
インターネット接続方法:IPアドレス自動取得、PPPoE認証(1セッション)、IPアドレス固定、
IPv4 over IPv6(MAP-E)、IPv4 over IPv6(DS-Lite)、DHCPv6-PD
サブネットマスク:255.255.255.0 固定
■無線LAN側ネットワーク部
無線LAN規格:IEEE802.11ac、IEEE802.11n、IEEE802.11a、IEEE802.11g、IEEE802.11b
通信周波数:2.4GHz帯、5GHz帯(W52/W53)、5GHz帯(W56)
使用チャンネル:2.4GHz帯:1-14ch
5GHz帯(W52/W53):36、40、44、48、52、56、60、64ch
5GHz帯(W56):100、104、108、112、116、
120、124、128、132、136、140ch
伝送方式:IEEE802.11ac/11n/11a/11g:直交周波数分割多重(OFDM)
IEEE802.11b:直接拡散スペクトラム拡散方式(DS-SS)
伝送速度(理論値):IEEE802.11ac:最大1733Mbps
IEEE802.11n(5GHz帯):最大600Mbps
IEEE802.11n(2.4GHz帯):最大600Mbps
IEEE802.11a/g:最大54Mbps
IEEE802.11b:最大11Mbps
アンテナ方式:内蔵アンテナ×8
(2.4GHz&5GHz(W52/W53)送受信用×4、5GHz(W56)送受信用×4)
対応プロトコル:TCP/IP(IPv6/IPv4)
無線LANセキュリティ:WPA2-PSK(TKIP/AES)、WPA-PSK(TKIP/AES)、WEP(64/128bit)
無線LAN機能:MACアドレスフィルタリング(最大32エントリー)、マルチSSID設定、
自動チャンネル設定(オートチャンネル)、送信出力制限、WPS、WMM、
リピーター、MU-MIMO、ビームフォーミング、衛星放送干渉回避設定
無線LANに接続できる機器の台数:推奨36台
明確な向上が見られる
W56帯の5GHz Wifiが掴めれば、体感できるほど速い。
ただ、iPhoneでの掴みやすさ(繋がりやすさではなく)は2.4GHz>5GHz(W52/W53)>5GHz(W56)の順。
とくに設定画面のWifi検索の際に、W56だけかなり遅れて出現するのが...
5GHz帯の「つかみ」が若干悪い
3波自動接続にしてあると、掴みやすいのは本機の2.4GHz⇒回線業者貸出機の2.4GHz⇒本機の5GHz①(W52/W53)⇒5GHz②(W56)の順。一番速いW56が掴みにくいのは....
隣の部屋に行って戻ってくるだけで2.4GHzに落ちている(前ルーターはそんなことはなかった)。
ただ、翌日以降は設定初日より「つかみ」が良くなってきているので、学習するのかしら。
ク・ソ・で・か・い
大きな筐体が見えてもよいように?白ベースにキラキラヘアラインと、ブルー系の透明なスタンドがつく、洒落たデザインだが、こういう触らない「黒子」機器は、野暮ったいデザインでもよいので、サイズが小さい方がよいし、壁掛けできたり、横置きできるようにレイアウトの自由度が高い方がよい。
裏にSSIDなどが書いてあるトップ化粧板が、磁石固定なのはナイスアイデア
昔のは本体貼付けで、TVの後ろなどに押し込んだ本体を苦労してひっくり返したり、手を伸ばしてスマホで一度撮影してから入力などしていたが、これなら「すぐとれる」のに「なくさない(なくしにくい)」。
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購入金額
3,885円
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購入日
2022年09月24日
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購入場所
ビックカメラ.com
まこりんさん
2022/10/07
だいぶ安くなりましたね~
cybercatさん
2022/10/07
4000円と思えば、来年スマホ替えて新しい帯域のが欲しくなったとしても、1ヶ月300円相当でこれだけ速くなるなら、全然アリ!