今回レビューを行うAMD Ryzen(TM) 7 1700X(以降「1700X」と表記)を含むAMD Ryzen(TM)シリーズはAMD起死回生のCPUと言っても過言ではない製品です。
その証拠にintelもCore i7/i5/i3 8000シリーズを対抗として投入しておりintel一強をようやく脱しつつあります。AMDも上位版となるRyzen Threadripperシリーズの投入と性能でしのぎを削るというユーザーにとっては嬉しい状態になりつつありAMDには今後も頑張ってほしいところです。
今回のレビューでは
・ダウンクロックの検証をやってみた
敢えて1700Xでのダウンクロック(以降「DC」と表記)でこちらの運用形態で不満なく
利用できる分岐点を探りコア電圧を下げて消費電力を更に落として使えるレベルを目指します。
1700でやれば良いと言われるかもしれませんが敢えて1700Xでやる所が俺流ということで
1700Xで『省電力PC作成のための検証』を行います。
所有しているマザーボードとこの1700X個体での検証となるため同様の組み合わせを試しても
同じような結果にはならないこともあるのでご理解いただければと。
・CPUマイニングをやってみよう
Ryzen(TM)7シリーズの8コア16スレッド(以降「8C16T」)を有効活用するためには
今なら何がよいかと言われれば仮想通貨のCPUマイニングでしょう。
BitZenyという仮想通貨のCPUマイニングを例にしております。
・定番:空冷オーバークロックをやってみよう
定番です。
1700Xのオーバークロック(以降「OC」と表記)お手軽空冷OCとして設定変更部分はCPU倍率と
コア電圧に関わる設定(LLC等)のみでメモリ設定は定格でどこまで行くかを試しました。
レビューで検証に使用したPCの構成はCPU以外は以下のとおりです。
普段は1700を3.8GHzのOCをして利用しております。
【マザー】Asrock X370 Gaming K4(BIOS:P3.10)
【メモリ】DDR4-2400-8Gx4(W4U2400PS-8G,W4U2400CM-8G各2枚)
【グラボ】RX480 Gaming X 8G(MSI)BIOS変更を実施しRX580化(クロック数は1360MHz設定)
【CPUクーラー】Hyper212EVO(クーラーマスター)ファン2個
【電源】V750(クーラーマスター)
【HDD】MD04ACA200(東芝2T)WD10EZRX(WDGreen1T)
【SSD】SM961(サムソンPCIEx4G接続:256G)
【光ドライブ】WH14NS40(LG)
【拡張カード】USB3.0カード、M.2SSD変換PCI-Expressカード(SSDは未接続)
M.2SSD変換カードはUSBカードと合わせてグラボの支えに使っています。
【OS】Windows10 Pro バージョン:1709 ビルド:16299.192
・本体は写真のようにケースではなく根性試し板のアクリル版?を使用しており
空冷とは言ってもケースに収まっていないため室温が低くなると本領を発揮します。
寒気団が来る冬場においてCPUは冷えます。
その分埃の付着が多いのでファンやクーラーのフィン部分の定期的な掃除が必要です。
・CPU負荷100%状態を作り出すために仮想通貨の採掘アプリを16スレッド(以降「16T」と表記)
50%負荷状態を作り出すために8スレッド(以降「8T」と表記)で動作させます。
BitZeny用でminerd.exeというアプリを利用しています。
・電気代の算出に1KWh25.5円(2017年12月の料金より算出)を採用しました。
・負荷試験アプリとしてOCCT4.5.1を利用しております。
・消費電力の比較はPC全体のW数で行っております。
ELPA EC-05EB(エコキーパー)にて測定を行いました。
・コア電圧、コア温度、CPUパッケージ自体の消費電力はHWiNFO64にて確認しました。
・AMD Ryzen(TM) 7 1800Xは以降「1800X」と表記します。
・AMD Ryzen(TM) 7 1700は以降は「1700」と表記します。
ダウンクロックの検証をやってみた
Ryzen(TM)7シリーズは定格運用でも負荷がかかれば全コアブーストが発動しほぼストレスなく使えます。常時性能を求めるような使い方、例えばFPSシューティングゲームでのなめらかな動き、CPUマイニングで高いハッシュレートを叩き出すため少しでも処理能力をUPさせたい用途で限界ギリギリを目指すOCはありだと思います。
ではDCする場合はどうでしょうか?
