木のぬくもりと男ゴコロを刺激するメカ的要素の同居
デザインとしてはTAGO STUDIOのファミリーで共通となる楓材のフェイスプレートと丸みを帯びたものにすることでぬくもりのある、柔らかいといったイメージになっていると思います。
その一方で内側に目を向けてみるとスモーククリアの樹脂素材になっていて、内部構造が微妙に透けて見えるメカ的な要素もあります。
また、その透けている部分に「MADE IN JAPAN T3-02」と刻印があるのもニクいですね。
筐体のサイズゆえに
T3-02ではレコーディングスタジオに着想を得た「BOX-in-BOX」構造を採用しています。
ハウジングの中にイヤホンを丸ごと取り込んだような構造になっています。
この構造の影響で筐体のサイズは大きめ。
装着方法も所謂SHURE掛けといわれる耳掛けタイプですがSHUREなどのようにぴったりはまるという感じではなく、イヤーピースとコアユニット(ハウジング内に取り込まれているイヤホン部分)の出っ張りで支える感じ。
これでもMDR-EX1000あたりと比べるとよほどフィットします。
装着はけっこうシビアでうまくフィットしていないと音質に影響するほか、すぐポロッと外れてしまいます。
イヤーピースで主に支えるようなイメージになるので付属のイヤーピースが合わない場合はもれなくイヤーピース地獄です。
僕の場合は付属のSpinfitだとMサイズで一応合いますが長時間はしんどいです。
今は音質との兼ね合いもあってJVCのSpiralDot++を装着しています。(音質の項目でも触れます)
ハマると最強になります
ヘッドホンの『T3-01』は純粋にプロユースのモニターヘッドホンとして開発されましたが、T3-02はユーザーがDAPであったりスマホであったりといった機器に接続して外で使うことを意識し、「究極のナチュラルサウンド」というコンセプトはそのままにリスニング向けにチューニングされたそうです。
そんなT3-02ですが、付属のSpinfitがどう感じるかによって評価が分かれるところです。
Spinfitがハマればその状態でもクラストップレベル~1クラス上を食うレベルといえるだけのポテンシャルはあります。
もしSpinfitがだめでもイヤーピースで思い通りになります。
いろいろ試した組み合わせ別にレビューです。
付属品Spinfit
付属品はSpinfitらしいですが市販のSpinfitに相当品があるのかといわれるとよくわかりません…
音数が少ないときは弦楽器のリアルさなどで今までメイン機になっていたMDR-EX1000より強いポイントがあるのですが現代的な音数の多い楽曲になると急に鳴らしきれなくなる感じ。
低音はあるけれど深く沈み込むわけではないし高音は曲によりけりですが刺さる曲もあります。
Spinfitの特徴として3Dクッションによって耳道のカーブにフィットするというものがありますが、この構造が悪影響してるような感じがします。
SONY ハイブリッドイヤーピース
言わずと知れた「THE イヤーピース」ですね。
SONYのイヤホンなら安いのからIER-Z1Rまでほぼ全機種といってもいいほど多くの機種に付属するイヤーピースでもあります。
軸が細くて短いので結構無理やり装着する形になります。
音としては開口も細いからなのか、高域がSpinfitと比べると減衰されている印象です。
Spinfitにあった独特の響き感(弦楽器の聞こえ方に影響を与えてそう)がなくなってあっさりした感じになります。
モニター的といえばわかりやすいでしょうか。
SONY ノイズアイソレーションイヤーピース
ノイズアイソレーションイヤーピースは後述するトリプルコンフォートの1世代前のイヤーピースです。
構造的にはハイブリッドイヤーピースをベースに傘の内側にウレタンフォームが入ってるという感じなので全体的にモニター的なのはハイブリッドイヤーピースと変わらないのですがほんの少しバランスとして低域側に行く印象。
T3-02との相性でいけばソニー同士ならハイブリッドイヤーピースに軍配です。
SONY トリプルコンフォートイヤーピース
ノイズアイソレーションイヤーピースの後継商品で構造としては小さめのシリコンタイプのイヤーピースに低反発フォーム素材を傘部分に盛った感じになっています。
見た目上はわかりにくいですが裏返してみると傘のベース部分にはシリコンが入っていることがわかります。
フォームがつぶれることを前提にできているのでサイズが大きめ。
イヤーピースが脱落しないように取り付けようと思うと傘がハウジングと干渉します。
