レビューメディア「ジグソー」

478の残滓にロマンを求めて

時はLGA1155全盛期、ivy bridgeの足音も聞こえてきた。

そんな中、あまりに古臭いソケットを備えたマザーが現行販売されている。
それがこの「G31-M4」だ。
G31-M4
G31-M4

あまりに素っ気無い型番からは未だに大量に出回っている「G31」チップセット搭載という事しか推測できないが、LGAXXXとは明らかに異なるクーラーマウンタとソケット形状…そう、ソケット478を備えたマザーなのだ。

チップセットがG31と(既に3世代前だが)新しく、DDR2とPCIexpressスロットを備える。古いPCのリプレースをしようとしたらむしろ478当時のDDRメモリやAGPグラフィックボードは使えない。本当に「478CPUを使いたい」という人向けマザーと言えるだろう。

メモリスロットは2つ、デュアルチャンネルDDR2 800対応、2GBモジュールを使用すれば4GB構成も可能だがそもそも478ソケットに64bit対応CPUが無いのでOSは32bitまでとなる。それでも一応Windows7に公式対応しているのもポイント。
拡張スロットはPCIexに加えPCIが2つ。PATAは一つに抑えているものの、SATA2(3G)ポートを4つ備えており、478マザーとしては破格の近代的な仕様となっている。

何より黒い基盤に赤のスロット類を配したその見た目はスタイリッシュ。ソケット以外は今風の(廉価マザーな)作りといえるだろう。しかし何故かCPUファンコネクタはPWM非対応の3pin。なぜソケットにあわせてココもレトロにしたんだ!そこはPWM4pinつけとけよ!
バックパネル
バックパネル

必要最低限に絞り、レガシー規格を切り捨てたバックパネルもある意味今風だ。但しLANは今時100Mまで。PCIスロットにはGbEカードを追加しておきたい。
ちなみに付属IOパネルは通気口が多く開いたタイプとなり、発熱の大きい478CPUの熱を逃がしやすくしている。



G31チップということで、オンボードグラフィックも供えており、軽量な3Dネットゲーム程度なら単体でもこなせる性能がある。しかしやはりここはPCIexスロットを利用して「478でどこまで戦えるのか」を見てみたい。
Pentium4 3.2E
Pentium4 3.2E

搭載するCPUははっきりいって不人気なPrescottコアを持つPentium4 3.2EGHz。


せめてNorthWood使えよ!と言われそうだが、というか持ってるが、この3.2Eは私が初自作PC用に04年に購入し、09年まで「メインPC」として使い続けた、思い入れという意味では最高のCPU。
11年頭くらいまでは、当時使用していた865マザー共々稼動状態にあったのだが、PentiumIIIマシンや知人のPCに、AGPボードやDDRメモリを回してしまったのでこの1年はプレミアムレビュー時の消費電力テスト時以外、不動状態だった。
当時使用していたマザーに再度パーツを組み込むのも考えたのだが、AGPボードとDDRメモリはロクなものが残っていなかったので、このマザーを使い遊んでみようと考えた訳だ。

Hyper6+
Hyper6+

純正リテンションを取り外し、大型クーラーHyper6+を取り付け、DDR2 800 1GBモジュールを2枚搭載。


クーラーはバックパネル式なので、先にマザーにつけるものをつけてからケースに突っ込んだ。
本来ATXが入るケースなので下部スカスカ
本来ATXが入るケースなので下部スカスカ

とりあえずこの状態でOS(XP home)インストールを開始するも、メモリがデュアルチャンネル動作しなかったので別の2枚セットに変更。どうやら片面と両面を1枚づつ挿してしまっていたようだ。

しかもよく見ると「このCPUはサポートされていません」的な表示がでて、2GHzちょいの動作になっている。…FSBが533動作だ。
TDP95Wまで対応を謳っている(逆にそれよりオーバーする一部プレスコットは使用不可)ので、D0ステッピングの3.2EGHzギリギリは動作してくれると思ったんだが…。公式ページのCPU対応表が少ないのが不安要素だったがそれがでてきてしまったのか?

