2017年そのコスパの良さでどったんばったん大騒ぎになったRYZENシリーズ。
このAMD Ryzen(TM) 7 1700X(3.4/3.8GHz)はAM4ソケット用の上から2番目のモデルで、1800Xより0.2GHzクロックが下がるが1700無印よりはだいぶ高い。
1800X…ベース3.6GHz / ブースト4.0GHz / XFR4.1GHz / TDP95W / クーラー無
1700X…ベース3.4GHz / ブースト3.8GHz / XFR3.9GHz / TDP95W / クーラー無
1700 …ベース3.0GHz / ブースト3.7GHz / XFR3.75GHz / TD65W / クーラー付属
しかし1700(またそれ以下のモデルも)倍率アンロックでオーバークロック可能。TDPは1800X&1700Xが95W、1700無印が65Wと差別化されている上に1700無印にはカッコイイCPUクーラーが付属するのが強み。最上位の1800Xと低TDPの1700無印に挟まれ存在感が薄いのがこの1700X。
まあそれでも8C16TのRYZENであることに変わりはない。以前だったらIntel X99等のハイエンドプラットフォームを買わなければ手に入らなかったようなスペック。拡張カード帯域やメモリ等の差があるのは事実だが、同じ8C16Tであるi7 5960Xは2014年の発売当時12万円+マザーボードはベーシックなもので3万円以上だった。1700Xは4万円にベーシックなマザーなら1万円前後から手に入る。当然Intel現行に対しても価格面で有利。
久々にピンタイプのCPU。AMDというとBulldozer系のイメージが強かったのとIntelですら最初のコンシューマ向け8C16Tの5960Xが定格クロックの低さで癖のあるCPUだったので、正直「すごいすごいと聞いているけどこの値段で8C16Tとかそこまでじゃないだろう」と思ってた。だけどうん、シングルスレッド性能含めてすごくいいバランス。これが4万円で買える時代なんですか。
使用環境
今回は久々に1台新規で組み立て。RYZEN7の強みはやはりコストパフォーマンスと言いたいが、個人的には8C16Tでありながらシンプルな廉価マザーやMicroATXの選択肢が広く、更にITXのラインナップもあるということも魅力的。
8C16TのITXマシンとかASRockの変態X99/X299マザー使わないと作れなかった恐ろしい代物が普通に作れちゃう。じゃあITXですよね!
…すみません、今回はATXです。自分で以前「RYZEN組むならハイパワーITXだよな!!!」とかいってたというかそのつもりだったのに。このMSI X370 GAMING M7 ACKを選んだ理由は…
・見た目がカッコイイし光る(最大要件)(超重要)
・X370マザーとしては後発で完成度が高くなっていそう
・「トマホーカー」という単語まで産んだ名機?B350 TOMAHAWKと同じMSI製
・ATXケースのTHETISを使いたかった
といったところ。しかしコイツの難点はその販売価格。3万円とかX99マザー買ったときと同じような値段だよ。RYZENのメリットであるコスパを潰しに来てしまうし、そもそもX370チップとB350チップの実用面での差異がSLIくらいとかいう状況なので恐らくB350搭載ミドルレンジモデルを狙うのが賢い。とまほーくとか。
というわけでケースは使ってみたかったRAIJINTEKのTHETIS WINDOWを使用。
倒立レイアウトによりATXケースとしては異常な小ささを実現しつつ大き目のグラボやクーラーが入る楽しい箱。冷却性は一般的なケースより少し劣るかな?といったところ。
メモリはDDR4。最近の高騰がRYZENのコスパに水を挿しているのが惜しい。今回はX99向けに発売された初期のDDR4を流用。初期のDDR4は相性が出やすいらしいのだが片面実装の低容量4GBモジュールというのもあり、4枚での2666動作で安定している。
RYZEN1xxx系はグラフィック機能を持たないのでグラボは必須。最近の高騰がRYZENのコスパに(以下略)。当然グラフィック出力端子を持つマザーでもそれは飾りになる。今回はRX460で。
最初に書いた通りクーラーは付属せず箱がすっからかん。
AM4対応クーラーか、純正リテンションのツメ固定式クーラーが必要。そういう意味でもカッコイイクーラーが付属する1700無印のアドバンテージはでかい。今回はマザーにあわせてMSI Core FrozerLを使用。12cmサイドフローとしては高い冷却力を持つ。
