MOTU(Mark of the Unicorn)製のオーディオインターフェースを接続する独自規格である「AudioWire」は、物理的にはIEEE1394a 6pinと同一のケーブルを利用します。
その時に利用するケーブルによって、オーディオウンターフェースの音質も大きく変わるということは、以前MOTU 1296およびオーディオ用IEEE1394ケーブルのレビューで検証してきました。
入手できたケーブルの中ではFURUTECH FireBird 66 1.2mが頭一つ抜けて優秀な音質となり、約3年間このケーブルとMOTU 1296の組み合わせを使ってきました。
先日MOTU 1296をよりグレードアップするべく、後継製品であるMOTU HD192を入手しました。
AudioWireでは1枚のホストアダプターに複数のシステムを接続することが出来るため、可能であれば1296とHD192を併存させようと思っていました。ただ、物理的な制約で2台を並べておくのは困難であったため、片方をオーディオ機器の近くに置くことを考え、長めのIEEE1394ケーブルを用意する必要が出てきました。そこで以前処分特価品を見つけて買い置きしておいた、FURUTECH FireBird 66の3.6m版を引っ張り出してきて使うことにしました。
恐らく本来のFireWire接続であれば問題ない筈だが…
本当はもう少し長くても良いかと思っていた位なのですが、より長い製品は更に安価に販売されたらしく私が気付いた時点で完売していて、在庫があって最も長いこの3.6mを購入していたわけです。
ケーブルがある程度体積を増すので仕方ないのかも知れませんが、1.2m辺りの同じ製品とは外箱の立派さが全く違います。1.2mは ↓ ですからね…。
中身のケーブルは、長さ以外は見慣れたFireBird 66そのものです。
早速AudioWireのホストアダプター、PCIe-424とHD192との間の接続に使ってみたのですが…。
意外なことに、使い物にならないほどひどい結果でした。MOTU製品のConfigurationツールからHD192はきちんと見えていて、設定変更等も問題なく可能なのですが、適当に音楽を再生してみるとノイズまみれでまともな音が出てこないのです。音質以前の問題です。MOTU純正のAudioWireケーブルはこれよりも長いくらいのケーブルなのですが、音質はともかくノイズが乗ったりはしません。
最初HD192の方に異常があるのかと思い、1296で使っていた1.2mと差し替えてみると素晴らしい音がきちんと出てきます。
恐らくですが、ケーブルを引き回す際に他の機器の電源ケーブルなどのそばを通るため、ノイズ成分が飛び込んできてしまうのでしょう。或いはAudioWire規格の中身が判らないので何ともいえませんが、ケーブルの長さによる減衰に耐えられないほどシビアな通信なのかも知れません。
いずれにしても1.2mで素晴らしい音質を実現していたケーブルが、3.6mになっただけで使い物にすらならないとは予想していませんでした。当然このケーブルも正しくIEEE1394で転送する分には問題は無いのだと思いますが、AudioWireケーブルとしては不適当といわざるを得ません。
現在は暫定的にHD192を1台だけ接続しているのですが、後ほどもう1本ストックしている1.8mの同製品でも検証してみたいと思います。
今回はレビューとしての意義は微妙な結果となってしまいましたが、想定外の使い方に対する動作検証結果として公開しておく意味はあると考え、掲載させていただきました。
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購入金額
5,390円
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購入日
2021年02月04日
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購入場所
ヨドバシカメラ
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