私が一定の頻度で車に乗るようになって、約15年経過しました。
当初はトヨタ・クレスタ GX90で、これは元々が格安中古車で、タイヤも格安(オートバックスのPBなど)品を使い続けていました。まあ、この車は私の都合で使えるものでは無かったので、自分でタイヤを買っていたわけではないのですが。
そして、自分用として使える車としては、2000年式のトヨタ・プログレを導入して、それ以降は自分がタイヤを買うようになったため、ある程度はこだわって選ぶようになりました。
元々購入時点でYOKOHAMA DNA map(何故かミニバン用タイヤ)が装着されていて、これは表面にひび割れが出てきた辺りで入れ替えることになりました。そのときは店頭処分品のBRIDGESTONE ECOPIA EP100Sを買い、ここで初めてエコタイヤを経験したわけです。
このタイヤは初期の「AAA」タイヤであり、良くも悪くもエコタイヤという特性でした。BRIDGESTONE製だけあり、最後の方で溝が消えかかるまでは割合安定した使い心地を保っていました。
EP100Sを使い切った後に購入したのは、MICHELIN PRIMACY 3STでした。
EP100Sと比べるとコンフォート性能が高く、走行性能もまずまずといったところでバランスの良いタイヤでした。EP100Sと比べれば燃費は若干落ちたと思うのですが、リッター6~8Kmの車で2~3%変化したところでそれほど実感はありませんでした。このタイヤも満足度はかなり高く、購入価格も安かったので非常に好印象が残っています。
このタイヤの次に購入したのは、DUNLOP LE MANS V LM705です。ただ、このタイヤは装着後ほんの2000Km程度使ったところで車が入れ替えになってしまいます。さすがに勿体なかったので、車の購入時の条件として、このタイヤを新たに購入した車に移設するという形にして、現在の車にも使い続けたわけですが。
このタイヤは色々とありました。まずは、近隣住民の嫌がらせで大穴を開けられ、その時点での後輪2本だけを入れ替える羽目になったということがあります。
そしてその前辺りから気になっていたのですが、新品当時は良かったはずのウエット性能が、ある時期を境に著しく悪化していました。特に顕著だったのが高速道路の料金所で、そういった場所で使われているコンクリート舗装の上でアクセルを踏むと、ごく普通のアクセル開度でも車の姿勢が大きく乱れるほど滑るようになってしまいました。この経験があったため、今回のタイヤ選択ではダンロップファルケンおよび、その製造ラインで作られているメーカーの製品を外して選ぶことにしました。
候補として考えていたのは、今回購入したMICHELIN PRIMACY 4以外には、BRIDGESTONE PlayZ PX、YOKOHAMA BluEarth-GT、YOKOHAMA DNA dB V552(処分特価が出ていたので)辺りでしたが、これまでの使用歴から、終始バランス良く安定感があったPRIMACY 3STの直系後継モデルであるPRIMACY 4という形になりました。
価格については、ネット系の販売店などを駆使すればもう少し安く出来たはずですが、今回はパンク保証を付けたかったということもあり、素直にごく普通のカーショップで購入したため、それほど安いというものではありません。それでも交渉だけで4本計1.5万以上安くなったのですから、ダメ元でもしてみるものですね。
LE MANS Vとは別ベクトルの静かさ
まずはタイヤの外観から。
一世代だけの違いではあるのですが、PRIMACY 3STとは結構デザインが違いますね。
とはいえ、製造工場はPRIMACY 3STと同じタイ工場ですし、タイヤとしての性能や方向性はやはり直系の後継モデルであることを示しています。
195/65R15 91Vということで、以前のPRIMACY 3STと荷重性能や速度記号は特に変わっていません。ただ、転がり抵抗A、ウエットグリップAということで、ウエットグリップがCだったPRIMACY 3STよりもグリップ性能は大きく進化しています。
実はPRIMACY 3にも、3無印と3ST(Silent Tuneの略らしいです)とがあった(日本ミシュランは同一サイズではどちらか一方だけを取り扱って、同じPRIMACY 3としていた)のですが、PRIMACY 4でも同様の構成となっているといわれています。このPRIMACY 4は一応無印ですが、タイ工場製であることなど、どちらかというとST寄りの性格なのではないかと思われます。
溝の切り方などは、何となくですが歴代PRIMACYに共通するイメージがあるように思えます。接地面を見るとそういう印象を受けました。
パフォーマンス表記がここにまとまっています。ここでの性能表記は米国の運輸局による性能指標である「統一タイヤ品質等級基準」に沿っているもので、
・TREADWARE(耐摩耗性能)
