レビューメディア「ジグソー」

300W電源で挑む無謀と、ソケット478で挑む暴挙。

77人も居れば一人くらい変な事してもバレないだろう。
77人も居れば一人くらい変な事してもバレないだろう。

今回レビューさせて頂くのはFPSゲーム「BATTLE FIELD 3」。ダウンロードでソフトウェアを入手し、別途プロダクトキーを送付していただくというカタチだったのだが…

どうやら雪で郵便の配達が遅れてしまったらしく、他の人より1日遅れでプロダクトコードの入った封筒をポスト内部に発見。だが…ポストが凍り付いて開かない!!衛生兵!衛生兵!!!
!?…Ohまってくれよマイマム!!ヤカンのお湯はらめえええ!!!
なんとか封筒を取り出したものの封筒ぐっちょぐちょ。
なんとか封筒を取り出したものの封筒ぐっちょぐちょ。

そして我が家の回線は菱形戦車ばりの超鈍足。いつもこの手の大容量ファイルをダウンロードする時は、近所のネットカフェにノートPCを持ち込んでダウンロードしているのでさっそくGo(一応自分のPCを持ち込んでいいか&大容量ダウンロードの際はネカフェの人に確認しましょう)。

…動作環境に満たないXPマシンではインストーラのダウンロードさえさせてくれなかった!
ためしにネカフェのWindows7マシンでダウンロードしてみるも、「インストーラーを残す」設定にした筈なのにそれらしいインストーラーファイルが指定フォルダに残らない。コイツはあきらめて家でダウンロードするしかなさそうだ…という事はこれ、台数分のダウンロードする事になるの?

XB-70ヴァルキリー爆撃機もビックリのネカフェ回線なら20分で終わったダウンロードも、家の鈍足回線だと何時間かかることやら…
6時間もかかるのか…
6時間もかかるのか…

カウントダウンが…逆流する!
カウントダウンが…逆流する!

ぎゃああああああ
ぎゃああああああ

結論:自分で買うならパッケージ版だね(実測10時間10分かかった)…茶番失礼致しました。



やっと本題300W電源搭載PC編
やっと本題300W電源搭載PC編

今回私が申請したPCはXeon E3-1260LにPowerColor AX5750 1GBD5-NS3DH(HD5750のファンレス&補助電源無し版)を搭載した省エネ志向PC。搭載電源はまさかの300W(AYAKAZE)だ。



主にネットゲームをターゲットにした構成で、サウンドカードの追加とSSDの換装で一時期より増えたとはいえ、そのアイドル消費電力は50W代。静音性も重視し、グラボはファンレス、ファンは全体で3つだけ。これでもTERAなんかはイベント時の超集中状態でない限り普通にプレイが可能だ。

しかしネットゲームというのはある程度の性能があるPCならプレイできるようにしてユーザー層を広げている。ネットゲーム用としては十分な性能を持つHD5750も、BFのような最新FPSに通用するのかどうか。今回BFに向けて新調・構成変更したパーツは一切無し。
変えたのはマウスパッドだけ
変えたのはマウスパッドだけ


【構成】
CPU:Intel Xeon E3-1260L
M/B:ASRock Z68 Pro3-M
MEM:DDR3 8GB(G.Skill F3-12800CL9D-8GBSR2)
VGA:AMD Radeon HD5750(PowerColor AX5750 1GBD5-NS3DH
HDD:HGST HTS5450B9A300 2.5inch 500GB(BF3インストール)
SSD:Intel SSD510 120GB(OSのみ)
SoundCard:aim SC8000
OS:Windows 7 Ultimate 64bit
PowerHuntkey AYAKAZE300(300W 80PLUS GOLD)

純粋に自分のPCそのままでのチャレンジとなる。尚、SSD容量の関係で、データ用2.5インチHDDへBFをインストールしているのでロード時間は長め。
しかし起動したところで音が出ない。オプション設定を弄ったところ、「改良ステレオモード」をオンにしたら音が出た。珍しいサウンドカードがついているせいだろうか?



