AMD Ryzen 7 1700X
-仕様
CPUコア数 8
スレッド数 16
基本クロック速度 3.4GHz
最大ターボ・コア速度 3.8GHz
L1キャッシュ合計 768KB
L2キャッシュ合計 4MB
L3キャッシュ合計 16MB
アンロック はい
パッケージ AM4
PCI Expressバージョン PCIe 3.0
サーマル・ソリューション Not included (注:CPUクーラーは添付していない)
デフォルトTDP/TDP 95W
Max Temps 95℃
-メモリー
最大メモリー速度 2667MHz
メモリータイプ DDR4
メモリー・チャネル 2
-主な特長
サポートされるテクノロジー
AMD Ryzen Masterユーティリティ
(オーバークロック制御用AMD Ryzen Masterユーティリティ) 注:現在はWindowsのみ対応
AMD SenseMIテクノロジー
Pure Power
スマート・センサーの高度なグリッドでCPU温度、リソース使用率、消費電力をモニタリングして、クールで静かに作動します。AMD Ryzenプロセッサーは、消費電力をインテリジェントに最適化する回路を搭載、さらに、14nm FinFETの高度な製造テクノロジーで電力要件を抑えます。
Precision Boost
プロセッサーのパフォーマンスをリアルタイムで微調整、ゲームやアプリに必要なパフォーマンス要件に対応。
・クロック速度を25MHz単位で調整して、パフォーマンスを最適化
・作業を中断することなく、クロック速度を変更可能
(注:負荷がかかっているCPUコアが2個以下の場合にCPU電圧やクロック周波数を増加させる。)
拡張周波数帯域 XFR(Extended Frequency Range)
高品質のシステムとプロセッサー冷却により、ゲームファンの望むパフォーマンスが自動で実現。
・通常のPrecsion Boost制限をはるかに超えたCPU速度を達成
・空気、水、LN2の冷却ソリューションに対応したクロック速度
・完全自動化、ユーザー入力不要
・指定のAMD Ryzenプロセッサーで利用可能
CPU温度に応じて、Precision BoostからさらにCPU電圧とクロック周波数を増加させる。XモデルはPrecsion Boostからさらに100MHz、Xなしモデルは50MHzまで引き上げられる。
Neural Net Prediciton / Smart Prefetch:
ワークフローやキャッシュ管理を最適化する内蔵AI
Neural Net Predicition
すべてのAMD Ryzenプロセッサーで本格的なAIに人工ニューラル・ネットワークを実装、アプリケーションを把握してワークフローの次のステップをリアルタイム予測。この「予測能力」がアプリやゲームをプロセッサー内の最も効率的なバスに誘導、パフォーマンスを向上させます。
Smart Prefetch
洗練された学習アルゴリズムが、アプリケーションの仕組みを把握、必要なデータを予測、Smart Prefetchが、必須データをAMD Ryzenプロセッサーにプリロード、高速かつ応答性に優れた演算処理を実現します。
全モデルでオーバークロック対応チップセットと組み合わせてクロック倍率を変更可能
AMD 仮想化
「Zen」コア アーキテクチャー
高い性能と効率を実現する新基準
AMDの高性能x86コア、「Zen」アーキテクチャーは、消費電力はそのままで、前世代のAMDコア(Piledriver)と比べてIPC(1クロックサイクルあたりの実行命令数)が52%以上向上しています。
非常に優れた演算効率
「Zen」コアは、2017年以降に登場する次世代の高性能AMDコンピューティング製品をリードする、まったく新しい「クリーン・シート」x86プロセッサー設計です。「Zen」は最新の高スループット発想と省エネ設計技術を組み合わせることで、バランスがよく汎用性の高いアーキテクチャーを実現。デスクトップ、ラップトップ、データセンター、スーパーコンピューター、いずれにおいても最適です。
次世代アプリケーション向けの性能と効率
クラウド・コンピューティングや企業の生産性、臨場感のある視覚体験、ゲームプレイ、データ・セキュリティにおいて新たな領域が広がり、最大の消費電力効率とさらなるコンピューティング性能が求められるようになります。こうしたニーズに高性能の実行エンジン、大容量のキャッシュ、そして優れたマルチスレッド機能で応えるべく、AMDのエンジニアが作り上げたのが新しい「Zen」コアなのです。
「Zen」マイクロアーキテクチャーについて
「Zen」コアは、最適なコンピューティング性能を実現するため、利用可能なマイクロアーキテクチャー・リソースを効率よく使用するよう設計、当社の従来型アーキテクチャーと比べ、3階層のキャッシュ・システムと新開発のプリフェッチ・アルゴリズムがキャッシュと実行エンジンのスループットを劇的に向上させます。
アーキテクチャーの特長
コアあたりスレッド2つ(SMT:Simultaneous Multithreading)
最大20MBの統合キャッシュ
高精度の帯域ブースト
まったく新しいマイクロOPキャッシュ
セキュリティを保証する2つのAESユニット
高効率のFinFETトランジスター
Branch Prediction
Advanced Data Prefetching
Reduced Cache Latencies