一般的にDCすることで消費電力を減らし電気代削減がどれだけできるかポイントになります。
そのために省電力CPUを準備してPCを組みます。DCするだけであれば対象のCPUとマザーボードの組み合わせで設定で落とせる下限まで落として遅いレスポンスを我慢するやり方もあります。
それでは実用とは言い難いので使う側が気にならないレスポンスでありながら消費電力の削減も狙うということを1700Xでやってみようと思います。
Ryzen(TM)7シリーズのCPUの動作周波数は以下のようになります。
定格 全ブ 最大ブ XFR C6-State 消費電力
1800X 3.6GHz 3.7GHz 4.0GHz 4.1GHz 2.2GHz 95W
1700X 3.4GHz 3.5GHz 3.8GHz 3.9GHz 2.2GHz 95W
1700 3.0GHz 3.2GHz 3.7GHz 3.75GHz 1.55GHz 65W
全ブ:全コアブースト 最大ブ:2コアのみブースト XFR:1コアのみブースト
2コアのみ1コアのみのブーストに入る条件はそれぞれありますここでは割愛します。
一般的な利用では負荷が大きいとほぼ常時全コアブーストになります。
この表だけ見ればクロックを下げるのなら1700で1.55GHzです。事前検証で1700で1.6GHz(マザーボード側の制限で1.55GHz設定は不可、コア電圧は定格の1.185V)まで落としましたがこちらの普段の運用形態はカクツキが酷く実用は無理でした。
1700@1.6GHzでCPUマイニングのみ16T全稼働させた場合、1.6GHzでもi5-4690K(OC4.4GHz)の3.4Kとほぼ同じハッシュレートがでました。
その時の消費電力は約100W前後を推移しています。
1700側で続けて検証した限りではWindows10上でWeb閲覧かエディターなどの軽いアプリをひとつだけ動作させているなら2.0GHzでも我慢はできます。こちらの普段の運用形態にすると2.0GHzもたつきがでてしまい実用には厳しい事は確認できました。
こちらの運用形態はCPUマイニング(8T動作)+ネットゲーム+Web閲覧や動画再生+他にアプリを2つほど起動しており、CPU負荷はタスクマネージャーで常時75%前後です。
SSでは3.7GHz表示となっていますがCPU-Zなどでは3.8GHz表示されてました。この症状は他でも報告されたいる様子ですが原因がわかっていません。
この運用形態を前提として定格設定の1700XでDCを行い私の主観ですが運用可能なクロック数を確認します。そのクロック数で負荷試験を実施して通るBIOS設定は何V設定か、実際にCPUにかかるコア電圧(以降「コア電圧」と表記)を確認しながらどこまで下げられるかを試しました。
動作クロック数の決定
まず1700Xでの下限2.2GHzを試そうとした所、マザーボード側で設定できる下限が2.25GHzでしたので2.25GHz設定でデフォルト1.35V設定で試しました。
1700@2.0GHz時よりましですがやはりもたつきがありストレスなく運用するにはまだ無理がありました。やはり体感では3GHzを切るともたつきが目立つ印象がありますが、自分が納得できるところは最終的に2.6GHzとなりました。1700@3.8GHzとの比較で約32%のダウンです。
コア電圧を下げる
1700XはBIOS側で設定できる下限が0.9Vまででした。1700では0.875Vでしたので若干高くなっています。2.6GHzでBIOS設定でコア電圧を下げてOS起動ができることとOCCT負荷試験2種類(CPUとLINPACK各1時間パス)できる限界点を探りました。
結果は2.6GHzでBIOS設定で0.95V、LLCがLevel2設定となりました。
当初LLCをAuto(Level5)設定でやった所、コア電圧が0.880Vから0.875V付近をフラフラしてOCCTのLINPACKをかけたら5分ほどで完全フリーズして落ちました。そこでコア電圧が0.9V付近になるようにLLCをLevel2としました。