地下鉄のチュートリアルコース終了後、目的のFPS計測タイミングとなった。
E3-1260L+HD5750→32FPS
E3-1260L+HD5750→32FPS

という訳で今回のレビュー規定になる「1024*768」「画質最高」でのFPSは32。
はにゃさんのレビューの件もあり、ドライババージョン11.12と12.1の2つで計測を行ったが、SS上ではどちらも32と変化無しだったので1枚だけ。
しかし11.12より12.1の方がフレームレート変化が少なく安定しているように感じたので、最新版を入れておいて間違いないだろう。

ワットモニター読みの消費電力は、計測ポイントで88W、その後のプレイ画面でも99Wと(1024*768解像度なのもあるが)かなり低い水準に収まっている。変な話、ACアダプタでやるBF3なんてのも夢ではない。

但しHD5750(と低電圧版CPU)の組み合わせの場合、さすがに画質最高設定でのプレイには支障がでるので、画質、もしくは解像度を適宜下げる事によってある程度快適なプレイが可能といったところ。実際私はこのPCで画質を中程度、解像度1280*1024でのプレイでこの先を進めている。



クロスファイア痛PC編
クロスファイア痛PC編

では、実際問題「最高画質や高解像度である程度のFPSを維持するにはどうすりゃいいんだ」という事になってきたので、手持ちの最高性能を誇るPCを別途使って見る事にする。




先の1260Lマシンが「ローボルテージレビュー」の延長線上にあるマシンならば、こちらは「2700K速攻レビュー」の延長線にあたるPC。ケースもFPS向きな迷彩カラースペシャルモデルです。高クロックを誇る2700Kは当然として、このPCのハイライトはクロスファイア構成。

【構成】
CPU:Intel Core i7-2700K
M/B:ASUS P8Z68-V PRO/GEN3
MEM:DDR3 8GB(G.Skill F3-12800CL9D-8GBSR2)
VGA:AMD Radeon HD5770(PowerColor AX5770 1GBD5-H) 【x2 CrossFire】
HDD:Seagate Barracuda 7200.12 500GB
OS:Windows 7 Ultimate 64bit
PowerAntec TP-550AP(550W 80PLUS BRONZE)

うわっ…私のCPUクーラー、邪魔すぎ?
うわっ…私のCPUクーラー、邪魔すぎ?

これでも今私が用意できる最高の環境。単体でもHD5750のワンランク上だから期待しよう。
ならなんで最初からコッチで応募しなかったんだ、とツッコミ食らいそうなのですが、何故かこのPCにHD5770の組み合わせが安定せず、応募時点では3DMarkがフリーズする始末。なんとか今回BF3の起動にこぎつけたので掲載となった。
Core i7 2700K+HD5770 x2 Crossfire→77FPS
Core i7 2700K+HD5770 x2 Crossfire→77FPS

まあミドルハイレンジのグラフィックボードといえどクロスファイアにするとさすがに余裕がある。フルHDの最高画質はFPSが落ちてしまうものの、フルHDの高画質設定くらいなら良い感じでプレイが可能です。
Core i7 2700K+HD5770 x2 Crossfire(フルHD)
Core i7 2700K+HD5770 x2 Crossfire(フルHD)

これなら適宜画質設定を調整してやることで、マルチプレイにも耐えうる性能ではないだろうか。さすがにフルHD出力時の消費電力は300W近くなっているので相応の電源は必要。

参考までにCF無効状態(HD5770*1の場合)と比較すると、効果は確実に出ているのが判る。
Core i7 2700K+HD5770→39FPS
Core i7 2700K+HD5770→39FPS

CPUのアドバンテージがあるにも関わらず、HD5770とHD5750の差が案外少なく感じるが、今回VGAを2枚挿しっぱなしの状態でCFを停止させたのが原因で、PCIex x8動作になっていたのだ(後で気づいた)。
また解像度が高くなれば高くなるほど上位GPUのアドバンテージが増えるので、HD画質でのプレイの場合今回の計測値以上に体感差は出てくる可能性はある。


レガシーCPU編
レガシーCPU編

だめだ、火力(インパクト)が足りない。結局どちらもサンディーブリッジにHD57XXじゃねえか。なんかこうT-35重戦車的な破壊力があるパソコンはないのか?

