レビューメディア「ジグソー」

低域方向が充実して少しアナログ的に

先日から続けてきたKS-Remasta製品の一斉試聴は今回のKS-Stage321EVO.Iが最後となります。まあ、今回試聴機の都合が付かずに予定していたうちの一部を聴くことが出来ませんでしたので、また近々続きを実施することになると思いますが…。

 

このKS-Stage321EVO.Iも以前試作品を聴かせていただいていて、Goldring ELITEとの組み合わせで試聴しています。その時の結果は以下でご覧いただけます。

 

 

 

 

 

 

第一世代も含めてStage3はなかなか面白い存在で、鏡面加工無し→Stage1やStage1→Stage2で比較すると、いずれも鏡面加工のグレードが高い方がオーディオ的な水準がどんどん上がっていくのですが、Stage2→Stage3に関してはHi-Fi傾向がやや薄れアナログ的な低域の厚みやまろやかさが感じられるようになるのです。試作品で聴き比べたKS-Stage221EVO.IとKS-Stage321EVO.Iの関係もやはりそのような方向の違いでした。今回は正式リリース後のKS-Stage321EVO.Iをお送りいただきましたので、その傾向に違いがあるのか注目してみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の最後になって若干巻き方をミスってしまい、これまでと比べると少々不格好な仕上がりとなってしまいました…。

 

更新: 2023/10/15
総評

ヴォーカルの厚みが感じられるように

試聴楽曲は全モデル共通で以下の3曲です。

 

 

・Together We Run / Journey (LP「FREEDOM」収録)

 

 

 

 

 

 

・Like Someone In Love / Diana Krall(LP「Turn Up The Quiet」収録)

 

 

 

 

 

 

 

 

・Born For This Moment / Chicago (LP「Born For This Moment」収録)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まずは「Together We Run」から。

 

これまで取り上げた製品では、上位グレードになるとより解像度が上がり付帯音も取れ、よりHi-Fi寄りの音になっていく傾向が見られました。

 

しかしKS-Stage321EVO.IとKS-Stage221EVO.Iを聴き比べると、KS-Stage321EVO.Iでは少々アタックの角が取れてまろやかさが出てきて、強調感が減る分やや大人しい音に感じられます。

 

しかし、音場もKS-Stage221EVO.I比で少し拡がるのですが、それ以上にその空間の密度が濃厚に感じられ、低域にもより重量感が出てきます。

 

そしてアーネル・ピネダのヴォーカルはやや声が太く感じられます。KS-Stage221EVO.Iよりも子音も強めに出ているのですが、声の主成分が充実するためKS-Stage221EVO.IIの時のように粗が目立つというほどではありません。さらにバックのコーラスの声が質感を持つようになるというのが大きな違いでしょうか。KS-Stage221EVO.IIはかなりオーディオ的に細かい音がきちんと出てきて、ハイレゾ音源を聴いているかのような細かさがあったのですが、KS-Stage321EVO.Iはそれよりはアナログらしい音といえます。

 

次に「Like Someone In Love」ですが、まずはベースの重量感がきっちりと出ていて、ヴォーカルも主成分が濃くなるため存在感が増します。少し口が大きい傾向はやはりありますが。

 

間接音は十分に豊かで、十分な広さを伴った音場であってもその空間がきちんと音で満たされます。本来高解像度のAT-OC9ML/IIであることを考えると少しゆったりまったり傾向なのかも知れませんが、結果的に組み合わせとしてはなかなか良さそうです。

 

そして「Born For This Moment」ですが、この曲ではニール・ドネルの声に大きな違いがあります。これまでのヴォーカルと比べても彼の声での差はかなり大きく、聴き比べてとKS-Stage221EVO.IIが上ずっているように感じられてしまいます。比べてしまうとKS-Stage221EVO.IやKS-Stage221EVO.IIでは彼とマイクの間に何か遮蔽物が入っている印象です。

 

この曲もベースの存在感が大きい楽曲ですので、低域の量感や重量感でStage3の製品らしい貫禄が感じられます。またシカゴのホーンセクションはKS-Stage321EVO.Iにすることで明確に存在感を増しました。低域方向が充実したことで金管楽器の音があるべきバランスで出てくるようになったということでしょう。

 

 

私自身第一世代のKS-Stage301EVO.IIは使っているのですが、第一世代のStage3はアナログらしさが出る一方で少々緩い感じがありました。しかし第二世代のStage3になって緩すぎるという感は無くなり、アナログ的な音と表現できる程度に止まっているように感じられます。

 

組み合わせるカートリッジとの相性はあると思いますが、場合によっては予想を超える魅力を持った音になる可能性を感じられます。

  • 購入金額

    38,500円

  • 購入日

    2023年10月15日

  • 購入場所

    KS-Remasta

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