負荷試験中に何度かHWiNFO64でコア電圧を確認した限りでは0.9V-0.894Vの範囲でほぼ安定していました。LLCは負荷がかかった時にコア電圧が下がることを防ぐ設定です。Level1~5の5段階設定でAsrockマザーボードの場合は数字が小さいほうが電圧を盛る設定です。
Auto設定時はLevl5が選択されます。設定を2段落として0.925V設定ですとLLCをLevel1に設定すれば行けるとは思いますがあまりギリギリまで追い込んでしまうと何かトラブルがあった場合に余裕がなくなるためそれを避ける形を取っています。
結論として『この1700Xでは私の運用形態には2.6GHz動作を必要とし、コア電圧『0.9V』を常時安定供給させる設定が必要』ということです。
あくまでも私の環境における結果です。
こちらの運用環境での最大消費電力は1700X@2.6GHzで約250W、1700@3.8GHzでは約350Wでとなるので最大値比較で約28.5%減です。PCに関わる電気代で約100Wの削減から1日あたり0.1kWx25.5円x24hで61.2円、1ヶ月30日で最大で1836円の削減と考えれば頑張ったほうだと思います。
CPUマイニングのみの比較では1700@3.8GHzでCPUマイニング負荷100%で消費電力約183Wです。ハッシュレートが6.1kです。
コア電圧を下げた1700X@2.6GHzでのCPUマイニング16T設定、CPU負荷100%状態で約113Wです。ハッシュレートは約4.7kほどでした。
1700@3.8GHzでCPUマイニング負荷100%での消費電力約183Wと比較すると約38%減となりました。ハッシュレートは4kを切るかと思いましたが思ったほど落ちていません。
これはもともと優れた演算性能があるため2.6GHz付近のクロック数では性能ダウンの影響があまり出ていない形になっている様子です。
OSを起動しただけのデスクトップ画面ですとだいたい76W前後と80Wを切ります。
マイニングアプリを起動するとCPU負荷50%で約110W、CPU負荷100%で約113Wなのでマイニングアプリはあまり変化がありません。やはりゲームが一番電気を食っていてこちらの運用環境ですと2.6GHz時でも250W程となっています。ゲームアプリを終了させた途端に約110W(マイニングアプリが8Tのため)に落ちます。より消費電力を下げるのであればゲームをやらないの選択が必要です。
本体構成
この1700XのDC傾向がわかったのでゲームをやらないを前提でCPUマイニングをしながらWeb閲覧での利用を前提で新たに組む本体構成を考えてみます。HDD、光学ドライブ、拡張カードはなし。
電源はGold認証以上の500Wで市場評判の良いものを選択します。
CPUと電源とOSを除いた他のパーツはどこのメーカーも似たようなものですので予算次第です。
最小構成で以下のような感じでメーカーは不問とします。どのパーツもよほどのハズレを引かなければ動作しますのでメーカーや機種の指定はしておりません。
購入前に市場評判とバグ情報だけはきちんと確認することを忘れなければ大丈夫でしょう。
【マザー】B350またはA320チプセット採用のM-ATXマザーボード(TDP65Wまでのものは除外)
【メモリ】DDR4-2133または2400の4Gを2枚(DualChanel運用のため)
【グラボ】表示できればOK、GTX1030かRADEON560またはそれに準ずる製品
【CPUクーラー】Hyper212EVOクラスの冷却能力のある製品、ファンレスが可能な大型タイプ
【SSD】256G(SATA接続タイプ、予算に余裕があればNVMeタイプ)
【ケース】お好みです。ハードオフのジャンク自作PCの再利用ならコストもかかりません。
電源に余裕を持たせてTDP65Wのみ対応のマザーボードを除外したのは処理能力が必要で定格運用に切り替えても困らないようにです。消費電力を更に削るならばクーラーFANやケースFANも無い方が好ましいのですが、ファンレスが無理であればBIOS側でFANの回転数を落としても良いでしょう。