…Prescott!お前だ、お前前に出ろ!!レガシーなソケット478マシンで戦場に殴りこみだ!



時代錯誤なマザーボードを使用しているおかげでPCIex16スロットを持つ。なのでここに先のクロスファイア構成で使用したHD5770を無理やりぶち込むというM51スーパーシャーマンもビックリなチャレンジだ。

【構成】
CPU:Intel Pentium4 3.2EGHz
M/B:BIOSTAR G31-M4
MEM:DDR2 2GB
VGA:AMD Radeon HD5770(PowerColor AX5770 1GBD5-H)
HDD:SUMSUNG HD160JJ 160GB
OS:Windows 7 Ultimate 32bit
PowerPOWER MAN IP-S450CQ2-0(450W)

Pentium4 3.2EGHz+HD5770→24FPS
Pentium4 3.2EGHz+HD5770→24FPS

…なんで24FPSも出てるんだ?コイツは7年前のシングルコアCPUだぞ?ソケット478だぞ?さすがにこの後実際のプレイ画面に行ったら15~16FPSまで低下したが、画面設定と解像度次第ではシングルプレイできないこともないぞ?

以前この不釣合いVGA構成でFF14ベンチを回したときは紙芝居状態だったのに、こちらはそうでもない。どうやらBF3は「GPU依存」が大きいようだ。
この結果から察するに、もしCore2世代くらいの自作PCを持っていているのなら、まずVGAを交換すればとりあえずプレイが可能、PC全体を更新するのはその後でも遅くは無い…かもしれない。




最後にダウンロードの際苦労させられたOriginについて触れておこう。
今回のBF3、EAの共通ポータルプログラブであるOrigin経由での起動が基本となるのだが、セーブデータを各PC間で共有する事が可能。Originの設定画面で「クラウドストレージ」の項目をオンにするだけだ。セーブデータが運営側で管理されるネットゲームに近い形式。おかげで今回試した3台はすべて同じセーブデータを使用できた。

もちろんローカル側のセーブデータを優先する事もできるので、セーブデータのバックアップという意味でも便利。しかしそれ故にクラウドサービスを使用する場合「インターネットブラウザ経由でのゲーム起動」が必要になってしまうというさながらネトゲのような面倒くささも増えてしまうのだが(ブラウザの設定によってはOriginクライアントとブラウザの2回もID認証を通すハメになる)。

もちろん「オフラインモード」という状態でBFを起動させることができるので絶対それをやる必要があるという事ではないが、その場合先のクラウドストレージなどの機能が使えなくなる。
まだまだOriginに関しては荒削りな部分が多く、ソフトを起動するのに時間がかかってしまうというのは少々いただけない。今後のアップデートを期待したいところ。


一方、ゲーム自体のグラフィックはさすがとしか言いようが無い。一瞬デモムービーかと思うようなシーンでも実は実機によるグラフィックで、そのままシームレスにゲームへ進行する様は見事。ダテに高スペックを要求しているわけではない。

もちろんグラフィック設定次第である程度要求スペックを下げる事は可能。OSがVista以降でなければならないのだが、逆を言えばVistaを搭載しているような世代の自作PCならVGA次第でプレイの可能性が残されているといえる。

しかし心配なのはソフト自体の安定性。何故か最初のHD5750環境では起動に失敗する事がある。どうやらデスクトップの透明度がオンになっているとDirectXエラーが出る場合があるようだ。
プロパティ
プロパティ

