レビューメディア「ジグソー」

Gigabit Ethernetと比較しても遜色ない速度性能

自宅のネットワークは基本的に有線接続重視で構築しているのですが、接続される機器がほぼAV家電となるリビングに関しては、同じ無線ルーターを2台用意してアクセスポイント+中継器・子機という構成として、子機側にそれぞれの機器を有線で接続するという形にしています。本格的にこの構成としたのは、IEEE 802.11acのドラフト対応機器が出てきた時期からですが。以下はその用途で過去に使ってきた機器です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が持っている無線LAN搭載PCは、先日プレミアムレビューで使わせていただいたNEC VersaPro J タイプVW <VW-9>以外は全てIEEE802.11acまでの対応であり、これで十分だったわけです。

 

速度性能では大きな不満は無かったものの、WSR-2533DHP系同士で構築したこの環境は、一部Android端末等で接続してもインターネット接続が確立しないことがあるなど、やや不安定要素があることが気になっていました。何度か再接続すると繋がったりはするのですが…。

 

そこで新世代のIEEE 802.11ax対応機で手頃な性能の製品が安くなったら入れ替えても良いかな、と思っていたところで、オーディオ製品を見に行った家電量販店で妙に安くなっている製品を見つけてしまったわけです。WXR-1900DHP系の苦い経験でアンテナが外に出ている製品は避けたいと思っていたのですが、丁度アンテナ内蔵モデルとしては上位となる製品でしたので、在庫が残り2台だったということもあって勢いで買ってしまいました。BUFFALO WSR-5400AX6です。

 

 

 

 

 

 

 

 

実は既に型落ちとなっている製品ですが、現行モデルのWSR-5400AX6Sとはハードウェア的に同一で、ソフト的な改良が施されたのみである上に、それもファームウェア更新により同等に出来るとのことで、現行製品と同等と考えれば十分に安いと思ったのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、これまでかなりの台数の無線ルーターを使ってきましたが、本当にルーターとして使った製品は実は一つも無いんですよね。今回もそうですが、アクセスポイントまたは中継器としてばかり使ってきています。

 

 

 

 

 

 

 

見た目は一見スマートですが、WSR-2533DHP系と比べると占有体積は結構大きい気がします。また重量は過去の製品よりも大幅に増していて少し驚きました。恐らく発熱が大きくなって放熱のために重量がかさんでいるのではないかと思いますが…。

 

 

 

 

 

 

 

既存のWSR-2533DHPと入れ替えるわけですが、今回はBUFFALOお得意の「無線引っ越し機能」は使いませんでした。前回までは利用していたのですが、過去のどこかのタイミングで使わないSSIDもそのまま持ち越されてしまっていて、これを個別に選んで消すことが出来ないため、今回は使うSSIDだけ既存のものと同じように設定しています。

 

 

更新: 2022/03/03
通信速度

Gigabit級の実用速度を発揮

アクセスポイントとなる方のWSR-5400AX6は基幹スイッチとなるAlliedTelesis GS924XL(2階に設置)に直接接続し、子機となる方は1階リビングのTVの前に設置されます。電波強度を考えればあまり良い場所ではないのですが、設置できるスペースが限られるので仕方ありません。

 

 

 

 

 

 

 

TV接続用のPC(BIOSTAR A10N-9830E)はこの子機に接続されますので、そのPCに基幹スイッチに接続されているファイルサーバーのディスクをマウントして、Crystal Disk Markの速度を計測してみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シーケンシャルライトでは100MB/s(800Mbps)に迫る速度が出ています。電波の条件を整えてやればもう少し上がるかも知れませんが、これでも実用上十分な速度です。ちなみにファイルサーバーと同じスイッチに直接有線で繋がっているメインPCでは、さすがにもう少し速度は出ますが…。

 

 

 

 

 

 

 

完全に有線同士の環境では、もはやGigabit Ethernetの限界に達してしまっていますので、それに及ばないのはやむを得ないところでしょう。

 

A10N-9830EでUSENスピードテストを実行してみるとこんな感じです。

 

 

 

 

 

 

 

 

NTT東のフレッツネクスト・ハイスピードですので、上限が200Mbpsのプランですからこんなものでしょう。有線接続でも160~170Mbps程度で頭打ちになります。

 

リビングに置かれているノートPCは無線で中継器・子機側に繋がる状態ですので、こちらでの速度も検証しておきましょう。Skylake世代のノートPCですので、IEEE 802.11acまでの規格に対応ですから、この環境の本領を発揮するのは無理ですが、旧環境における改善幅の検証も兼ねています。

 

 

 

 

 

 

 

 

▲WSR-2533DHP2が子機の場合
▲WSR-2533DHP2が子機の場合

 

 

 

 

▲WSR-5400AX6が子機の場合
▲WSR-5400AX6が子機の場合

 

 

 

 

IEEE 802.11ax非対応機で使っても、思ったより差がつきました。はっきりと判る程度に差がつくのであれば、IEEE 802.11ac環境が少しくたびれてきたかなと思った時点で、全面的に入れ替えてしまうのも悪くはなさそうです。