この構成では2.6GHz運用でCPUマイニングを実行して100Wから110Wあたりの消費電力を想定しています。ざっくりとですがこちらの検証環境から拡張カード、光ドライブ、HDD2台、メモリ2枚を外す形になるのでこれくらいであろうと考えています。
電気代は110W24時間運用で1ヶ月約2000円です。これが最大値になります。
更にコア電圧を下げる試みも考えましたがマザーボード側で設定できる下限が存在しています。
設定下限0.9Vのところ現状0.95V設定でCPUコアに0.9Vがかかっていますのでギリギリ手前です。
調べきれていませんが、マザーボードでコア電圧の設定範囲が広いモデルがあればそちらで下限をもう少し探ってみたいところです。Asrockのマザーボードならそれくらいできそうな期待もありましたが、私の所有しているモデルは普通のマザーボードでした。
CPUマイニングをやってみよう
タスクマネージャーを眺めていると16Tあっても普段の作業では数コアが動いている程度でCPUパワーが余っている状況です。こうした余力をうまく使えないだろうかというのがスタートでした。
GPUマイニングではなくCPUパワーで仮想通貨を採掘するCPUマイニングを2018年に入って始めたました。1700@3.8GHzで8T動作で他に複数アプリを走らせている状況ではハッシュレートは約4.5k程度です。他のアプリを止めると約5.5k程でているので1K程落ちています。4.5kですとこちらの利用している採掘プールでは1日6~7枚程度ですので1月でおよそ200枚程度となります。
この採掘量は利用するプールでも若干変動しますので参考程度に考えてください。
現在のBitZenyのレート(1/25日現在)1枚約15円なので1月で約3000円とPCの電気代の足しにはなっている感じです。CPUマイニングアプリは通常起動するとCPU負荷が100%になります。
他の処理をしつつ仮想通貨の採掘もさせたい場合はマイニングに使うスレッド数を減らすことでCPU負荷を下げることは可能です。
8T設定でCPU負荷はほぼ50%になるので残り50%を他のアプリで使う形としています。
タスクマネージャーのSSは1700X@2.6GHzのものです。
更に仮想通貨の採掘量を増やしたい場合、CPUマイニングでは複数PCでの採掘が可能なので別に専用端末を組めば普段使っているPCとあわせれ採掘量が増やせ電気代稼ぎもはかどります。
この専用端末に省電力設定の1700Xを割り当て採掘量を増やしたい時は定格起動すれば負荷が100%なので勝手に全コアブーストして3.5GHzで採掘してくれます。
それでも足りなければOCでの採掘というやり方も可能になります。しかし動作クロック数が上がれば電気代が上昇するので、採掘量を増やしたい場合は2017/12/15リリース版に切り替える手があります。1700@3.8GHzの事前検証で16T設定ですと7.2kと旧版と比較して1kほどハッシュレートが高くなっています。
SSは新バージョンで1700X@2.6GHzでの16Tでの採掘です。ハッシュレートは約5.1kです。
旧版から約0.4kの上昇です。
動作周波数が下がっているのでハッシュレートは0.1~0.2k程度の上昇と予想していたので0.4kは少し驚きました。
CPUマイニングはアプリ側でスレッド数も切り替えられるので運用形態に合わせた採掘も可能です。
PCの電源が入っている間だけでも電気代稼ぎやPC本体にかかった資金回収ができると考えればやらない手はないと思います。
定番:空冷OCをやってみよう
メモリをW4U2400CM-8G2枚16Gbyteを定格設定の条件でOCの起動上限と簡易負荷試験が通るのはどこまでか確認しました。
常用を探るのではないのでコア電圧とクロック数だけの変更にとどめております。今シーズン最強?の寒気団が来ている影響で室温は約10度程です。写真では9.5度ですが10度との間を行ったり来たりしていました。
こちらの検証では
・動作クロック数は3.9GHzから0.1GHzずつUPさせてテストする
