美術とエンジニアリングの感性を持ったクリエイターが作った製品で、星座図は信憑性があり、正確で、よくできている。電池しか使用せず、ストレスフリーで旅先どこにでも持っていけるコンパクトさも魅力。敢えてスコープ型にした外観も面白い。

夜のアウトドアの暗がりの中で懐中電灯を使わずに片手で星座の早見ができるという手軽さは、テクノロジー要素をできるだけ近づけたくない野外で非常にマッチしています。複雑な操作が要らず安全なので子供でも使えるという点も良いですね。

コンセプトデザインがしっかりした製品に宿る、魂の色のようなものがはっきりと見える製品で、僕も初めて手にした時はなんて美しいプロダクトなんだろうと思いました。宇宙という題材は少しズルい気もするのですが、ロマンがあり、知識も増え、地球も自然も好きになる。

ポケットサイズの製品で、子供に与えたいなと思わせるアイテムです。

メンテいらない。

分解もしやすい。

品質の割には価格設定が高め。製品に雑な部分もあり。

製品コンセプトのわりに、そこで働く工場のワーカー、経営する企業、こういったところがあまり好きになれそうにない。

海外で暮らしていた時、遠い日本を想いながら、同じ空の下に居るのだからと考えてた。

だけど実際には昼も夜も違うし、こちらの青空は向こうの夜空。

距離というのは残酷で、人が手を伸ばし指させるものでもないのだけど、星は手が届きそうな位置で瞬いてる。人類は未だ選ばれた一部しか到達できない、まだ見ぬ大陸でもあります。

家を離れ、学校や企業という箱の中から出て初めて見ることのできる「空」。

空を見ることは旅の醍醐味といっても過言ではありません。

緯度経度の違う場所で見る夜の天空にはたくさんの道しるべがあり、日時でどんどん変わっていきます。同じ地球上でも場所と時間で全部ちがう、旅先で異なる星というマップを広げて見られる。僕らは個性的で、みんな違う。人それぞれにある多様性。そんな認識ができるというのは感慨深いものがありますね。

この星座早見盤を小さな望遠鏡スタイルにしただけの製品は特に機能性はなく、だけど「この製品を作ろう」と考えた、遠い地のフランス人老夫婦の想いがあります。

ホームから離れた旅先で、移ろいゆく時間、異郷の文化。GPS が発達した現代では感じ取れない星からの「電波的なもの」を感じ取るのは、箱から出て解放されたマインドを感じます。

70の星座と42の星の名前の名前を知ることのできる Star Pocket は、星座という情報以上に多くのハートフルなアイデアや感情を沸き起こさせます。

21世紀というこの現代に、こんなレトロな羅針盤をお供に旅をするのも楽しいものです。

この広い地球で、緯度経度で、この時間、僕は満天の夜空を独占する。