とりあえずデスクトップコンポジションを無効にする設定にしたら起動失敗はしなくなったが、コレ使わないとだめなソフトなんて久しぶりだ…

あとはゲーム中に落ちたりしない事を祈るのみ。
やっぱりかああああ
やっぱりかああああ


キャンペーン(イージー)クリア後追記とまとめ
キャンペーン(イージー)クリア後追記とまとめ

イージーモードだがなんとかエンディングまでたどり着く。シナリオや演出はいろんな意味で洋画のような雰囲気だ。
幸いゲーム中にフリーズしたのは上記SSの1回だけだったのだが、いかんせん日本語キーボードバグ(途中で画面上にコマンドプロンプトのような画面がでてキーボード操作がきかなくなる)に悩まされることに。キーボード側の設定を変えることで回避できるらしいのだが、「もう少しでクリアできるんじゃないか」という感じがして結局バグがでたらソフト自体を再起動して強引に進めてしまった。
プレイ中英語配列キーボードならなんとかなるんじゃないかと変更もしてみたが同様の現象が起きたので、やはりIME自体もモードが関わるようだ。


キャンペーン自体は戦闘機のガンナーミッションや、戦車ミッション(個人的には戦車が一番楽しかった)もあり、狙撃ありスニーキングありと一通りの事が体感できるようになっているように工夫されている。
ただ私がFPS系の操作に不慣れ&反射神経が鈍いのもあり、後半のステージは死にまくって敵の位置を覚えてパターン化するというなんか違う気がする攻略法でなんとかクリア…

それでも実質2日間でクリアできたので、「とりあえずエンデイングに行くだけ」だったらボリュームはさほど多くない。しかしこれは、操作説明や基本的なテクニックの入った「FPSへの入り口」とも言えるもの。キャンペーンで操作を覚えてからのネット対戦…ここが本番なのだろうが、まだ私のレベルでは格好の的なので知り合いとCOOPの協力プレイをしつつ感覚をつかんでいる状態だ。

FPS全般にも言える事なのだが「ゲームスキルの上達を楽しめる」タイプの人向きなゲームなのは間違いなく万人受けとは言い難い。しかし逆を言えば「挑戦しがいのあるゲーム」とも言える。

ソフト内容自体は「FPS初体験」のプレイヤーも考慮して作られており、日本語音声と字幕の安心感も含めて「とっつきにくいFPSのイメージ」はある程度払拭してくれた。確かに何をしたらいいかわからない場面もあったのだが、この程度ならミリタリー系ゲームではよくあること。

ただ、ソフトを起動させられるPCを用意することと、Originを解したゲーム起動手順の煩雑さと判りにくさ、そして一部環境で起きる不安定さがあり、別の意味でのハードルの高さを感じてしまったのもまた事実。Origin自体はまだベータ版との事なので、これからに期待しよう。

コメント (18)

  • リーダーさん

    2012/01/27

    うわあああ、まさかのソケット478・・・!
    このレビューのおかげでPCの買い換えに踏み切らない人が出てくるのか
    あるいはプレイ中にイライラして結局買い換えるのか・・・!w

    低速ネット環境ほんとつらいっすよね・・・(うちは実測下り1Mbps出ない・・・)
  • Vossさん

    2012/01/27

    セーブが運営管理っての面白いね。
    ネカフェのゲーミングPCで遊べるようにという将来的な配慮?

    しかし、低スコア対決好きですな旦那w
  • 下小川さん

    2012/01/27

    我が家の回線も時間帯によっては似たようなもんです!パッケージ版買わないとダメですね。

    さすがにPentium4は「ムリをすれば遊べない事もない」レベルなので、ネタ半分、どの程度CPUとGPUのバランスが必要なのかの実験半分です。脳内予想じゃ1桁FPS出してくれると思ったんですが、案外健闘しちゃって。
    グラフィックボードは後々PC全体組み替える時も流用しやすいので、まずグラボ買って、余裕ができたら全体更新…なんてのも十分アリな気がします。イライラして買い換える方が早いかもしれませんが!

    もちろんローカル管理のデータもあるので、クラウドモードの場合同期するかしないかの選択肢が出るようになってます。originの謳い文句的にはネカフェみたいな出先でもプレイ可能みたいな感じで書いてありますね。まだそのorigin自体が荒削りなのが惜しい所ですが。

    低スコアは私のアイデンティティです!
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