尚MSI X370 GAMING M7 ACKはAM3のクーラーも搭載できるタイプだった。
ほかにもASUSの上位モデルでみられるAM3互換穴だが、どちらもオンボード画面出力が無いマザーなので、その辺の配線の関係でクーラー穴位置を変えざるを得なかったという話は本当のようだ。
電源ユニットは600Wと自作向けでは一般的な容量だが、RX460との組み合わせなら余裕がある。今回ストレージはSATAのSSDを使用したが、当然X370はM.2SSDも使用できる。
なんかAMD機に不釣り合いなメーカーのSSD使ってる気がするがきのせい。
OSはWindows10 64bit。当然導入はスムーズで特に問題もない。ただ一点だけ確認しておきたいのが電源プロファイル。
RYZENはWindowsの電源プロファイルを最適化したものにするよう推奨されているが、MSIからダウンロードしたチップセットドライバを入れたら自動的にそれがインストールされ適応されていたので確認だけでOKだった。
というわけでできあがり。
うーん最近のパーツは単に組んだだけで中身がカッコイイですね。ステキ。
4万円クラスとは思えないハイパワー
ビジュアルはなんかFXやPhenomといったいつものAMDのビジュアル。
RYZENのロゴアピールが無ければコイツが8C16Tの化け物だなんて判らない。信じられない。
つけてびっくり本当にタスクマネージャずらりですよ。5960Xと同じ8C16T。
ベンチに関しては色々でているのでさっくりとCPUZの簡易ベンチスコア。以前のデータと揃えるために古いバージョンのCPU-Z(1.74)を使用している点に注意。
何故か6950X以上というトンデモスコアになってしまった。どうも古いCPUZベンチはRYZENのスコアが上がりやすいらしい。ただそれを差し引いても過去のCPUと比べると格の違いを見せつけているのは事実。さすがに6950X越えはおかしいだろうと現行版CPU-Z(1.82)で比較すると…
Core i7 6950X Single 428 / Multi 5051
RYZEN7 1700X Single 430 / Multi 4355
うん、さすがにマルチスレッド逆転はおかしいと思ったよ。しかしコアあたりの性能は6950X…Broadwell-E世代に匹敵しているのは間違いないし5960Xは超える。
体感速度はどうかというと、大変語彙力のない感想で申し訳ないが速い。自分は普段6950Xを使っているのだが、それと遜色のない使用感(むしろOSがクリーンな状態なので軽く感じてしまうほど)。また5960Xと比べると速く感じる。恐らく5960Xが定格状態だと3GHzでターボブーストの挙動も積極的にクロックを上げないという挙動のせい。1700X(及び6950X)はブーストクロックに積極的に上げる挙動を示し、そのレスポンスもいい。
オーバークロック 4GHzまで回るが常用は3.8~3.9GHzか?
RYZENシリーズは倍率アンロック(X型番はXFR時の挙動が異なるというだけでX無しでも倍率を変更できる)なので対応マザーがあれば手軽にOCを設定できる。
今回はUEFIからのOC設定を試してみた…といってもいじる項目は倍率とコア電圧・Load Line Calibration(以下LLC)の3点のみ。倍率を指定すると全コアそのクロックに指定される。動作コア数毎の設定は無くシンプル。0.25倍単位で調整可能。
コア電圧は1.35Vまでが安全圏(当然保証はないが)らしい。ただAutoモードでも結構回る。また電圧を指定した場合も、負荷時には指定した電圧以上の値をCPU-Zが表示することもあったので1.33Vくらいまでの指定が安心。
またLLCもOC時の安定性に結び付く。9段階と細かく指定できるのだがグラフを見るとかなり積極的に電圧を維持というかなんか上がっているモードもある。負荷時に指定以上の電圧表示されたのはこの辺かもしれない。
使用BIOSはAGESA Code 1.0.0.6bの7A35v12。何故かAGESA Code 1.1.0.1の7A35v15にしたら電圧指定の幅が狭まって1.3V未満の指定ができなくなったので挙動が変わっているようだ。
●定格動作(3.4GHz ブースト3.8GHz XFR3.9GHz)Vcore:Auto(CPUZ表示最大1.288)
CPU-Z single 430
CPU-Z multi 4355
CINEBENCH 1555cb
CINEBENCH消費電力 260W
