M-18E , かって京都にあったSATIN(サテン)社のMCカートリッジです
色々試行錯誤されて、最後はゴムを排したアーマチュア機構やベリリウムカンチレバーで技術力を誇りましたが、CDの出現以降廃業されました 独特な機構、音質で外国でも人気を博しました
カートリッジ種別で交換針の色が白、黒、サテン文字が白、黒あるようです
レコードのカッティングマシンの構造を逆にして再生に当てはめたら一番理想的な再生ができると
いうアイディアで作ったカートリッジとカタログで言っておりました でもオリジナルマスターテープなんて聴いたことないですから真実は不明です
M-18E 楕円針、
M-18X コニック針 ,
M-18BX コニック針ベリリウムカンチレバー
の3種類がありました(丸針のM-18というのもあったとの情報もあります)
オークションでたまに観るのは18E , 18BXです
またレコード針は本体側のマグネットに付くように交換針底部に鉄片が付いています
MC型ですが針交換可能です....ですが針はもう販売されていません
追記 2021-7-10 ; 2022-3-24再修正
今回のM-18Eは楕円針ですが、接合針でした 価格から言っても仕方ないのでしょう
M-18Eは無垢ダイヤ針ですね 下画像のように楕円針で、レコード再生するとクリーニングでも取り切れないレコード溝の塵が採れます
M-18BXは無垢ダイヤですがチップは凄く小さいです ベリリウムカンチレバーですがチップは凄く小さい 最初摩耗したの?と思えたくらいでした SATIN社最後に発売したM-21にもM-18Eと同じような交換針が付いています(M-21の最廉価品)M-18Eと白黒の配色は同じですが、ヤフオクで画像を見たところチップは無垢針でした M-18E交換針はレコード溝内の塵を搔き集める能力が高くてほかの針では素通りするレコードでもM-18Eの針は凄く搔き集めるので針先のクリーニングとレコードのクリーニングが大切になります 手持ちのM-11E , M-14Eは結構大きめの無垢針が付いています M-117は普及価格帯でしたので接合針でした アルコールで清掃してたら針先が剥がれました。
下画像では楕円状針が確認できます 真上から見た状況 M-18E
40年前に作られたものですが今でも再生できるとは凄いでしょう?
技術って人間個人の技という事をこのカートリッジは示しているような。
針を外したところです 先端のほうに針を受けるアーマチュアがあります
再生音は所持してるSATINカートリッジでは一番良い音がします
音質が良いのはM-21かもしれないですね M-18BXは高音が足りない感じ
以下M-18E
高音が綺麗に再生される 中音ははっきり明瞭に再生します
低音は硬質の低音ですが、その中に柔らかさをもって再生されますね
全体的にシャープな音色で、どんと量感豊かに再生される音ではないです
一日中、長く聞いていると疲れますがキリッとした音質と言えるでしょう
で、歪が少ないですね 清聴さの中の豊かな音とでも言いましょうかね
従来のSATINカートリッジは煌びやかな高音、締まった低音という感じですが
当M-18Eは豊かな中低音が加わります 円熟味に到達した再生音でしょうか。
針部分がアーマチュアを押し下げないように針ホルダーで防止しています
交換針----鉄片になっていて本体の発電用マグネットにぴったり付きます
規 格 M―18E,M―18X,M―18BX
周波数範囲 8Hz~30KHz, 45KHz, 50KHz, 50KHz
クロストーク 35dB:1KHz 25dB, 30dB, 30dB:30KHz
インピーダンス 30Ω, 30Ω, 20Ω 50KHzまでほぼ純抵抗
負荷インピーダンス 30Ω~200Ω 50KΩでも可(負荷インピーダンスは低いほど
音質良好となるが、30Ωでは出力電圧は下記の1/2となる。)
出力電圧 2.5mV, 2.0mV, 1.5mV 50mm/sec RMS 45°
コンプライアンス 20, 20, 25(×10-6cm/dyne)
針 圧 0.5~1.5gw, 0.5~1.5gw, 0.3~1.2gw(推奨値)
針 先 0.2×0.8ミル楕円針, 0.1×2.5ミルコニック針,
自 重 9.2g 0.1×2.5ミルコニック針
●数値が二つ以上表示されているのは M―18E,M―18X,M―18BXの順序。
出力電圧がタイプで違うのはMCコイルの巻き数が増減している為ですね
