レビューメディア「ジグソー」

ミドルクラス鉄板級の安定性

 Ryzen デビュー当初は B350 チップセット搭載のマザーボードを使用していたが、その機能性の低さも相まって購入後 2 週間で買い換えて辿り着いたのがこの MSI X370 GAMING PRO CARBON となる。

※ 本レビュー中にオーバークロックの表記があるが、オーバークロック機能は自己責任の上で使用する必要がある。本レビューが原因で何らかの不具合や損害が生じても一切の責任は負わない物とする。

更新: 2017/12/14

X370 GAMING PRO CARBON 外観

 付属品としてはマニュアル類にケーブル類、バックプレートと一般的である。


 

 X370 GAMING PRO CARBON 本体の全景はこれ。製品名通りにカーボン調のデザインが要所にあしらわれた外観に仕上がっている。


 

 対して背面は表面実装タイプの電子部品も少なく、PCI-E ブリッジのチップが少々のっている程度でスッキリしている。また、各四辺には LED チップが実装され付属のユーティリティーで発色カスタマイズも可能だ。


 

 リア I/O は X370 チップセット搭載だけあって USB 端子も豊富。Type-C 端子も直で出ているので将来的に必要とされた場合にも対応出来るだろう。
 さらに映像出力端子も備えているから RavenRidge と言った APU が出ても対応 BIOS さえ間に合えば乗せてそのまま使うことも出来る。一部ハイエンドマザーボードでは映像出力端子を省いていることも多いだけにここはとてもありがたいポイント。


 

 Ryzen ではメモリ周りも要になってくる所だが、物理的にシールドを張ったメモリスロットを採用しており、電気的にも最適とされる構造をとっている。


 

 Socket AM4 スロット周り。VRM は10 フェーズになっており Ryzen シリーズであれば最高でも TDP95W だから十分電力供給が行える。


 

 個人的にこの VRM 2 フェーズ分の MOSFET を冷却するヒートシンクの高さを気にしていたが、基盤表面より実測で約 27mm とそう高さのある物でも無かったので、自身のケース Corsair 550D におさめつつ同 Corsair H100i をマウントしても干渉せずに取り付けることが出来た。


 

 賛否分かれる M.2 スロットの位置。VGA のヒートシンク直下に位置するので併用する場合、あまり大きなヒートシンクを付けると物理的干渉が起きる可能性が大きい。特に NVMe な SSD をマウントする事を考えている場合、その冷却方法も予め考えておく必要があるかも知れない。
 幸いというかなんというか、自身としては M.2 SSD デビューはまだなので特に問題とは思っていない。


 

 搭載されているサウンドチップは Realtek ALC1220。1 万円以下くらいのサウンドカードなら、音質向上のみを狙ったサウンドカード増設の意味を無くしてしまうくらいにスペックの高い音質を持っている。
 現状オンボードで十分な音質であると感じているので今後も増設する予定も無い。

更新: 2017/12/14
使用感

オーバークロック機能も十分

 冒頭に書いた他社 B350 搭載マザーの機能性の低さという部分にも掛かってくるポイントだが、やはり X370 搭載製品だけあってオーバークロック機能もしっかりと過不足無く搭載されている。

 特に Load Line Calibration が無くて困っていただけにその項目を見つけたときにはホッとした位だ。

 メモリ周りの手動設定項目もその全てを把握しきれない程度に全パラメータの調整が可能になっている。しかし、細かすぎて分からないポイントも多いから深く触れることまではしていない。

 

 現状、Ryzen 7 1700 を 1.2125V にて 3.7GHz 動作とし、Load Line Calibration は 3 と設定してド安定となっている。上を目指そうとすれば 3.9GHz 1.3625V までの安定動作を確認しているが、ワットパフォーマンスが悪化するので常用は考えて居ない。

 また、安定動作といっても IntelBurnTest VeryHigh 10 周完走する事を以て安定としているので、この点は参考程度に捕らえて頂ければと思う。

更新: 2017/12/14
美味しさ

流通の多い CFD W4U2400CM-8G で DDR4-2933 動作も

 単純に購入当初、予算が足りなくて良い OC メモリを買うことが出来なかったので、当時は安価であった CFD W4U2400CM-8G を今でも使用している。

 このメモリはネイティブな DDR4-2400 なので一般的な OC メモリの JEDEC プロファイルよりも少し高い。よって OC すればもう少し頑張れるのではと試したら 2933MHz 動作まであっさりいけてしまったり。(それ以上は CMOS クリアを要するレベルで動かなかったが……。)

 もちろんメモリモジュール自体の当たり外れもあるから OC 動作の保証は無い点に要注意。

更新: 2017/12/14
総評

鉄板って言っても良いのかなと

 既に半年近く経過してこのレビューを書いているが、マザーボードが原因で起きた不具合という物が皆無。

 常時オーバークロックをしたままでいるが至極安定してくれているので何ら不安も無く安心して使うことが出来ている。

 2 万円前後のミドルクラスでマザーボードを探しているのであれば是非ともオススメしたい製品だ。

  • 購入金額

    22,585円

  • 購入日

    2017年06月24日

  • 購入場所

    Amazon.co.jp

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