特に設定をいじらない定格動作。ブーストクロックは2コア以下の動作時に上がるクロック。1コアではなく2コア以下なので結構そのクロックに行くことは多い。冷却力に余裕があればXFRで更に100MHz+される。CPU-Zを見る限り確かに3.9GHzで動いていた。
●3.6GHz動作 Vcore:1.250V指定
CPU-Z single 417
CPU-Z multi 4354
CINEBENCH 1594cb
CINEBENCH消費電力 260W
全コア固定3.6GHz動作。オーバークロックではあるのだが、ブーストクロックよりは下がる。その影響かむしろCPU-Zのシングルスレッドスコアは低下。一方CINEBENCHは全コア動作時のクロックが上がった事でスコアアップ。消費電力は変化無し。この設定で実用する意味は無さそうだが、定格時のブースト動作がわかりやすい。
●3.8GHz動作 Vcore:1.275V指定
CPU-Z single 440
CPU-Z multi 4790
CINEBENCH 1689cb
CINEBENCH消費電力 265W
ブーストクロックと同等の3.8GHzで全コア動作。ここまでは電圧Autoでも動作した(但し指定のほうが低電圧になるのでそちらで)。今度はきっちりスコアが総じてアップ。同じ3.8GHzなのでシングルスコアは定格と同じになるかと思ったが上がっている。
電圧・消費電力共に定格動作と大差なく、体感速度もアップしてキビキビ動いてくれるので恐らくこの個体の一番おいしいトコ。CPUクーラーの回転数は上がりやすくなるが、12cmサイドフローで全然間に合う。
●3.9GHz動作 Vcore:1.300V指定
CPU-Z single 454
CPU-Z multi 4870
CINEBENCH 1712cb
CINEBENCH消費電力 283W
XFRと同じクロック。3.8GHzから100MHz上げるのに消費電力の上り幅が大きくなりCPUクーラーは唸りやすくなるが冷却自体は間に合っている。安全に実用するならこの辺りが限度の個体か。
●4.0GHz動作 Vcore:1.325V指定 / LLC Level2 (CPUZ表示最大1.385)
CPU-Z single 462
CPU-Z multi 4990
CINEBENCH 1765cb
CINEBENCH消費電力 321W
ここまでくるとLLCの設定も必要で、負荷中の電圧は安全圏内の1.35Vを超える&発熱も大きくCPUクーラーがよくうなるので常用は厳しい。しかしそのスコアはかなりパワフル。
より耐性があるであろう1800X等の当たり個体では常用動作の報告もあるクロックなのでそれらを引けばかなり楽しそう。
3.8GHzはもちろん3.9GHzの1.3V指定でもシングルファンの12cmサイドフロークーラーで十分冷却できるので、発熱に関してもコンシューマ向けとして扱いやすい範囲に収まっている。
8C16Tということを考えれば扱いやすい
上記オーバークロックの所で既に数値が出ているが、定格でのCPU負荷時が260W…OCしても3.8GHzなら微増の265W。そしてidle消費は65Wほどとなっている(OC時もidle消費は変化がなかった)。構成の割にはidleが高く見えるが、恐らくこれは使用したマザーの関係。
MSI X370 GAMING M7 ACKは上位モデルなので拡張カード型の無線LAN、多数のオンボード機能やLED、そして13フェーズの電源部を持つ。同じプラットフォームでも上位マザー程消費が増える傾向にあるのでより低い数値を出すマザーは多いはず。
また、同じような条件(SSD1台のみ、メモリ4枚、グラボGT710、電源380Wスタンダート電源)でとった他CPUの消費電力を。
RYZEN7 1700X(MSI X370 M7) idle 63W / OCCT CPU 258W
Core i7 5960X(ASUS X99A-II) idle 71W / OCCT CPU 330W
Core i7 6950X(ASUS X99A-II) idle 71W / OCCT CPU 296W
FX-8350 (ASUS CosshairV F) idle 82W / OCCT CPU 307W
i7 6950Xとの発売時期・コア数の差を考えれば順当に進化しているので猶更価格の安さが光る。5960Xに対しては明確に消費電力が低いし、AMD旧型のFX 8350に対してのワットパフォーマンスはもはや別物。「価格は安いが性能イマイチ高消費高発熱」というAMDはもういない。
お絵かきに適したRYZENってどれくらい?