・電源ONでWindows10が起動してログインできること
・起動できた場合は負荷試験としてOCCT-LINPACKをかけて15分間を実施し落ちないかのチェック
負荷テストを15分としたのはOCCT-LINPACKは12分前後で見た目上ですが、温度変化から負荷試験のフェーズが終了(CPU温度が下がる)し15分あたりですと次のフェーズのテスト中です。
ここでキャンセルをかけてフリーズしないかのチェックも行うため15分としています。
この負荷試験だけですとOCCTによる連続1時間負荷試験や他のアプリでの負荷試験で落ちる場合があるため参考程度にする必要があります。あくまでも簡易試験ですのでこの個体での最終的な常用空冷OCは後日時間のある時に追記という形で掲載します。
テストで使用しているマザーボードは他のATXサイズのX370マザーボードよりもVRMのフェーズ数が少ないためBIOS設定で1.4Vまでしか検証はしていません。
実際には3.8GHzでも起動テストを行いましたがCINEBENCH-R15のデータの採取のみしています。
結果
簡易負荷試験は4.0GHzまで通りました。4.0GHzでのBIOS設定電圧は1.325Vです。3.9GHzは1.275Vと1700@3.8GHzで常用している設定の1.2875Vより低い電圧で簡易試験をパスしました。
4.1GHzは設定電圧1.4VでBIOSのPOST中にリスタートしたりWindows10の起動中で落ちたのでそれ以上は試していません。
3.9GHzでは当初Auto設定のLevel5でHWiNFO64でモニターしていたところCPUに実際にかかる電圧が1.212V付近を推移しており、負荷テストもギリギリ落ちないような状況でした。もう少し余裕を持たせて常時CPUに1.25VがかかるLevel3で負荷試験を実施したところフリーズ落ちしたため、Level5は落ちると判断しLevel2で1.262V付近の電圧がかかる設定で落ち着きました。
4.0GHzは起動はしても負荷試験はパスしないだろうと考えていたのですが、1.325V設定でLLCはLevel4で1.262V付近を推移し時々プチフリがあったのでコアに1.300V位がかかる設定であれば安定しそうです。3.9GHz時でコア温度は52.6度、4.0GHz時のコア温度は56.1度と室温10度で冷えている状況だからこそと考えられます。1700@3.8GHzで夏場にLINPACKを実行した時はCPU(Tdie)の数値は71度付近でした。夏場は室温が30度以上になるので仮に設定を詰め他の負荷試験が通っても空冷である限りは冬場限定となるでしょう。
CINEBENCH-R15 マルチスレッドベンチマーク結果
1700X@2.6GHzDC、定格時(3.4GHz表示ですが実際には3.5GHz全コアブースト)、OC起動テスト(メモリDDR4-2400時)での3.8GHz、3.9GHz、4.0GHz、それ以外に以前に1700で測定したデータ、intel Xeon X5650とCore i7-3930などのintelCPUの数値はCINEBENCH-R15はインストール時にあった分です。ライバルとなる6C12TのCore i7-8700Kの実測データはないため掲載できません。
他の方のレビューやOC記事などを見る限り定格でX5650@2.66GHz、5GHzOCで1700X@3.8GHzとほぼ同等の数値となっていました。
1700Xの2.6GHzが健闘していることがわかります。
偶然ですが1700@3.8GHzと1700X@3.9GHzで1660という数値がでました。
メモリが1700@3.8GHzはDDR4-2666設定、1700X@3.9GHzはDDR4-2400設定でした。
高速なメモリを使えば0.1GHz位の差は埋められるという結果になっています。
空冷OCで設定を詰めてみる
この1700Xでの上限はどこまでかを詰めてみました。
前回の簡易テストからメモリ構成を普段運用している形態にしたのでW4U2400CM-8Gx2の16GbyteからW4U2400PS-8Gx2,W4U2400CM-8Gx2の4枚32Gbyte構成となっております。