更新: 2022/03/03
総評

普及価格帯の性能向上を実感

WSR-5400AX6は、これまで使ってきたWSR-2533DHP系と比較して、製品グレードの位置付けはあまり変わらないと思うのですが、性能面での差は予想よりも大きいようです。

 

特にWSR-5400AX6同士で繋いだ環境は、電波の状態がやや不安定でありながら800Mbps近い速度を記録していて、IEEE 802.11axの優位性を存分に発揮した格好です。

 

まだ使い始めたばかりですので安定度などについて言及するのは時期尚早と思いますが、WSR-2533DHP系の時代に度々発生していた、接続したデバイスがインターネットを参照できないという不具合は今のところ発生しておらず、それだけでも入れ替えた価値はあったと感じられます。

 

処分価格では1台当たり1万円を割っていた程度の普及価格帯と言える製品でこれだけの性能を発揮してくれれば文句はありません。このまま安定して使えることを願うのみです。

 

 

なお、下記購入価格は1台分であり、今回は2台購入していますので、表記価格の2倍を支払っています。

更新: 2022/03/03

Easy Meshはちょっと微妙かも

最新ファームウェアのVer 1.02で、後継モデルWSR-5400AX6Sと同等の機能を実装したことで、Easy Meshにも対応しました。

 

Easy MeshについてはBUFFALOの公式サイト等でご確認いただくとして、通常の中継機能からEasy Meshに切り替えてどのような変化があるのか検証してみました。

 

Easy Meshの導入手順はBUFFALOの方で手順が公開されていますが、実際に試してみると説明書の記載通りの動作ではなかったりと詰めの甘さが見えました。一応導入自体は出来ましたので、簡単に紹介しておきます。

 

 

 

 

▲コントローラー側にする本体でEasy Meshを有効に
▲コントローラー側にする本体でEasy Meshを有効に

 

 

 

 

 

▲エージェントが存在していればここで詳細が表示される
▲エージェントが存在していればここで詳細が表示される

 

 

 

 

▲エージェント側のMesh接続時の情報
▲エージェント側のMesh接続時の情報

 

 

 

 

ただ、元々広くない家の中ですから、接続先がシームレスに切り替わってもあまり速度差は表れなかったというのが本音です。IEEE 802.11acまでの端末ですが、iPhone XS Maxで通常の中継モードとEasy Mesh時のとの速度を家のいろいろな場所で比較してみたものの、明確な差はありませんでした。

 

そしてEasy Mesh時はどうも動作の安定性が低く、2台のWSR-5400AX6の片方で設定画面(有線接続のPCから)で遷移がタイムアウトすることがあったり、エージェント側に接続している端末がインターネット接続を見失ったりと、通常の中継モードと比較して不安定要素が明らかに増えてしまいました。

 

元々私がわざわざ中継器となる無線ルーターを接続している理由は、電波の弱いところを補うためではなく、AV家電をまとめて接続(高ビットレートの動画なども扱うので無線接続の速度をある程度必要とする)するためですので、現状のEasy Meshにメリットを見いだすことが出来ず、丸1日で元の中継モードに戻してしまいました。この設定を戻す手順も説明書通りでは無理で苦労させられました…。

 

そもそも子機モードで設定された端末の設定値を完全に出荷時に戻す方法が用意されていないような気もします。公開されている初期化手順では、ルーターモード時の設定値以外は完全にはクリアされていないようにしか見えません。

 

機能面・性能面で意欲的な製品ではあるのですが、まだまだ完成度の低さが目立つというのが本音でしょうか。過去製品と同等の機能だけ使っていれば十分満足できますので、極力今まで通りの使い方に徹することにしようと思います。

  • 購入金額

    9,878円

  • 購入日

    2022年02月27日

  • 購入場所

    ノジマ

20人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (5)

  • まこりんさん

    2022/03/01

    この機種はファームウェアのアップデートでメッシュに対応するようになったと聞きました。
    せっかく2台あるので中継じゃなくてメッシュを組んでみてはいかがでしょうか?
    メッシュだと家中どこでもになると思うし、バッファローのメッシュの効果がどれくらいあるのかも気になるので、レビュー追記があったら嬉しいなぁとか思ってる自分も居ます。

    https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1340572.html
  • jive9821さん

    2022/03/01

    > まこりん さん

    実はファームウェアのアップデートをする前に環境を作ってしまった
    ので、メッシュのことをすっかり忘れていたのです。

    設置してからアップデートして「Easy Mesh」の項目が出てきたので、
    近々一度試してみようとは思っています。
  • まこりんさん

    2022/03/03

    jive9821さん>
    そういうことだったんですね。メッシュいいですよね。
    中継だと1FのWiFiを掴んだら、その電波が途切れるまで1Fのを掴んだままで電波が途切れたら最寄りの一番強い電波を掴みなおす。
    メッシュだと、シームレスに強い電波に切り替わるのがメリットですね~
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