突然だけどやりたかったのがマンガ・イラスト製作ソフトとして使用者が多いClipStudio(以下クリスタ)の動作。お絵描きソフトといえば長年Photoshop(以下フォトショ)が多かった…というか自分はフォトショ使いなのだが、フォトショは画像編集用のソフトなので「お絵かき用」としてみると弱点も多々ある。
その点クリスタはマンガ制作ソフトとして人気を誇ったComicstudioの後継かつカラーイラストの制作も機能も統合したソフトなので最初からお絵かき向け。設計が古いソフトも多い世界だがクリスタは64bit対応等積極的に開発が進んでいるし、ダウンロード版が5000円という廉価さもありユーザーも多いのだ。
別にめちゃくちゃ重いソフトというわけでもないのだけど、リアルタイムでの線画補正、カンバス回転、快適に使うにはそこそこの性能がいるように感じる。
RYZENシリーズはインテル勢に負けない安定した性能をたたき出しつつコスパに優れている。そこでRYZEN7 1700Xのコア数をBIOSで殺して疑似的に下位モデルに近い状態にしてみようという訳。
本来はオーバークロックの記録を狙うためのコア数制限なのだろうが、性能を試すのに都合がいい。もし下位モデル相当の性能でも十分ならお絵描きの強い味方になってくれるはず。
しかし具体的なベンチがあるわけでもないのであくまで自分の体感とタスクマネージャーとのにらめっこというファジーなテスト方法であることはご了承いただきたい。またOC扱いでクロックをいじるのでブーストの類はなく固定倍率動作となる。
またグラボはボトルネックにならないようにGeForce 1060 6GBに変更してテスト。
●8C16T Ryzen7 1700X定格
まあいきなりオチを言うとクリスタはほぼ1スレッドしか使わない。もういきなり台無しじゃねえか。どうすんだこれ。ぼかしフィルタも1スレッドだよ。
解像度600dpiのB5ファイル(縦幅6000px以上!)をいじくったときのタスクマネージャ。過去に出した同人誌の1冊から最もレイヤー数が多く重いページを選んできたのだが、特にモタつきはないし、基本的に1コアに負荷が集中する。
手振れ補正の値を大きく上げると遅延が発生するのだが、これはそもそも描画を遅らせてその間を補完するような動きなのでCPU性能とは関係ない(6950Xでも同じだった)複雑な形状のブラシや、フィルタにもたつきを感じるのだが、それでもタスクマネージャは1スレッド動作でやはり6950X機と大差ない使用感。
仕方ないのでデュアルモニタ接続をして、スカイプをしつつ動画を流しつつブラウザで資料用の画像を開くというながら作業モード。このファイルも600dpiのB5ファイルなので縦幅6000px以上という大サイズ。もうこいつ生かせるのってリアルタイムでキャプチャソフト開いてエンコしつつ配信するとかそういうレベルだ。
●6C12T 3.6GHz Ryzen5 1600Xのブースト無相当
クロックは同等まで上がる6コア設定。正直8C16T時と使用感に差はない。
スカイプ・ブラウザ・ツイッター・動画再生の多重動作でも8C16T状態との差はほとんど感じない。 どうしようこれってくらい変化を感じないどうしよう。やはり2コア分くらい余ってたか…
●4C8T 3.2GHz Ryzen5 1400のブースト無相当
あまりに6C12Tモードに変化が見られなかったので4C8T最下位となる1400を意識した3.2GHzダウンクロックの4C8Tモード。さすがにここにくるとながら作業には影響がでてきて線画補正にひっかかりがでたりファイルの展開が少し遅くなったりする。むしろこれ下げたクロックが原因だろうか?
とはいえ最初からこれならあまり不満は感じなかった程度。ながら作業で露骨に重くなるわけでもなく、比べてみて気づく感じだった。
●4C4T 3.5GHz Ryzen3 1300Xのブースト無相当
今度はRYZEN3を意識。動作コア数は4コアとそのままだが、Simultaneous Multi-Threadingを無効にした4C4T。またクロックの影響を確認したかったので1300Xを想定した3.5GHz動作。
ながら作業で僅かにひっかかりを感じるのは変わらずだが、面白いことにクロックのせいか線画補正や水彩での色合成が3.2GHz4C8Tより速く感じる。やはりクロックか?1300X相当でも上位モデルとそん色ない作業環境が得られそうだ。
●2C2T 4.0GHz Ryzen…そんなモデルはない
ひょっとしてクロックを上げれば2C2Tでも快適なんじゃないか?そんな気がしてやってみたがそんなことはなかったぜ。
Eight-Core Processorの文字が泣きそうな2グラフ表示。さすがに最近のPCはクリーンな状態でもバックグラウンドで色々動くので、常時2コアで何かが動いている。
なので1スレッドしか使ってなさそうなクリスタもさすがにもっさり気味。これまでの段階はある程度の時間使っていたがさすがにこのパターンは使用感が悪くすぐ戻した。