●MCカートリッジですが出力電圧が高いので昇圧トランス無しでも再生可能です
------------------------------------------------------------------
種別 針 先 交換針ホルダー SATIN文字
18―NE 楕 円 針 白 黒
18―NX コニック針 黒 白
18―NBX コニック針 黒 黒
(18―BXはカンチレバーに比重1.85の超軽金属ベリリウムが使用されています。)
カートリッジ 交換針
M―18E ¥25,000 18―NE ¥10,000
M―18X ¥32,500 18―NX ¥15,000
M―18BX ¥42,000 18―NBX ¥22,000
(金額は1975年頃と思います)
周波数特性 : 8KHZ近辺から上昇しています(スポット周波数をWAVE録音再生したグラフ
ピーク部分が値になります。
スポット周波数再生画像 下-RCH , 上-LCH 15KHZ付近高域が上がる傾向にはあるようです
周波数特性だけでは音質は決められません 針、カンチレバー、コイルの材質形状、マグネット
他の条件等で音が変わります
1KHZ基準信号再生時の高調波スペクトル 3次高調波 -30db
カートリッジは周波数特性では現れない、コンプライアンス、材質の響き、カンチレバー材質、針先コイルの巻き数など諸々の要因がありかなり聞き分けるのも難しいですね
2016-may-1
F特、スペクトル画像追加、文章 加筆/削除/訂正
2019-1-16 SWEEP波形追加
PC SOUND BLASTER入力(高域ロス補正済み)
AMP:TA-E86 MM-POSITION SOFT:WAVESPECTRA
RECORD : VICTOR TRS-1007
音の切れ味は流石...寒気凛冽
切れ味抜群ですが、低音は芯のある硬めの低音の中に柔らかさが有るって感じですね M-14にも片鱗が見えますが、M-18シリーズで円熟味に到達した感じですね
音質は明瞭です、鈍重ではないです 中高音もハッキリ出ますしその中に軽快明るさもあります
私見ですが、こういうカートリッジは楽器だと思うんですよね 色々な鳴り方があり
鳴らし方があるってことでしょうか 当時(1975)の金額で25000円の定価です。
M18BXはあまり音が良くない感じはします コイルのダンパーが硬化し始まっているのか...
お金のことになるけど(こればかり)35K位しましたが、45年くらいたっているので仕方ないかな
ヤフオクで両方購入です オークションは疲れるので即落のみなので高いですね 仕方なし。
-
購入金額
0円
-
購入日
不明
-
購入場所
Youichi Saidaさん
2021/06/06
タイプ名称が分からないのでネット検索したらここに辿り着き、SATIN M-18E だったことを確認しました。
大枚叩いて更新したTechnics LP-1200GR に今取りけてあるのは Denon DL-301 で、老衰で可聴域が狭まった耳にはなかなか結構な音に聞こえているのですが "寒気凛冽" と評されている SATIN の音もぜひ聞いてみようと思っているところです。
タコシーさん
2021/06/06
書き込みありがとうございます。
SATINを含めカートリッジは最近のアナログブームで値段が上がっています
殆どヤフオクで入手するしかないと思いますが、ハイファイ堂でも時々出品されます
今の時期は1970年代に購入された高齢の方がオーディオを断捨離する方が多くなってますね
ヤフオクで出品されているSATINカートリッジは正常に動作するのがかなり少ないと思います
構造が特殊で繊細、しかも発電コイルにグリスを塗ってあるので経年変化でグリスが硬化してます そのため発電コイルが正常に動作しません 出力が歪む、電圧低いなどなど、全く音が出ないのもあります 入手時はその点を問い合わせたほうが良いと思います。
Youichi Saidaさん
2021/06/07
SATIN の音に対する好奇心が募り、昨夜視聴してみたら音は出るには出たものの歪み・割れがひどくて使用に絶えず、取り外してしまいました。
左チャネルの方はソコソコの音でしたが右チャネルの方はほとんど雑音の塊みたいでした。
Denon の昇圧トランス経由だったので原因はアンプ初段への過大入力による歪かな?、と思いましたそうではなくてグリスなんですね。
直す方法はありますか?