この干渉によってほかのイヤーピースと比べて装着が浅くなるので外れやすいです。
音の方はノイズアイソレーションとハイブリッドの間くらいな感じ。
低域へシフトする方向なのはノイズアイソレーションと同じですが、中高域のフォーカスはトリプルコンフォートの方がしっかりしている印象です
AZLA SednaEarfit
SednaEarfitシリーズは全体的にほかのイヤーピースより大きいらしいのでMではなくMSを選択。
遮音が上がったからか低音がはっきり出るようになりました。
あと大きな変化としては音場が横方向に大きく広がる感じ。
後述のLightとは音の傾向、少し独特な音場感、硬さからくる装着感の違いあたりが選ぶポイントになりそうです。
AZLA SednaEarfit Light
ノーマルのSednaEarfitに比べて傘、軸が柔らかいというのが違いですがこれだけでも音に変化があります。
こちらはどちらかというと付属品のSpinfitの上位互換的な音です。
全体的な傾向としては大きく変化はさせないタイプですがSpinfitで弱点になっていた部分をうまくカバーしている印象。
低音の沈み込みをより深く、高域の刺さりを少し抑え込む。
音数が増えたときの対応力も向上しています。
自分的にはサブ的な位置づけですが、もし他人に勧めるならという視点で見ればこのSednaEarfit Lightがいいかなと思いました。
JVC SpiralDot++
SpiralDot++はT3-02のもつクリアな感じを残しながらよりリスニング方向に柔らかく聴きやすくする方向に行きます。
棘のない音でありながら細かいところまでしっかり聴けるのは不思議な感覚です。
正直万人受けという意味ではSednaEarfit Lightに分がありますが、ボーカル重視派ならSpiralDot++も試してほしいと思えるくらいです。
final TYPE E(完全ワイヤレス専用仕様)←New
finalの定番イヤーピースTYPE Eの新作で最近増えてきた完全ワイヤレスイヤホン向けに背を低くした仕様です。
それ以外にも微妙に通常のEタイプとは異なる点がありますがそれは割愛…
聴いてみた感じとしては背が低く奥まで差し込むとステムが飛び出しそうなほど(実際には1mmほど入ってます)なのが関係するのか、かなり音場が狭くなります。
全部が耳元~耳より内側で鳴ってるんじゃないかというくらいです。
普通のEタイプもそのうち試してみることにしましょう。
ePro HORN-SHAPED TIPS←New
その名の通り、軸部分がホーンのように先端に向かって広がっていく形状になっているのが特徴のイヤーピース。
SednaEarfitもホーン形状にしていますがそれよりもカーブを描いています。
音としては中高域が抜けが良くなった感じでスッキリ清涼感のある感じ。
Spinfitよりは低音も出てるので結構気持ちよく聴けます。
価格が高い(全サイズセットしか用意されていないため)のでオススメ度はSednaEarfit Lightのちょい下くらい。
いろいろ試しましたが、今はSpiralDot++をメイン使いにして、気分次第でSednaEarfit Light、ePro HORN-SHAPED TIPSを使うといった感じになっています。
全体的にT3-02には先端に向かって広がっていくホーン形状を採用しているイヤーピースが合う気がします。
finalのTYPE E(普通の)とかAZLAでもXELASTECとかいいイヤーピースはほかにもありますがまだ試せてないのでそのうち試せたらなぁと…
ダイナミック1発らしい自然なフィーリング、つながりの良さがTAGO STUDIOの目指すコンセプトとなる「究極のナチュラルサウンド」とうまくマッチしていてイヤホンで感動したのはIER-Z1Rを試聴した時以来でした。
今まではCIEMまで手を出しましたが最終的にMDR-EX1000に戻るというのを繰り返してきましたが、このT3-02は個人的にはEX1000に変わる新メイン機になると思います。
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購入金額
41,000円
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購入日
2020年07月04日
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購入場所
Edion
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