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クリスタのみを考えれば1スレッドの性能が高ければ良い。作業PCでは作業しかしないぜ!という場合は4C4T高クロックの1300Xがねらい目か。RYZENのいいところはRYZEN3のようなエントリーモデルでもOCできるということなので、予想以上の戦闘力を見せてくれるかもしれない。
一方デュアルディスプレイを使ってながら作業や、別ソフトによる同時使用編集をするなら6C12TのRYZEN5以上を狙うとより快適か。ただここに書いた以外の設定もざっと触った感じクリスタ本体はクロックが高いほうがよさそうなので予算と相談してみよう。
そして8C16Tの1700Xはながら作業ですら持て余す余裕っぷり。自分がCore2Duoを使っていた頃はお絵描き用PCとゲーム用PCを別にして、お絵描き中にゲームの露店放置なんてやっていた記憶があるがなんかもうまとめて1台でどっかんとやれるパワー。
また同じようにPhotoshopもいくつかのパターンで使ってみた
基本的な傾向は同じ。フィルタ等マルチスレッドに対応した機能も結構あるのでそれらは8C16Tが圧倒的に有利だが、ブラシや選択範囲、パス等基本的な機能は4C4T以上あれば十分快適に使える。ただクリスタよりは全体的に重くスレッドを積極的に使う傾向がある&昨今追加された高度な処理はマルチスレッド対応のものが増えると予想されるので余裕を考えればRYZEN5シリーズ以上が欲しいところ。
【CPUと関係ないけどお絵描きソフトにおけるメモリについて】
昔から言われているがお絵描きPCといったらメモリ容量。今回は16GBでクリスタ単体・1ファイル編集なら全く問題なかったが、複数ファイルの同時編集、他画像編集ソフトとの同時起動、ながら作業時のブラウザ大量起動などを考えると32GBを検討したほうがいい。特にRYZEN7クラスでどっかんどっかん複数のソフトを使うなら猶更だ。
【CPUと関係ないけどお絵描きソフトにおけるグラボについて】
フォトショ・クリスタ双方に言えることだが、そこそこの性能を持つグラフィックボードが必要。意外かもしれないが現状3D機能等を除いた純粋な2D編集においてはフォトショよりクリスタのほうがGPUを使う。どうせ2Dしか使わないからいいやとGeForce GT710等の画面がうつるだけグラボを使うと、特にカンバスの回転やスクロールへの影響が大きい。今回のテストではボトルネックになるのを恐れて念のためGeForce GTX1060(6GB)を使ったが、Radeon RX460(2GB)でも十分な効果がある。そう考えると高性能な内蔵GPUを持ち、4C4Tで3.5~3.7GHzの動作をするというRYZEN3 2200G(コレ書いてる時点で未発売)がお絵描き用にベストなんじゃないかという予想もできる?
8コアの余裕が手の届きやすい位置にきた
というわけでちょっと前のハイエンドプラットフォーム級の性能を手の届く価格で実現してくれるステキなCPU(そしてマザーも安い)。8C16T相応に余裕は見ておく必要があるが一般的な電源ユニット&クーラーで十分な消費電力と発熱。そしてシングルスレッド動作でもモタつき感はなくしっかりブーストクロックで動作する…と、とにかく「扱いやすい」8C16T。
今回はATXマシンだがMicroATXやITXのマザーを使ってコンパクトなマシンも狙える。
ここまでくるとX299やX390を選ぶ理由は8C16Tですら足りないガチガチのメニーコア動作狙いか、メモリ8枚挿しによる作業環境、帯域を生かした拡張カード・高速ストレージの使用が必要とされるシーンだろう。
8C16Tの余裕は魅力的。ちょっとやそっとの負荷ではビクともしない。一方そこまでコア数を使わない環境ならRYZEN5やRYZEN3まで下げて、その予算を他の部分に回す事ができる。とはいえ極端な価格差があるわけではないので後で「やっぱりいっぱいソフト動かしたい!」「動画編集したい!」となったときの先行投資と思ってもいい。X99環境は気軽におすすめできなかったがこちらは気軽におすすめできる!
…せっかくCPUがこれだけ面白くなってきたのにGPUが高すぎっつーか売ってないレベルなのどうにかなりませんかねー(マイニングブーム真っ最中の2018年2月)。RYZENの内蔵GPU無しというのが現段階では不利。内蔵GPU搭載のRYZEN2000系がコスパ重視の本命になるのかな?
あ、本題と関係ないですけど一応今回RYZEN機で描いた美星 藍おいときますね。
動作確認しながらざっくりですが。というか自分普段はフォトショメインなんでクリスタでの塗りはまだ勝手がつかめない。あとなんでRYZENのキャラ(名称不明)じゃないんだってとこなんですが…
同じようにかじじさんがクリスタ試しててそちらでRYZENのキャラ(名称不明)既に描いてらっしゃったもんで、しっかもすごく可愛かったもんで、同じキャラ描く度胸なくて使ったマザー(MSI)の美星 藍にしました。美星 藍すきなの。
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