ライカが開発、製造したAPS-Cミラーレス一眼の異端児。
初代Tが出たことも、上にフルサイズのSLがあることも「知って」はいたが、どうせライカ独自マウントであるLマウントなんて純正レンズしか出ないし、広角を考えても望遠を考えてもレンズが揃わないだろうと考え、買うつもりで見たことなどなかった。しかし、フォトキナでシグマとパナがLマウントに参画すると聞いて食指が動いた。
近々にパナのS1Rを導入予定で、サブカメラ的に使うためにTL2を「とりあえず」購入してみたが、今までのメインシステムであるEOSやサブシステムのMFTと感覚的にかなり違うため、色々と学びがあった。
なお、使用しているレンズは純正のELMARIT TL 2.8/18mm ASPH. ならびにAPO-MACRO-ELMARIT TL 2.8/60mm ASPH.の2本。
AME60ASPH.は銀座のライカショップの店員さんに、一本オススメするならどのレンズですか?と聞いたところ、コレと言われたので。
レンズが揃っていないので…
APS-C向けのレンズに限れば、ズームレンズが3本で換算17-200mmの範囲しかカバーできていない。フルサイズ向けを入れても300mm相当までで、スポーツ撮影などを考えると、少し厳しい感じがある。
また、メーカーの特性(とレンズの質)を考えて単焦点に絞ると、換算で28、35、50、90マクロと言ったラインナップで(つまりそもそもAPS-C用レンズは7種類しかないのだが)とてもじゃないがなんでも来い!というラインナップとは言えない。
とはいえ、連射性能はメカニカルで7枚/秒、電子シャッターで20枚/秒と十二分に高速で、ISOは50,000まで対応、4K動画も撮影可能な2,400万画素と、十二分に近代的なデジタルカメラでもあり、特に広角や望遠が欲しくなる場面以外では困ることがない。
(ただし、実際の撮影で12、14mmの広角を使用することがある身としては十分とは言えないが、APS-Cというフォーマットも考慮すると致し方ないと考える)
さらに言えば、サードパーティー性のオプションなどもあまり用意されておらず、画面はチルトしないなど、細かいところで言えば他社の方が優れたところはたくさんあるが、実際に撮影に入ってしまえば、きちんと没入できる(今までファインダーレスでこの感覚は持てなかったのだが)カメラでよくできていると感じる。
割り切りがとても出来たカメラ
かなり尖ったカメラで、本体にファインダーは存在しない。
そのため、画面で見る情報だけが頼りだが(そして、この画面は悪くはないのだが)、マクロレンズ使用時など、中々に体勢が定まらない。
外付けのEVFも用意されているため試してみたが、このEVFの出来が良いとはお世辞にも言えず(ライカCLと同等とのことではある)、ライカSLのEVFを覗いた後で覗くとげっそりするレベル。パナS1RのEVFを覗いた直後だと卒倒するかもしれない。
よって、背面液晶のみで撮影するスタイルとなるわけだが、そういう意味(操作性という観点で)ではスマホ撮影の延長線上にあると言っても良い。現にタッチリリースまで搭載されているので、ピントを合わせたい所にピッと触れれば、そこにピントが合った後にパシャっとシャッターが切れる。
その機能を使用するかどうかはともかくとして、慣れてくれば意外と使い勝手は良く感じてくる。
まず、このサイズ感、立ち位置のカメラにしては、比較的物理ボタン、ダイヤルへのアサインの自由度が高い。
シャッター以外の物理デバイスはシャッター近くにボタンが一つと、ダイヤルが二つ、この三つだけととてもミニマルである。
個人的にISOオートが苦手なため、ボタンにISO切替をアサインし、また、マニュアル撮影モードでしかほぼ使用しないので、左ダイヤルに絞り、右ダイヤルにシャッター速度をアサインしている。
これで、撮影に使われる主な要素は変更ができるため、実際の撮影で困ることはあまりない。
「あまり」なのは、この使い方であれば、AFモードの切り替えと連射モードの切り替えをしたい場合などは原則として、メニュー画面に入ってからの切り替えとなるためで、動物の撮影をする際には、連射とワンショットを切り替えることがあるため、煩雑に感じることがある。
とはいえ、この最低限のインタフェースの中ではとても気持ちよく撮影ができる環境と言える。
魅力の一つ
より軽い、小さいカメラは世の中にいくつもあるが、比較論ではなく実際に普段からお散歩に持ち歩けるかどうかという観点で、とても携帯性が高いと感じる。特に18mmのELMARITと組み合わせたときのお散歩性能(笑)はとても高い。
なにより、このサイズ感でこのカメラよりも白黒が綺麗に表現できるシステムは見つけられていないので、とても重宝している。なお、黒の表現に関してはSummicron-TL 23mm F2 ASPH.の方がなぜかより締まって感じた。
アルミの塊
CONTAX Tvs Digitalのチタン外装等、質感の良いデジカメは過去にもあったが、圧倒的に異なる重量感と塊感。
そこを樹脂にしてより軽く、より安く仕上げることができないはずはないのだが、持った時のずっしり感、しっかり感は群を抜けて良い。
実はこれ、レンズが(ライカというブランドの特性上)そんなに軽くできないであろうことを考えると、とても相性が良く、現状販売されているTLレンズは一通り付けさせてもらったが、どれを付けてもしっくりくる。(特に35mm、60mmとの相性は抜群に良い)
レンズに左右されるが
どの純正レンズでもある程度以上の写真に仕上がるはず。仕上がってなければお前の腕が相当に悪いんだよ。と言わんばかりのカメラ。
使いこなしてる自信は…全くない。
作例はELMARIT TL 2.8/18mm ASPH. もしくは APO-MACRO-ELMARIT TL 2.8/60mm ASPH. によるもの。
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購入金額
270,000円
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購入日
2019年03月19日
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購入場所
ライカオンラインストア
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