一応OSのインストールは可能なようなのでその状態でOSをインストール。その後試しにBIOSアップデートをかけると3.2E(D0)が正しく動き出し、FSBも800、久々にみる「3.2GHz」の動作クロック。ヤッタネ!
ちなみにBIOS上での電圧変更は3段階の大雑把な仕様。メモリタイミングやクロックもとりあえず弄れる程度。まあ項目がはなから無いよりはいいが。

さて、消費電力(システム全体、80PLUS未認証電源使用)を見てみると…
アイドル85W
Prime95 170W
コレを見たとき何かの間違いかと思った。

いや確かに負荷時は高いのだが以前2500Tレビュー内で計測した際は、同じCPU&865マザー&80PLUSスタンダート電源、ドライブ類抜きでアイドル時130Wになっているのだ。GT220が刺さっている点を考慮しても40W以上違う数字。
消費電力グラフ(2700Kレビュー時)
消費電力グラフ(2700Kレビュー時)

当時の計測が間違っていたのか、はたまたマザー側の電圧設定が変化しているのかは今となっては判らない。但し「PentiumDよりアイドル値が高い」という当時の計測結果は、見直したほうがいいかもしれない。

さて、せっかくなので我が家最高性能のRadeonHD5770を搭載してベンチマークをとってみよう。
Pentium4 3.2EGHz + HD5770
Pentium4 3.2EGHz + HD5770

まあCM2004は最近のRadeonでも大してスコアのびないんですよね。というわけでFF14ベンチ。
お前の組み合わせはおかしい
お前の組み合わせはおかしい

さすがにHD5770をもってしても旧世代CPUはカバーできなかったか…
いやまて。
2500T内蔵グラフィックVSPentium4 3.2E+HD5770
2500T内蔵グラフィックVSPentium4 3.2E+HD5770

グラフで比べるとむしろi5より高性能に見える!

…無駄ですねソウデスネ。まあHD5770はオーバースペックとしても、動画再生支援の効くミドルロー辺りのグラボと組み合わせれば、なかなかいい感じのサブマシンになりそうだ。どの辺りまでが無駄にならないグラボか見てみるのもいいかもしれない。

ちなみに動画再生はGPU支援が入ればHD動画でもサクサク。PentiumIIIが「一応見れる」レベルだったのに対してこちらは実用的に見れるレベル。何だかんだでHT搭載の3.2GHz、まだまだ使えるさ。

ところでソフト読みの温度が長時間パンヤをプレイしても22度なんだが…いくらHyper6+に冬場のコンボといえど取得値低すぎだろう…まあ起動時から5度しか上がってないので、D0ステッピングなら案外発熱も「電気ストーブ」的なイメージからは離れていたらしい。

はっきりいって大量のPCを余らせている私が、このPentium4を復活させる意味なんて無く、明らかな無駄だけど、自分にとって思い出のCPUを復活させられたので、この4700円は大きな意味があった・・・かもね。
  • 購入金額

    4,770円

  • 購入日

    2011年12月27日

  • 購入場所

    Amazon

コメント (6)

  • とっぷりんさん

    2011/12/30

    本当はクーラーのためにレビューを仕上げたことがワカリマシタ。wwww
  • ふっけんさん

    2011/12/30

    店頭だと3980円で売っているから迷うところ(^^;
    現行のローエンドVGAと合わせるとそれなりに遊べそうですねw

    でも、ジャンクで100円で購入できる(3EGHz)CPUに、これを買うかと言われると・・・
    変態か趣味の領域ですねw
  • はにゃさん

    2011/12/30

    うちにも P4 3.2が残ってたなぁっておもったら LGA775 だった…
    Socket478の 2.8Gプレスコットはあげちゃったから、一番高速なのは CeleronD 2.93GHz...

    下小川さんの着弾日記をみてから、パソコン工房にいったら、
    GIGABYTEのG41 LGA775マザー DDR2/DDR3両対応で5000円ぐらいで売っていたから、
    一瞬買いそうになりましたが… GIGABYTEだと変態さに欠けるので止めときました。
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