-基盤
製品シリーズ AMD Ryzen
製品ライン AMD Ryzen 7
プラットフォーム Desktop
OPN PIB YD170XBCAEWOF
発売日 2017/03/02 (注:日本では日本時間2017/03/03に発売された)
ECCにも対応 (注:勿論メモリだけでなくマザーボード側もECCをサポートしている必要あり)
命令セット拡張 - MMX, SSE, SSE2, SSE3, SSSE3, SSE4.1, SSE4.2, AES, CLMUL, AVX, AVX2, FMA, CVT16/F16C, ABM, BMI1, BMI2, SHA
トランジスタ数:48億個
ダイサイズ:192mm
参考サイト
https://ja.wikipedia.org/wiki/Ryzen
http://www.amd.com/ja/products/cpu/amd-ryzen-7-1700x
開封してみると、ほぼがらんどうでクーラーは添付されていません。
Ryzen 7 1700Xと1800Xにはリテールクーラーが添付されていないとのこと。
ドライバーでネジ止めするタイプのAM4対応のCPUクーラーか、AM3用樹脂マウンタの爪に固定するタイプのCPUクーラーが別途必要です。
RyzenステッカーとCPU、マニュアルが入った小箱が箱内部の端っこのほうに収まっていました。
AM4 1331 pin う~ん、ふつくしい。
LGAじゃないので取扱い時にはピンを曲げないように注意が必要です。
万が一うっかり曲げてしまった場合は自己責任でシャープペンシル先端のパイプ部分を利用してそーっと修正する方法もあります。
ASRock Fatal1ty X370 Gaming K4 に搭載したところ
サーマルグリスは
ザワード MX-4/20g を用いました。
マザーボードは
ASRock Fatal1ty X370 Gaming K4
CPUクーラーは
Noctua NH-D15 SE-AM4
メモリは
玄人志向 W4U2666BMT-8G
GPUは
MSI GT710 2GD3H LP
電源は
ケース(?)は
PC用テストボード MANAITAN-X
でテストします。
TDP95WモデルのRyzenは UEFI BIOSでのCPU温度表示が20℃高い点に注意
私は元々Ryzen 7 1700ユーザーなのですが、1700Xに換装してUEFI画面を見てみたら驚きました!
CPU温度が50℃超えているじゃないですか!
うっそー?!!!
1700だと40~43℃程度だったのに!
もしかして、CPUクーラー取付とグリス塗布に失敗したのでしょうか?
そんなはずは無いんだけどなぁ……
と、ググってみたら
TDP 95Wモデルの1700Xと1800XはCPU内蔵温度センサー数値が "+20℃"オフセットされているみたいですね。UEFI BIOSのハードウェア画面に表示されるCPU温度は20℃高く表示される模様です。
UEFI BIOS上でCPU温度が55.0℃と表示されている場合-20℃ずらして実際は35.0℃だって事になりますね。
なお、BIOSアップデートされてOS上のアプリで読み取ったCPU温度は現在正しく表示されるとのこと。
ビビりました~!
CPUクーラー付け直ししなくてよかったです(^^;
~8コア16スレッド 戦いは数だよ兄貴!~ Linuxでのベンチマーク
USBメモリ:Transcend 8GB JF780 (USBメモリからのブート用)
OS:Linux UbuntuMate 17.10 desktop amd64 (現在は17.10.1が出ています)
比較データの為の対戦相手
Core i7 2600K 4C8T
Xeon E3-1225v3(SR14U) 4C8T
Xeon E5-2690 8C16T
Xeon E5-2667v3 8C16T
Opteron 6276 4-way 64C64T
公正に集計するために各マシンで UbuntuMate 17.10 desktop amd64 を入れたUSBメモリからブートしてベンチマークを走らせる。念のため2回ずつ行って良い方のスコアを採用。
使用したカーネル:
kernel Linux 4.13.0-16-generic x86_64, MATE 1.18.0
使用したベンチマークアプリ:
System Profiler and Benchmark
CPU Blowfish
CPU CryptHash
CPU Fibonacci
CPU N-Queens
CPU Zlib
FPU FFT
FPU Raytracing
CPU Blowfish ふぐ 暗号化および復号化処理 (数値が低い方が好成績)
Opteron 6276 4-way は64コアだけあってぶっ飛んでますね。
Ryzen 7 1700X と 1700 は Xeon E5-2667v3 を抑えているのが流石です。
CPU CryptHash 暗号学的ハッシュ関数 (数値が高い方が好成績)
またしてもOpteron 6276 4-way がダントツです。
次点でRyzen 7 1700X は Xeon E5-2667v3 を抑えています。
CPU Fibonacci フィボナッチ数 (数値が低い方が好成績)
このベンチはAMD製品にとってはやや苦手みたいですね。
CPU N-Queens Nクイーン問題 (数値が低い方が好成績)
Ryzen 7 1700Xがトップです! かなりの計算能力!
