レビューメディア「ジグソー」

i5とi7の比べてみたら、意外な結果に・・・。

TOP GUN-REVIEWで先日Core i5 3570Kのレビューを行いました。



QSV関連と消費電力がテーマだったのですが、かなりの省電力ぶりに驚きました。それから日数が経ったある日のこと「3770Kでもやってみませんか?」とのメールが。

もちろん、やることにします。
まずは、CPUの写真。IvyBridgeのCoreシリーズの現時点の最上位機種です。

3770K
3770K


3570Kと3770Kは、基本的には、どちらもIvyBridgeのCPU。i5 3570Kは3.40GHz、6MBキャッシュのQuad Core。タイするi7 3770Kは、Quad CoreですがHyperThread搭載。3.5GHz、8MBキャッシュと、基本性能も向上しています。

どれくらいの差になるのか。結構差が出るのか、意外と差が出ないのか。

環境は、公平にする為に前回のテストの環境そのままに、CPUだけ差し替えることにしました。
参考までに使ったモノを並べてみます。







さっそく消費電力をはかってみることにします。

はかってみた結果はアイドル時で80Wくらい。
結構高い印象です。

つづいて、ゆめりあベンチをはかってみます。
消費電力は180W程度。印象が3570Kの時とだいぶ異なります。
A9ベンチをはかると、こちらは170W程度です。
あらためて比較してみると、ゆめりあベンチで10倍近い差があります。
A9ベンチも24fpsだったものが59fpsと、ほぼ頭打ち状態。
いくらなんでも、消費電力2~3倍で、性能10倍は、なにかおかしいと感じます。

ちょっと頭を冷やして考えます。
前回のレビューでは、ベンチ取りつつ消費電力を見て、その後にQSVのテストをしました。その後、CUDAと比較をしています。比較の時は当然GeForceからVGAを出しています。
今回もそのまま・・・・・。
あきらかに、GeForceの消費電力込みではかっています・・・・。

今回のレビューの趣旨の、「前回との比較」から大きく外れていることに気がつきます。
やりなおしです。

あらためて、アイドル時の消費電力をはかってみます。

3770K アイドル時
3770K アイドル時


32W。3570Kとほぼ同じです。

つづいてゆめりあベンチです。すこあは17000→18000程度。前回の6%UPといったところでしょうか。
3770K ゆめりあベンチ
3770K ゆめりあベンチ

消費電力は76→72Wと落ちています。このあたりは、測定誤差の気もしますが。

A9ベンチも計り直してみます。こちらは24→26FPSくらい。結構違います
3770K A9ベンチ
3770K A9ベンチ

消費電力は89W。前回の83Wからはも7%UPくらいです。

HyperThreadの分、もっとパフォーマンスが出るかと思いましたが、結果は同程度。考えてみれば、こちらの性能はGPUの影響が大きく、そこの部分は周波数が変わらないので、性能もそんなに差が出ないのでしょうか。A9で消費電力の差がかなりあったのが意外です。その割にパフォーマンスの差がありません。


つづいてQSV。前回と同じ設定で同サイズのMPEG2-TSをMPEG4に変換します。ソースも同じモノです。

設定は下記の通り、エンコード、デコードともにQSVを使う設定にします。
3770K MediaEdspresso設定
3770K MediaEdspresso設定

3770K QSVエンコード
3770K QSVエンコード


3770K エンコード結果
3770K エンコード結果

時間は10秒の短縮です。周波数分くらいの効果でしょうか。
消費電力は60→70W程度。短縮分より、消費電力の増加は多い感じです。

つづいてデコードをCPUに切り替えて再エンコードします。
3770K エンコード結果
3770K エンコード結果

こちらも短縮された時間は同じく10秒程度。全体の処理時間が長くなっている割に改善幅は変わりません。

消費電力は100→90Wこちらは、10%ほど消費電力が減っています。


結果としては、GPUを多用するモノに関しては、3570K→3770Kでは、あまり性能に変化はないようです。考えてみれば、GPUの箇数もクロックも変わらないので当然です。

一方でCPUの処理が多い場合は、改善効果はありそうです。それ以上にMediaPressoでの消費電力の低下の要因が気になります。HyperThreadの分だけ、CPUの電力が下がるのでしょうか?
理由は不明ですが、同じ消費電力でのCPUの処理能力にはHyperThread分の効果がありそうです。

今回、3570Kと3770Kという2つのCPUを比較することで、自分の考えていたことと少し異なる結果が得られました。簡単にまとめると下記のような感じでしょうか。

・VGAを外付けにしている場合、CPUの性能改善を期待するなら3570Kから3770Kへの交換は効果あり
・QSVや内蔵GPU性能は、あまり改善されないので、3570Kから3770Kへの交換はあまり意味がない。
・消費電力については、負荷が高い場合、ソフトウェアが対応しているなら3770Kの方が有利

今回はどちらもTDP77WのCPUだったのですが、TDP45WのCPUと比較してみると、またおもしろい結果が得られるかもしれません。こちらもチャレンジしてみたいと思います。

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