当初メモリもマザーボードの上限であるDDR4-2933設定で挑戦しましたが、3.8GHzでOCCTをかけて開始1分程度でエラーを吐いて終了。コア電圧やメモリ周りの電圧を上げても同じでしたので
メモリOCは上限のDDR4-2993は無理と判断し2666付近で負荷試験が通る動作周波数を探す形になりました。負荷試験はこちらの定番であるOCCT-CPUとLINPACKの試験で連続一時間以上パスすることが条件で設定を詰めました。結論から行くと上限は4.0GHzまでは前回の簡易テストと同じでした。室温は先日より少し高く12度程です。
4.1GHzはWindows10にログインできましたがCINEBENCH-R15実行中でリセットがかかりました。
クロック数 メモリOC BIOS設定電圧 LLC設定 コア電圧 SOC電圧 最大CPU温度
4.0GHz DDR4-2666 1.325V Level4 1.269V 1.000V 69.4度(89.4度)
メモリのレイテンシは18-18-18-18-44とかなりゆるくProcODT53.8Ω、Command-Rateは2Tです。メモリ電圧は1.35V設定。CPU最大温度のカッコの中は20度のオフセット分です。
LLCのレベルを上げてコア電圧に1.3V以上かけてあるとOCCT-LINPACKは通りますが、OCCT-CPUが1時間持ちません。30分程度でブラックアウトしたりフリーズしてしまいます。
コア電圧を1.37Vまで上げてみましたが症状が変わらず、LLCのレベルを下げて1.3V以上にならないようにした途端に安定しました。この設定でOCCTーLINPACK試験1時間をやり直してパスしたので問題ないと判断しています。安定動作に1.4Vを必要としていないので発熱は抑えられている方だと考えられますが、4.0GHzはOCCT-LINPACK試験中のピーク温度が70度寸前、VRMも70度でしたので夏場の空冷常用は無理と判断しました。
ベンチマーク試験
CINEBENCH-R15、FF14紅蓮の解放者(1920x1080で最高設定)、PSO2キャラクリベンチ(設定6)、CPU-Z付属(カッコ内はシングル)を実施しました。
ベンチマークは1700XでOCCT-CPUとLINPACKをパスした3.8GHzと3.9GHzでも測定しています。
クロック数 CINEBENCH FF14 PSO2 CPU-Zbench メモリOC
3.8GHz 1667 11891 33831 4679.8(435.8) DDR4-2800
3.9GHz 1688 11873 34079 4816.5(442.9) DDR4-2666
4.0GHz 1730 11916 34576 4946.6(457.9) DDR4-2666
3.8GHzはメモリOCがDDR4-2800である影響もあってか3.8GHzから4.0GHzであまり大きな差がでていません。負荷試験での発熱を考えると4.0GHzで運用するメリットがあまり見いだせない結果になったのがちょっと残念です。
終わりに
1700ベースのPCを昨年4月に導入しそれまで利用していたCore i5-4690K@4.4GHzから切り替えて
一番驚いたのは定格でありながらOCした4690Kよりもパワフルな点でした。
導入してしばらくは定番のベンチマークテストを走らせて楽しんでおりました。
今回1700Xのレビューを行うためにテストをして改て性能は十分すぎるCPUだなと思いました。
2018年中には後継CPUの発売もあるので価格も今後はもっと安くなってくるでしょう。
そうなればコストパフォーマンスはさらに上がります。
PCを組み替えたい、新規で組んでみよう考えている方はRyzen(TM)7シリーズのCPUで組んでみましょう。そして是非そのCPUパワーを堪能してほしいと思います。
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