CPU Zlib データ圧縮 (数値が高い方が好成績) ※マルチスレッド対応
Ryzen 7 1700X がOpteron 6276 4-way や Xeon E5-2667v3を上回ってトップです。
圧縮ファイル作成には威力を発揮する事でしょう。
FPU FFT 浮動小数点演算を用いた高速フーリエ変換 (数値が低い方が好成績)
Ryzenの浮動小数点性能はSandyBridgeには勝てますが、Haswell以降には敵わないみたいですね。
FPU Raytracing 浮動小数点演算を用いたレイトレーシング (数値が低い方が好成績)
※マルチスレッド対応
ZenコアになってFPU演算器を大型化する事でだいぶ改良しましたが、まだまだですね。AMD的にFPU演算はGPUでやらせればいいじゃんという考え方らしいです。
おまけ BOINC ベンチ
(注:このスコアは実使用環境の為、WindowsとUbuntuMate 17.10実インストール環境が混載しています。あくまでも参考程度に)
CPU 浮動小数点演算 - 整数値演算 OS
Ryzen 7 1700X 4580 - 109713 UbuntuMate 17.10.1
Ryzen 7 1700 4178 - 100393 UbuntuMate 17.10
Opteron 6276 x4 2296 - 18701 UbuntuMate 17.10
Xeon E5-2667v3 4266 - 15460 Windows10
Xeon E3-1225v3 4047 - 11630 Windows8.1
Core i7 2600K 3961 - 11295 Windows10
Xeon E5-2690 3924 - 11030 Windows10
Ryzen 7 は整数値演算性能がダントツで素晴らしいですね。
上記ベンチではやや奮わなかった1700Xの浮動小数点演算性能もBOINCベンチでは良さげです。
でも実感的にはAVX2使うようなヘヴィかつ長時間演算する用途だとHaswell以降には敵わないかも。
製造週違いでLinux + Ryzen特有のSEGV問題は解決するのか?
今回のプレミアムレビュー品は2017年42週Lot品です!
Linux+Ryzenの組合せでSEGVが出る場合、33週以降Lot品を用いれば解決するとのこと。
数時間経ってもLOGにはSEGV NGが検出されず
一応、以前にRyzen 7 1700のレビューでも用いたSEGVエラーが調べる為のアプリを走らせてはみましたが、数時間経っても出る様子がありませんでした。
これなら一安心。
新規設計ならではの強み
巷ではメルトダウンやスペクターの脆弱性で騒がれていますが、AMDのRyzenシリーズはIntel製品とは別のアーキテクチャのためメルトダウンに関しては全く心配無用。
とはいえスペクターのみ要対応ですがパッチをあててもIntel製品ほど性能低下せず、軽微な範囲で済む模様です。
現時点でCPUを買うならAMDのRyzenは安心して買えるCPUとして選択肢に入ることでしょう。
総評
8コア16スレッドが動いている システムモニター
なかなか壮観なものがあります。
AVX、AVX2(FMA3)演算器は128bit x2に留めているとはいえIPCが改善されて、Sandy Bridge-E 8コア16スレッド製品を駆逐する性能を持つまでになった
Ryzen シリーズ
まさしく
復活の祝詞を詠め!
反逆の狼煙を上げろ!!
の謳い文句に相応しいCPUです。
CPUが強いAMDが帰ってきた!
現在、BOINC WCGridを24時間走らせていますが今のところ正常に稼働しています。
でも出来れば、AVX2(256bit)、AVX-512辺りにも強力に対応してPrimeGridのLLR系の演算もコンスタントにこなせる様になって欲しいなぁ。AVX2(256bit)演算中のクロックは3GHz程度でも上等だから。
現在の Ryzen 7 1700X
CPU: Ryzen 7 1700X
Cooler: NH-D15 SE-AM4
MB: ASRock Fatal1ty X370 Gaming K4
OS: Ubuntu MATE 18.04.1 64bit
上記環境でBOINC WCGridを回していますが
バラック置きもあってかCPUTIN温度は50℃未満で収まっていて、とにかくよく回るなーという印象。
マザボBIOS、Linux 64bitカーネルのLIBやアプリ周りのRyzen最適化等が進んだおかげでしょうか?
気付いたらいつの間にか、なんと Ryzen 7 1700 Win10 64bitの約2倍ほど速く演算処理しているのです!
これホントに1ランク違いのCPUなの?って感じ。
Ryzen 7 1700X with Ubuntu MATE 18.04.1 64bit
約32~49分
Ryzen 7 1700 with Win10 64bit
約60~102分
TDP 95Wと65Wの違いとは言え、ここまで差が出るんですね……
メモリのクロックも2667MHz品と容量やSPDを抜きにすれば両方ほぼ同じスペックのはずなんですが。
うちの初期Ryzen 7 1700 も 新しいLinux 64bitカーネルで回したいのですが、SEGVが出るLot個体ですので諦めるしかなさそうです。
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。