今回紹介するS3 Proの主な仕様です。

撮像素子：APS-C型 スーパーCCDハニカム SRⅡ

記録メディア：xDピクチャーカード、CF/マイクロドライブ

記録画素数： 617万画素(1210万画素記録対応)

レンズマウント：Nikon Fマウント(MFレンズ使用時は露出計使用不可)

バッテリー：単三乾電池×4本

重量：約815g（バッテリー含まず）

ISO感度：100～1600

シャッタースピード：30～1/4000秒(バルブ撮影対応)

S Proシリーズの最大の特徴はNikon Fマウントを採用していることです。

こいつはNikonのフィルム機を富士フイルムが魔改造した物らしく、縦グリップ以外はNikonのD100と似た外観となっています。(D100持ってないけど)

フィルム機のF80がベースなのでファインダー内部はクロップされた感じで見やすくはないです。

Fマウントが使用可能なのでレンズの選択肢は新しいものから古いものまで非常に多いです。

・AI AF MICRO NIKKOR 60mm/F2.8D

・AI AF ZOOM NIKKOR 80-200mm/F2.8D

私はこの2本を使用しています。なんとなくDタイプレンズっていいよね。

記録メディアは今ではオーパーツとなったxDカードとCFのデュアルスロットです。

デュアルスロットでも同時記録みたいな賢いことはできません。諦めましょう。

体感ではxDを使用した時の方が書込み時間が早く感じました。

あとRAWを使うと書込みにとんでもない時間がかかるので覚悟しましょう。

私がS5 proではなくS3 Proを選んだ最大の理由が乾電池駆動であることです。

オールドデジカメでありながらバッテリー管理に全く気を使いません。ニッケル水素電池を使えば専用バッテリ機と変わらず繰り返し使えます。

ちなみにS1,S2も乾電池ですが単三電池4本とCR-123Aを2本の２種類必要になり使用するハードルが少し上がってしまいます。

さすがに古いカメラなので高感度耐性や解像度では近頃のミラーレスカメラはおろかここ数年のスマホにも遠く及びません。

ボディも非常に大きく重いくせにフルサイズセンサーでもない。今の目線で見ると"スペック面では"全く褒められる箇所はありません。

しかし、実際に使用してみると数値上の性能なんてどうでもよくなってきます。

決して見やすくはないファインダーですが、現実の光を見てイメージしながら撮る感覚は一眼レフならではの感覚です。

シャッターを切ると同時に感じる豪快なシャッターショックも"写真を撮っている"感覚にさせてくれます。

言葉で表すのは難しいのですが、使っていくうちに段々と引きずり込まれるような感じです。

FinePix S3Pro，AI AF Micro-Nikkor 60mm f/2.8D

そして撮れる絵は今時のカメラのような解像感マシマシではありませんが、富士フイルムのCCDセンサーが描く絵は色のりが良くどこか温かみを感じます。

始めは「まぁ、少し使えればいいだろう」という気持ちで買ったものが今ではとても気に入っていてメインのはずのミラーレスよりも稼働率が高くなってしまいました。

マニアックかつ古いカメラでクセもかなりありますが、他には代えられない魅力があるので末永く大切に使用していきたいと思います。 

レンズを見に行って試すときに店員さんに必ずツッコまれるのはお約束です(笑)

おまけで作例を数枚上げます。

容量の都合で圧縮してるから参考までに。

FinePix S3Pro，AI AF Micro-Nikkor 60mm f/2.8D

FinePix S3Pro，AI AF Zoom-Nikkor 80-200mm f/2.8D

本機は発売からもう20年経ちます。

今年は放置プレイ状態になっているα-7Digital(こいつも20年落ち)を使ってあげたくてS3Proの出撃頻度はやや低めになっていますが、静止画の写りは一番好みです。(動体を撮るときはさすがに使えない)

使っていて気が付いたのがこのレンズ使用すると眠い写りになりがちでNikkorを使うとCCDらしい色のりの良い写りをします。

シグマはさっぱりした写りをするレンズが多いのでS3Proとの相性は微妙かもしれません。

Nikkorの標準ズームでも探そうかな。

今年撮った作例を少し載せます。

古いかつクセの強い機材なので曇天時は暗く写ってしまいますね。

ファインダーではキレイに見えるのですが…

まだまだ当方が使いこなせていないだけなのでS3Proは悪くない！！

FinePix S3Pro，AI AF Micro-Nikkor 60mm f/2.8D

FinePix S3Pro，AI AF Micro-Nikkor 60mm f/2.8D

富士フイルムの「スーパーCCDハニカム」、当時は相当に力を入れていたようですがCMOSが普及した今ではまさにロストテクノロジーです。

単三電池駆動のおかげでバッテリーに困ることもないのでまだまだ使っていこうと思います。

2000年代だから「ガチレトロ」というには少し弱いかも…