安価な8TB CMR HDDとして人気を博していたWestern Digital WD Blue、WD80EAZZでしたが、そのキャッシュ増量等のマイナーチェンジが施されたWD80EAAZが追加されました。
当然改良されているWD80EAAZの方が実売価格は高めなのですが、先週末4月5日~7日にかけてWestern Digitalのメーカー側の施策として一部製品が通常価格よりは値下げされて販売されました。
中でも目玉という扱いだったのが、WD80EAAZの特価販売でした。大手PCパーツショップや家電量販店では16,580円という価格で販売されていたのです。もっとも、ヨドバシカメラのようにポイント還元が大きい販売店では、この価格に還元ポイント分が上乗せされた価格もみられましたが…。
WD80EAZZはこの時期17,000円を超える程度で販売されていましたので、この3日間に限って改良モデルの方が安く販売されていたわけです。そうなると試しに使うには丁度良いということで、取り敢えず1台購入してみました。
外箱はWD Blue共通仕様のもので、これだけでは中身は特定できません。
ラベルに「WD80EAAZ」「キャッシュ256MB」と記載されていることでWD80EAAZと特定することが出来ます。
取り扱い国内代理店はテックウインドでした。Western Digitalは複数日本国内の代理店が存在していますので購入店によっては他の代理店のものもあったはずです。PCパーツショップに卸している代理店だけでも、私が知っているだけでもテックウインドの他にCFD販売、アイティーシー、フィールドレイクなどがありますので…。
外観上は従来のWD80EAZZとの差は、ラベル記載の文字以外に見つけられません。昔のHDDであれば基板上にキャッシュメモリーのDRAMが実装されていたのですが、今は内側に実装されていて見えませんからね…。
キャッシュ増量以外にもはっきりと性能向上
SATA接続ですぐにテストできる環境が今はありませんので、メインPCに接続されている外付けHDDケース、Logitec LGB-4BNHEU3の空きスロットに装着してみます。
LGB-4BNHEU3に装着するために、アダプターを装着します。
まずはCrystal Disk Infoで情報を確認してみましょう。
回転数が5,640rpmという辺りはWD80EAZZと同様です。ただ、WD Blue HDDシリーズデータシートで確認してみると、WD80EAZZとWD80EAAZの間には結構大きな違いがあります。
まず最大転送速度がWD80EAAZは215MB/sですが、WD80EAZZは185MB/sです。実際の所WD80EAZZも実測すると200MB/sを超えていましたのでそこまで遅いという印象はありませんでしたが…。
そしてより大きな違いは消費電力です。リード・ライト時の消費電力がWD80EAAZは5.2Wなのですが、WD80EAZZは6.2Wと2割程度多くなります。アイドル時もWD80EAAZの3.4Wに対してWD80EAZZは4.1Wと、こちらも2割程度増えます。
その一方で重量はWD80EAAZが1.58kgですが、WD80EAZZは1.65kgとWD80EAAZの方が軽量化されています。これらから判断する限りでは、WD80EAAZの方がプラッターが軽量化された可能性が高そうです。キャッシュ増量以外にもはっきりとした違いがあり、別物であることを示しています。
▲Crystal Disk Mark 8.0.2 (USB接続)
Crystal Disk Mark 8.0.2では公称値の215MB/sを大幅に超える値を叩き出しています。なお、同じPCにWD80EAZZをUSB接続した際の値は以下のレビュー内に掲載していますが、やはりWD80EAZZよりも性能面でもはっきりと向上しています。
シーケンシャルも1割程度向上しているのですが、注目するべきはランダム4Kの値で、WD80EAZZどころか他社製の7,200rpmの大抵のモデルよりも優秀なのです。今までのWD80EAZZは容量の割に安いCMR HDDという以外に売りは無かったのですが、WD80EAAZは実効速度でも選択する意味を持つだけの結果を示してくれました。
正直言ってここまで改良されているとは思わず、良い意味で予想を裏切られました。WD80EAZZに代わってこのジャンルの定番となり得る出来といえるでしょう。
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購入金額
16,580円
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購入日
2024年04月07日
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購入場所
パソコン工房
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