あるいはどこか直してもらえるところはありますか?
タコシーさん
2021/06/08
↓ 確実ではありませんが、此の方は修理を受け付けて頂けると思いますが、
ブログから連絡してみたら如何でしょうか
https://millionhit515.blog.fc2.com/blog-entry-641.html
有料になると思いますが連絡をした結果だと思いますが受け入れて貰えることを願っています
チップ(針先)取れだけはJICO社でも修理していただけるようです。
Audio_Loversさん
2021/06/17
汚れを含めて綺麗に成ったらシリコンオイル等をコイルと磁気ギャップにスポイトなどで滴下すれば元に戻ると思います。 修理屋さんも同じことをするだけです。 なお、磁性流体でも同様なダンプ効果があると思いますが、磁性体なので歪が発生するかも知れません。
磁性流体を使用しているツイーターの出力をマイクアンプにつないでスピーカーなどで音を加えて歪を測定すると磁性流体で歪むかどうか分かると思います。
誰か磁性流体つかっていないツイーターの出力と比較実験してくれませんかね。
そう云えば、私のM-15のシバタ針(交換針で購入)も四塩化炭素で洗浄していたら接着が溶けて外れてしまいました。 顕微鏡で観ながら正しい方向で取り付けて瞬間接着剤などで固定すれば良いのかな? この頃は四角柱のダイヤの無垢針なのでカンチレバーの穴も四角で4方向の一つが正解です。シバタ針は進行方向が円錐面で後ろがV字平面です。
タコシーさん
2021/06/17
かなり重要で貴重なアドバイスありがとうございます ヤフオクで入手したSATINの固着カートリッジをアルコール漬けしましたが解決しませんでした それも飽きもせず数度です M-18は10日くらい漬けおきしましたが駄目でしたね M-117のアーマチュア折れと、M-18関係の固着には殆どあきらめていました ヤフオクで出ているM-18系、M-21系は固着しているのが多いようです
手持ちのM-18E, M-18BXはまあ固着せず動作しますが、M-21は左がやや固着しています
毎日稼働というわけにはいきませんが月一くらいで再生試験はして固着を阻止しています
でも超音波洗浄機必要ですし固着済み?のカートリッジも必要となりますね
アルコールでダメなのだからどうにもならないと思い込んでいました 確かにシンナーは
危険ですからね マンションなので換気やにおいの事もあり手出しできなかったですね
マニュキア落としも考えたのですが駄目だろうと諦めの境地でした そんなわけでカートリッジは廃棄しました 今回のアドバイスで希望が出てきました コツコツやっていこうと思います。
Youichi Saidaさん
2021/06/22
SATIN M-18E の不具合について質問を出したら早速ご親切なアドバイスを下さったのに、長いことアクセスせず、ナシのツブテにしてしまい、すみませんでした。
回復は可能、ということが分かったのでとても喜んでいます。
只今は、DAC や CD プレイヤーの導入の方に頭が行っているのでそれらが一段落したらあらためて SATIN M-18E 復旧対策を行いたいと思っています。
少し遅くなると思いますが結果が出たら何らかのご報告をいたします。
どうもありがとうございました。
タコシーさん
2021/06/23
わざわざご丁寧にありがとうございます
復活するといいですね 吉報お待ちしています。