・TRACTION(牽引力・実質的にはウエットグリップ)
・TEMPERATURE(耐熱・放熱性能)
をそれぞれ表しているものです。TREADWAREの340はコンフォートタイヤとしては割合優秀な耐摩耗性能、TRACTIONのAはAA、A、B、Cの上から2番目でありまずまず、TEMPERATUREのAはA、B、Cの3段階の最高ランクで優秀な結果ということを、それぞれ表しています。
「1620」という数字が見えますが、これはどうやらPC関連でおなじみの製造日を表す表記のようです。すなわち2020年の16週製造分ということになるのだと思われます。
さて、まだ交換してから200km程度しか走っていないのでファーストインプレッションということになるわけですが、運転感覚そのものはやはり以前のPRIMACY 3STに近いものです。ただ、より操舵感は軽くなったように思います。
直前に履いていたLE MANS Vは特殊吸音スポンジによる高静粛性がセールスポイントでしたが、PRIMACY 4はそのような細工によるものでは無く、構造的な静かさがあるように思います。LE MANS Vの静かさは特定の周波数の音が綺麗さっぱりなくなって耳障りな部分を感じさせないというものでしたが、PRIMACY 4の静かさは路面の荒れなどによる騒音は出るものの、路面コンディションさえよければすべての音量が小さいのです。
LE MANS Vで気になっていたグリップですが、実際に試してみた限りでは今まではアクセルを普通に踏み込んだだけで簡単に姿勢が乱れていた場所でも、ごく普通に進むようになってくれましたので、間違いなく改善されているものと思います。
後は長期間使った後の性能低下幅ですが、こればかりは実際に使ってみなければ結論は出ません。しかし、少なくとも現時点での満足度は十分に高い製品であると思います。
摩耗は過去使った中では最も早い
先月ディーラーにて12ヶ月点検を受けたところ、次の6ヶ月点検のタイミングまでにタイヤの入れ替えが必要と思われる程度に減っているという指摘を受けました。
このタイヤを装着してから現時点までの走行距離はまだ2万Km弱であり、過去に使った同クラス(Primacy 3ST、LE MANS V LM705)と比較しても明らかに減りは早くなっていると思います。
ただ、LE MANS Vは1万Km辺りからウエットグリップが極端に悪くなりましたし、Primacy 3STも交換直前は随分滑るようになった感覚があったのですが、PRIMACY 4では摩耗を指摘されている現時点においてもグリップが目立って落ちている感覚は無く、高速道路の料金所周辺のようなコンクリート舗装の路面で、ウェットコンディションであってもごく普通にアクセルを踏むことが出来ています。
PRIMACY 4は現時点においてもコンフォートタイヤとしては最高レベルのウェット性能を誇ると評されていますが、その性能が交換直前まで高い水準で維持されているというのは評価に値するのではないでしょうか。
出来れば2.5万Km程度は使いたかったところですが、約2万Km安定した性能を保ち続けているということになりますから、単純な寿命でいえば短め、実用寿命では標準的といって良いのではないかと思います。
寿命はやや短いが、最後まで性能が保たれる
現在まで装着から約2年4ヶ月、走行距離2万Km少々というところですが、いよいよ交換しなければいけないタイミングとなりつつあります。
FRの車なのにリアの方がやや溝が残っていますが、これは先月にローテーションしているためです。フロント側の残量ではさすがに年内が限界でしょう。
しかし、ここまで摩耗してもウェットグリップ性能はこれまでに使った他のタイヤと比較してもまだ上回っているほどに保たれています。現行製品で最高レベルのウェット性能という評判はあながち間違っていなさそうです。
静粛性や快適性、走行性能だけで判断すれば他に優れたタイヤはあると思いますが、ウェット時の安全性で判断すれば今なお最高水準のタイヤと評して良いでしょう。年内か年明け早々にはタイヤ交換をする予定にしていますが、他にピンとくるものが無ければもう一度このタイヤを選ぼうかと考えています。乗り心地や経済性も大事ではありますが、やはり安全性が確保された上でのことだと思いますので。
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購入金額
53,000円
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購入日
2020年07月12日
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購入場所
オートウェーブ
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